PTC Creo® 3.0 のヒントとテクニック

技術白書
PTC Creo® 3.0 のヒントとテクニック
PTC の 3D パラメトリック CAD ソリューションの最新バージョンであ
る PTC Creo Parametric 3.0 は、Pro/ENGINEER の実績あるテクノ
™
®
ロジに加え、数百の新機能を搭載しており、設計の生産性を飛躍的に
高めます。
新しい機能により、PTC Creo Parametric へのニュー
トラル ファイル フォーマットの直接インポート、自
由形状設計のパラメトリックな作成と操作、モデリン
グと参照編集の改善が可能になります。広範なハード
ウェア ライブラリ、統合トレーニング ツール、向上
したグラフィック、強力な解析および診断ツール、そ
の他の多数の機能により、設計プロセスが一段と強化
されます。
PTC Creo Parametric 3.0 のユーザー インタフェー
ス自体にも、生産性を高める広範な新機能が組み込ま
れています。次に、よく使用するコマンドをスピード
アップし簡略化する便利なショートカットをいくつ
かご紹介します。これらの新機能を活用することで、
1 日の作業の中で時間と労力を大幅に節約できます。
また、PTC Creo のすべてのバージョンに適用され
るいくつかの追加のテクニックも導入されました。
使 用 経 験 の 浅 い 方 も、 使 用 経 験 が 長 く、PTC Pro/
ENGINEER および PTC Creo での経験の豊富な方も、
おそらくこれらのテクニックをご存知でないでしょ
う。一般的なタスクを実行するための複数の方法を
知っていれば、自分に最適な手法を選択することがで
きます。
ヒント 1 ̶ ワンクリックでウィンドウを切り替え
以前のバージョンの PTC Creo では、開いているさま
ざまなモデル ウィンドウ間を切り替えるのは面倒でし
た。あるウィンドウから別のウィンドウに切り替える
には、Microsoft® Windows® アイコン ( 図 1) からド
ロップダウン リストにアクセスし、目的のウィンドウ
を選択するしか方法がありませんでした。PTC Creo
Parametric 3.0 は、 直 感 的 で、 ほ か の Microsoft
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Windows プログラムと操作が似ており、キーストロー
クを減らすことができます。ウィンドウをアクティブ
にするときは、目的のウィンドウにカーソルを移動し、
そのウィンドウ内をクリックするだけです。
図 1: 以前のバージョンの PTC Creo では、開いているウィンド
ウを切り替える場合、リボン メニューのドロップダウン リスト
を使用する必要がありました。現在は、ウィンドウ内をクリッ
クするだけで、どのウィンドウでもアクティブ化できます。
ヒント 2 ̶ より多くのコマンドにすばやくアクセス
以前のバージョンの PTC Creo では、画面上部のリボ
ン メニューからコマンドを選択する代わりに、右マウ
ス ボタンを押してショートカットにアクセスすること
ができました。この機能を使用すると、コマンドを使
用するために画面上でマウスをドラッグする必要があ
りません。PTC Creo Parametric 3.0 では、右マウス
ボタンからアクセスできるショートカット コマンドが
増えて、生産性が一段と向上しました。
さらに、メニュー アイテムのオン / オフを切り替えたり、
リスト内のアイテムを並べ替えたりして、自分が作業し
やすいようにショートカット メニューをカスタマイズ
できるようになりました。図 2 は、ショートカット メ
ニューをカスタマイズするための画面を示しています。
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次に、図 4 のように、向きを変える三角形を選択し、
図 2: この画面でショートカット メニューをカスタマイズできます。
図4
ヒント 3 ̶ ジオメトリを別のアングルから表示
図 3 のようなモデルがあり、ハイライト表示された
緑色のサーフェスを画面に垂直に向かせたいとしま
す。 以 前 は 複 数 の 手 順 が 必 要 で し た が、PTC Creo
Parametric 3.0 では 1 回クリックするだけでこの操
作が完了します。
最後に、図 5 のように、画面上部に向ける平面を選択
していました。
以前のバージョンの PTC Creo Parametric では、最
初に、三角形のサーフェスの向きを決めるための新し
いデータム平面を作成していました ( そのためには、
少なくとも 3 回クリックする必要があります )。
図5
PTC Creo Parametric 3.0 では、サーフェスを選択し、
図 6 のようにグラフィック ツールバーで「垂直に表示」
オプションを選択するだけで、三角形を画面に垂直に
向けることができます。「垂直に表示」コマンドを使
用すると、以前は複数の手順を経る必要があったプロ
セスが、1 つの手順ですみます。
図3
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ヒント 4 ̶ スマート フィルタの簡略化
PTC Creo Parametric には、個別選択フィルタ、複
合選択フィルタ、スマートフィルタなど、アイテム
の選択に役立つさまざまなフィルタが用意されていま
す。スマート フィルタが利用可能な場合はスマート
フィルタが自動的に選択されます。スマート フィルタ
を使用すると、現在のジオメトリのコンテキストに有
効な、最もよく使用されるタイプのアイテムを選択で
きます。
このフィルタは 2 つのレベルで機能します。選択プ
ロセスを開始する際には、スマート フィルタにより、
一般的な上位レベルのアイテム ( フィーチャーやコン
ポーネントなど ) を選択できます。上位レベルのアイ
テムを選択した後は、スマート フィルタによって選択
範囲が自動的に狭められるため、より具体的なアイテ
ム ( エッジや面など ) を選択することができます。こ
のプロセスによってフィルタの切り替えに費やす時間
が減るため、より多くの時間をモデリングに費やすこ
とができます。
図 6: PTC Creo Parametric 3.0 では、このサーフェスを選択
して、「垂直に表示」コマンドを使用するだけで、緑の三角形を
ユーザーの方へ向けることができます。
スマート フィルタを使用する際の問題点は、フィルタ
が適用されているときは、ジオメトリを選択するのに
マウスを数回クリックしなければならないことです。
たとえば、スマート フィルタがオンになっている状態
で、モデルでラウンドするエッジを選択する場合は、
そのエッジを含むサーフェスを選択してから、エッジ
を選択することになるため、全部で 3 回のクリックが
必要になります。
スマート フィルタを一時的に無効にすると、マウス
のクリック回数を 3 回から 1 回に減らすことができま
す。そのためには、単に Alt キーを押し続けます。次に、
エッジを選択するには、それを直接マウスでクリック
します。このヒントは、どのバージョンの PTC Creo
Parametric でも有効です。
ヒント 5 ̶ 参照をすばやく選択する方法
図 7: サーフェスがユーザーの方を向きました。
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スケッチャー ツールでジオメトリを作成する際、既存
のジオメトリ ( 参照など ) がカーソルによって自動的
にスナップされれば、図面内のコンポーネントの整列
がより容易になるでしょう。しかし、スケッチャー コ
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マンドの使用中は参照を選択できません。スケッチを
始める前に参照を作成する必要があります。代替の方
法として、スケッチャー ツールをキャンセルし、画面
の左上隅にある参照ツールで参照を指定してから、ス
ケッチャー ツールを再び使用することができます。
Alt キーを使用すると、スケッチャー ツールをサスペ
ンドして、作業を続けながら参照を選択できます。ス
ケッチ中に、Alt キーを押しながら参照を選択します。
Alt キーを放すと、すぐにスケッチャー ツールに戻り
ます。これで、選択した参照にカーソルをスナップで
きます。このヒントは、どのバージョンの PTC Creo
Parametric でも有効です。
ヒント 6 ̶ ジオメトリを簡単に押し出す方法
PTC Creo Parametric のどのバージョンを使用して
いる場合も、2D スケッチを 3D 押し出しに変換するに
は、形状をスケッチしてから、目的の深さを入力しま
す。しかし、特定の参照 ( たとえば、別の立方体また
は平面 ) までスケッチを押し出したい場合があります。
PTC Creo Parametric では、ショートカットとして
Shift キーを使用すると、簡単に参照までスケッチを
押し出すことができます。
たとえば、図 8 に示された長方形を平面まで押し出し
たいとします。ドラッグ ハンドルを選択し、Shift キー
を押して、長方形を平面までドラッグします。すると、
長方形が自動的に平面にスナップされます。
ほとんどの方は、この Shift キーのショートカットを
ご存知ではありません。このショートカットを使用し
ない場合は、ドラッグ ハンドルを右クリックしてポッ
プアップ メニューを表示し、「終了サーフェス」オプ
ションを選択してから、押し出す先のサーフェスを選
択します。つまり、3 回のクリックが必要です。Shift
キーのショートカットにより、マウスの移動とクリッ
ク回数を減らすことができます。
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図 8: Shift キーを押すと、マウスを数回クリックするだけでオ
レンジの長方形を押し出すことができます。
まとめ
これらのヒントの一部は、ソリューション全体で生
産性が高まるよう設計された PTC Creo Parametric
3.0 でのみ利用可能な新しい機能です。その他のヒ
ントは、ヘルプ ファイルで見過ごされがちであまり
知られていない、すべてのバージョンの PTC Creo
Parametric で利用可能なヒントとテクニックです。
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