橋梁長寿命化修繕計画の策定について 1. 長寿命化修繕計画の背景と目的 【 背 景 】 宮城県道路公社(以下、公社)が管理する橋梁は、平成28年4月現在32橋あります。これらの橋 梁は比較的建設年次が新しく、現時点で建設後50年を経過する橋梁はありませんが、今後は橋梁の高 齢化が急速に進展します。また、公社が管理する路線は大型車交通量が多く、冬季は安全性確保のため に凍結防止剤を散布するなど、橋梁を取り巻く環境条件は非常に厳しいものと言えます。 今後、これらの橋梁を合理的かつ効率的に維持管理することが必要となります。 【 目 的 】 公社が管理する全橋に対して、従来の事後保全型の維持管理を継続した場合、維持管理費の増大や安 全性の低下が懸念されることから、予防保全型維持管理への転換を図り、維持・補修による橋梁の長寿 命化による維持管理費の縮減や安全性の確保を図ります。 建設年次の推移 2026年度 供用後 50 年以上 0 橋, 0 % 供用後 50年未満 32 橋 100% 2036年度 供用後 50 年以上 11 橋 ,34 % 供用後 50年未満 21 橋 66% 2046年度 供用後 50年未満 11橋 供用後 34% 50 年以上 21橋,66 % 2. 健全度の把握及び日常的な維持管理に関する基本的な方針 ■健全度の把握の基本的な方針 橋梁定期点検要領(平成26年6月 国土交通省 道路局 国道・防災課)に基づき、5年に1回の頻度で近接目視を 基本とした橋梁の損傷状況の把握に努めます。合わせて、 点検結果のデータベース化を行い、今後の維持管理の基礎 資料の蓄積を行います。 ■日常的な維持管理に関する基本方針 橋梁を良好な状態に保つため、日常パトロールや清掃などの 実施を徹底します。 ⇒定期パトロール(1年に2回) 橋梁を良好な状態に保つため、定期パトロール(1年に2回) を徹底します。また、点検で安全性に係わる損傷が確認された橋梁に対しては、補修を行うまでの 期間、重点的に劣化の進行状況を確認し、進展があった場合は応急対策等を講じます。 ⇒橋梁長寿命化に向けた維持修繕の徹底 日常的な維持管理の継続は橋梁の長寿命化につながるため、維持修繕の徹底に努めます。 ①路面清掃 ②排水管の欠損部復旧、小改良、清掃 ③橋座の堆石土砂撤去 ④排水施設の土砂撤去 ⑤小規模な地覆等のコンクリート欠損や高欄の変形・欠損の補修 3 対象橋梁の長寿命化及び修繕・架替えに係わる費用の縮減に関する基本的な方針 ⇒損傷が深刻化して大規模な修繕を実施する事後保全型管理から、定期的に点検を実施して損傷が深 刻化する前に修繕を実施する予防保全型管理への転換に努め、長寿命化及び修繕・架替えに係わる コストの縮減を図ります。 ⇒構造安全性に係わる損傷を受けた橋梁や第三者被害が懸念される橋梁に対する修繕を優先しつつ、 寿命化が期待できる修繕を合わせて実施します。 修繕前 修繕後 4. 長寿命化修繕計画の効果 ①安全・安心の確保 定期的な点検と長寿命化修繕計画による計画的な修繕を実施することで、橋梁を健全な状態に保ち、 安全・安心の確保が可能となります。 ②長期的なコスト縮減 公社では、これまでも予防的な修繕の実施を行っておりますが、事後保全的維持管理を実施した場 合は大幅に修繕コストの増大が生じることから、今後も、継続的に予防的な維持管理を実施し、維持 管理コストの縮減を図ります。 5 計画策定担当部署および意見を聴取した学識経験者 ■計画策定担当部署 宮城県道路公社 建設部道路管理課 TEL 022-263-0568 ■意見を聴取した学識経験者等の専門知識を有する者 東北大学大学院工学研究科 土木工学専攻 鈴木 基行 教授 宮城県道路公社 建設部道路管理課 仙台市青葉区上杉1丁目1-20ふるさとビル4F TEL 022-263-0568 / FAX 022-262-8202
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