2 歳から始める自閉症の言語訓練 東北文化学園大学 藤原 加奈江 自閉症スペクトラムは「社会的コミュニケーションおよび相互関係における持続的障 害と、限定された反復する様式の行動、興味、活動」で特徴づけられる発達障害 です。その障害は「感覚」 「認知」 「言語・コミュニケーション」 「注意」 「記憶」 「実行機能」 「運動」など広範囲に及び、これらは定型発達とは異なる脳の情報 処理に起因すると考えられています。自閉症スペクトラムのコミュニケーショ ン障害は前言語期からすでに始まっていますが、 「ことばの遅れ」で気付かれる ことが殆どです。そのため、言語聴覚士が最初に出会う専門職であることも稀で はありません。早ければ 2 歳前後でしょう。自閉症スペクトラムであれば、 「ま だ 2 歳なので、もう少し様子を見ましょう」ではなく、早速、訓練・支援を開始 しましょう。早ければ早いほど効果が期待されます。 講義では自閉症スペクトラムに見られる「感覚」 「認知」 「言語・コミュニケー ション」 「注意」 「記憶」 「実行機能」 「運動」などの特徴を理解することから始め ます。コミュニケーションはこれらの機能の総合的な活動であるからです。その 上で自閉症スペクトラムの言語・コミュニケーションの評価上の留意点、年齢・ 発達レベルに応じた訓練及び支援について学んでいきたいと思います。 また、自閉症スペクトラムの特徴の一つに「般化の困難性」があります。訓練 室で学んだことを日常生活で使えないことも大いに予想されます。では、どのよ うにして日常生活で役立つものにして行けば良いのでしょうか?それにはチー ム・アプローチが欠かせません。家庭、幼稚園・保育所・学校などの集団、他の 専門職との連携を事例を通して学んでいきたいと思います。
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