宮崎県の経済概況(平成 28 年 7 月) Vol.189

宮崎県の経済概況(平成 28 年 7 月)
Vol.189
1.景気動向指数
平成 28 年 4 月の景気動向一致指数は、有効求人倍率、大型小売店販売額(実質)、輸入通関
実績(実質)
、雇用保険受給者実人数(逆)の 4 項目がプラスとなり、全体では 66.7%と 2 カ月
連続で 50%を上回った(6 項目のうちプラス 4、マイナス 2)
。
先行指数は、新規求人数(パート含む)
、新車登録台数(乗用車)
、新設住宅着工戸数の 3 項
目がプラスとなり、全体では 60.0%と 2 カ月ぶりに 50%を上回った(5 項目のうちプラス 3、
マイナス 2)
。
遅行指数は、家計消費支出(勤労者世帯)、消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)、資
本財出荷指数の 3 項目がマイナスとなり、全体では 25.0%と 2 カ月連続で 50%を下回った(4
項目のうちプラス 1、マイナス 3)。
3,000
累 積 D.I.
2,500
一致指数
採 用 景 気 指 標
先
行
指
数
(5項目)
一
1. 新規求人数(パート含む)
2. 新車登録台数(乗用車)
3. 鉱工業在庫率指数(逆)
4. 新設住宅着工戸数
5. ホテル・旅館宿泊客数
1. 有効求人倍率
2. 大口電力使用量
致
3. 大型小売店販売額(実質)
4. 鉱工業生産指数
指
5. 鉱工業出荷指数
数
6. 輸入通関実績(実質)
(7項目) 7. 雇用保険受給者実人数(逆)
遅
1. 鉱工業在庫指数
2. 資本財出荷指数
行
3. 貸出約定平均金利
指
4. 家計消費支出(勤労者世帯)
数
5. 消費者物価指数
(5項目)
(持家の帰属家賃を除く総合)
2,000
1,500
遅行指数
1,000
500
先行指数
0
平成
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
(年)
注)今月の累積DI=前月の累積DI+(今月のDI-50)
一致指数には1,000、遅行指数には600、先行指数には500をそれぞれ加算してある。
資料)宮崎県県民政策部統計調査課
景気動向指数:景気に敏感な経済指標を複数取り上げ、それぞれの値を 3 カ月前の値と比較して増加したものの割合を
出したもの。景気の現状を表す一致指数と、一致指数に数カ月先行して動き、景気の先行きを表す先行
指数、数カ月遅れて動く遅行指数の 3 つがある。一致指数が数カ月連続して 50%を上回った場合、景気
が上昇局面にあることを示す。
景気動向指数の算出方法
景気動向指数=(プラス項目数+横ばい項目数×0.5)÷(プラス項目数+横ばい項目数+マイナス項目数)×100(%)
2.鉱工業生産
3 月の鉱工業生産指数は、105.2 で前年同月比 3.2%減と 4 カ月連続で前年を下回った。
主要業種別にみると、食料品(前年同月比 4.5%増)は前年を上回ったものの、電子部品・デ
バイス(同 9.7%減)と化学(同 8.9%減)、繊維(同 6.3%減)は前年を下回った。
3.建設関連
① 公共工事
6 月の公共工事請負金額は、97 億 4,800 万円で前年同月比 6.6%増と 6 カ月連続で前年を上回
った。発注者別にみると、国が同 5.2%減、県が同 78.0%増、市町村が同 21.6%増、その他(独
立行政法人等)が同 91.0%減となった。
② 着工建築物
5 月の着工建築物は、棟数 475 棟で前年同月比 16.1%増、床面積は 9 万 7,011 ㎡で同 49.5%
増となった。
内訳をみると、居住用は棟数同 8.9%増、床面積同 28.4%増となり、非居住用は棟数同 45.1%
増、床面積同 89.7%増となった。
非居住用の床面積を用途別にみると、鉱工業用同 121.9%増、商業用同 139.1%増、サービス
業用同 7.7%減となった。
1
③ 住宅着工
5 月の新設住宅着工戸数は、594 戸で前年同月比 26.7%増と 2 カ月ぶりに前年を上回った。
利用関係別にみると、持家は同 9.0%増、貸家は同 10.9%増、分譲は同 176.6%増(マンショ
ンは前年 0 戸→本年 82 戸、一戸建てが同 47 戸→48 戸)となった。
4.個人消費関連
① 百貨店・スーパー販売動向
5 月の百貨店・スーパー販売額は、60 億 2,900 万円で前年同月比 2.5%減と 5 カ月連続で前年
を下回った。
商品別では、衣料品は 14 億 800 万円で同 17.4%減、飲食料品は 30 億 4,000 万円で同 1.6%
減、その他計は 15 億 8,100 万円で同 11.1%増となった。
② 乗用車新車販売動向
5 月の乗用車新車登録台数は、1,533 台で前年同月比 12.4%増と 2 カ月連続で前年を上回った。
車種別にみると、普通車は 717 台で同 23.2%増、小型車は 816 台で同 4.3%増となった。
5.空港乗降客数
4 月の宮崎空港乗降客数は、21 万 7,903 人で前年同月比 6.6%増と 10 カ月連続で前年を上回
った。
乗客数は 10 万 7,111 人(前年 10 万 149 人)と増加し、降客数も 11 万 792 人(前年 10 万 4,264
人)と増加した。
6.消費者物価指数
5 月の宮崎市の消費者物価指数は、103.8 で前年同月比 0.2%下落した。
これを費目別にみると、光熱・水道(前年同月比 5.4%減)
、交通・通信(同 3.9%減)、保健医療(同
1.2%減)の 3 費目が下落した。
7.企業倒産
6 月の企業倒産件数(負債額 1,000 万円以上)は 5 件で前年同月比 66.7%増と 5 カ月ぶりに前年を上回
った。負債総額は 3 億 6,200 万円で同 132.1%増と 2 カ月ぶりに前年を上回った。
業種別では、小売業 2 件、建設業 1 件、運輸業 1 件、サービス業 1 件となっている。
8.雇用情勢
5 月の有効求人倍率は、1.23 倍で前月から 0.05 ㌽改善した。
新規求人数は、9,015 人で前年同月比 19.5%増となった。
サービス業(他に分類されないもの)は 39.4%増、宿泊業、飲食サービス業は 76.2%増、医療、
福祉は 11.4%増など 14 産業が増加となった一方で、卸売業、小売業は 2.5%減、不動産業、物品賃
貸業は 34.5%減など 4 産業が減少した。
雇用保険受給者数は、4,652 人で同 7.3%減と 49 カ月連続で前年同月を下回った。
2
〈今月のトピックス〉~
建設業許可業者数の推移
国土交通省によると、平成 28 年 3 月末時点の宮崎県の建設業許可業者数は、4,485 業者であ
った。全国の建設業許可業者数のピークであった平成 12 年 3 月末に比べ 30.4%減少しており、
減少幅は九州最大である。ちなみに、鹿児島県は 5,557 業者で同 16.1%減少した。
なお、平成 28 年 3 月末時点の全国の建設業許可業者数は 46 万 7,635 業者で、同 22.2%減少
している。
建設業許可業者数の推移
(業者)
平成28年業者数 平成12年比(%)
7,000
宮崎県
全国
福岡県
佐賀県
長崎県
熊本県
大分県
宮崎県
鹿児島県
沖縄県
鹿児島県
6,000
5,000
4,000
平成12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
注)各年3月末時点
資料)国土交通省
3
27
28
(年)
467,635
20,578
3,192
4,956
6,479
4,487
4,485
5,557
4,687
△ 22.2
△ 21.5
△ 24.8
△ 21.0
△ 22.2
△ 16.6
△ 30.4
△ 16.1
△ 16.9