外国語活動編 ☆ だれに対してもわかりやすい授業づくりのポイント (1)活 動 の 流 れ を 明 確 に し て , 見 通 し の も ち に く い 児 童 を 支 援 す る 。 活動の見通しが持ちにくい児童には,右のよ うな活動の流れを提示しておくと,児童が今何 をすればよいのかが明確になります。 単元の「出会う」段階では,外国の人や文化 と 出 会 い ,活 動 へ の 興 味・関 心 を 高 め る た め に , 【1単元】 【学習過程】 「出会う」 ① あいさつ 「関わる」 ② ウォームアップ 「表現する」 ③ めあての確認 ④ コミュニケーシ GT 自 身 の こ と や 出 身 地 に つ い て の 話 を 聞 く と よ い で し ょ う 。 「関わる」段階では,意味のあるやりとりを行うことで,人や 文 化 に 積 極 的 に 関 わ る こ と が で き ま す 。「 表 現 す る 」 段 階 で は , ョン活動 ⑤ ふりかえり ⑥ あいさつ 自分の気持ちや思いを慣れ親しんだ言葉や身振り,絵や写真な どを使って表現させます。 毎時間の活動においては,あいさつの仕方やウォームアップですることを表示して おくと,どの児童も円滑に授業に入っていくことができます。 (2)活 動 段 階 ご と に 配 慮 す る こ と ① あいさつ ・気持ちの切り替えが苦手な児童のために,簡単な英語のあいさつから “ Hello, ○ ○ sensei. How are you?” “I’m ~.” 等,簡単な英語を使ったあいさつ をすることで,気持ちの切り替えが苦手な児童に,これから外国語活動が始まるこ とを意識させることができます。 ② ウォームアップ ・緊張感が強い児童のために,メロディーが簡単な歌や,同じフレーズの繰り返し が多いゲームを ウ ォ ー ム ア ッ プ で は ,“ Hi,friends!” の Let’s chant や 英 語 の 歌 , 簡 単 な ゲ ー ム を 取り入れることで,児童たちの緊張をほぐし,本時への興味・関心を高め,メイン となる活動へつなぐようにすることが大切です。メロディーが簡単な歌や,同じフ レーズの繰り返しが多いゲームは覚えやすく,緊張もほぐれていきます。 ③ めあての確認 ・活動のイメージ化が苦手な児童のために,めあては児童の行動目標で めあては,日本語で,本時の目標を,児童のめざす姿にしてわかりやすく提示し ま す 。 め あ て を 「 ~ を 紹 介 し よ う 。」「 ~ を 尋 ね よ う 。」 な ど , 児 童 の 行 動 目 標 に し て提示することで,児童たちに活動のイメージをもたせることができます。 ④ コミュニケーション活動 ・言葉の理解が難しい児童のために,視覚情報を活用して 音声中心での外国語活動では,指示や活動の内容がうまく伝わらないことがあり ます。そこで,視覚情報を与えることにより,円滑な活動を行うことができます。 <絵 カ ー ド > 活動に必要な指示や語彙を絵カードにし,絵の下に英語を表記しておくと,絵や文 字と音声がつながっていきます。また,自分の気持ちや考えをわかりやすく伝え,聞 き手が話し手の伝えたいことを理解するのにも有効です。 Play ~ . で 表 す ス ポ ー ツ を 提 示 す る 。 Play the~ .で 表 す 楽 器 を 提 示 す る 。 S w im な ど 1 語 で 表 す 動 作 を 提 示 す る 。 「できる」 「 で き な い 」を ス マ イ ル マークで視覚化する。 絵 カ ー ド の 貼 り 方 に も ,工 夫 が 必 要 で す 。複 数 の 絵 カ ー ド を 提 示 す る 際 は ,種 類 別 , 難易度別など貼り方を考えることが大切です。 <ICT 教 材 > “ Hi,friends!” の DVD は , ネ イ テ ィ ブ の 口 元 を み せ な が ら 発音を聞かせたり,クイズの解答が視覚的にわかりやすく表 示されたりするので,有効に活用できます。児童の実態に応 じて,パワーポイントなどのプレゼンテーションソフトで, 会話の流れを提示してもよいと思います。 <活 動 の 実 演 > 活動の内容やルール,どのような場面で,どのような表情でやりとりが行われてい る か を ,英 語 に よ る デ モ ン ス ト レ ー シ ョ ン や ジ ェ ス チ ャ ー で 示 す こ と は ,大 変 有 効 で す 。GT と の デ モ ン ス ト レ ー シ ョ ン が で き な い 場 合 は , パ ペ ッ ト (指 人 形 )な ど を 利 用 す る こ と も で き ま す 。 ま た ,活 動 の 途 中 に ,代 表 児 に モ デ ル と し て ,デ モ ン ス ト レ ー シ ョ ンを見せることも,その後の活動の活性化につながります。 ⑤ ふり返り・あいさつ ・書くことが苦手な児童のために,ふり返りカードにひと工夫を ふりかえる観点を書いたカードに,あてはまる評価のマークに丸 をつけます。記述の場合は,書く視点を与え,記述に 対する苦手意識を軽減させる工夫が必要です。 (3)ゲ ー ム の 結 果 に 固 執 す る 児 童 が い る 場 合 の 支 援 方法は? コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 活 動 で は ,「 ポ イ ン テ ィ ン グ ゲ ー ム 」「 ク イ ズ 」 な ど , ペ ア や グ ループで行う活動があります。ゲームも白熱してくると勝負にこだわるあまりルール を 無 視 し た り ,勝 敗 が 見 え ,や る 気 を な く し た り す る 児 童 が 出 て く る こ と が あ り ま す 。 そのようなときは,ルールを工夫してみましょう。グループ活動のときは,話し合 う 時 間 (シ ン キ ン グ タ イ ム )を と っ て , 協 力 し て 答 え を だ す の も よ い で し ょ う 。 友 達 と 協力することで,友達のよさを見つけることができ,外国語活動のねらいでもあるコ ミュニケーショ能力の素地を養うこともできると思います。 分かる授業づくりの実際 1 単元名 2 単元目標 ○ 外国語活動編 「 Let’s go to Italy! 」 自分の思いがはっきり伝わるように,おすすめの国について発表したり,友達の発 表を積極的に聞いたりしようとする。 ○ 行きたい国について尋ねたり,言ったりする表現に慣れ親しむ。 ○ 世界の様々な人たちが,様々な生活をしていることに気付く。 3 本時の目標 ○ 自分の思いがはっきり伝わるように,おすすめの国について発表したり,友達の発 表を積極的に聞いたりしようとする。 4 指導の実態 学習活動と内容 手立て ※ 前 時 ま で の 活 動 に つ い 1 あいさつをする。 ○ HRT や GT の 目 を 見 て , て , 活 動 内 容 や 活 動 の 様 笑顔であいさつをすること 子 の 分 か る 写 真 な ど を 掲 2 ウォームアップをする。 ○ リズムにのって,チャン 【前時までの活動の流れ図】 示 し て お く 。 ※ ツをすること 3 支援のポイント “Hi,friends!”の デ ジ タ ル 教 材 と 電 子 黒 板 を 使 めあてをつかむ。 い , チ ャ ン ツ を 行 う 。 自分のおすすめの国をすすんで友達に紹介しよう。 ◎ 流れ図を掲示は,活動の 流れを掴むのに有効です。 4 コミュニケーション活動 ※ をする。 (1) デモンストレーショ ン を 見 て ,ペ ア で 紹 介 を ※ する。 デ モ ン ス ト レ ー シ ョ ン ◎ HRT や GT で 話 し 手 と 聞 を 行 い , お す す め の 国 の き手に分かれて,デモンス 紹 介 の 仕 方 を 確 認 す る 。 ト レ ー シ ョ ン を 行 う こ と 笑 顔 で , 相 手 の 目 を 見 は,児童にとって,おすす て な ど の コ ミ ュ ニ ケ ー シ めの国紹介の仕方や活動の ョ ン ポ イ ン ト を 確 認 す 流れを掴むのに有効です。 る 。 ○ ペアになり,紹介の仕方 ※ を確かめること 【紹介カードの例】 ※ ペ ア で お す す め の 国 の ◎ 始めに,ペアで紹介をし 紹 介 を さ せ , 英 語 表 現 な 合い,英語表現を確かめる ど の 確 認 を す る 。 ことで,次のおすすめの国 自 分 の お す す め の 国 紹 紹介に自信を持って参加で 介 に 自 信 を 持 て な い 児 童 に つ い て は , 側 で 紹 介 を きます。 ◎ おすすめの国紹介に,不 聞 き ,表 現 を 確 か め た り , 安を持つ児童については, 紹 介 の 良 い と こ ろ を 褒 め HRT が 側 に 行 き , 共 感 的 に た り し な が ら , 自 信 を 持 紹介を聞くことで,自信を た せ る 。 持つことができます。 (2)おすすめの国の紹介を ○ ○ ※ 前 半 の 児 童 に 紹 介 で 使 ◎ 表現物や環境を整えるこ す る 。( 前 半 ) 用 す る 表 現 物 な ど の 準 とで,どの児童も安心して 前半の児童は,表現物を 備 を さ せ ,準 備 が で き た お す す め の 国 紹 介 に 参 加 使いながら,おすすめの国 こ と を 確 認 し て ,お す す で き ま す【 。お す す め の 国 紹 介 】 紹介をすること め の 国 紹 介 を 始 め る 。 聞き手の児童は,話を聞 ※ きながら,答えること し な が ら , 紹 介 を 聞 く こ (3)全体交流をして,前半 の紹介の振り返りをする。 聞 き 手 の 児 童 は , 反 応 と を 伝 え る 。 ※ 前 半 の 紹 介 で , 紹 介 の ○前半の紹介で,よかった交 仕 方 が よ か っ た 児 童 の 紹 流の仕方に気付かせること 介 を 全 員 で 聞 き , 紹 介 の (4)おすすめの国の紹介を よ か っ た と こ ろ に 気 付 か 取り,表現のよかった児童 す る 。( 後 半 ) せ , 後 半 の 紹 介 に そ の よ に紹介をさせ,よさに気付 後半の児童は,表現物を さ を 取 り 入 れ る こ と を 知 かせることで,後半の紹介 ら せ る 。 活動がさらによいものにな ○ 使いながら,おすすめの国 紹介をすること ○ ※ 聞き手の児童は,反応を ◎ 途中で全体交流の時間を り ま す 。 【振り返りの様子】 後 半 の 児 童 に 紹 介 の 準 備 を さ せ , 準 備 が で き た しながら,話を聞くこと こ と を 確 認 し て , お す す め の 国 紹 介 を 始 め る 。 5 振り返りをする。 ○ 活動のめあてを確かめ, ※ 振 り 返 り の プ リ ン ト に 書 い て あ る 視 点 で , 活 動 活動を振り返ること の 振 り 返 り を す る こ と を 確 か め る 。 6 あいさつをする。 ○ HRT や GT の 目 を 見 て , 笑顔であいさつをすること ※ 相 手 の 目 を 見 て , 笑 顔 で あ い さ つ を す る こ と を 知 ら せ る 。 ◎ 単元を 1 枚のプリントに すると,単元全体の振り返 り が 分 か り や す く で き ま す。 ◎ あいさつの約束を学級で 決めておくと,毎回のあい さ つ が ス ム ー ズ に で き ま す。
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