2016年8・9月合併号 第144号 茶木 登茂一 お詫びとお知らせ;パソコンに不具合が発生しまして、8月号の発行が大幅に遅れまして |1 申しわけありません。この号は8・9月合併号として発行させていただきます。 トピックス 82歳になりました!! 私ごとで恐縮ですが、7月末に満82歳になりました。ずいぶん長く生きてきたなあという感慨 もあり、また逆にアッという間に過ぎてしまったという感慨もあります。日本人男子の平均寿命 80.79 歳を超えてしまったということも、何か微妙な気持ちです。 おかげさまで目下のところまあ元気で、常用の内服薬がひとつもないことがささやかな自慢です が、老人性難聴ということで、人の話が聞き取りにくいのが最近の悩みです。とくに会議などで困 っています。ということもあり、また、協会本部の役員・委員の定年が80歳と決められているこ ともあり、広報・機関誌委員会の委員を6月末で退任させていただきました。これからは東京都支 部活動並びに担当教室における楊名時太極拳の普及活動、そして「雲の手通信」の発行、また私的 勉強会の活動などに集中してゆきたいと思っております。 いずれにせよ、人生に残された時間がそう長くないことは確かですので、本当にやりたいこと、 本当に好きなこと、を最優先にしてゆくようにしたいと思っております。 「中国歴史文化なんでも勉強会」開設のおしらせ 「第3期太極拳まるごと勉強会」が6月末に終了いたしました。何か新しいものを、というご希 望もありましたので、ちょっとテーマを変えて中国の歴史と文化をじっくりと勉強する「中国歴史 文化なんでも勉強会」を以下の通り設営しましたので、ご案内いたします。中国史については昨年 終了した「太極拳なんでも勉強会」でも少し取り上げましたが、長くて深い中国の歴史の王朝交代 ぐらいしかお話することができませんでしたので、今回はじっくりと腰を据えて、中国の思想、文 化、宗教なども含めての中国史を勉強したいと思います。 現在起きている中国のもろもろの現象も、中国史を知ることによってより明快に理解することが できるのではないかと思います。何よりも、“知的好奇心”を掻き立てて大脳の“筋トレ”にもな るように、面白い講座としてご提供いたします。ふるってご参加ください。 なお、太極拳や気功のことを中心に勉強する、第4期となる「太極拳まるごと勉強会」は来年4 月から平日の午前のコースとして検討中ですが、いずれ決まり次第ご案内いたします。 「中国歴史文化なんでも勉強会」開催要領 期日;2016年10月から2017年9月まで、全12回 開催日と時間;毎月第3水曜日 午後6時30分から8時まで (1時間30分) 場所;船堀タワーホール会議室 会費;1回500円 テ-マ; 回 第1回 日にち 2016 年 10 月 19 日 神話と伝説の時代 テーマ 第2回 11 月 16 日 異文化の出会いと漢字の誕生 第3回 12 月 21 日 花開く古代思想 第4回 2017 年 1 月 18 日 秦王朝と漢王朝 第5回 2 月 15 日 大混乱の 360 年(三国時代・五胡十六国時代・南北朝時代) 第6回 3 月 15 日 隋王朝と唐王朝 |2 (以下追って設定いたします。 ) 左顧右眄 第18話 『肥大化する欲望の正体を探る その2』 第3章.進化の過程 ヒトは脊椎動物の進化の頂点に位置しますが、その進化のあとを戻ってゆくと、簡単に言ってし まえば、 「ヒト⇒哺乳類⇒魚⇒ホヤ⇒ヒドラ」となるのではないでしょうか。 【右下は動物の進化図 の一例】 こうちょうどうぶつ 図の下の中央に描かれているのがヒドラといってクラゲの仲間の腔腸動物です。淡水あるいは海 水にすんでいます。 ヒドラの体の構造はとて もシンプルで、片方が閉じて いる一本の管(腸)が中心で、 開口部が口と肛門とを兼ね ています。口の周りには触手 があります。触手から毒を出 します。もちろん心臓も血管 もありません。ただ腸の内面 には哺乳類の神経細胞(ニュ ーロン)の元祖ともいえる細 胞があるとされています。こ のような単純な構造ですが、 動き、あるいは固着し、エサを探し、毒を用い、栄養を取 り、排泄し、子供も産みます。 ヒドラは通常の 状態では雌雄同体ですから、体から芽が出てくるように子供 が伸び出して来て、やがて切り離れて成体になるそうです。 【左上がその無性生殖による「出芽」の画像です。】 余談ですが、環境の悪化などを感知した場合には即座に雌 雄異体に変わり、有性生殖をおこなって子供を産みます。つ まり、親は自分の死を予感した場合に限り、自分の中ではな く外で子供を産むということのようです。ものすごい能力で すね。 進化の第 2 ステップは 入り口と出口の分化です。ホヤ 【左図;ホヤの成体】などがその初めですが、取り入れる口 と出す肛門とに分かれました。口から取り込んだ海水から栄養物と酸素とを同時に取り込んでいま す。 心臓と血管も出来ました。面白いの はその幼虫【右図;ホヤの幼虫】です。 オタマジャクシのような姿をしていま して、脊索と神経管があります。とい うところからホヤは脊椎動物の遠い祖 先と言われています。 ホヤからさらに進化が進むといわゆ る魚類となりますが、最も原始的なも のが円口類のナメクジウオです。下図のように、頭部から尾部にかけて筋肉組織の棒状の「脊索」 を持ち、それに沿って神経索があるのが特徴です。また、血管はあるのですが、心臓はなく、血管 の脈動で血液を循環させているそ うです。まだ骨がありませんので、 ナメクジウオと名付けられたので しょうか。体長 3~5 センチ、半透 明で、体をくねらせることにより泳 ぐことが出来ますが、砂の中に潜っ ていることが多いそうです。(以下 次号に続く) アーカイブス「雲の手通信) 健康妄語録 ひ (再掲 昔のコラム) と 手を温めると他人に優しくなる!? 【2008 年 12 月第 52 号】 「手を温めると他人にやさしく、親切になる」という実験結果があるというお話を中野完二先生から伺 いました。出所は10月27日の朝日新聞夕刊とのことでしたので、早速読んで見ました。これはアメ リカのコロラド大学と、エール大学がサイエンス誌に発表したものだそうで、ホットコーヒーとアイス コーヒー、温湿布と冷湿布をそれぞれ(もちろん目的は知らされずに)持たせた被実験者のその後の行 動から、いずれのケースも前者が後者に比べると、他人に対して優しい、寛大な、好意的な行動を取っ たというところから“無意識のうちに物理的な暖かさが人間関係の暖かさに結びつくものである”との 結論を導き出しているものです。調査対象者が41人とあるので、その程度の人数の実験から相当大胆 な結論を下したものだとは思うものの、我が意を得たりとは思います。 ただし手を温めることの効用はもっと深いところにあると思います。私の教室の生徒さんはよくご存 知ですが、まず手をよく暖めることから練習を始めているのもそうしたことを意識してのことです。 「①両手を上に上げての手のひら前向きぶらぶら、後ろ向きぶらぶら、両手を横にして同様ぶらぶら② 手を開く、結ぶ、③手首回し、④指先を突き合せて強く押す、緩める、⑤両手を握り締める、開いて引 っ張る、押し付ける、⑥爪モミ運動⑦手のひら、手の甲の摩擦、労宮と合谷のつぼの押しほぐし、」と これだけ行っているわけですが、手のひらや指先は真っ赤になり,労宮や指先はちりちりしてきます。 いつもお話していますように,また最近再度資料を配布して講義した『新資料・からだの仕組みシリー ズ』にも書いてありますとおり,これらの準備運動(というか準備運動の前の予備運動)の刺激は、血 |3 液とリンパの流れ、経絡やつぼ、指先の神経、と多岐にわたり,結果として,血流を良くし、体温を上 げ、脳を刺激し、経絡の気の流れを良くしているのです。つま先立ちの足踏みとともに特に寒い季節は おすすめの超簡単運動ですね。 多分、暖かいコーヒーや,温湿布よりは,とても大きな複合的な効用をあなた自身にも、またあなた の周りの人たちにも、もたらしてくれるものと思います。 |4 特に付記することはありませんが、日常的に、気が付いたときに、“ながら運動”でちょっとで も実行するが一番良いようですね。 志賀高原にあそぶ 7 月下旬、志賀高原の熊の湯に 2 泊して、高原の夏を楽しんで来ました。バス、ロープウエイ、 リフトなどを利用して、東館山(標高 1994m)、横手山(標高 2307m) 、木戸池、蓮池などを歩き ました。熊の仔が傷をいやしたのが由来という熊の湯(標高 1600m)の源泉かけ流しの硫黄泉が素 晴らしかったです。短歌と写真でその一部をご紹介します。 (東館山) 熊に注意の看板横目に見やりつつ東館山の花畑行く 夏雲は湧きては流れまなかいの岩菅山の英姿を隠す (熊の湯) きみどりにとろりと熱き硫黄泉肌ちりちりと浸かる悦楽 熊の仔が傷癒せしが始めとぞ晶子が詠ひし熊の湯の故事 (横手山・渋峠) 横手山をリフトで行けば霧の中夏うぐいすが静けさ破る 雲上のパン屋さんは大繁盛リフトに乗って買いに来るらし 山頂はただ真っ白な雲の中思い出深き白根も見えず 群れ咲けるニッコウキスゲに競うごとテナガチドリやシナノキンバイ (木戸池・蓮池) 木戸池はかんばの林に囲まれてカルガモ親子が水脈引く静けさ 木道の熊笹そよげばアキアカネ止まりては浮く遊びがごとくに 蓮池は紅白のハス咲き満てど蓮池ホテルは荒れし姿に 久しぶりの志賀高原でしたが、長野オリンピックの財政的な後遺症、 そしてスキーブームの終焉ということで、志賀高原のホテルもかなりの 数が廃業、閉鎖されているのには胸の痛む思いでした。 【左下;木戸池 右下;蓮池 右上;シナノキンバイ】 【テナガチドリ】
© Copyright 2024 ExpyDoc