海外だより - JA 全中

D.C.通信
海外だより
連載 63
中村岳志 (JA全中農政部国際企画課<在ワシントン>)
August, 2016
「食と農を語る夕べ」
〜日本食・国産農畜産物の発信
JA全中は 6 月16日、日本食
けるほど軟らかい。赤身のアメ
や国産農畜産物等の理解促進を
リカ産牛もおいしいものが多く
目的に、在米日本大使館や農畜
あるが、これは別物」
「しゃぶ
産業振興機構(alic)との協力
しゃぶやにぎりなど、和牛には
る国産ウイスキーも提供され、
のもと、アメリカ・ワシントン
ステーキ以外にもさまざまな味
参加者はこれらのお酒と日本食
DC の 駐 米日本 大 使 公 邸 にて、
わい方があることを知った」な
のハーモニーを楽しんだ。
「食と農を語る夕べ」レセプショ
ど、アメリカ産牛との肉質の違
■まだまだ拡大の余地がある
ンを開催した。
いや味わい方の幅広さに驚く声
本年のレセプションには、ア
が聞かれた。
メリカ政府・議会関係者、農業・
これら和牛の提供場所では、
日本大使館の調べによると、
貿易・食品関係のさまざまな団
全農によるPR 活動も実施。反応
現在アメリカを含む世界各国の
体・企業、世界各国の大使館関
は上々で、全農担当者は「新た
日本食レストランの数は 9 万を
係者など、各界から200人以上
な食べ方を伝え、和食の広告塔
超え、そのうち約 2 万2,000が
が集い、大いににぎわった。
となるファンを増やしたい。牛
アメリカに存在するとされてい
肉の高価格帯部位については一
る。
定程度浸透したので、今後は中
アメリカにおいては、既に
価格帯の部位の販売に力を入れ
「スシ」などは誰もが知る象徴
料理には、JAグループ提供
る」と、さらなる市場拡大への
的な日本食となっているが、い
による鹿児島県産和牛や新潟県
意気込みを語った。また、農畜
ずれの参加者も「日本食の裾野
魚沼産コシヒカリなどの国産食
産物のほかにも、産地直送の鹿
は非常に広いことを知った」な
材をふんだんに取り入れ、ワシ
児島県産ブリが供されるなど、
どと感嘆しており、アメリカで
ントン DC 近郊の人気日本料理
参加者は日本の農畜産物・水産
日本食がさらに普及する余地は
店 シェフ が 調 理。 和 牛 は目・
物が織りなす豊かな食に舌鼓を
まだまだあると考えられ、国産
音・香りなど五感で楽しめるよ
打った。
農畜産物の輸出拡大を念頭に置
う、ステーキを目の前で焼いて
こうした料理に合わせて、全
いた取り組みがより一層求めら
提供したほか、当地では珍しい
国各地から取り寄せたさまざま
れている。
しゃぶしゃぶとしても提供した。
な銘柄の日本酒のほか、近年国
参加者からは、
「口の中でとろ
際コンテストでも賞に輝いてい
■和牛と日本産米を中心に、
日本食を大きくPR
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和牛のにぎりずしなどを振る舞う全農
担当者
月刊 JA
2016/08
日本食