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地域防災力向上専門部会
■地域防災力向上専門部会の活動について
(1)専門部会で取り組む課題・進め方
①地域防災力向上のスキーム・枠組みの検討
産官学民連携の枠組みの中で、誰がどのような役割を演じるのか
についてモデルを構築する。
②研究成果を還元して地域や企業のBCP活動を促進し、
災害に強い地域社会形成
特に、被災後の1週間の期間に焦点をあて、時間の経過に伴う課題と
対策を検討する。
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(2)部会の目標と計画
・各大学において特徴あるいくつかの範例を構築し、成果を共有して、
東海地区に水平展開を試みる。
・各大学において地域防災力向上に資する活動と、各要素研究を進め、
各大学内での関係者間の連携も深める。
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(3) 部会メンバー
前田恭伸(静岡大)
廣井 悠(名大)
北川啓介(名工大)
川口 淳(三重大)
高木朗義(岐阜大)
村岡治道(岐阜大)
松尾幸二郎(豊橋技科大)
増田幸宏(豊橋技科大)
工業(防災都市システム学)分野における
中核的専門人材の養成
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工業(防災都市システム学)分野における
中核的専門人材の養成
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工業(防災都市システム学)分野における
中核的専門人材の養成
+
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「建物機能継続性即時評価システム」及び
「コミュニティ共有型災害情報システム」の開発と実装
■「建物利用可能度即時評価システム」の開発と実装
伝送・通信回線
各種末端センサー
中継機器
免震・制振装置
B
地震計・SAセンサー等
建物情報(CAD,CAFM)
A
全国瞬時警報システム
(緊急地震速報等)
管理情報(映像・音声)
中央監視センター
C
電力系統
給排水系統
空気調和系統
BSR
記録の保持
レジリエンスセンター
建築コクピット
情報の収集・表示
情報・通信・放送系統
照明・コンセント系統
防災センター
エレベータ・輸送系統
D
防災系統
セキュリティシステム
建築コクピット
建築状態の時間デジタル記録装置
Building Security Recorder(BSR) :情報収集と状況判断の支援システム
Building Continuity支援システム
【特許】特願2013-253527
建物情報を計測(センシング)・記録し,可視化する統合管理システム
迅速かつ的確に
建物・地域の利用可能度を見極め判定するための支援システムを開発
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「建物機能継続性即時評価システム」及び
「コミュニティ共有型災害情報システム」の開発と実装
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■「コミュニティ共有型災害情報システム」の開発と実装
大規模災害時にどのような状況が想定され、
自分はどのような行動を起こすべきかを
具体的に把握している住民は少ない
(建物各階,地域内各所に設置)
重要な情報を地域住民の方といち早く
共有する仕組みを整えました。
【地震発生時(揺れの最中)】
(検討例)
災害発生時 モニタイメージ
映像分配ユニット
住民の皆様へのお知らせ
1 災害情報
2016年7月26日(火) 11:05
表示ユニット
2 住戸設備(20階)
0%
50%
ガス
東京電力 停電中
東京ガス 供給中
東京都水道局 停止中
現在
28℃(室温) 60%(湿度)
800PPM(CO2) 400lx(照度)
図 実装対象地域
災害時に冷静な判断を引き出し、
適切な行動を促すことが重要である
50%
エレベータ
×東京電力停電中
○ご利用可能です
水道
0%
3 共用部
100%
0%
電気
ネットワーク配線
管理室
連絡は
こちらを
タッチ
10:12地震発生
千葉県南部にてM6.4の地震が発生しました。
避難の必要はありません。
周囲の状況を確認し、落ち着いて、
安全のため各住戸で待機してください。
残量65%
△節約してください
△給水制限中
100%
6台/10台
△一部点検中
△間欠運転中
照明・コンセント
80%
△節電運転中
△非常用発電運転中
◆地区内避難所を開設しました。 (12:30)
◆現在、1部のエレベータは地震による点検中のため利用できません。 (12:00)
◆現在、6台のエレベータを間欠運転中です。(12:00)
◆食料・医薬品が必要な方は、15時に一階ロビーにて配給があります。(11:45)
◆現在、給水制限を実施しています。次回の給水時間は14時~15時です。(11:00)
◆負傷者、要援助者の情報を管理室までお寄せください。(10:15)
2階集会所は
利用可能です。
照明、空調、
コンセントが
使用可能です。
【揺れの収束後 / 被災生活期】
図 デジタルサイネージ
における表示画面例
「民・産・官・学の連携・協働によるインフラ管理が実現するしくみの提案と試行」
「地域住民が参加しやすいインフラ管理を実現するための枠組み探索とMEの位置づけ整理」
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地域協働型インフラマネジメントのスキーム・枠組みの検討
インフラ管理の現場では,対症療法的から予防保全型の維持管理への移行が求められる.しかし様々な制約により,自治体主
導の従来の体制で管理することは困難となってきている.そこで,地域インフラを守る目的で産官学民連携の枠組みで関係主
体の役割や連携方法,実現のための課題について,社会実装の試みを通じてその適正な方法論を明確にする.
行政,地域住民,MEが参加する共同点検,ワークショップの実施
岐阜県中津川市神坂地区の自治会や住民と共に民間MEと自治体MEが取り組んでいる.具体的には,
地域住民から提出されたインフラに対する要望に従って,地域住民と共同で現場を点検する.ま
た,関係主体の課題や役割について議論するワークショップも開催した.
小中高大学生対象とした,次世代の担い手育成と,若者が地域協働で活躍できる枠組みの検討
岐阜県中津川市坂本地区,付知地区,坂下地区では,小中学生を対象に,通学路点検を実施する.
高山市では,高校生を対象にMEがDIGや橋梁点検の講師を担当し,現場の問題を肌で感じる支援
を行っている.岐阜大学では,大学生を対象にMS(メンテナンスサポーター)講座を開講し,
62名がMSに登録した.これらの活動を体験した小中高大生には道路施設の点検および報告をす
る人材として活動することが期待される.このように,新たな人材の育成および管理スキームの
提案に取り組んでいる.
【神坂地区共同点検の様子】
【自治体】
ME
市町
村
市町村
MEを介した
円滑な連携
市町
村
県
ME
ME
【ワークショップの様子】
ME
地域住民の力を活用
【地域住民】
MS
柔軟な維持管理体制
MS
MS
住
民
住
住
民
住 民
住 民
住
民
民
MEを介した
円滑な連携
ME
設計・施工期間の短縮
ME
設計
業者
施工
業者
【民間企業】
【飛騨高山高校におけるDIG演習】 【岐阜大学生のMS講習の様子】
地域協働型インフラ管理の提案と,実現に向けた役割分担,連携方法の検討
「民・産・官・学の連携・協働によるインフラ管理が実現するしくみの提案と試行」
「地域住民が参加しやすいインフラ管理を実現するための枠組み探索とMEの位置づけ整理」 10
MEを活用した地域協働型インフラマネジメント計画策定のプロセスの作成
Step2
情報の共有
Step1
前提の整理
住
民
代
表
Step4
共同点検と評価
住民要望
発
議
情報
収集
現地
確認
eコミ
入力
要望
箇所
危険個所等の
スクリーニング
現地
確認
発
議
eコミ
入力
・危険箇所
・懸念箇所
・活用箇所
等助言情報
インフラの
まち医者
前提情報の
入手・整理
Step6~
住民の取り組み・
事業化・評価
事業計画書
・気になるところ
就
任
Step5
管理計画の作成
地域ビジョン
・地域要望箇所
M
E
管
理
者
Step3
点検対象の
選定
eコミ
入力
・インフラの基礎情報 ・最小限の基礎情報
・インフラの評価基準 ・管理者懸念箇所
共
同
点
検
個
所
を
選
定
地
域
イ
ン
フ
ラ
の
共
同
点
検
地
域
イ
ン
フ
ラ
の
共
同
評
価
地域でできる
インフラ管理
の実施
すぐに出来
ることの実
施に向けた
連絡調整
と
り
ま
と
め
地域支援
適宜相談・
支援
地域支援
地域意向を
尊重し判断
H26(中津川市神坂地区にて実装)
インフラ管理
計画の作成
予算要求
事業化
事業評価
H27-(中津川市神坂地区の実装から整
理)
地域協働型インフラ管理の社会実装から,継続性のあるのスキーム・枠組みの構築.
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今年度の論文,学会発表,特許等の研究業績に関する情報
豊橋技術科学大学
【発表論文】
増田幸宏(2014), 重要業務継続を目的とした建物管理システムの開発,建物のレジリエンスを高める手法に関する基礎的研究, 日本建築学会環境系論文集(Journal of
Environmental Engineering, AIJ), No.700,pp.535-544,2014.6
増田幸宏,平塚三好(2013), レジリエントな都市の実現に向けた「建物機能継続計画」の標準化, 危機管理研究,21号,p.1-12
Kojima Hiroki, Yukihiro Masuda, Hiroshi Matsumoto(2014), Classification Method of Building Space based on a Building Facility System, 11th International Conference of
Asia Institute of Urban Environment, Proceedings, November 6-8, 2014, Daegu , South Korea
Shin Kato, Yukihiro Masuda, Hiroshi Matsumoto(2014), Resilience of the Regional Energy System, 11th International Conference of Asia Institute of Urban Environment,
Proceedings, November 6-8, 2014, Daegu , South Korea
Shin Kato, Yukihiro MASUDA(2013), Evaluation of energy supply systems using local resources, 10th International Symposium of Asia Institute of Urban Environment,
September 29-30, 2013, Nagano, Japan
【特許】
特願2013-253527
非常時管理システムおよび非常時管理装置: 増田幸宏(国立大学法人豊橋技術科学大学),吉田毅(アズビル株式会社),加藤慎二(能美防災株式会社),尾島俊雄, 2013
年12 月
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今年度の論文,学会発表,特許等の研究業績に関する情報
岐阜大学
【発表論文】
1.
地域協働型インフラ管理の仕組みづくりに向けた一考,水谷 香織,倉内 文孝,高木 朗義,土木計画学研究・講演集,Vol.50,CD-ROM,2014.
2.
住民参加を想定した地域協働型インフラ管理のための数理計画モデル分析,富田 敬之,大野 沙知子,髙木 朗義,土木計画学研究・講演集,Vol.50,CDROM,2014.
3.
便益帰着構成表を用いた地域協働型インフラ管理の便益分析,大野沙知子,髙木朗義,土木計画学研究発表会,土木計画学研究・講演集,Vol.50,CDROM,2014.
4.
Residents’ cooperative behavior in neighborhood associations-,Sachiko OHNO, Akiyoshi TAKAGI, paper presented at the 11th Workshop on Social Capital and
Development Trends in the Swedish and Japanese Countryside, 21th-22th, August, 2014, Östersund, Sweden.
5.
数理計画アプローチを用いた地域協働型インフラ管理での行政と住民の役割分担,富田 敬之,大野 沙知子,髙木 朗義,平成25年度土木学会中部支部研
究発表会講演概要集,pp.343-344,IV-063,CD-ROM,2014.
【論説】
1.
社会基盤に関する維持管理技術者の育成の取り組み,沢田和秀,コンクリートテクノ,Vol.33,No.6,Jun,2014.
2.
アセットマネジメントを支えるための人材育成と仕組みづくり,髙木朗義,土木学会誌,vol.99,No.7,July,2014.