きずな8月号「同和問題」~未来に誇れるまちづくり

ƨƽżƊ।‫ڧ‬ǡȌÁdzȔ
ひろげよう こころのネットワーク
2016
8
平成28年
特集
テーマ
同和問題
未来に誇れるまちづくり
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ƏƏƷǁ
‫ڮ‬ฎв௙
ॻॡ‫׸‬ଡ¨
‫ڕ‬գƝƏ
2 「演技を通して愛を届ける」
高木 万平さん
(俳優)
顔の見える関係をつくりたい」
3 「差別をなくすために、
臼井 敏男さん
(元朝日新聞論説委員)
4 「芸能人の今昔」
山路 興造さん(世界人権問題研究センター研究第二部長)
5 「同和問題の経緯・現状と今後の課題」
兵庫県健康福祉部人権推進課
6 「自ら学ぶ人権学習のために」
ライフデザインいぼがわ(たつの市)
7 ふれあいサロン
8
情報ぷらざ
兵庫県マスコット
はばタン
兵庫県・
(公財)兵庫県人権啓発協会
うか。
同和問題は日本固有の人権問題です。
同和問題に対する県民の皆さんの理解と認識は着実に定着しつ
つありますが、
結婚問題や就職問題などの課題も残っているほか、
インターネットを悪用して差別を助
長する行為等、
新たな問題も発生しています。
同和問題について、
正しい理解と認識を深め、
日常生活を人権の視点から見つめ直してみましょう。
わった俳優やスタッフみんなが、同和
問題をなくしたいという強い思いで
取り組んでいましたね。撮影の合間に
も 、﹁ 偏 見 で 人 を 判 断 す る こ と は 間
違っている﹂などと話をしたことを覚
えています。あの時みんなで共有した
思いは今も生きています。
60)年、愛 知 県
19 85(昭 和
ー ダ ス トプ ロ
生 ま れ 。ス タ
『獣 拳戦 隊ゲ
属。
モーション所
( 2 0 0 7 )で 知
』
キレン ジャー
の
。現 在 放 送 中
名 度を高める
」
-Ⅴ
☆王 A RC
アニメ「遊☆ 戯
、高 木 心 平さん
で は双 子 の 弟
に初挑 戦中。
とともに声優
AQ
映画紹介
この物語の主人公は、
ごく普通の若い女
性です。
物語が進む中で、
彼女は、
自分の祖
母や母が同和問題でつらい思いをしてき
た こ と を 知 り ま す 。彼 女 の 結 婚 話 を 中 心
に、恋人や友人、家族などとの関わりを通
して、
この問題が決して他人事ではないこ
と、
ネット上の情報だけではなく実際に人
とふれあう中で、
お互いを正しく知り合う
ことが同和問題やすべての差別をなくし
ていくために重要であることを、
明るい希
望とともに伝えます。
TEL 06
(6345)
9026
今後の活動の抱負は。
今は仕事がとても楽しいです。正
直なところ、自分の評判に関するネッ
トの書き込みを読んで傷つくこともあ
りましたが、志を持って頑張っていま
す。悩んでいる人に勇気や愛を届けら
れる俳優をめざしていきます。
やしゃご
東映(株)関西営業推進室
平成 年度
県 と 人 権 啓 発 協 会で は 、
に同和問題を取り上げた人権啓発ビ
デオ﹁あなた に 伝 え た い こ と ﹂を 制 作
(公財)兵庫県人権啓発協会研修部 ビデオに出演した感想は。
ビデオでは、恋人の身元調査をし
ようとする両 親 を説 得 するという役
柄 で し た 。演 じ な が ら 、偏 見 に 立 ち 向
かおうとする拓海を頼もしく思いま
し た 。ビ デ オ で は 、そ の 後 の 展 開 は
オープンエンドになっていましたが、
きっと二 人 に は 明 る い 未 来 が 待って
い る と 思 い ま す 。そ の 思 い を 込 め て 、
ラストには最高の笑顔を意識したん
です!
●購入について
たく み
TEL 078
(242)
5355
同和問題の解決に向けて、
私たち
にできることは。
●貸し出しについて
たか ぎ まん ぺい
し ま し た 。主人公の女性の恋人 拓海
“
役 として ビデオに ご出 演いただいた
高木万平さんにお話を伺いました。
字幕副音声付/36分 活用ガイドあり
高木 万平さん
26
撮影の様子は。
高田敏江さんなど大先輩の俳優
がおられて緊張しましたが、気さくに
声をかけてくださり、和やかな雰囲気
根 拠 の ないことに 振 り 回 さ れ な
い拓海のような姿勢が大切だと思い
ます。正しく理解することが偏見のな
い 社 会 づ く り の 第一歩 。ま ず は 、関 心
を 持つこと か ら 始 めて は ど うで しょ
出 演:寉岡萌希、根岸季衣、中村育二 高田敏江、高木万平 ほか
企 画:兵庫県、
(公財)
兵庫県人権啓発協会
企画協力:兵庫県教育委員会 製作:東映
(株)
俳優
﹁平
あ成
な 26
た年
に度
伝人
権
え啓
た発
いビ
こデ
とオ
﹂
ね ぎし とし え
つるおかもえ き
演技を通して
愛を届ける
で 撮 影 に 参 加 で き ま し た 。撮 影 に 関
AQ
AQ
A Q
この人に聞く!
2
差別をなくすために、
顔の見える関係をつくりたい
い とし
お
元朝日新聞論説委員
うす
臼井 敏男
ないと思います。知り合いに吹き込ま 教育や啓発でなにを伝えるのか。ま
ると思います。
ずは、部落の人と部落外の人は何の違
別意識を抱いていた、というわけでは
演 し た 時 の こ と で す 。講 演 の あ と 、年
れて、急に身元調査を思い立ったので
数年前、大阪で部落差別について講
配の女性から﹁この地名が被差別部落
いもないということだと思います。違
別 す る の が 部 落 差 別 で す 。部 落 差 別
いがないのに、違いがあると言って差
はないでしょうか。
差別意識をまき散らす
かどうか教えてください﹂と言われま
し た 。女 性 は 手 に 紙 を 持 っ て お り 、紙
には関西の地名が2つ書かれていま
彼女に尋ねると、この地名は彼女の いま、部落への偏見や差別意識を大
人 た ち と 、そ う で な い 人 と は 、文 化 や
別とは異なります。外国人やアイヌの
は、例えば外国人やアイヌの人への差
量に吹き込んだり、まき散らしたりし
言語の違いを認め合って共生するこ
インターネット
息子が交際している相手の両親の本
て、深刻なのはインターネットの世界
は、集団をひとくくりにすることから
の特別措置法が打ち切られたのを境
です。一人ひとりが顔の見える関係を
は、個人と個人が付き合うことが大切
さん
生まれ。
24)年、岡 山県
1949(昭和
社 入社。
)年、朝日新聞
1972(昭和47
論 説副主
京 社 会 部 長、
論 説 委 員 、東
年 の定 年
0 9( 平 成 21 )
幹を経て 、20
を生きて 」
で「 反 逆の 時
聞
新
日
に退 職。2013
朝
、
後
0(平成22)年
01
2
、
載
連
を
」
て
書に『叛 逆
と「差 別を越え
部 客員講 師。著
学
済
経
学
大
(朝日
から中央
こえて』
(平成25)年
『部落差 別を
出版)、
聞
新
日
朝
(
』
の時を生きて
新書)。
した。
籍でした。彼女は息子の交際相手の身
落探しや部落への誹謗や中傷があふ
とが大切です。
なぜこんなことをするのですかと
れ て い ま す 。そ こ で 特 に 心 配 な の は 、
で す 。イ ン タ ー ネ ッ ト で は 、各 地 の 部
聞くと、
﹁ちゃんと身元調査をしな
若 い 人 た ち が 部 落 へ の 偏 見 や 差 別 意 もうひとつ、部落差別に限らず差別
元調査をしていたのです。
きゃダメよ、と知り合いに言われたん
識に染まってしまうことです。
集団をひとくくりにしない
で す ﹂と い う 答 え が 返 っ て き ま し た 。
そ う で な く て も 、い い で は な い で す
に、国の取り組みは大きく後退しまし
つくれば、差別はできなくなると思い
始 ま る と 思 い ま す 。差 別 を な く す に
か。こんな身元調査をすることそのも
た。自治体の取り組みや学校の同和教
ます。
︶年、同和対策事業
の が 部 落 差 別 で す よ ﹂と 言 い ま し た 。
育は地域によってばらつきが大きく
ぼ く は﹁ 相 手 が 部 落 出 身 で あ っ て も 、 2002︵平成
﹁でも、気になるんです﹂というのが女
な っ て い ま す 。い ま こ そ 、国 や 自 治 体
の啓発、学校での教育が求められてい
性の答えでした。
彼女は普段から部落への偏見や差
3
14
芸能人の今昔
じ さん
こ う ぞ う
世界人権問題研究センター
研究第二部長
や ま
山路 興造
の 対 象 で す 。人 権 講 座 な ど で 、近 年 ま
戦 後 ま も な く 、旧 華 族 久 我 家 の 令 嬢
現 在 で は 考 え ら れ な いこ と で す が 、
し て 遇 し 、1 9
女 たち を 社 員 と
小 学 校 卒 業の少
当 初 か ら 、尋 常
で芸能人は賤視 ※1の対象とされてい
で あ る 久 我 美 子 が 、東 宝 の 女 優 と し
19
︵大正8︶年
ます。
たという話などすると、不思議そうな
て デ ビュー し た 時 、世 間 の 顰 蹙 ※ 2に
には私 立学 校の
若者たちにとって、
タ レン ト は 憧 れ
顔 をして信 じてはもらえませんでし
満ちた驚きがどれほどであったかは、
認可を受けて宝塚音楽歌劇学
ひんしゅく
が
た。
私の大学の先輩である俳優 小沢昭
小 学 生 で あった 私 の 記 憶 に も あ る ほ
校 を 設 立 し 、音 楽 学 校 卒 業 生
す 。﹁ 清 く・正 し く・美 し く ﹂と
こ
一が、
1969
︵昭和 ︶
年に
﹃私は河原
ど で す か ら 、原 節 子 の 破 談 の 噂 も う
による歌劇団公演として良家
せん し
乞食・考﹄
を出版し、現在でも岩波現代
なずけます。
も許す芸能人を養成したので
芸 術 としての西 洋 演 劇に 身 を 投 じ
い う 標 語 は 、一部 世 間 に 存 在
が
新 書 の一冊 と し て 書 店 に 並 ん で い ま
演劇界では
た戦前の演劇人たちは、思想の弾圧な
し た 芸 能 人 差 別に 対 す る 裏 返
︶年に引退してか
他 界 し た と い う ニュ ー ス が 流 れ ま し
等女学校の卒業名簿から名前を抹消
は、その第一期生 森律子が、名門の高
て設立された帝国劇場女優養成所で
の で す 。あ ら ゆ る 差 別 に つ い
あこがれの存在にもなりえる
で 、賤 視 さ れ て い た 芸 能 人 も
このように人々の意識次第
しだったと思います。
どに苦しむことはありましたが、19
く
すが、今では芸能人差別などまったく
過去の話になっています。
銀幕スターでも
昨年暮れ、﹁永遠の処女﹂
と して 神 話
さだやっこ
ら、
一切世間に顔を出すことのなかっ
され、高等学校生であった弟は自殺に
て も 、意 識 を 変 え る こ と で 解
︶年 に 川 上 貞 奴 を 長 と し
た女優であるだけに、若い人には知ら
追い込まれています。女優という職業
消することができるのではな
0 8︵ 明 治
れていませんが、1920
︵大正9︶年
に志を抱いたとしても、誰でもが飛び
た。1963
︵昭 和
生 ま れ の 原 節 子 に は 、戦 前 に オ リ ン
いでしょうか。
劇団は慎重でした。1913
︵大正2︶
※1 見下して見ること。
※2 不快の念を表して、顔をしかめる
こと。
︵敬称略︶
込める職業ではなかったのです。
あったという理由で、男性の親族に反
年に宝塚歌 劇 養 成 会として開所した
そ の 点 で 小 林 一三 の 率 い た 宝 塚 歌
対 さ れ て 実 ら な かった と 言 わ れ て い
た。
この 噂 は 彼 女 の 職 業 が 映 画 女 優 で
いち ぞ う
ピック 選 手 と の 恋 愛 の 噂 が あ り ま し
化 されていた銀 幕のスタ ー原 節 子 が
41
44
38
まれ 。早
14 )年 東 京 生
193 9( 昭 和
能 や日 本
業 後 、民 俗 芸
稲 田 大 学を卒
、京 都 市
するかたわら
芸 能 史を研 究
市 史 」の
として「 京 都
歴史資料館長
嵯峨芸術
さわ る 。京 都
編 さん に たず
授を経
史研
館 長・客 員 教
芸 能 学 会・藝 能
大学附属博 物
ら現 職。前 民 俗
か
年
)
3
2
成
て、2011(平
究 会 代 表。
4
13.5
11.3
地域の人から伝えられる偏見・差別意識
6.5
10.7
個人の理解不足
0.7
0.8
職場などで伝えられる偏見・差別意識
1.8
2.7
その他
2.9
21.7
無回答
H20年度調査(n=1,368)
H25年度調査(n=1,210)
20
10
0
16.6
15.5
わからない
24.6
※1
「部落地名総鑑」…1970(昭和50)年頃発行された、全国の被差別部落と
する地区の所在地などを記載した冊子。当時多くの企業が採用に関わる
身元調査等を目的に購入していたことが社会問題となり、法務省が回収
しました。
※2「本人通知制度」…あなたの代理人や、
第三者
(弁護士、
司法書士等の資格
を持つ人)
が、
あなたの戸籍謄本や住民票の写しなどを取った際、
市役所や
役場から通知を行うものです。
この制度の利用を希望される方は、
あらかじ
め市役所等での登録が必要です。
(平成28年4月1日現在)
※県内では全41市町のうち36市町が導入しています。
※第三者に交付できないようにする制度ではありません。
15
○土地差別調査等
2007
︵平成 ︶年に、大阪府において、
マンション等
の開発業者から調査の依頼を受けた企業が、
特定の地区を
﹁不人気地域﹂などの差別的表現で報告していたことが発
覚しました。また、同和地区について自治体等への問合せ
は 今 も 発 生 していま す 。これは偏 見 や 差 別 意 識 が 根 強 く
残っている現れです。
その他にも、同和問題を口実に不当に寄付を募ったり、
高額な書籍を売りつけたりする、﹁えせ同和行為﹂
も発生し
ており、同和問題について正しく理解するとともに、不当
な要求には毅然とした態度で拒否することが大切です。
♯1、
♯2 出典:人権に関する県民意識調査
(平成26年3月)
図中の
「n」
は、
集計対象者実数
進
課
する総合的な対策がとられるべきと提言されました。
この
答 申 を受 け、
1969
︵昭 和 ︶
年に
﹁同 和 対 策 事 業 特 別 措
置法﹂
が 施 行 され 、
以来 年間にわたり国と地方公共団体
が一体 となって 各 種 分 野で 特 別 対 策 に 取 り 組 ん だ 結 果 、
様々な面で存在していた格差は住環境を中心に大きく改
善され、
2002
︵平成 ︶
年に特別対策は終了しました。
1.8
25
11
44
19
兵庫県の取り組み
兵庫県では県民一人ひとりが、
日常生活の中で人権尊重
を、
態度や行動として自然なかたちで表すことが文化とし
て定着している社会をめざし、﹁人権文化をすすめる県民運
動﹂を市町とともに推進することにより、同和問題をはじ
め、
あらゆる差別のない共生社会づくりをめざしています。
さらに、
同和問題に対する正しい認識と理解を深めるた
めの教育・啓発が浸透していくよう、
学校、
家庭、
地域、
職場
など様々な場において、
隣保館等関係機関とも連携しなが
ら取り組んでいきます。
また、差別を助長するような事案に対しては、法務局と
連携して適切な対応を図ります。
無回答
33
14
意識面に残る課題︵平成 年度県民意識調査の結果から︶
こうした中、
兵庫県が実施した意識調査を比較してみる
と、
同和問題が生じる原因や背景として、﹁社会全体に残る
差別意識﹂
、﹁家族、親戚から教えられる偏見・差別意識﹂
な
どは減少するなど、
正しい理解と認識は深まりつつある一
方、
結婚相手がいわゆる同和地区の人であった場合の質問
では、﹁結婚しない﹂
との回答は5年前に比べ若干増加
︵ .
6%↓ .
0%︶
するなど、
同和問題を自らのものとして受
け止めた場合の県民の意識には、
未だに課題が残されてい
ることが分かります。
100 (%)
80
60
32.4
10.3 5.3 1.5
♯2
家族や親戚の反対が
できるだけ理解を得て、
あれば、
結婚しない
自分の意思を貫いて結婚する
絶対に結婚しない
その他
自分の意思を
貫いて結婚する
わからない
(回答は1つだけ)
2.8
31.0
5.9 1.5
40
同和問題とは
同和問題とは、
同和地区・被差別部落などと呼ばれる地
域の出身であることやそこに住んでいることを理由に、
結
婚を反対されたり、
就職や日常生活のなかで様々な差別を
受ける問題です。
日本の長い歴史の中で形づくられた身分制度のもと、
江
戸 時 代 には 、
一部の人々が武士や町民、農民などと別の身
分とされ、
衣食住にわたる厳しい規制や差別を受けていま
した。
1871
︵明治4︶
年に発布された、
いわゆる
﹁解放令﹂
に
より、身分制度は廃止されましたが、現実には差別は無く
なることはなく、
国民の一部が経済的、
社会的、
文化的に低
い状態におかれる状況は長く続いてきました。
16.4
18.5
家族(祖父母、父母、兄弟姉妹など)、
親戚から教えられる偏見・差別意識
30 (%)
同和対策の経緯
戦後、
日 本 国 憲 法 が 施 行 され
﹁基本的人権の尊重﹂﹁法の
下の平 等 ﹂
の理念が普及する一方、経済成長による地域内
外の格差拡大などにより、
この問題の解決を求める声は高
まり、
1965年
︵昭和 年︶
の
﹁同和対策審議会答申﹂
では、
同和問題の解決は
﹁国の責務であり、
同時に国民的課題﹂
で
あり、
生活環境の整備や福祉、
教育、
人権擁護などを内容と
5
1.0
1.4
行政の人権問題の啓発の不十分さ
40
20
0
29.2
19.0
H20年度調査
(n=1,368)
2.6
1.8
学校での人権教育の不十分さ
11.1
32.3
15.5
H25年度調査
(n=1,210)
17
23
19.1
社会全体に残る差別意識
17
解決を阻むさまざまな事例
○インターネットの悪用などによる差別表現
近年インターネットなどで個人的に収集した、
特定の地区
を同和問題に関連した地区とする情報を、
ネット上に流した
り、﹁部落地名総鑑﹂※1と称する書籍を出版しようとしたり
するなど、
差別を助長させる悪質な行為が発生しています。
これらは、
だれが書いたかわかりにくいという匿名性を
悪用し、誤った認識や差別意識を広めてしまう、表現の自
由を逸脱した許されない行為です。
○身元調査
2005
︵平成 ︶
年に、
ある行政書士が興信所等からの
依頼を受けて不正に戸籍謄本等を入手していた事実が、
ま
た2011
︵平成 ︶
年 月には、
東京の司法書士等による
全国規模の戸籍謄本等の不正取得事件も発覚しました。
身
元調査は、結婚差別や就職差別につながる行為であり、厳
正な対応が必要です。
なお、このよう な戸 籍 謄 本 等の不 正取 得 を 防 止するた
め、﹁本人通知制度﹂※2を導入する市町が増えています。
結婚についてお聞きします。
たとえば、あなたが結婚しようとする相手が、同和地区の
人であると分かった場合、
あなたはどうされますか。
同
和
問
題
の
経
緯
・
現
状
兵 と
庫
県 今
健
康 後
福
祉 の
部 課
人
権 題
推
同和問題が生じる原因や背景として、
あなたが一番思い当たるのは
次のどれですか。
(回答は1つだけ) ♯1
自ら学ぶ
人 権学習
の
た
めに
ライフデザイン
いぼがわ
(たつの市)
﹁ライフデザインいぼがわ﹂
は、
たつの市教育委員
会と連携し、
地域住民の人権課題に合った啓発・研
修の資料を作成したり、
人権啓発の手法を考えたり
する自主的な市民グループです。
住民の人権学習を支援
17
10
70
20
21
さと し
を劇にする取り組みを始めました。人権劇を見た
人からは、﹁感性に響き、人権を考えるきっかけに
なる﹂
と大好評です。
人権劇のシナリオはすべてオリジナル。劇の展
開について、月に一度のミーティングで熱い議論
が 交 わ さ れ ま す 。﹁ 身 近 な 話 題 をテ ーマに取 り 上
げるので、
人権をより身近に感じることができる﹂
と代表の寺田敏志さんは言います。
最 近では、
DVDに記録したこの人権劇を視聴
し た 後 で 学 習 を 深 め ら れ る よ う に 、﹁ こころのス
ケッチ﹂
の内容に工夫を重ねています。
つながりを大切に
他 には、
子どもたちの素直な思いを綴った詩集
を発行しています。
昨年のテーマは、﹁家族﹂
。
市内の
小中学生を中心に、心あたたまる作品がたくさん
集まりました。
詩は、
シンガーソングライターに曲
を 付 けてい た だい たり 、
ラ ジ オ 番 組 で 紹 介 してい
ただいたりして多くの方々に届けられています。
﹁家族﹂
をテーマにして募集するのは、実は2度
目 。前 回 募 集 し た
年 前の 作 品 と比べる
と 、﹁ 家 族、特に父親とのつながり が希薄に
なっているのでは﹂
と寺田さんは感じていま
す 。﹁ 人 々の 価 値 観 が 多 様 化 し 、人 権 課 題 は
複 雑 化 し て い る 。こ ん な 時
こ そ 、老 若 男 女 が 気 軽 に つ
ど い 、意 見 交 換 で き る 場 が
大切﹂と話します。同団体で
は 、寺 田 さ ん の 息 子 さ ん を
はじめ 若い人の参 加 も あり
ま す 。人 権 を 大 切 に し た い
と い う 思 い は 、世 代 を 越 え
て広がりを見せています。
FAX 0791
(63)
3883
TEL 0791
(64)
3182
ノー
﹁ 参 加 型の 人 権 学 習 を 提 案 し たい ﹂と同 団 体 は
1995
︵ 平 成 7︶
年に発足し、活動は今年で 年
目になります。活 動に携 わるメン バーは 人 。職
業 や 性 別 も 異 なる 代 から 代 までの 方 が 参 加
しています。
設 立 当 初 から 毎 年 発 行 している 人 権 啓 発 支 援
資料に
﹁こころのスケッチ﹂があります。市の主催
する人権フェスティ バ ル や 自 治 会 の 研 修 会 で 活
用 さ れ て き ま し た。
平成 年度からは、﹁こころのスケッチ﹂
の内 容
10
取材
ト
(上)
詩集
「家族Ⅱ」
。
掲載する作品は、
すべ
て寺田さんの手書き。原稿は掲載者にプ
レゼントして喜ばれています。
前身は、
揖保川町人権啓発推進協議会企画委員会。
平成10年に改
称して活動。
地域の団体やPTAなどと連携を深めながら活動を進め
ている。
事務局は、
たつの市教育委員会人権教育推進課内
6
問 A∼Iの文字を順番に並べると、
読者からのお便り
何という言葉になるでしょう?
Ⅰ型糖尿病についての記事を興味深く読
1
みました。
駅伝を見るのが好きなこともあ
2
届けるため、
バンドを結成して積極的に取
4
F
5
り、中新井さんの名前を憶えていました。
同じ病気で悩んでいる方へメッセージを
3
A
6
H
7
8
り組んでおられることに感動しました。
9
(小野市・井上静子さん)
10
I
G
11
12
E
14
13
薄い冊子に現在の注目すべき問題などが
15
B
17
16
D
18
びっしり詰まっていると思いました。
C
(たつの市・東角紀世子さん)
たてのカギ
「きずな」はお気に入りです!!中でも、
6月号の「輝く女性にインタビュー」に
エールを送ります。毎月楽しみにしてい
ます。
(神戸市・上田寿子さん)
1.夏の午後から夕方にかけてにわかに降り出すどしゃぶりの雨
2.夏の強い日光をさえぎるために頭上にかざします
3.クロコダイルやアリゲーターなどの種類があります
4.海に面していること。
「○○○○学校」
5.人権ジャーナル「きずな」を発行しているのは兵庫県と兵庫県人
権○○○○協会です
8.同じ教室で学ぶ生徒の集まり。
「1年1○○」の仲間たち
10.「○○あれば苦あり、苦あれば○○あり」
11.嬉しさのあまりに流すこともあります
12.美しくすること。
「町内の○○に努める」
13.昆虫のさなぎが成虫になること
15.「○○と人情の板ばさみ」
16.相手をいつくしむ心。
「○○の手を差し伸べる」
よこのカギ
1.将来実現させたい願い。
「大きな○○を持って努力する」
2.夏の花と言えばこれですね
5.不注意で○○などしないよう気を付けましょう
6.
「○○の一字」
で耐え忍ぶ
7.困難な状況を克服するための手段
9.これからやってくる時間。
「○○○を担う青少年」
11.一日の最高気温が摂氏25度以上になる日
13.夏本番、
○○へ山へ出かけましょう
14.事件や問題を解決するための重要な手がかり
17.庭や公園などできれいな花が咲き誇っているところ
18.研修や教育を通じて同和問題への正しい○○○を深めたい
6月号の答え ナ ツ フ ク ニ コ ロ モ ガ エ
ÛǓȓǡdzȔǔÁDzǚÁǢÜをプレゼント!
投稿&クロスワードで
で
「読者からのお便り」
の投稿掲載者
(平成28年10月号)
とクロスワードの正解者
(抽選で10名)
に、
「オリジナルカードケース」
をプ
レゼント。
本誌
「きずな」
へのご意見やご感想、
人々とのふれあいを通した心温まるエピソードなどを募集しています。
どしどしご
投稿、
ご応募ください。
※投稿はペンネームの使用も可能です。
※当選者の発表は、
商品の発送をもって代えさせていただきます。
はがき、
FAX、
メールで受け付け。
クロスワードの答え、
郵便番号・住所、
名前
(ペンネーム
応募方法 を使用の場合も併記)、電話番号、年齢、職業、本誌へのご意見・ご感想を明記の上、ご応募
締め切り ください。9月2日(金)締め切り(必着)
応募先 〒650−0003 神戸市中央区山本通4丁目22番15号 県立のじぎく会館内
(公財)
兵庫県人権啓発協会「きずな」
ふれあいサロン係
TEL:078(242)5355 FAX:078(242)5360 Eメール:info@hyogo-jinken.or.jp
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*応募者および投稿者の個人情報は、
管理を適切に行い、
誌面づくり以外の目的には利用いたしません。
。
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日 時
8月20日(土)9:30∼15:30
入場
無料
情 報 ぷ ら ざ
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【赤穂市文化会館(ハーモニーホール)】
■人権講演会
「あなたは宝物!自分らしく生きよう!」
つゆ まる こ
場 所 ・赤穂市文化会館(ハーモニーホール)
T E L 赤穂市中広864番地 0791(43)5111
・赤穂市総合福祉会館(赤穂市文化会館南隣り)
赤穂市中広267番地 0791(42)1397
露の団姫さん
(落語家・僧侶)
■地元団体によるふれあいステージ
和太鼓・獅子舞・ハーモニカ
■ステージショー「それいけ!アンパンマン ショー」
■人権ユニバーサル事業
サウンドテーブルテニス体験、
車いす体験、
知的障害疑似体験
■子ども多文化共生イベント
アクセス ・JR播州赤穂駅より徒歩東南へ10分
・山陽自動車道赤穂ICより自動車10分
【赤穂市総合福祉会館】
対 象 どなたでも参加できます
■人形劇 ■皮革焼きコテ アート体験 ■シカ肉料理試食コーナー
■ヒューマンシネマ ■人権なんでも相談
問い合わせ先
*他に、福祉団体によるクッキー、野菜等の販売など盛りだくさん。
(公財)兵庫県人権啓発協会 県立のじぎく会館内 TEL.078
(242)
5355 FAX.078
(242)
5360
わたしたちも
“人権文化をすすめる県民運動”
を
応援しています!
イ ベ ント ガ イド
多可町
人権文化をすすめる
「多可町民の集い」
三木市
市民じんけんの集い
日時
8月18日(木) 19:30∼21:00
場所
ベルディーホール(多可町文化会館)※JR「西脇市」駅から神姫バス「多可町役場」下車徒歩約5分
問い合わせ
演題:障害があるのは私たちの社会や制度 ∼障害者差別解消法の目指すもの∼
● 講師:関西福祉大学社会福祉学部
准教授 谷口泰司さん ※無料、申し込み不要、手話通訳・要約筆記あり
日 時 8月21日(日) 13:30∼16:15 場 所 三木市文化会館 ※神戸電鉄「恵比須」駅下車徒歩約15分
市民運動作品優秀賞の表彰、人権作文朗読、市民によるじんけんメッセージ朗読
演題:ファッションモデルよりも車椅子の今が幸せに思う理由
● 講師:鈴木ひとみさん
(ユニバーサルデザイン啓発講師)
多可町人権啓発推進室
T E L 0795
(32)
1389
FAX 0795
(32)
1389
問い合わせ
三木市市民ふれあい部人権推進課
T E L 0794
(82)
8388
FAX 0794
(82)
8658
ラジオ関西
「谷五郎のこころにきくラジオ」
(毎週月曜10:00∼15:00)
で、
14:35頃からきずなの記事を紹介しています。
人権に関する川柳を募集します!
人
いずれかのテーマに当てはまる川柳を募集します。
優秀作品は「きずな」に掲載し、オリジナルクリアファイルをプレゼント。
募集テーマ
職 場 、ネット 社 会 、障 害 の あ る 人
応募方法 はがき、
FAX、メールで受け付け。
郵便番号、住所、名前(ペンネームの場合も併記)、年齢を明
記のうえ、ご応募ください。応募は各テーマお1人1点としま
す。9月2日(金)締め切り。
インターネット上を含む未発表・未投稿の自作の作品に限ります。
応募先 (公財)
兵庫県人権啓発協会(下記参照)
ハー
フ
half
タイ
ム
time
人権啓発ビデオ「あなたに伝え
たいこと」
に出演した、
俳優の高木
万平さんにインタビューしました。
撮影に臨むにあたって、改めて同
和問題の現状について勉強された
そうです。撮影のエピソードなど
を聞くと、俳優やスタッフが人権啓発のためにと、一丸
となって撮影に取り組まれたことが分かりました。
ラストシーンでは、
「差別のない明るい未来を思いな
がら、
とびっきりの笑顔で演じた」
との言葉を聞いて感
動。
改めてビデオを見返してみると、
高木さんの思いが
より伝わってくるように感じました。
「同和問題を解決したい」という関係者の思いが詰
まったビデオを研修などでぜひご活用ください。
(小池)
「きずな」は、協会ホームページからもご覧になれます。
(公財)兵庫県人権啓発協会 〒650-0003 神戸市中央区山本通4-22-15 県立のじぎく会館内
TEL 078
(242)
5355 FAX 078
(242)
5360
兵庫県人権啓発協会
検 索
[email protected]
2016
(平成28)
年8月発行