第2期組織機構改革計画 《平成24年度~平成27年度》 平成24年2月 企画部行革・情報推進課 1 第2期計画策定の背景 合併後急激に減少する職員数で市民サービスを維持するとともに新たな行政需要に対 応するため、コンパクトな組織体制で行政経営を進めてきた。 しかし、全国的に少子高齢化と人口減少が進行する中、当市においても合併以降、人 口減少に歯止めがかからず、年間1,000人のペースで減少し続けており、20年後 には、人口が7万人程度になることが予想できる。今後、様々な対策を講じたとしても、 全国的に縮退社会となる中においては、急激な人口の増加を見込むことは困難である。 さらに、合併特例債や合併算定替といった財政的な合併支援の終了が見込まれているこ ともあり、厳しい財政状況の中での行政経営を迫られることになる。 このような中、中長期的な視点に立って市の行政組織機構を考えたときに、職員数を 維持することは、広範な市域を勘案したとしても、財政的に難しく、職員数が減少して いくことを前提とした体制としなければならない状況にある。つまり、人口規模に応じ て職員数が減少していく中、広範な市域において多様化する市民サービスを維持し、新 たな行政課題に対応することができる組織体制にしていかなければならないことになる。 以上のことから、新たな日光市を創造し、都市間競争に勝ち抜いていくために、人材、 財源、資産、情報などの経営資源の選択と集中を行った上で、重点的に取り組むべき課 題に十分に力を注ぐことができる体制を構築するため、 「第2期組織機構改革計画」を策 定するものである。 2 達成すべき目標 (1) 新たな行政課題への的確な対応 合併後5年が経過し、旧市町村が合併前に抱えていた重要課題が概ね完了に向か いつつある。一方で、人口が減少し続け、少子高齢化がますます進展し、縮退社会 が到来する中、市民のニーズも量的なサービスから質的なサービスへと変化するな ど新たな行政課題に直面している。このような多種多様な市民ニーズに的確かつ柔 軟に対応することができる組織体制を構築する必要がある。 (2) 質の高い市民サービスの継続的な提供 合併後、急激に減少した職員数でこれまでと変わらない市民サービスを提供して いくために、第1期組織機構改革計画において、本庁と総合支所の役割を明確化す るとともに、コンパクトな組織体制としてきた。 1 しかし、今後、扶助費など必要経費の増大などにより、ますます厳しさを増すこ とが予想される財政状況の中、市民ニーズに即した質の高いサービスを継続的に提 供していくためには、新たな公共の担い手となる市民やNPOなどとの協働を進め つつ、行政が担うべき領域に主体的かつ積極的に取り組むことができる組織体制を 構築する必要がある。 (3) 市民にわかりやすい組織体制 市の組織体制は、市民にとって常にわかりやすく利用しやすいものであるととも に、市役所内部において事務事業等を円滑に進めるためのものでなければならない。 そのため、ワンストップサービスを基本とした市民が利用しやすい窓口体制、関連 性の強い事務の同一課への分掌、本庁と総合支所の役割分担や連携、さらには所属 の名称など、市民にわかりやすい組織体制を検討する必要がある。 (4) 戦略的で自立した行政経営 早期の一体感の醸成と均衡ある地域振興を合併直後の命題とし、新たな日光市と しての基礎固めを進めてきた。今後、さらに日光市が発展し、都市間競争に勝ち抜 いていくためには、これまで以上に地域の特色を生かし、日光市の新たな魅力を創 造し、発信し続けなければならない。 また、地方自治制度の改革や国や県からの権限移譲への対応、さらには、総合計 画後期基本計画に掲げた施策の確実な実現、人材、財源、資産、情報などの経営資 源の選択と集中など、中長期的な視点に立って、自治能力を高めていかなければな らない。 これらを着実に進めていくためには、自己決定、自己責任に基づいた戦略的で自 立的な行政経営を実行に移すための組織体制を構築する必要がある。 3 目標達成に向けた執行体制を確立するための方策 (1) コンパクトで効率的な組織体制の整備 ① 事務事業の見直しの徹底 人口や財政状況に応じた適正規模の職員数で新たな行政課題や質の高い市民サ ービスを確保していくためには、行政評価の結果を十分に活用し、経営資源を最 適化しなければならない。つまり、時代やニーズに即した事務事業を展開してい くためには、目的を達成した事業や利用率の低い事業などの廃止や実施する優先 2 度の設定などを徹底していかなければならない。 そのためには、各部課間の連携はもとより、課題解決のための時限的、横断的 な組織も視野に入れつつ、事務事業の見直しを不断なく行うことを前提とした組 織体制とする。 ② 民間活力の積極的な活用 これまでにも業務委託や民営化、指定管理者制度の導入など様々な場面で民間 活力を積極的に活用し、行政のスリム化を図ってきた。今後は、これまでの手法 に加え、包括的業務委託やPFIなど民間活力を効果的に活用するための新たな 手法なども取り入れ、引き続き積極的に取り組んでいくことを前提とした組織体 制とする。特に、退職者不補充となっている技能労務職の業務については、民間 との適切な役割分担も踏まえるものとする。 ③ 市民やNPOなどとの協働 成熟した社会において多種多様な市民ニーズに的確に対応していくためには、 市民やNPO、さらには企業など新たな公共の担い手と行政が連携、協力して公 共サービスを充足させていくことが不可欠である。 そこで、市が担う公共の範囲と新しい公共といわれる市民やNPOなどが担う 公共の範囲を適切に分担した上で、相互の協力関係を充実、強化し、協働のまち づくりを進める組織体制とする。 (2) 柔軟かつ機動的な組織体制の整備 ① 目的、機能に応じた組織体制の整備 ア 総合的、重点的に取り組む課題への対応 総合計画後期基本計画において総合的かつ重点的に取り組むべき課題に包括 的に取り組むことができるよう、既存の枠組みにとらわれず、目的や機能に合 わせた新たな組織体制とする。 イ 同一組織への集約化、所管の見直し 現在の組織における現状や課題を分析し、同一組織への集約化や所管の見直 しを行い、より効果的な実施体制となるよう組織の再編を行う。 ② 柔軟で機動的な職員配置 ア 組織の単位 組織の単位は、部-課-係を基本とする。ただし、所管業務への柔軟な対応 3 や職階性の状況、さらには職員のモチベーションへの影響などにも配慮した上 で、必要に応じて、係制に代わるグループ制を導入することも視野に入れるも のとする。なお、所管する課の中で、業務上の独立性が強く、時限的な要素を 含むものについては、対外的な効果も期待し、課内室として設置する。 イ 職員配置の基本的な考え方 統制範囲の原則(1人の管理者が管理することが可能といわれる人数の範囲 は、一般に5~7人(定型的な業務の場合は、15~30人)が適正といわれ ている。)に基づき、1係の配置人数は、3~10人を原則とする。ただし、業 務内容に応じて、柔軟かつ機動的に対応するために必要と認めるときは、10 人を超えた係体制とすることができるものとする。 (3) 自律性、主体性のある組織体制の整備 ① 自主的、自立的な行政経営 ア 内部管理機能の再編 合併直後は、旧市町村において重複していた総務や企画などの部門をできる だけ一本化し、スリム化することで、急激に減少した職員数に対処してきた。 しかし、今後、自主的で、自立的な行政経営を行っていくためには、企画部や 総務部などの管理部門を再編し、今よりもさらに少ない経営資源で、最大の効 果が得られるよう目的や機能にも着目した上で、効率的な組織体制を目指すも のとする。 イ 総合支所等の機能等の適正化 第1期組織機構改革計画において定めた本庁と総合支所の役割を検証し、市 民に身近な場所で、より効果的なサービスが提供できるような組織体制とする。 具体的には、それぞれの地域が独自の特色を活かすことができるよう、総合 支所に、地域づくり、まちづくりに関する機能を強化し、地域振興及び地域課 題の解決に関することを所管事務に加えるものとする。 さらに、支所、出張所については、実体的に地域振興に関する事務を担って いることから、所掌事務として位置付け、その役割を明確にする。 ② 職員の質の向上 少ない職員数で、多種多様な行政ニーズに応えていくためには、個々の職員が 持つ能力を高め、質の高い市民サービスを実現して行かなければならない。その 4 ため、人材育成や職員研修を充実させるとともに、業務マニュアルの作成などに より、業務水準のレベルアップを図ることができる体制とする。 ③ 地方主権時代への対応 国や県からの権限移譲、義務付け、枠付けの見直し、条例制定権の拡大、地方 自治制度の改革など、基礎自治体の持つ役割や権限が拡大し、自己決定、自己責 任に基づく行政経営が求められている。 そのため、戦略性をもって積極的に権限の移譲を受け、有効に活用することが できる組織体制とする。 4 計画の基本的な考え方 (1) 計画期間 計画期間は、平成24年度から平成27年度までとする。 なお、この期間の組織改編は行わないことを基本とするが、本方針に定める目標 などを、より効果的に実現できる場合や新たな行政課題に対応する場合、さらには 事務事業の見直しに伴う業務量などの変更に対応する場合などで、組織改編が必要 と認めるときは、柔軟に対応することができるものとする。 (2) 計画の位置づけ この計画は、総合計画後期基本計画における行財政基盤を確立するための具体的 な方策として位置づけるものとする。 なお、本計画は、総合計画はもとより、行政改革プラン、職員定員適正化計画、 財政健全化計画と連動した計画となるよう調整を図るものとする。 (3) 計画策定の基本条件 ① 職員数 厳しい財政状況の中、市民にとって真に必要な事業を継続的に実施していくた めには、引き続き職員数を削減し、人件費を抑制することが不可欠である。一方 で、職員数の過剰な削減は、新たな市民ニーズや権限移譲による事務量の増加に 対応できないものとなってしまう。 そのため、日光市職員定員適正化計画に定める職員数と事務量のバランスに配 慮しながら、コンパクトで効率的な組織体制とする。 具体的には、平成24年度以降の各所属において、分掌事務を段階的に見直し、 5 業務量の削減に努めつつ、日光市職員定員適正化計画(改訂版)に定める平成 27年4月の職員数に適合させるものとする。 ② 庁舎 本庁については、合併により職員が集中したことで事務スペースが狭隘となり、 一部の部や課においては、複数の場所に分散している状況に加え、会議室や書庫 の不足が慢性化しており、円滑な業務の執行や利便性の高い市民サービスの提供 に支障を来しているという面も否定できない。さらに、本庁舎は、築後40年を 経過しており、老朽化とともに耐震化への未対応が危惧されるところである。し かしながら、新たに本庁舎を整備することとなると準備段階を含め相当の期間が 必要になることは、明らかであり、第2期計画の開始時期に間に合わせることは 時間的にみても困難である。そのため、既存の本庁舎及び周辺施設を活用するこ とを基本とする。 また、総合支所庁舎については、平成22年度に策定した「総合支所等の庁舎 整備に係る基本方針」に基づき、老朽化等の状況に応じて、他の公共施設との複 合化を基本に順次整備を進めることになっているものの、現時点では、完成年度 が不確定であることから基本的には、本庁舎同様、既存の総合支所庁舎及び周辺 施設を活用することを基本とする。 5 平成24年度の組織体制 別紙のとおり 6
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