フォトルミネッセンス - SLit-J

フォトルミネッセンス
Photo Luminescence (PL)
●紫外~可視光領域における発光特性から、内部の欠陥に関する情報を分析
●半導体試料の欠陥評価、蛍光物質等の発光特性評価に有用
●非破壊検査であり、試料の特別な前処理は不要
●マイクロビームを用いた高分解能マッピング・光化学反応のダイナミクス観察
測定原理 バンドギャップに相当するエネルギーの光
を照射すると電子が励起し、元の準位に戻り正孔と再
結合する際に光を放出する(フォトルミネッセンス)。
この放出光は、物質中の欠陥(不純物等)に影響を受け
やすいため、放出光のスペクトルを分析することによ
り、物質中の欠陥に関する情報を得ることが出来る。
得られる情報 超格子構造および半導体材料における
結晶性、不純物種、混晶組成比、量子井戸構造に関す
る情報が得られる。PL スペクトルからは、蛍光物質等
図 1. 吸光によるフォトルミネッセンス現象*1
の発光特性を評価することができる。
特徴 非破壊検査であり、試料の特別な前処理を必要としない。マッピングにより、高分解能
でのイメージングを行なうことができる。
応用例 電界放出ディスプレイ用無機蛍光体の局所構造:EXAFS 測定の組み合わせにより、
SrS:Cu 系薄膜における発光中心である Cu の価数と発光特性の関係を評価(SPring-8)
https://support.spring8.or.jp/Report_SKP/PDF_St_17B_18C/SKPe_06B0140.pdf
図 2. 多結晶 Si 太陽電池のマッピング*2
図 3. GaN の発光特性の温度変化*3
東北放射光施設における展開 真空紫外領域のナノビームによる、高分解能の顕微フォト
ルミネッセンスおよび高速マッピング、光化学反応のその場観察への応用が期待できる。
*1 : http://www.cgl.co.jp/latest_jewel/tsushin/23/33.html
*2 : http://www.mst.or.jp/method/tabid/167/Default.aspx
*3 : http://www.kobelcokaken.co.jp/business/item/physics-analysis/455.html