出雲市多文化共生推進プラン(案)への意見・提案募集への実施結果 No. 内容(ポイント) 1 3-(1) 地域社会での多文化共生の意識啓発 意見に対する市の考え方 3-(2) 自立支援と地域社会への参加・交流に関連した意見です。 地域に外国人住民が増えると、生活習慣の違いによる騒音やゴミ捨てなどの 従来から行っている国際交流員の業務の一つである「地域住民の異文 問題が起きます。日本人住民が、外国人住民との交流を望まない理由の一つで 化理解のための交流活動への協力」のなかで、住民同士をつなぐコーデ す。従って、日本人住民が多文化共生を理解するだけでは、住民同士の交流も ィネーター機能も果たしつつ、活動を行っていきます。 生まれず、多文化共生の地域づくりになりません。また、外国人住民は、日本 で暮らすだけでも必死です。その中で、地域活動に対する参加を呼びかけるだ けでは、実際に参加してもらえません。 つまり、意識啓発をしたり、地域参加を呼びかけたりして、住民同士の交流 の場を提供しても、実際の地域住民は来なかったり、いつも同じ参加者だった りと、住民同士の交流は、なかなか進まないのが現実です。そして、これらの 問題は、様々な外国人集住地域で同様に起きています。 そこで、住民同士の間をつなぐ第三者が、外国人住民の多い地域に必要です。 この第三者は、日本人住民⇔第三者⇔外国人住民という形で、先ずは、住民の 真ん中に立って個別の人間関係をそれぞれ育みます。そして、この第三者はそ の人間関係を駆使して、地域住民同士が直接に交流するきっかけを作りなが ら、日本人住民と外国人住民の交流できる環境づくりを担います。 この度は、国際交流員を配置されるものと理解します。そこで、一般的な通 訳業務に加えて、国際交流員が、日本人住民⇔国際交流員⇔外国人住民という 形で、日々現場で人間関係を育みながら、住民同士の間をつなぐコーディネー ターとしての役割を果たすべきです。従って、国際交流員の業務内容に、この コーディネーター機能を明示しつつ、その評価方法を施策に入れて下さい。 -1- 評価方法については、ご意見を参考にさせていただきます。 2 現在、ブラジルから多くの方が出雲市に来られていますが、家族を帯同して 子ども・若者支援の充実について、2-(2)で挙げているとおりで 来られる方を出雲市の受け入れができないためお断りしていると耳にしまし す。現状について把握し、各所管課が中心となり、垣根を越えて、子ど た。このような状況は大変残念であり、早急に子どもの受け入れ体制を整える も・若者支援の充実について取組を進めてまいります。 べきです。このあたりの具体的な手だてをもっと知りたいと思いました。 また、行政の縦割りの中、どこの部門が責任をもって対応するのか、横のつ ながりをどうまとめてこのプランを進めていくのか、特に、子どもの支援につ いてはどの部門も心の垣根をなくし、発達、心理の両面からサポートする必要 があると考えます。 3 (1)プランの構成 プラン策定の趣旨には策定の背景、プランの位置づけや期間等が記されてい いただいたご意見を参考に、 「はじめに」の部分を「策定の趣旨」に、 ますが、「趣旨」とは、辞書によれば「事を行うにあたっての、もとにある考 「プラン策定の趣旨」は「プラン策定の背景等」と改め、内容に配慮し えや主なねらい」、 「文章や話などで、言おうとする事柄。趣意」と書かれてい てまいります。 ます。プラン策定の目的・ねらいなど基本的な考え方について策定の趣旨に記 載すべきではないでしょうか。また、「はじめに」の位置づけや必要性につい ては必ずしも明確ではなく、一般的には「はじめに」の項目があれば、「おわ りに」の項目もあるように思われます。 プラン策定の趣旨の前文として必要であれば、多文化共生の推進に対する市長 の想い等を記載してはいかがでしょうか。 (2)プランの目標 県内に在住する外国人住民のアンケート調査結果では、今後の滞在予定につ 外国人住民の満足度を数値目標に設定できればよいのですが、今まで いては「住み続ける」が37%で最も多くなっていますが、ブラジル国籍の人 外国人住民を対象にしたアンケート調査を実施したことがなく、基礎デ (市内外国人住民の64%を占める)では「考えていない」が43%など将来 ータがないため、満足度の目標を設定することができませんでした。こ 計画が未定の外国人住民も多い状況があります。また、子どもに関する悩みに のため、目標数値は、「出雲市まち・ひと・しごと創生総合戦略」のな ついては、「母国語、母国の文化が身につかない」と考えている人も多く、母 かで、多文化共生のまちづくりを進めるための重要業績評価指数(KP -2- 国への郷愁は人間の自然な感情でもあると思います。出雲市が外国人住民にと I)により設定しています。 って住みやすいまちで、長く住み続けたいと思っても家庭の事情など様々な理 由により日本を離れる人も少なくないように思われます。 外国人の在留目的は様々であり、グローバル化の進展により人の国際移動がま すます活発になる中で、不確定要素の少なくない長期滞在の外国人住民の割合 について多文化共生推進の指標とすることは必ずしもなじまないようにも思 われます。外国人住民が地域の構成員として、また、生活者として住みやすい と実感できるような環境を整備することが重要であり、コミュニケーション支 援、生活支援、多文化共生の地域づくりに関する主要な課題に対する外国人住 民の満足度を指標とし、住みやすさの実感が反映される満足度について数値目 標を設定することにより多文化共生の実質的な成熟度を明らかにできるので はないでしょうか。 (3)施策・取組の検証 多文化共生推進プランに基づく施策・取組がより実効性の高いものとなるよ ご意見を参考とさせて頂き、本計画の4つ目の柱である「多文化共生 う PDCA サイクル(計画・実行・評価・改善)により年度ごとに効果等を検証・ 推進のための体制整備」の中に記載しています「多文化共生連絡会議」 評価し、翌年度の施策・取組に検証結果を反映することが重要であり、PDCA の中で、企業や民間団体、外国人住民のご意見もお聞きしながら取組み サイクルによる施策・取組の検証についてプラン策定の趣旨に明記する必要が を検証した結果を次に活かして行きます。また、このプランについて あると思われます。 は、外国人住民を取巻くさまざまな状況を勘案する必要があると考 え、弾力的に見直しを行っていくこととしています。 (4)外国人住民の在留資格 多文化共生を推進するためには、外国人住民の在留資格、在留期間など外国 人の在留に関する基本的事項について市民の理解が深まることが重要と思わ れることから、次の点について注釈をつけるとともに外国人住民の在留資格の -3- ご意見を参考にさせていただき、本計画中P10(3)外国人住民の 在留資格の表に在留資格ごとの在留期間を明記し、注釈を付けます。 表に在留資格ごとの在留期間を明記する方がわかりやすいと思われます。 ①定住者、永住者、特別永住者の定義 ②日本人の配偶者等、永住者の配偶者等の「等」にはどのような人が含まれる のか? (5)外国人住民の社会参加の促進 県内に在住する外国人住民のアンケート調査結果では、日本人との交流の希 本計画の1つ目の柱「外国人住民のコミュニケーション支援」中 望については、外国人住民の多くが日本人との交流を希望している一方で、コ の№5「生涯学習事業への外国人住民参加に向けた周知と呼びかけ」、 ミュニケーションに不可欠な言語習得における日本語の学びについては、「学 3つ目の柱である「多文化共生の地域づくり」中の№18「多文化共 んでいない」が45%であり、「学んでいる」の国籍別ではブラジル国籍(市 生のための文化交流事業等の開催支援」で取組む「多文化交流事業 内外国人住民の64%を占める)、韓国・朝鮮国籍では20~30%にとどま の開催支援」、「多文化共生意識の啓発のための生涯学習事業の開 っています。 催」及び№19「多文化共生の意識啓発事業・研修会等の開催」で取 多文化共生推進プランには外国人住民へのコミュニケーション支援、生活支援 組む「多文化共生についての住民向け研修会の開催」の中で、外国 とともに多文化共生の地域づくりのための施策を推進することとし、多文化共 人住民に対する日本語学習意欲の喚起や社会参加意識の醸成等の取 生の意識啓発等の取組を行うこととされていますが、主に日本人住民の意識啓 組みの充実を図って参ります。 発が中心となっています。外国人住民も地域社会の構成員として、生活者とし て支援を期待する受動的立場から一歩踏み出して自ら積極的に地域社会に溶 け込む努力も必要と思われます。 外国人住民に対する日本語学習意欲の喚起と社会参加意識を醸成するため の講演会やワークショップ等の取組の充実を図るとともに、外国人住民の中に はボランティア活動に参加したいと考えている人も多いことから、外国人住民 を講師として母国の言語、料理、子どもの遊びなど日本人住民向けの教室を開 催するなど積極的に外国人の能力が発揮できるような機会の充実を図ること は外国人住民の地域社会への参加を促すために大いに意義があると思われま すので、プランの施策及び具体的な取組として明記してはいかがでしょうか。 -4-
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