平成28年上半期における特殊詐欺認知・検挙状況等について

広
報
資
料
捜 査 第 二 課
生活安全企画課
平成28年上半期における特殊詐欺認知・検挙状況等について
1
特殊詐欺の認知状況
⑴ 情勢全般
○ 認知件数は6,443件(前年同期比-570件、-8.1%)で、上半期として5年ぶ
りに減少。被害額は198.4億円(-41.8億円、-17.4%)で、昨年に引き続き減
少。しかし、依然として高水準で推移。
○ 既遂1件当たりの被害額は331.2万円(-43.9万円、-11.7%)。
○ 11道県において被害額が前年同期比で半減した一方、神奈川、静岡、愛知、
京都、大阪などの大都市圏において増加。
認知件数
(件)
被害額
(億円)
600
14,000
500
12,000
10,000
400
8,000
300
6,000
200
4,000
100
2,000
0
0
年次
区分
認知件数
⑵
27年
27年
28年
上半期 上半期
7,216 8,693 11,998 13,392 13,824
7,013 6,443
23年
24年
25年
26年
年次
区分
被害額
27年
27年
28年
上半期 上半期
204.0 364.4 489.5 565.5 482.0
240.2 198.4
23年
24年
25年
26年
高齢者の資産を標的とした特殊詐欺
ア 高齢者率の状況
○ 高齢者(65歳以上)被害の特殊詐欺の件数は5,070件(-359件、-6.6%)
で、その割合(以下「高齢者率」という。)は78.7%(+1.3P)。
○ 類型別では、オレオレ詐欺(95.6%)、還付金等詐欺(93.9%)、金融商
品等取引名目の特殊詐欺(88.6%)で、高齢者率が特に高い。
○ 架空請求詐欺、融資保証金詐欺は、高齢者以外の年齢層にも被害が見られる。
イ 重点3類型の状況
○ 特に高齢者率の高い重点3類型(オレオレ詐欺、還付金等詐欺及び金融商
品詐欺※)の認知件数は4,874件(-322件、-6.2%)、被害額151.2億円(-29.3
億円、-16.2%)で、それぞれ特殊詐欺全体の75.6%(+1.6P)、76.2%(+1.1
P)。
※ 「金融商品詐欺」は、金融商品等取引名目の特殊詐欺にこれと類似した架空請求詐欺を加えたもの。
○
重点3類型のうち、還付金等詐欺が、認知件数1,561件(+419件、+36.7%)、
被害額18.9億円(+6.9億円、+58.1%)と増加。
○ オレオレ詐欺は、認知件数2,760件(-295件、-9.7%)、被害額80.1億円
(-7.4億円、-8.4%)と減少したものの、特殊詐欺全体のいずれも約4割を
占め、手口別で最も多い。
- 1 -
イ
手交型対策
○ だまされた振り作戦により、受け子等実行犯385人(-71人)を現場検挙。
ウ 現金送付型対策
○ 被害金送付先92箇所(-23箇所)において104人(-20人)を検挙。検挙に
係る送付先のうち、空き室が59箇所と6割強を占めた。私設私書箱(自称
を含む。)は4箇所で、利用の減少が見られた。
○ 宅配事業者、コンビニエンスストア等と連携し、受付時に荷物に現金が在
中していないかにつき依頼者に声掛けを行うなど、被害防止対策を推進。
宅配便の伝票における注意喚起表示(京都府警察)
エ
電子マネー型対策
○ 警察庁ウェブサイトで注意喚起を行うとともに、28年1月、金融庁等の関
係省庁と連携し、一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会に対して、
高額又は大量の電子マネーを購入しようとする客へのコンビニエンスストア
従業員による声掛け等の協力を依頼。
○ 金融庁との間で、電子マネーの悪用による詐欺被害を防止するために関
係事業者に求めるべき取組について協議を実施。
○ 都道府県警察では、防犯メール等による注意喚起を行うとともに、コンビ
ニエンスストアと連携し、あらゆる年齢層の電子マネー購入者にチラシを提
示して声掛けを行うなど、被害防止対策を推進。
電子マネー購入希望者向け提示カード(山形県警察)
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3
今後の取組
⑴ 犯行グループの摘発強化
ア 犯行拠点の摘発
○ 引き続き、全国警察を挙げて摘発を強化。
○ 各部門の連携により、犯行拠点や犯行グループに関する情報収集を推進。
「匿名通報ダイヤル」につき、28年1月から6月までに特殊詐欺の通報とし
て103件受理し、所要の捜査を実施中。
イ 現場検挙等の徹底
だまされた振り作戦による現場検挙や送付型事案に対する捜査を徹底し、引
き続き、犯行グループに対する取締りを推進。
ウ 改正通信傍受法の施行準備
犯行グループ中枢の検挙に向けた通信傍受の活用のための準備
⑵
犯行ツール対策
捜査の過程においてレンタル携帯電話業者による貸与時の本人確認義務違反
の事実が判明したときは、携帯音声通信事業者に対する役務提供拒否に関する
情報提供を積極的に行い、レンタル携帯電話の無力化を引き続き推進。
○ 悪質なレンタル携帯電話業者等に対する取締りを引き続き推進。
○
⑶
関係事業者等との連携強化
ア 金融機関、宅配事業者、コンビニエンスストア等との協働による被害阻止
○ 預貯金の払出しを伴う高額の被害が依然として発生していることから、被
害防止のための金融機関との連携を更に強化。
○ 還付金等詐欺の多発県を中心に、金融機関等と連携し、被害防止のための
広報啓発とATM対策を強化。
○ 宅配事業者、コンビニエンスストア等と連携し、送付型事案に対し、被害
金在中の荷物の配達を阻止するための取組を引き続き推進。
イ 電子マネー関連企業等との連携
関連企業や関係省庁、コンビニエンスストア等と連携し、電子マネー型の被
害を防止するための取組を引き続き推進。
ウ 不動産関係団体等との連携強化
不動産関係団体等と連携し、賃貸マンション・オフィス等が特殊詐欺の被害
金送付先や犯行拠点として悪用されないための取組を引き続き推進。
エ 自治体と連携した自動通話録音機等の普及促進
自治体と連携し、電話でだまされないための自動通話録音機等の普及を引き
続き促進。
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