第三者意見 「NGKレポート2016」は、日本ガイシグループをいわば丸ごと、 しかも、できるだけ分かり やすく報告しようとするチャレンジングなレポートです。財務情報と非財務情報(CSRなど) を統合的に報告する、いわゆる統合レポートに向けての第一歩といえましょう。 膨大な多種多様かつ多面的事実の中から何を選択し、そして、 どのように報告するか、統合 レポートには経営の基本的意思と実際の業務状況が色濃く反映されます。NGKレポート 2016からは、社会における日本ガイシグループの存在意義と強みを明確に自覚して経営の 基軸とし、その基軸のもと業務を遂行しつつ将来にわたる持続的成長を期している企業の姿 がくっきりと浮かび上がってきます。 冒頭のトップコミットメントにおいて、 「より良い社会環境に資する商品を提供し、新しい価 立命館大学大学院 経営管理研究科客員教授 池田 耕一 氏 値を創造する」を企業理念とする日本ガイシグループとして、2016年度から始まった新たな 環境行動5カ年計画では、大きな強みの一つであるセラミックスをはじめとする独自の多彩な 技術を活かした「製品による環境社会貢献」を最重点項目として掲げ、環境貢献製品の開発・ 普及を積極的に推進することが力強く語られています。 これを受けて 「新環境行動5カ年計画(2016年∼2020年) と環境貢献製品」の具体像が 特集されています。注目されることは、企業理念に直結する「環境貢献製品の開発・普及」に 計数目標を初めて設定したこと。 また、環境負荷低減の主要テーマ(CO 2と排出物の削減)に ついて国内外共通の目標を設定するとともに連結での管理を明示したことです。 「 製品による 環境貢献と環境に配慮したものづくり」をグローバルに実践していくことへの高い志と、いわ ば本気度を社内外に示すものであり、環境社会貢献と事業成長の具体的融合への信頼と期 待が高まります。 また、 「 成長の原動力となるのは、やはり一人ひとりの従業員」であるとして、それぞれの力 と自主性を発揮できる企業を目指すとの実感あふれるトップコミットメントを受けて、 「 ESG Report2-社会-」で地に足を着けた多彩な活動が紹介されています。 より良い社会環境に資 する製品・サービスの提供という使命を果たすための人材育成、安全な職場環境整備、そし て、女性が働きやすい環境づくりなど、さまざまな取り組み状況が臨場感ある写真や簡潔な 図表と当事者の生のコメントによって生き生きと伝わってくることは、NGKレポート2016の 随所に見られる素晴らしい特長でもあります。 NGKレポート2016において、社会の求める統合レポートに向けての方向性と中心軸は確 立されたといえましょう。今後より一層社会の理解と共感を得られるようにレポート項目の構 成を練り上げていかれること、また、一部に見られる報告内容の粗密や濃淡を上位平準化し ていかれることを心から期待しています。 ご意見をいただいて 貴重なご意見をいただき、ありがとうございます。 本年から、冊子版については財務報告と非財務情報をあわせてご報告する 「NGKレポー ト」 としました。日本ガイシグループで働く一人ひとりが企業理念の実現に向け、足元を見詰 め直し、 「自らの仕事を通して地球環境と社会に貢献する」 ことの本質を絶えず追求して、ス テークホルダーの皆さまの声に真摯に耳を傾けながら、 さらなるレベルアップを図っていきま す。ホームページに掲載の内容と併せてご一読いただき、忌憚なきご意見をお聞かせください ますようお願い申し上げます。 今後も日本ガイシグループの海外でのビジネス規模がさらに拡大していくことに加えて、世 界では国際的な企業活動に対するルール順守への要請が高まっています。私たちはグループ 取締役常務執行役員 CSR委員長 佐治 信光 一丸となって、引き続きコンプライアンスをCSR活動の根幹と考え、国際的な水準の判断基 準に従い、誠実に行動することを通じて、グローバル社会からの期待と信頼にお応えしていき たいと考えています。 日本ガイシグループ N GKレポート20 1 6 50
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