NEWS RELEASE 2016年8月吉日 報道関係各位 延べ床面積約250㎡におよぶ オール木造建築が 鎌倉市準防火地域で認可! 中学受験塾・日能研の仮設教室 中学受験塾の日能研(本社:神奈川県横浜市、代表取締 役社長:高木幹夫)は、鎌倉市大船駅前の再開発(2016年 10月∼2021年1月予定)にともなう大船校移転により、こ の10月、国産天然木だけを使用した、総木造2階建ての仮 設の学び舎を、鎌倉市大船1丁目に建築いたします。 数多くの文化財を有し、密集した住宅地も多い鎌倉市は、 防火基準が厳しいことで知られております。その鎌倉市内の 準防火地域において、接着剤などを使わない、総木造の防 火建築物として建築申請が認可されました。 この画期的とも言える認可の背景には、筑波大学の安藤 邦廣名誉教授によって規格化され、国土交通大臣の耐震・ 防火認定を取得した木造建築の伝統構法「板倉構法」の採用 があります。 (詳細は次ページをご参照ください) 構造から内外装すべてが国産の天然木を使用します。 日能研大船校仮設教室建設地 建築概要 ◆板倉構法による 総木造2階建て ◆所在地 鎌倉市大船1丁目 ◆建築面積 130㎡ ◆延床面積 247㎡ 1F床面積:123,5㎡ 2F床面積:123,5㎡ ◆完成後、 プレス向けの内覧会を 10月に実施いたします。 参加ご希望の方は、下記問い合わせ先まで ご連絡いただきますようお願い申し上げます。 使用する木材の総量は110㎥におよび、同規模の在来工法の3倍程度になります。 ご取材に関するお問い合わせは下記までお願いいたします。 日能研本部 イベント企画推進本部 久保/古田/原 TEL.045-475-0554 FAX.045-475-0544 [email protected] 1 NEWS RELEASE 板倉構法とは̶̶ なぜ中学受験塾の日能研が? 壁材に厚板を用い、壁塗りなどを行わず、構造と仕上げを 市街地再開発により、4年間の「仮設」教室での生活を送 兼ねたシンプルな木造建築の伝統構法です。施工の作業内 ることになった日能研大船校。 日能研で、子ども達が熟達していくのは、未知と出あう度 容から「落とし板倉」 「落とし込み板壁工法」とも呼ばれて にずっと使い続けることができる 「持続可能な学び」 です。そ います。近年、安藤邦廣筑波大学名誉教授が開発した板倉 の学びに 「環境」 からアプローチしようと、日能研では教室内 構法を提唱し、全国的に施工例が増えつつあります。 板倉構法は、 「粘り強い耐震性」 「防火性」に優れるとともに、 装の木質化を進めてきました。 「木質」 が生み出す学習効果は もちろん、 「木の命」 と子どもが出あって生まれる 「学び」 を大 「保温性・通気性・調湿性」が優れているので結露がおこり 切にしたい。変化するもの同士が出あうことから生まれる 「持 にくく、冬場の過乾燥の心配もありません。また板倉構法 続可能な学び」 を大切にしたい。そう考えているからです。 は木を太く厚く使っているので、比較的防音性があります。 ほとんど無垢の木材で構築できるので、シックハウスの心配 再利用を前提としていながらも、仮設期間終了と同時に 鉄骨フレームおよび副資材以外のほとんどが破棄される 「プ もありません。 レハブ」は、どうしても「学び」 とはつながりません。 「仮設」 板倉構法は日本の豊富な森林資源の保全・活用するために という状況をなんとかして 「学び」 とつなげたい日能研では、 開発された構法で、木造の在来工法に比べて3倍程度の木 「板倉造り」 を選択しました。当然、素材の「質」 にも徹底して 材を用いますが、間伐材を活用することでコストを抑えるこ とができます。今回は「NPO 法人しんりん」の協力で、大 こだわる 「健康住宅」 です。 量の木材を短期間で調達することができ、実現が可能になっ 子どもが、仲間と共に、自分で自分を育て、私学に進学 する場=日能研。 「木」 という環境が、 「持続可能な学び」 に たのです。 アプローチするカタチ=木質化プロジェクト。その最新にし この板倉構法は伝統的な継手仕口で組まれているので組み て、エポック的な建物が 「大船校仮設の学び舎」 なのです。 たて・解体が容易にでき ます。そのため仮設建築 にも適しているので、短 準防火地域とは̶̶ 期間で建設でき、使用後 都市計画法第9条20項において 「市街地における火災の危 はそっくりそのまま解体・ 険を防除するため定める地域」として、また建築基準法およ 再利用が可能です。廃棄 び同法施行令において具体的な規制が定められた地域です。 物の処理の心配もありま 500㎡を超える建築物については、耐火建築物または準耐 せん。東日本大震災の応 火建築物としなければなりません。木造2階建てまたは平家 急 仮 設 住 宅に採 用され、 建ての場合は、隣地から一定の距離内で延焼のおそれのある 福島県に 200 戸建設さ 部分の外壁や軒裏は防火構造としなければなりません。 れ、その優れた特性が注 また、これに付属する高さが2mを超える門や塀は不燃材 目されました。 料で造るか、または不燃材料で覆わなければならないことに 板倉構法の特徴の一つである 落とし込み壁パネル(資料写真) なっています。 このように規制の厳しい準防火地域で、構造、内外の仕上 大船校仮設教室完成までのトピック げとも総木造建築の申請が認可されることはとても珍しいこ 8月 とです。今回は伝統的な 「板倉構法」 を現代の基準に合わせて 2日 地鎮祭 8月 28日 棟上げ( まきをします) 開発した、安藤邦廣筑波大学名誉教授が主宰する 「里山建築 9月 11日 生徒対象ワークショップ 研究所」 が確認申請を行いました。 「板倉造り」 と 「子ども達の 10月 学び」 のコラボレーションに想いをもって積極的に取り組んで 内覧会 ※8月後半(23日ごろ)から建物が建ち始めます。 上記日程を含め、見学にお越しになる際は、事前にご連絡ください。 くれたのです。 2 NEWS RELEASE 資料 資料提供 日本板倉建築協会/株式会社里山建築研究所 ◆板倉構法 屋根・壁・床の構成 ◆板倉構法による施工例 アスファルトルーフィング 金属板または瓦葺き 荒野地板:30×180 断熱材:茅ァ、60 軒桁 化粧野地板:本実加工板 30 ×180 断熱材:植物繊維 ラグスクリュー 屋根の構成 たるき:120×120@910 胴差:スギ 120×240 落とし板:スギ 本実加工 厚30 働き幅135 木摺:スギ 24×150 木摺:24×150 釘:CN50千鳥打ち 断熱材:植物繊維 透湿防水紙 透湿防水紙 目板:スギ 15×120 目板:スギ 12×45 真鍮化粧釘:@300 柱:スギ 120角 メタルラス 下見板:15×135 外壁:板貼り仕上げ 左官仕上げ 土台:スギ 120角 込み栓:堅木φ18 通しホゾ込ミ栓打ち ネコ土台:30×105×300 左から大壁、真壁(左官仕上)、真壁(板貼仕上) 仕上げ床:スギ ァ30 断熱材:植物繊維 床根太:30×45 荒床:スギ ァ30 耐震の性能試験。桟付 き板倉パネルは初期剛 性 が 高く、傾きが 大き く変形しても板壁パネ ルに大きな損傷はな い。粘り強く持 ちこた える。 大引:スギ 120角 土台:スギ 120角 ◆板倉による防火構造の大臣認定の一例 隔 柱間 以下 mm 柱 120mm角以上 00 20 落とし込み板 30mm厚×135mm以上 縦木ずり板 24mm厚×150mm以上 柱際板 21×45mm角以上 床材(評価対象外) 根太(評価対象外) 大引(評価対象外) 縦木ずり板取付け用留め具 (落とし込み板一枚につき二カ所(千鳥打ち)) 柱際板取付け用留め具(@150(千鳥打ち)) 土台(評価対象外) 基礎(評価対象外) 防火性能試験 左/板倉の構造体を裏側から900度に熱する燃焼実験。30分間表側に燃え抜けがな かったので、防火構造として認定された。 右/30分後に裏返した状態。裏側は900度でも、表側は 30分経っても40度以下。木の優れた断熱性と人を守る安全性が示された。 3
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