「はじめに」~「第2回」

函館マラソン「開催」状況
~ はじめに ~
函館マラソン事務局です。
函館マラソンが,平成28年6月26日に終了しました。
上記の「に」と「終了」の間に「無事」という文字を挿入したかったところですが…あ
のような暴風雨に見舞われ,対応に追われた我々運営サイドの力不足がそれに拍車をか
け,皆様には本当にご面倒をおかけいたしました。ここに謹んで詫び申しあげます。
このたび7,935名のエントリーをいただいた函館マラソン。当日は6,873名も
の方にご参加いただき,完走率は実に94%(ハーフ98%,フル91%)。荒天に曝
されながら,最後まで諦めずベストを尽くされたランナーの皆様,本当にお疲れさまで
した。そして,ありがとうございました。
さて今後の函館マラソン。
今回の開催状況に関して,関係機関における評価やスポンサー各社の意向確認,さらに
はランナーへのアンケート調査などを通じた検証がなされた後,それらの結果を踏まえ
たうえで,実行委員会において「次回」の態様が議論されることとなるでしょう。
このような状況において,6月末に一度「結び」を迎えたこの散文を,舌の根も乾かぬ
うちにまた新たに書きためていくというのはどうなんだろう?といった思いもありま
すが,折角始めたこの取り組みが,今後どのように総括され,そしてどのような方向性
で歩みを進めていくのか,あるいはその逆になるのか…今は知る由もありませんが,ま
ずは今回の開催状況などについて,(従前どおりのスタイルで)公表できるものに限定
し,振り返りながら進みながら,皆様にお知らせしてまいりたいと考えております。
ということで,要するにまたよろしくお願いいたします。
~ 第1回
まずは…あの日の「風」と,その対応について(その1) ~
皆様ご承知のとおりマラソンは屋外を舞台とした「道路競走」。よって当日の天候など
でコース自体が損壊したとか大雪で走れないとか台風や雷で危ないだとかは別モノと
して,それ以外の気象条件であれば基本的に大会は開催されます。
で,6月26日の函館。
大会前の24日夜に確認した段階で,25日は突風が吹きあれるものの開催当日に風が
おさまるとの予報を受けてひと安心していたところ…26日に日付が変わった段階で
も風が収まらない…天候状況は,折角消えた雨雲の根元に,また新たな雨雲が発生する
といった「猫の目のように」変化し続ける状況を呈していたのでありました。
そして眠れない夜を経て朝5時前に会場入りした後,諸々の打ち合わせをしていた朝6
時過ぎのこと…。
台風を思わせるほどの突風を受け,各所から次々と緊急連絡が舞い込みました。
① 計1.2㌧の重しで支えた第10エイド(緑の島)のフード用テント5張が全損
② 強風対策を施したコース上の「キロメートル表示」や「トイレ」などの重要な表示
板がコース内に飛ばされそうな状況で,とても設置できそうにない
③ 集合地点の千代台公園内も,同じく強風対策が全く役にたたず「トイレ」や「更衣
室」各種案内表示が設置できない状況
④
スタートの出走順序を保持すべく設置したカラーコーンとバーも重しをよそに
次々と散乱
⑤ 20張近くのテントで構成される「函マラおもてなし広場」も,危険防止のため朝
7時には「中止」も含めたギリギリの選択をしなければならない状況
となったのでありました。
この対応策として実行委員会からは,
① 大型車両を風除けとして配置しつつ,車道端部の巨大な車止めなども重しに活用し
ながら2張りある予備テントを安全確実に設置して凌いでほしい(そこでのフード
提供がなくなったら参加者も百名から居るボランティアさんも皆悲しむから)
② 安全確保が最優先,よって立てるな
③ スタッフ総出で工夫して立てろ。無理なら倒せ
④ 風倒回避のためバーを間引け
⑤ 状況に応じて中止&撤収も可とするから…イベンターさん,随時プロの判断を!
…といった指示を発出したのでありました(つづく)。
~ 第2回
まずは…あの日の「風」と,その対応について(その2) ~
第1回でお知らせしたとおり,各種の案内板などおよそ現代のマラソンに必要とされる
重要なアイテムを次々と,それも文字通り「横倒し」にして安全対策を優先させたので
ありますが,この結果,
①
緑の島第10エイドステーションにはギリギリセーフで2張りの予備テントが配
置され,予定していたフードはすべて提供できた一方で,重しの関係からテントを
コースの端部に配置変更(当初計画:
「食べる層」はコース外縁部の広場でゆっく
りと食べていただく予定であった)によりランナーの動線も変わり,結果,コース
上で「走る人」と「食べる人」が輻輳
② コース上の「キロメートル表示」,
「トイレ」など各種の「指標」となる表示版が失
われ,参加者が混乱
③ 集合地点である千代台公園内の「更衣室」,
「荷物預かり所」
,
「トイレ」など各種「指
標」が失われ,スタート前から参加者が混乱
④ スタートブロックの整理用コーンバーを間引いたことで,ブロック順が一部で瓦解,
号砲後に参加者が混乱
⑤ 「函マラおもてなし広場」については何とか15時までは開催できたものの,お客
様用の巨大センターテントが配置できず,これに荒天も加わり,会場内には人だま
りができるほどの賑わいが発生する場面は少なかった
といった状況を招いたのでありました。
安全対策のためとはいえ,たかだか風速10m前後の風ごときに打ち砕かれてしまった
我々。反省すると同時に,もし「次回」があるとするならば,必ずやその程度の風に負
けない対策をもって,皆さんをお迎えしたいと考えています。
また,この風はコース上に11箇所設置したエイドステーションの運営にも多大な影響
を及ぼし,注水したコップを並べる→風で全部吹き飛ばされる→また注水してコップを
並べる→風で全部吹き飛ばされるといった事象が現場では繰り返され,当初設定してい
たコップ1/3という注水量が,風倒対策として1/2,2/3,そしてそれ以上の分
量へと増えてゆき,この結果,多くのエイドステーションにおいて早い段階でアクエリ
アスが補給切れとなったほか,第3エイドステーステーションでは数分間,水の供給が
ストップいたしました。これはあってはならないことです。
こうした現象が発生したのは,これまで25年間にわたる函館ハーフマラソンの歴史を
辿っても初めてのことですが,それは言い訳にしかなりません。今後,「次回」の函館
マラソンが開催に至った際は,当然ながら二重,三重のリスクマネジメントを図り,確
実に供給いたします。本当に申し訳ありませんでした。重ねてお詫び申しあげます。