当該大規模開発事業についての見解(PDF:92KB)

(仮称)三浦市油壺有料老人ホーム計画による大規模開発事業についての見解
(仮称)三浦市油壺有料老人ホーム計画(以下「当該開発事業」という。)が位置する三浦市三崎
町小網代字戸張周辺の油壺地区は、緑豊かで自然環境が残る観光地として、美しい眺望と歴史的な価
値を有する地域である。
当該開発事業区域は、過去にはホテルが立地し、この建築物が除却された後、宅地造成により戸建
住宅が計画されていた。その後、当該開発事業に係る三浦市まちづくり条例の手続を行っていたが、
周辺住民等の請求により公聴会を開催したものであり、以下のとおり当該開発事業に対する本市の見
解を示すこととする。
排水について、合併処理浄化槽の排水は、各種法令により水質基準が定められており、これに適合
する限り、水質の確保がされていると考えられる。
しかし、今後、事業者又は運営者の排水が水質基準を満たさず、周辺環境が変化した場合は、事業
者又は運営者の責任で解決することが必要である。
また、温かい真水である排水を一定の量排出することが、生態系に影響を与えるのではないかとい
う懸念については、その旨を神奈川県横須賀三浦地域県政総合センターに伝えることにする。
なお、事業者には、神奈川県東部漁港事務所、みうら漁協小網代支所及び国土地理院油壺験潮場と
排水について協議を行うよう指導している。
電波障害について、当該開発事業により実質的な影響が出た場合は、事業者が電波障害に関する調
査を行い、事業者の責任で解決することが必要である。
日影について、日影規制の基準に適合していれば、周辺へ著しく影響を与えているとは断定できな
いと考えられる。
圧迫感について、事業者は、周辺住民等の意見を踏まえ計画を変更したが、感じ方に個人の差があ
り、客観的に判断することが困難であると考えている。
交通安全の確保について、計画変更により県道に沿って区域内に1.5mの歩道状空地を設けたこ
と、また、駐車場の出入口を東側にしたことは、変更前の計画に比べ見通しと歩行者の安全が確保さ
れたものと考えられる。
なお、事業者には、神奈川県警三崎警察署や神奈川県横須賀土木事務所について協議を行うよう指
導しており、周辺住民等からは当該開発事業区域の県道は従来から交通安全上の問題等もある路線と
の意見もあるため、交通安全対策や道路の通行面での抜本的な改善や懸念については、これらの関係
機関に対して具体的に要望することが必要であると考えている。
周辺住民等から当該開発事業に対する要望書や多数の署名による陳情書の提出があったことは、市
としても重く受け止めており、周辺住民等の要望や意向を事業者に伝え計画変更等の検討を促がして
きている。事業者としては、住民説明会をはじめとする一連の周辺住民等の意見等を踏まえ、計画の
見直し及び変更を行ったと認識している。
当該有料老人ホームの運営管理について、三浦市まちづくり条例では、完成した後の施設の入居者
及び運営者の要件を定めているものではなく、運営者は、福祉関連法令の基準に従って運営者が決定
され、適正に運営されるものと考えている。
なお、事業者は、運営者が決定した後速やかに周辺住民等にその旨を説明し、周辺住民等の疑義や
不安の解消及び要望について、誠実に対応して行くことが望ましい。なお、運営に際し、入居者によ
る事故等が生じないかという周辺住民等の懸念については、事業者より運営者に引き継ぎ、今後の運
営に活かす必要があると考えている。また、神奈川県高齢施設課に有料老人ホームの設置・運営の手
続が適切に行われるよう伝えることにする。
当該開発事業区域は、風致地区に指定されているものの、市街化区域(近隣商業地域及び第一種低
層住居専用地域)であり、都市計画法や建築基準法のほか関係法令に適合することにより、建築が可
能とされている。
本市としては、従来から三浦市まちづくり条例の目的や手続に則り、周辺住民等の意見等を反映さ
せ、できる限り周辺環境に配慮した開発事業となるように指導し誘導することに努めていた。当該開
発事業についても、油壺地区が、美しい眺望を持ち貴重な自然環境が残る地域であることを考慮し、
今後も周辺地域の景観や自然環境に配慮するよう指導し誘導していく考えである。