Ⅶ 都市整備:生活と産業を支える快適で質の高いまちの実現 【施策体系】 小分野 施策名 施策の柱 1 市街地整備 (1)にぎわいのある魅力 的な都心の形成 ①新たな交流拠点の形成 ②情報提供機能の充実 ③水と緑につつまれた都心の形成 ④快適な回遊空間の形成 ⑤快適で利便性の高い公共交通の形成 (2)利便性の高い市街地 の形成 ①主要な鉄道駅周辺地区等での良好な 市街地の形成と宅地の供給 (3)多様なニーズに応え る市街地定住の促進 ①既存ストックを活用した住宅・宅地の 供給促進 ②定住ニーズに対応する住宅取得支援の 推進 ③定住意欲の獲得に向けた情報発信の充実 (4)山村地域等における 生活環境の維持・確保 ①山村地域等における住宅・宅地の供給 ②山村地域等への移住促進支援 ③利便性が高くにぎわいのある地域核の 形成 2 交通 (5)憩いとうるおいをも ①市民の憩いの空間の確保 たらす空間の創出 (1)生活・産業を支える ②緑あふれる快適な住環境の形成 ①物流ネットワークの強化 道路ネットワークの ②高規格幹線道路へのアクセス性の向上 形成 ③鉄道駅へのアクセス性の向上 ④渋滞対策の推進 (2)利便性が高く持続可 能な公共交通ネット ②公共交通ネットワークの質の向上 ワークの形成 ③持続可能な公共交通の確立 (3)人と環境にやさしく 安全で快適な交通ま ちづくりの推進 3 上下水道 ①鉄道による名古屋へのアクセス機能強化 ①先進技術を活用した安全な交通まち づくり ②人と環境にやさしい交通社会の形成 (1)安全・安心な水道水 ①給水区域での効率的な水運用の実現 の安定供給の実現 (2)生活排水の適正な処 理による快適な生活 環境の実現 ①集合処理区域における適切な生活排水 処理の推進 ②個別処理区域における適切な生活排水 処理の推進 実践計画-124 にぎわいのある魅力的な都心の形成 ■めざす姿 都心ににぎわいや交流を生み出す、快適な回遊空間が形成されている。 ■まちの状態指標 指 標 名 現状値(把握年度) 都心の平日(5時~24 時)の1日当たりの歩行者通 行量(豊田市調べ) 都心における鉄道・バス利用者数(豊田市調べ) めざす 方向 78,000 人/日(2014 年度) ↑ 47,000 人/日(2014 年度) ↑ ■施策の背景 ○都心には、商業や行政等の機能が集積した都市の顔としての役割が求められることか ら、本市では、市街地再開発による整備をはじめ、中心市街地活性化基本計画に基づき 魅力的かつ利便性の高い都心形成を推進してきました。 ○しかし、滞留できる憩いの空間が少ないことやにぎわい空間の創出など多様化する市民 ニーズへの対応が不十分であること、公共交通機関の乗り継ぎが不便であることなど、 都心の快適な空間づくりにおいてはまだ十分とはいえない状況にあります。 ○また、周辺自治体では、2019 年までに大規模商業施設の出店が3件予定されており、 都心のにぎわいへの影響が懸念されます。 ○今後は、2017 年度の豊田市駅前通り北地区再開発事業の完了、ラグビーワールドカッ プ 2019 の開催、2027 年のリニア中央新幹線の開業等が予定されており、これらの機会 を生かし、持続的な都心のにぎわいにつなげていくことが求められています。 実践計画-125 ■施策の柱・主な実践計画事業 No.1 新たな交流拠点の形成 概要 都心でのにぎわいを創出するため、市街地の再開発により新たな交流拠点を整備するとと もに、豊田市駅東口における広場整備の検討を進めます。 成果 豊田市駅前通り北地区再開発事業の整備進捗率 整備を完了(2018 年度) 指標 豊田市駅東口における広場整備 (調整中) <主な計画事業> ○豊田市駅前通り北地区第一種市街地再開発事業 豊田市駅前に整備するシネマコンプレックスや商業施設等により、新たなぎわいを創出 No.2 情報提供機能の充実 概要 都心での利便性や回遊性の向上を図るため、公共交通の乗換案内や都心のイベント情報 等の情報提供を充実させます。 成果 都心内サイン再整備進捗率 (調整中) 指標 ウェルカムセンター設置 (調整中) No.3 水と緑につつまれた都心の形成 概要 環境モデル都市にふさわしい快適な都心環境を形成するため、水辺空間の利活用の 推進や緑と花が充実した景観形成を進めます。 (都)豊田市停車場線における緑化施設(樹木等)の設 成果 置 指標 (都)豊田市停車場線における花飾りの再整備箇所数 都心での民間による緑化整備面積 (調整中) (調整中) (調整中) No.4 快適な回遊空間の形成 概要 都心での回遊性を向上させるため、来街者にとって安全で快適な道路空間整備や自 転車走行環境整備等を行います。 成果 新豊田駅東口駅前広場再整備 (調整中) 指標 都心内道路(西町若宮線)再整備 (調整中) No.5 快適で利便性の高い公共交通の形成 概要 豊田市駅及び新豊田駅を中心とする交通結節点の利便性を向上するため、豊田市駅西 口へのバス乗降場の集約等の検討を進めます。 成果 バスターミナルの整備 (調整中) 指標 豊田市駅の整備 (調整中) 実践計画-126 利便性の高い市街地の形成 ■めざす姿 利便性が高く安全・安心なまちが形成され、快適な住環境を実現している ■まちの状態指標 指 標 名 現状値(把握年度) 都市計画区域内の人口(10 月1日時点) 400,199 人(2015 年度) 直近4年間の家族形成期にある世代(25 歳~39 歳)の 転出超過数の平均 1180 人/年 (2012~2015 年) めざす 方向 ↑ ↓ ■施策の背景 ○本市においては、製造業を中心とした活発な産業活動により人の流入がみられる一方 で、25 歳から 39 歳を中心とした家族形成期にある世代の転出超過が続いており、2009 年度以降人口は横ばいの状態となっています。 ○市民意識調査によれば、転居を望む市民のうち、約半数が「公共交通の不便さ」を理由 に挙げており、公共交通の利便性の高い地域での宅地供給が求められています。 ○集約型都市構造により効率的で安全性・快適性に優れた都市の実現を図りつつ、将来に わたってバランスのとれた人口構成を維持していくためには、主要な鉄道駅周辺地区等 での市による計画的な市街地整備と民間開発の誘導の両輪により、効果的・効率的に宅 地を供給していくことが必要です。 ○一方で、利便性の高い鉄道駅周辺地区等であっても、古くからの市街地では狭あいな道 路が多く、危険な地域もあることから、土地区画整理事業による市街地整備を進め、安 全な住環境を確保していくことも求められています。 実践計画-127 ■施策の柱・主な実践計画事業 No.1 主要な鉄道駅周辺地区等での良好な市街地の形成と宅地の供給 主要な鉄道駅周辺地区等における良好な宅地の供給と安全・安心な住環境を提供するた 概要 め、土地区画整理事業による一体的な市街地整備を進めます。また、民間開発の誘導に よる良好な住宅用地整備を進めます。 成果 土地区画整理事業による宅地整備面積 (調整中) 指標 市街化調整区域内地区計画の活用による 100 戸/年度 宅地の供給数 <主な計画事業> ○土地区画整理事業 宅地や公共施設の計画的な配置と整備により、住みよい良好な住環境を創出 実践計画-128 多様なニーズに応える市街地定住の促進 ■めざす姿 多様な住宅・宅地が確保・供給され、ライフスタイルに応じて選択できる。 ■まちの状態指標 指 標 名 現状値(把握年度) 都市計画区域内の人口(10 月1日時点) 直近4年間の家族形成期にある世代(25~39 歳)の転 出超過数の平均 400,199 人(2015 年) 1,180 人 (2012~2015 年度) めざす 方向 ↑ ↓ ■施策の背景 ○本市においては、製造業を中心とした活発な産業活動により人口流入がみられる一方 で、25 歳から 39 歳を中心とした家族形成期にある世代の転出超過が続いています。 ○家族形成期にある世代の本市における定住ニーズは一定程度あり、当該世代の定住を促 進するためにも、ニーズに応じた住宅・宅地の供給や取得支援を行っていく必要があり ます。加えて、市民の転出抑制や定住促進に向け、住宅の供給と併せて、より効率的・ 効果的に情報や支援を提供できる体制を構築していくことが重要です。 ○また、今後の高齢社会の進展等により、公営住宅への入居対象者は更に増加することが 想定されることから、現在の受け入れ能力を超え、住宅の確保に向けた支援が十分にで きなくなるおそれがあります。社会動向を踏まえつつ、その立地や仕組みの検討を行い、 必要に応じて整備していくことが重要です。 実践計画-129 ■施策の柱・主な実践計画事業 No.1 既存ストックを活用した住宅・宅地の供給促進 概要 成果 指標 家族形成期世代を中心とした定住希望者の受け皿となる住宅・宅地を確保するため、未利 用地等の既存ストックの活用を促進します。 既成市街地の土地利用支援戸数 (調整中) No.2 定住ニーズに対応する住宅取得支援の推進 概要 成果 指標 家族形成期世代を中心とした市民の市外への転出抑制を図るため、住宅取得や一時定住 等に関する支援を拡充します。 家族形成期世代の定住支援数 (調整中) No.3 定住意欲の獲得に向けた情報発信の充実 概要 成果 市内外の家族形成期世代の定住意欲を獲得するため、訴求効果の高いメディア、イベント 等を活用したPR等を通じて、豊田市の魅力や住みやすさの情報発信を行います。 PR冊子の配布数 20,000 冊/年度 28,000 件(2015 年度) 指標 ウェブサイト閲覧数 ⇒ 50,000 件(2020 年度) <主な計画事業> ○定住促進プロモーション事業 定住促進プロモーション「ファースト暮らすとよた」のPR冊子やウェブサイト等を活 用し、市内外の家族形成期世代へ豊田市の魅力や住みやすさのPRを実施 実践計画-130 山村地域等における生活環境の維持・確保 ■めざす姿 地域特性に応じた生活機能等の維持・確保を図り、市民が安全で安心して生活を送ってい る。 ■まちの状態指標 指 標 名 現状値(把握年度) めざす 方向 山村地域への市外からの転入者数 342 人(2015 年度) ↑ 山村地域等から市外への転出者数 1,176 人(2015 年度) ↓ ■施策の背景 ○全国的に高齢化が進み、人口は減少傾向にあります。こうした傾向は、地域における集 落機能や社会活動の低下を招き、集落の衰退が進む地域にあっては、集落自体が消滅す る可能性もあります。 ○本市の山村地域においても人口減少は進んでおり、現状のまま推移すると 2040 年には 人口が半減し、存続が危ぶまれる集落が発生する可能性があるとされています。 ○これまで山村地域の集落を維持するための定住対策を講じてきた結果、各地域において 移住者を受け入れる意識が醸成されつつあり、一定の効果を上げています。今後、さら なる移住促進を図るには、既存の取組を適宜改善するとともに、山村地域への移住希望 者の多様なニーズに応える柔軟なサポートを実施していく必要があります。 ○加えて、山村地域等での安心な暮らしのためには、一定水準の生活サービス機能の確保 が必要です。そのため、地域の中心である地域核に、地域特性に応じた生活機能等を維 持・確保していく必要があります。 実践計画-131 ■施策の柱・主な実践計画事業 No.1 山村地域等における住宅・宅地の供給 概要 山村地域等における集落機能の維持を図るため、既存の資源を有効活用した移住を促進 します。 成果 住宅用地整備数 (調整中) 指標 空き家情報バンク成約数 15 件/年 No.2 山村地域等への移住促進支援 概要 山村地域等への移住をコーディネートするため、移住希望者に対して総合的な支援を行 います。 成果 いなか暮らし総合窓口への相談件数 (調整中) 指標 住宅取得費補助件数 (調整中) No.3 利便性が高くにぎわいのある地域核の形成 安全かつ安心して利用できる行政・公共サービスの提供や、地域核の生活サービスの向 概要 上によるにぎわい創出を図るため、必要に応じて行政機能や生活機能を維持・確保しま す。 成果 指標 支所の整備・更新数 2020 年度までに1施設 <主な計画事業> ○藤岡地区地域核整備事業 公共施設やバスターミナルの整備による行政サービスの充実と公共交通の安全性・利便 性の向上を通じて、地域のにぎわいを創出 実践計画-132 憩いとうるおいをもたらす空間の創出 ■めざす姿 公園・緑地などの緑の空間がもたらす憩いとうるおいの中で、市民が快適かつ安全・安心 に暮らしている。 ■まちの状態指標 指 標 名 現状値(把握年度) 地域交流等の行事で公園利用に係る届出件数 711 件(2015 年度) めざす 方向 ↑ ■施策の背景 ○本市には、森林や矢作川をはじめとする河川などの豊かな自然、さらには身近な公園等 の多彩な緑が存在し、これらが市民の暮らしに憩いやうるおいをもたらしています。 ○公園についてみると、本市では、2016 年3月時点で 182 か所、総面積 464.31ha の都市 公園が整備されており、多くの市民に利用されています。 ○今後も身近な公園を必要に応じて整備し、だれもが安心して快適に過ごせる居住空間を 創出する必要があります。 ○また、市街化区域をはじめとする都市化が進んだ地域では緑が減少し、緑のもたらすう るおいが不足しているため、民有地などでの緑化を促進し、身近に緑と触れ合うことの できる環境づくりが必要です。 実践計画-133 ■施策の柱・主な実践計画事業 No.1 市民の憩いの空間の確保 概要 成果 指標 レクリエーションや市民の憩いの空間を確保するとともに、災害時の避難地を確保するた め、必要な公園整備を進めます。 都市公園の整備箇所数 (調整中) No.2 緑あふれる快適な住環境の形成 概要 成果 指標 住環境の向上を図るため、市民の緑化への意識を高め、日々の暮らしの中で身近に 緑と触れ合える環境づくりを促進します。 市の補助による私有地の緑地整備面積(都心を除く。) 2020 年度までに 6,000 ㎡ 市が開催する講座等への参加者の内、緑化に関する行動 をしている、または、しようと感じた者の割合 実践計画-134 2020 年度までに 70% 生活・産業を支える道路ネットワークの形成 ■めざす姿 国内外からの来訪者や企業をはじめ誰もが円滑で快適に移動し、活動している。 ■まちの状態指標 指 標 名 現状値(把握年度) インターチェンジへ 10 分以内に到達可能な主要産業 拠点の割合 インターチェンジへ 10 分以内に到達可能な人口の割 合 市内7箇所のインターチェンジの利用台数 めざす 方向 53%(2014 年度) ↑ 60%(2014 年度) ↑ 2,872 万台(2014 年度) ↑ 市民1人当たり渋滞損失時間 67 時間/年・人 ※国道、県道、市道(都市計画道路) (2014 年度) ↓ ■施策の背景 ○道路は、物流を支える重要な役割を担っています。国においては、物流の効率化に向け、 高速道路等のインターチェンジから拠点的な空港・港湾へのアクセス性の向上を図ると ともに、大型車に関する規制緩和等の検討が進められています。日本を牽引するものづ くり産業都市として、物流の効率化を促進するためには、市内の物流拠点から空港や港 湾までのアクセス性の向上が必要です。 ○本市においては、7つのインターチェンジの年間利用台数が増化傾向にあり、特に産業 拠点が集積する南部地域にある豊田南インターチェンジの利用台数の伸びが顕著にな っています。このため、大型車の交通需要が高い主要な物流路線の機能強化や更なるイ ンターチェンジへのアクセス性の向上が必要となっています。 ○一方、2027 年の東京-名古屋間のリニア中央新幹線の開業に合わせ、名古屋駅やリニア 岐阜県駅周辺では、駅への速達性を確保するための新たな道路網の計画・整備が進めら れています。この機会をとらえ、本市においてもリニア駅や空港等への定時性や速達性 を確保するため、市中心部への主要なアクセス道路の機能強化や更なるインターチェン ジへのアクセス性の向上が必要と考えます。 ○また、本市の市民1人当たりの渋滞損失時間は、全国平均を上回っており、快適な市民 生活や効率的な産業活動を実現するための渋滞対策を推進する必要があります。 ○加えて、高齢化が進み、公共交通の需要の増加が見込まれる中にあっては、鉄道駅への アクセス性の向上も必要と考えられます。 実践計画-135 ■施策の柱・主な実践計画事業 No.1 物流ネットワークの強化 概要 成果 指標 効率的な産業活動を支える基盤を整備し、物流需要が高い主要な幹線道路の機能強 化を推進します。 4年間で見込む主要な物流路線整備の進捗率 (調整中) <主な計画事業> ○内環状線(高橋細谷線)整備事業 主要産業施設等へのアクセス機能の拡充を図るとともに、市民が安全で快適に移動でき る道路環境を確保 No.2 高規格幹線道路へのアクセス性の向上 概要 広域移動に優れた都市の実現のため、インターチェンジへのアクセス性の向上を図 る道路整備を推進します。 成果 4年間で見込む主要なアクセス道路整備の進捗率 (調整中) 指標 スマートインターチェンジの整備の進捗率 (調整中) <主な計画事業> ○上郷スマートインターチェンジ整備事業 日常的な移動の利便性の向上と効率的な産業活動を実現するため、上郷SAにスマートイ ンターチェンジを整備 No.3 鉄道駅へのアクセス性の向上 概要 鉄道駅へのアクセス性が悪い地域において、鉄道駅への安全で快適な道路交通環境 を確保するアクセス道路や駅前広場整備等を進めます。 成果 4年間で見込む鉄道駅アクセス道路整備の進捗率 (調整中) 指標 駅前広場の整備箇所数 (調整中) No.4 渋滞対策の推進 概要 成果 指標 自動車での移動における円滑性や定時性の向上を実現するため、必要な渋滞対策を進め ます。 主要渋滞箇所対策箇所数 (調整中) 実践計画-136 利便性が高く持続可能な公共交通ネットワークの形成 ■めざす姿 居住地域や世代、ライフスタイル等の異なる様々な市民が、公共交通を快適に利用してい る ■まちの状態指標 指 標 名 現状値(把握年度) めざす 方向 鉄道利用者数 61,704 人/日(2014 年度) ↑ バス利用者数 13,281 人/日(2014 年度) ↑ 代表交通手段における公共交通の分担率 8.3%(鉄道、バス、タクシー) (2011 年度) ↑ ■施策の背景 ○本市の公共交通ネットワークは、名鉄三河線、名鉄豊田線、愛知環状鉄道やリニモとい った鉄道と、基幹バス・地域バスにより構成されています。鉄道の利用者数が微増傾向 にある一方で、バスについては近年の利用者数が伸び悩み、収支率が1割に満たない路 線もあり、市の負担金等により運行が支えられている状況です。 ○市民意識調査によると、公共交通利用に対する満足度は毎回極めて低い結果が続いてい ます。今後は、高齢者の運転免許返納者の増加が見込まれるなど、公共交通の重要性が 高まる中、公共交通の利便性の向上が求められています。 ○また、自家用車を利用できない市民にとっては、日常生活を送る上で、バスをはじめと した公共交通による移動手段を維持・確保していくことが重要です。今後、少子高齢化 の進展や人口構成の変化から、バス利用者の減少により運賃収入が減少する一方で、運 行に係る人件費や車両維持費等の経費の増加が見込まれ、路線の維持が難しくなること が予想されます。将来にわたって市民が安心してバス利用ができるよう、バス運行の効 率化や利用促進を通じた収入確保により、現行サービスを維持・向上していくことが求 められています。 ○加えて、本市は名古屋市と市民生活や経済面で密接な関係を有するため、鉄道による名 古屋へのアクセス性の向上が求められています。2027 年にはリニア中央新幹線の開業 が予定されており、リニア効果を確実に取り組むためにも、本市から名古屋市への移動 時間の短縮が必要と考えられます。 実践計画-137 ■施策の柱・主な実践計画事業 No.1 鉄道による名古屋とのアクセス機能強化 概要 成果 公共交通利用を増進するため、鉄道機能の充実により移動時間短縮と輸送力を向上させま す。 早期事業着手に向けた鉄道事業者との協議調整 名鉄三河線複線化事業の進捗 及び促進策の検討 指標 名鉄三河線若林駅付近の高架化事業 (調整中) に係る鉄道用地の取得進捗率 <主な計画事業> ○若林駅付近連続立体交差事業 若林駅付近の鉄道の高架化により、周辺住民の快適な移動環境を確保 No.2 公共交通ネットワークの質の向上 概要 誰もが利用しやすい快適な公共交通とするため、交通結節点や乗降場所などの施設 整備、バスの運行改善を図ります。 成果 公共交通乗降環境の改善か所数 指標 バス運行改善件数 (調整中) 2020 年度までに 40 件 No.3 持続可能な公共交通の確立 概要 成果 指標 持続可能な公共交通を確立するため、交通事業者や地域とともに利用促進策を展開 し、利用者数(運賃収入)の増加を図ります。 バス利用者数 13,699 人/日(2015 年度) ⇒ 15,000 人/日(2020 年度) 実践計画-138 人と環境にやさしく安全で快適な交通まちづくりの推進 ■めざす姿 市民が移動目的や状況に応じて環境などに配慮した最適な交通手段を選択している。 ■まちの状態指標 指 標 名 現状値(把握年度) 交通事故死傷者数(高齢者(65 歳以上)) 運輸部門(自動車)のCO2排出量 代表交通手段における自動車の分担率 めざす 方向 320 人/年(2015 年) ↓ 414,700t(2013 年度) ↓ 71.6%(2011 年度) ↓ ■施策の背景 ○本市は、先進技術の活用により、移動の質の向上と市民一人ひとりの暮らしやすさやまちの 魅力を向上させる交通まちづくりを進め、世界に誇れる「かしこい交通社会」の実現を目指 しています。 ○本市が取り組んでいるパーソナルモビリティやITSを活用した交通まちづくりに対して は、海外を含めた市外から多くの視察者が訪れており、その先進性が世界から注目されてい ます。 ○こうした先進的な取組の多くは実証実験として始められています。今後も実証実験にとどま らせることなく、市民生活への実装・普及へ発展させていくことが重要です。 ○一方、市民の交通手段に着目すると、代表交通手段における自動車の分担率が増加しており、 中京都市圏全体と比較しても本市の自動車の分担率は高く、自動車依存の傾向が強いことが 伺えます。そのため、高齢化の進展により、交通弱者の増加などが懸念されています。 ○また、市内における交通事故件数は、県内他市と比較しても多い状況が続いています。近年、 自動運転技術や通信技術等の先進技術が著しく進展しているため、これらの技術を活用した 安全で快適な移動環境を整える必要があります。 ○加えて、近年の本市の自動車によるCO2排出量は、基準年(1990 年)と比べて高水準で推 移してきており、環境負荷の大きい状態が続いています。今後は、市民一人ひとりが環境に 配慮し、公共交通へ移動手段の転換を促進する必要があります。このほか、先進技術を用い た燃料電池自動車等の次世代自動車の普及も進んでいることから、従来の自動車からの転換 を促進することも必要です。 実践計画-139 ■施策の柱・主な実践計画事業 No.1 先進技術を活用した安全な交通まちづくり 概要 人々の暮らしやすさとまちの魅力・交流を増進するため、先進技術を活用した安全 で快適な移動環境を整えます。 成果 ITS技術を活用した交通事故対策実施箇所 指標 数 (調整中) No.2 人と環境にやさしい交通社会の形成 概要 成果 指標 環境負荷軽減や渋滞緩和を図るため、目的や状況に応じた交通手段の使い分けを推 進します。 出前教室参加者数 2020 年度までに 800 人 実践計画-140 安全・安心な水道水の安定供給の実現 ■めざす姿 市民が安心して水道水を使用している。 ■まちの状態指標 指 標 めざす 名 現状値(把握年度) 水道施設の事故件数(機器故障) 148 件(2015 年度) ↓ 水道管路の事故件数(漏水・破損) 110 件(2015 年度) ↓ 方向 ■施策の背景 ○国が水道の理想像を示した「新水道ビジョン」を 2013 年に策定したことを受け、本市 においても既存計画を見直し、2015 年に「新・豊田市水道ビジョン」を策定しました。 当該ビジョンにおいて、低廉な価格で安全で良質な水道水を供給することと既存施設の 効率的な再編を掲げています。 ○現状を見ると、本市における1日の平均配水量は、2006 年度には 145,958 /日ありま したが、2014 年度は 139,616 /日に減少しました。今後も、給水人口の減少、節水機 器やペットボトル水の更なる普及、節水意識の向上による市民1人当たりの水道使用量 の減少が見込まれ、将来の水道料金収入の減少が懸念されています。 ○また、本市では、2007 年に簡易水道事業統合計画を策定し、1市1水道事業を目指し て上水道と簡易水道の統廃合を進めてきました。今後、維持管理コストの増大が懸念さ れ、水需要の減少による水道料金収入の減少も見込まれているため、引き続き効率的な 水供給体制の整備を進める必要があります。また、水源の水質変動による影響を受けず、 安全な水供給を安定的に実施できる体制を整えていく必要もあります。 実践計画-141 ■施策の柱・主な実践計画事業 No.1 給水区域内での効率的な水運用の実現 概要 ライフサイクルコスト*を抑えつつ、地域における効率的で安定的な水供給を確保す るため、施設再編をはじめとした水供給体制の整備を進めます。 浄水施設利用率 65%(2015 年度) ※利用率=(1日平均給水量/1日給水能力)×100 成果 指標 ⇒ 75%(2020 年度) 8か所(2015 年度) 統廃合した浄水施設の数 ⇒ 6か所(2020 年度) 18 か所(2015 年度) 統廃合した配水池の数 ⇒ 14 か所(2020 年度) 用語解説 ※ ライフサイクルコスト:施設の企画・設計から建設、維持、管理、解体、廃棄までの総コスト 実践計画-142 生活排水の適正な処理による快適な生活環境の実現 ■めざす姿 家庭等から排出される汚水が適正に処理され、快適な生活環境が保たれている ■まちの状態指標 指 標 名 現状値(把握年度) めざす 方向 汚水処理人口普及率 87%(2015 年度) ↑ 不適切な汚水処理に係る苦情件数 36 件(2015 年度) ↓ ■施策の背景 ○本市の下水道は、2015 年度末までに、市街化区域を中心に約 4,833ha の整備が完了し、 その結果、汚水処理人口普及率が 87%まで上昇しました。しかし、これは全国平均(90%) 及び愛知県平均(88%)のいずれも下回っている状態です。 ○汚水処理について、国の今後 10 年程度での概成を目指すという方針を受けて、本市に おいても 2015 年度に「豊田市汚水適正処理構想」の見直しを行い、2016 年度から新た な構想に基づき、下水道整備の推進と合併処理浄化槽への転換促進を両輪として、2025 年度末の汚水処理人口普及率を 95%まで向上させることを目標としています。 ○汚水の適正処理がなされていないことに起因する悪臭や害虫の発生が市民への生活に 悪影響を及ぼしていることから、下水道接続と合併処理浄化槽の設置を一層促進する必 要があります。また、合併処理浄化槽については、その管理が適切に行われていないこ とに起因する悪臭などが発生しており、適切な維持管理を促進することが必要です。 実践計画-143 ■施策の柱・主な実践計画事業 No.1 集合処理区域における適切な生活排水処理の推進 概要 水環境の再生・保全と住環境の改善を図るため、下水道を利用した適切な汚水処理を推 進します。 下水道整備面積 成果 指標 2020 年度までに 492ha 2016 年度末までに下水道が整備・供用開始された区 6.3%(2015 年度) 域における未接続世帯の割合 ⇒ 2016 年度以降に下水道が整備・供用開始された区域 における未接続世帯の割合 5.2%(2020 年度) 2020 年度までに 30% No.2 個別処理区域における適切な生活排水処理の推進 概要 成果 水環境の再生・保全と住環境の改善を図るため、合併処理浄化槽の設置とその適切 な維持管理を推進します。 合併処理浄化槽設置基数 指標 維持管理促進事業参加団体数 (調整中) 37 団体(2015 年度) ⇒ 46 団体(2020 年度) 実践計画-144
© Copyright 2024 ExpyDoc