研究室名 : 機械力学研究室 教員名 : 日野順市,園部元康 部屋番号 : M422 研究室訪問期間:3月2日以降随時対応 平成 21 年度実施予定の研究テーマとその内容 (1) 時間変動特性をもつ構造物の振動特性の同定 機械振動の制御において,その振動特性を把握することは重要である.ロボットなどは,自身の姿 勢や運搬する荷重による振動特性の変化が大きい.高性能化により振動制御が必要とされるが,その 際に,制御対象の振動特性を常時求めて行くことが非常に重要である.本研究では,時間変動するシ ステムの振動特性を求める方法を部分空間法を基に開発する. (2) 周波数領域部分空間法によるモード特性同定法の開発 システム同定の分野で部分空間法はさかんに用いられており,機械構造物のモード特性(固有振 動数,減衰比,固有モード)を求める手法としても有用である.ここでは,周波数領域の部分空間法に 着目して,機械構造物の振動特性を求める際に問題になる剰余項の考慮および同定次数の決定な どの機械振動の分野で使用する際に生じる問題点を解決することを目指す. (3) 形状記憶合金ばねを用いた動吸振器の開発 形状記憶合金の超弾性特性をつかった動吸振器の開発を行う.温度によるばね剛性の変化を利 用して,動吸振器と主振動システムの固有振動数を同調させて制御する.同調させる際に制振効果と 消費エネルギーを最小とするアルゴリズムの開発を行う. (4) アクチュエータの時間遅れを考慮したアクティブサスペンションの設計 本研究では,空気圧アクチュエータによるアクティブサスペンションを設計する.その際に空気圧ア クチュエータの時間遅れによる影響を考慮することが必要になってくる.ここでは,LMIによりH∞ノルム を用いた設計を行う. (5) 部分空間法による機械構造物のモード特性同定 機械の軽量化は環境問題などから重要な問題となっている.一般に軽量化に相反して振動の問題が 発生する.従って,構造物のモード特性(固有振動数,減衰比,固有モード)を求めることは機械設計 の観点から重要なことである.加振力測定が不要な稼働中の振動データによりモード特性を同定でき る部分空間法の開発を行う. (6) 楕円関数に基づく振り子の振動制御 振り子は古典的な力学モデルであるが,その自由振動は非線形特性を持つため制御すること が難しい.この研究では,振り子の非線形特性に逆に着目し,自然で無理のない振動制御の実 現を目指す. (7) 部分空間制御法による多重倒立振子の振り上げー安定化制御 部分空間制御法とは,制御対象の力学特性を利用するためにシステムを制御が必要な部分と 不要な部分に分割し,前者に対してのみ制御を行う手法である.この手法を難易度の高い多重 倒立振子の振り上げー安定化制御に適用し,その特性について検討する. (8) 部分空間制御法による平行二輪型直立移動体の軌道制御 Segway に代表される平行二輪型の直立移動体の軌道制御に部分空間制御法を適用する.この システムは自由度が高く,倒立を維持しつつ決められた軌道上を正確に動かすために膨大な計 算量を必要とする.部分空間制御法を使うことで計算量を低減と精度の両立を目指す.
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