3年進路ニュース vol.4 2016/07/20 進路部 「なりたかった自分」をかんたんにあきらめるな! 合唱大会、どうでしたか? 明日からいよいよ本格的な「夏」の始まりです。 この 36 日間をどう過ごすか。おそらくそれは 36 日後の「私」のあり方だけでなく、178 日後の 「私」のあり方も決めるテーマです。3年の夏が受験の天王山と言われる所以ですが、今回はまず 次の数値を見てください。 さて、何の数値でしょう? ① 677.9107 実は、①は今北予備で浪人しているこの春の卒業生 の「ベネッセ6月マーク模試」5教科 900 点の平均点 ② 538.2321 です。②は同じメンバーの1年前の6月マークの得点 の平均点。③はその両者の差です。 ③ 139.6786 平均して約 140 点の伸び。最も伸びている人は 429 点から 299 点の伸びで、ついに8割超を達成。中には 618 点から 218 点伸びて 830 点超を達成し た人もいます。 もちろん、浪人した先輩たちが今どんなにがんばっているか、ということを言いたいわけではあ りません。秋からセンター、2次試験にかけて現役生は本当に力をつけていきます。たしかに先輩 たちもその時期にぐんぐん伸びていったのだけれど、まだここまで伸びてはいなかった。でも、さ らに半年後にはこれだけの力がついている、ということです。1月から6月までのわずか半年、も し本気で受験と戦う時期があと半年前傾していたら、どうだったでしょう。やはり多くの結果が変 わっていたのではないでしょうか。センター後の科目ブランクや合格発表後の目標のない時期を考 えると、その差は実際には3か月くらいだったかもしれない。もしセンター試験があと3か月後だ ったら。これは夏の前に浪人生の成績が届くといつも考えてしまうことです。もちろん、終わった 出来事に「もしも」はないんだけどね。 あとセンター試験まで 178 日。前期試験まで 220 日。 終わってしまった過去は変わらないけれど、未来は変わります。これからセンターまでちょうど 半年。浪人して合格できる人はそれだけの「キャパシティ/伸びしろ」を持っているわけだから、 本当は現役でも合格できる。ただ、準備が間に合わなかっただけの話です。それならこの夏は志望 大学まで自分を引き上げる夏、間に合わせるための準備を徹底する夏にしたい。 模試の判定で青くなって志望を下げれば、判定はよくなります。 でも、本当にそれで満足ですか? もし志望を下げて秋に模試の判定が悪くなったら、また志望 を下げますか? 違うでしょう。本当に手に入れたいものがあったら、あきらめる前にもっと大切 なことがあるでしょう。 なりたかった自分をかんたんにあきらめるな。最終的に受験大学を決定するのは半年後、まずは 6か月、とことんがんばってからです。 確実に「自分を伸ばす」ための3つのポイント 目標を攻略するためのポイントは常に3点。今の自分と目標との距離を正しく認識し、どうすれ ばそこに届くのかを分析し、そのための「計画/作戦」を練って実行する。つまり、これがこの夏 のポイントです。 1 志望大学と今の自分の力との差をきちんと知る。 2 どの科目をどれだけ伸ばせばいいのかを考える。 3 夏に何を、どう取り組むのか、計画し実践する。 三者懇談でも確認した(する)と思うけれど、まず6月マークの総点と志望大学の合格ラインに どのくらいの開きがあるのか、その「差」をしっかり受け止めよう。ここにまだまだ大きな開きが あるなら、この夏の理系はまず「センターと数Ⅲ」、文系は「センター」が取組の中心になる。次 に8月全統マークと9月の進研駿台マークの目標点に向けて、どの科目の得点をどのくらいまで上 げれば届くのか、具体的にシミュレートしてみよう。大切なのはどの科目もバランスのよい得点を めざすこと。7 割 630 点を取るには、どの科目も 7 割をめざした上で、得意科目に+5 点、上げに くい科目に-5 点で設定する。 国 135 数 140 英 145 理地② 140 理地① 70 総点の戦いは何よりもバランスが大切です。このバランスでどの科目もほぼ得点できるようにな れば、+αがすべて上乗せできるので、7 割の目標ラインが一気に越えられ、次のラインをうかが えるようになります。逆に理科・社会で遅れをとっていたり、100 点を超えない苦手科目を持って いたりすると、目標への道のりはきわめて遠くなる。自分の目標ラインをまず把握して、そこに確 実に届くだけの基礎をしっかり固めてください。その基礎固めができないかぎり、さらに上への飛 躍は残念ながら望めません。焦れば焦るほどつい新しい問題や難しい問題に手を出してしまいがち ですが、学習した内容を理解し、しっかり定着させ、間違えずに答えられるようになってはじめて テストの得点は上がります。夏の間中難問集の答えを写し続け、実は何も身についていないなんて 愚かなことにならないように注意してください。 もちろんセンターの目標ラインにほぼ届いている人は、定期的な復習と反復を怠らないようにし ながら、2次試験レベルの問題へのチャレンジを始めてください。ただし、2次試験の目標得点ラ インは難関大でだいたい 6 割前後です。満点は必要ありません。大切なのは解けなくてもいい問題 と解かなければいけない問題を見極める力、そして解くべき問題を確実に解答できる力をつけてい くことです。やっぱり難問集を写す力じゃありませんよ。 では、以下は「とことんがんばる」ための注意事項です。 ① どうすれば毎日 10 時間集中して勉強できるか? まず、人間にはどうせできないと思ったことはできません。でも、できると思う人にはできます。 できると思う人は「できない理由」ではなく、「できる方法」を考えるからです。これならできる と考えてチャレンジする。うまくいかなければ方法を修正して、また試してみる。だから必ずでき るようになる。 では、どうすれば「10 時間」集中して勉強できるのか。 いつも通り7時までに起床して、午前中に 4 時間勉強する。 これが鉄則です。この 4 時間を習慣づけられれば、あとは午後 4 時間、夜 2 時間で目標達成です。 もちろん「+何時間」なんて調子に乗らず、その日のうちに必ず就寝する。安定した睡眠の確保は 集中力維持の鉄則です。 次に、集中力/作業密度を上げるためには「何時までこれをやって休憩」と期限と内容を設定す ること。4月に「合格への 10 か条」で示したように、人間の集中力は高まるまでの時間が約 30 分、集中力を維持できる時間が約 90 です。それなら演習時間を 90~120 分で設定し、その後 30 分の休憩、それから2回目の 90~120 分演習と、4 時間の学習時間を分割する。もちろん就寝前の 1~2 時間(記憶のゴールデンアワー)は復習と暗記の大切な時間です。 ② それは本当に自分を伸ばすための勉強なのか? 私たちはそれぞれ固有の感覚と個性をもった存在です。317 人の人間がいれば当然 317 通りの 「生 活/学習履歴」と「得意・不得意/強み・弱み」がある。その意味では自分の弱さを知っているの はまさに自分自身であり、最も自分を伸ばすポイントを知っているのも実は自分自身ということに なります。 「合格への 10 か条」の5「問題集や参考書はあれこれ手を出さず、これと決めたら徹底的にやり 込め」を思い出してください。「秘密ノート」がなぜ最高の参考書なのか、なぜ使ってきたテキス トや模試の復習が力を伸ばすのか、思い出してください。やり込む箇所やポイントは弱点がわかっ ている自分にしかわかりません。飛躍的に力をつける魔法の薬やテキストは自分の学習履歴の中に あります。自分の中の穴ぼこを埋められるのは自分だけです。 与えられた新しいものをただ受身で見たり聞いたりするだけでは絶対に伸びない。この夏は自分 から、本当に自分を伸ばす勉強をしよう。 ③ 苦手から逃げて科目を減らす未来は明るいか? 嫌なことを避けて仕事を減らせば収入が増えて生活が楽になるか、という問題です。風呂敷を小 さくすれば包めるもの(選択肢)は限られてくるし、困難も増える。科目を減らして楽になった気 がするのは「今の自分」だけで、「自分の未来」の道はどんどん狭くなっていきます。もし浪人し てやり直したいと思っても、国立大 5 教科型には戻れなくなる。かりに戻したとしても取り戻すま でに大変な時間がかかる。浪人生でも苦手科目を克服しないまま放置してきた人たちは伸びていま せん。受験科目は 11 月の全員模試まで捨てないことが大切だし、実はその方が成績も伸びていく。 5 教科で頑張ったおかげで成績が伸びたという先輩の声に耳をすましてください。先輩の成績が伸 びたのは楽になったからではなく、苦しくても高い意識で努力を続けたからです。 さあ、天王山の夏です。心ゆくまで自分を伸ばす、自分のためのわがままな夏を送ってください。 ただ、計画は綿密であればいいというものでもありません。むしろ計画は狂って当たり前。狂った ら、調整してやり直せばいい。なりたかった自分をあきらめないために、明日の結果につながる「い い失敗」をしよう。ポジティブ、ヘルシー、シンプルが夏を制す鍵です。
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