厚生労働科学研究 難治性疾患政策研究事業 慢性活動性 EB ウイルス感染症とその類縁疾患の 診療ガイドライン作成と患者レジストリの構築 私たちは、厚生労働科学研究費補助金･難治性疾患政策研究事業により、日本な ど東アジアに多い難病の一つである慢性活動性 EB ウイルス感染症とその類縁疾患 である種痘様水疱症や蚊刺過敏症を研究しています。 ＥＢウイルスとは？ EB ウイルス（Epstein-Barr virus）とはヘルペスウイルス科に属し、わが国のほと んどの成人が既に感染しているありふれたウイルスです。ＥＢウイルスは、乳幼児期に は家庭内や保育所で、思春期以降では異性間の交流を中心に、唾液を介してＢリン パ球に感染します。通常は何の病気も引き起こしませんが、時に伝染性単核症とい う熱性疾患の原因になります。 慢性活動性ＥＢウイルス感染症とは？ 慢性活動性ＥＢウイルス感染症（chronic active EB virus infection; CAEBV）は、 ＥＢウイルスに感染したＴリンパ球、ＮＫ細胞が増殖し、臓器に浸潤して多彩な症状を 示す難治性疾患です。発熱やリンパ節腫脹、肝脾腫、肝機能異常など伝染性単核症 様の症状が遷延したり、繰り返し起こったりします。 種痘様水疱症とは？ EB ウイルスに感染したＴ細胞が増殖し、日光暴露部に浸潤します。水疱性丘疹を 生じ、瘢痕・治癒をくり返します。 蚊刺過敏症とは？ EB ウイルスに感染した NK 細胞が、蚊刺刺激により皮膚に浸潤し、水疱形成、潰 瘍、瘢痕化がみられます。発熱・リンパ節腫脹などの全身症状も伴います。 上記４疾患の詳細についてはこちらをご覧ください。 1. 本研究班の目的 慢性活動性 EB ウイルス感染症とその類縁疾患である種痘様水疱症や蚊刺過 敏症の疫学調査に基づいた実態把握を行います。 診断基準・重症度分類の確立、エビデンスに基づいた診療ガイドライン等の確 立を行い、慢性活動性 EB ウイルス感染症とその類縁疾患の医療水準の向上 を図ります。 慢性活動性 EB ウイルス感染症とその類縁疾患の社会医学的研究を疾患横断 的に行い、本疾患群患者の QOL 向上を目指します。 ２. 研究班の構成 右図のごとく、班員は全国を 網羅しています。 研究者名簿は下図をご覧く ださい。 ＜平成 28 年度 研究班員名簿＞ 「慢性活動性 EB ウイルス感染症とその類縁疾患の診療ガイドライン作成と患者レジストリの構築」に関する 調査研究班 区 分 氏 研究代表者 木村 研究分担者 名 宏 所 属 等 職 名 名古屋大学大学院医学系研究科ウイルス学 教 谷内江昭宏 金沢大学医薬保健研究域医学系小児科学 教授 藤原 国立成育医療研究センター研究所免疫アレルギー・感染研 特任研究員 成悦 授 究部 大島 孝一 久留米大学医学部病理学 教授 岩月 啓氏 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚科学 教授 浅田 秀夫 奈良県立医科大学医学部皮膚科学 教授 大賀 正一 九州大学大学院医学研究院生殖発達医学部門小児医学講 教授 座 研究協力者 澤田 明久 大阪府立母子保健総合医療センター 血液・腫瘍科 副部長 新井 文子 東京医科歯科大学大学院血液内科学 講師 伊豆津宏二 国家公務員共済組合連合会・虎の門病院血液内科 部長 金兼 弘和 東京医科歯科大学大学院発生発達病態学小児科学 准教授 今留 謙一 国立成育医療研究センター研究所高度先進医療研究室 独立室長 笹原 洋二 東北大学大学院医学系研究科小児病態学 准教授 伊藤 嘉規 名古屋大学大学院医学系研究科小児科学 准教授 和田 泰三 金沢大学医薬保健研究域医学系小児科学 講師 濱田 利久 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚科学 講師 村田 貴之 名古屋大学大学院医学系研究科ウイルス学 准教授 佐藤 好隆 名古屋大学大学院医学系研究科ウイルス学 助教 吉田 全宏 名古屋大学大学院医学系研究科ウイルス学 川田 潤一 名古屋大学医学部附属病院小児科学 助教 村松 秀城 名古屋大学医学部附属病院小児科学 助教 山本 正英 東京医科歯科大学医学部附属病院血液内科 助教 坂下千瑞子 東京医科歯科大学医学部附属病院血液内科 特任助教 柴山 春奈 東京医科歯科大学保健衛生学研究科先端血液検査学専攻 小嶋 智美 日本医学図書館協会 石原 千尋 日本医学図書館協会 金田 佳子 日本医学図書館協会 奥中 咲江 CAEBV 患者会 SHAKE 代表
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