信号とシステム (平成 27 年度前期) 試験問題 解答用紙は各問題につき 1 枚使用すること. 問題 1. 以下の設問に答えよ. (i) 実数の連続時間信号 x(t) のフーリエ変換を X(jω) とする.このとき, 次式が成り立つことを示せ. ∫ ∞ ∫ ∞ 1 2 |X(jω)|2 dω x (t)dt = 2π −∞ −∞ (ii) X(z) が次で与えられる両側系列 x(n) を求めよ.ただし,収束領域 (ROC) は 0.7 < |z| < 2 とする. X(z) = −0.1z −1 + 3.05z −2 (1 − 0.5z −1 )(1 + 0.7z −1 )(1 + 2z −1 ) (iii) 離散時間信号 x(n), n = 0, · · · , N − 1 の離散フーリエ変換 (DFT) Xk = N −1 ∑ x(n)e−j 2πnk N , k = 0, · · · , N − 1 n=0 を高速に計算するためのアルゴリズムである高速フーリエ変換 (FFT) の 原理について,数式を用いて説明せよ. 問題 2. 時刻 k での入力信号ベクトルとフィルタ係数ベクトルがそれぞれ x(k) = [x(k) · · · x(k − N + 1)]T , h(k) = [h0 (k) · · · hN −1 (k)]T で与えられる N タッ プの適応 FIR フィルタを考える(信号及びフィルタ係数は全て実数).時 刻 k での希望信号を d(k) としたとき,最小二乗法では各時刻 k で J(k) = k ∑ { }2 d(i) − x(i)T h(k) i=1 を最小にする h(k) を求める.以下の設問に答えよ. (i) J(k) を最小にする解 hLS (k) が満足する方程式を導出し,hLS (k) を求 めよ.ただし,X(k) = [x(1) · · · x(k)], d(k) = [d(1) · · · d(k)]T を用いて よい. (問題は2枚目につづく) (ii) 設問 (i) の hLS (k) を用いたときの誤差を eLS,l (k) = d(l)−x(l)T hLS (k), l = 1, . . . , k とすると, eLS (k) = [eLS,1 (k) · · · eLS,k (k)]T と xi (k) = [x(1 − i) · · · x(k − i)]T , i = 0, . . . , N − 1 が直交することを示せ. (iii) ブロック行列の逆行列を考えることで,次の逆行列補題を証明せよ. (A + BD −1 C)−1 = A−1 − A−1 B(D + CA−1 B)−1 CA−1 (iv) 逐次最小二乗法 (RLS アルゴリズム) は J(k) を最小にする解を逐次的 に求めるアルゴリズムである.このアルゴリズムが, P (k)x(k + 1)x(k + 1)T P (k) 1 + x(k + 1)T P (k)x(k + 1) P (k)x(k + 1) e(k + 1) hLS (k + 1) = hLS (k) + 1 + x(k + 1)T P (k)x(k + 1) P (k + 1) = P (k) − で与えられることを示せ.ただし,P (k) = [X(k)X(k)T ]−1 ,e(k + 1) = d(k + 1) − x(k + 1)T hLS (k) である. (問題はここまで)
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