Couplax-5Aを使用したプライミングロート洗浄方法の検討

医療法人社団 望星新宿南口クリニック 臨床工学技士
〇白坂 翼 永嶋秀和 西島沙織
梶塚直子 宍戸智子 荻原準一
【 目 的 】
クリーンケミカル社製「クリーンPON」(以下
クリンポン)を当院では使用しているが、
プライミングロートにスケールを確認した。
そこで、アムテック社製カプラ専用洗浄剤
「Couplax-5A」(以下カプラックス)を使用し、
クリンポンと同等の洗浄除菌効果を得られるか
検証し、コスト比較や洗浄方法について
検討する。同様に、クリーンケミカル社製
Sun-joe(以下サンジョウ)との比較を行う。
【 対 象 】
〇対象洗浄剤
1)Couplax-5A(アムテック社)
2)クリーンPON(クリーンケミカル社)
3)Sun-joe(クリーンケミカル社)
〇使用機器
日機装株式会社製 多用途透析用監視装置
DCS-100NX(TypeD、E)
【 用 語 】
プライミングロート:ロート部から排液管までの総称
停滞液量:約150ml±10ml
プライミング透析液使用量:2000ml
ロート部
シリコンホース部
停滞液
排液管
【 方 法 】
1)カプラックスによるスケール除去効果の検証
スケールの付着したホースに、カプラックスを
5倍希釈、10倍希釈にした薬液をそれぞれ
注入し、3時間後、6時間後、12時間後に
観察を行う。
2)各薬剤の洗浄除菌効果の比較
カプラックスは原液が停滞液によって、
5倍希釈、10倍希釈薬液になるよう注入し、
クリンポンは1錠、サンジョウは3錠を投入
する。1日後、3日後、5日後、7日後に観察と
細菌検査を行う。
3)カプラックスで行う定期的な洗浄方法の検討
スケール除去をしたホースを「洗浄あり」、
してないものを「洗浄なし」の2群とし、
カプラックスが5倍希釈、10倍希釈薬液に
なるように1週間毎に注入を行い、1週後、
2週後、4週後、8週後、12週後で観察と細菌
検査を行う。
※サンジョウ投入方法
添付文書に従い、ロート部に常に3錠が入っているように
投入する。
【 結果:スケール除去効果 】
投入前
≪カプラックス5倍≫
3時間後
≪カプラックス10倍≫
3時間後
スケール 多
投入前
スケール 多
スケール 多
【 結果:スケール除去効果 】
投入前
スケール 多
投入前
スケール 多
≪カプラックス10倍≫
6時間後
スケール 多
≪カプラックス10倍≫
12時間後
スケール 少
【結果:洗浄除菌効果の比較】
カプラックス
検証前
1日後
3日後
5日後
7日後
Pseudomonas sp.
(-)
(-)
(-)
Pseudomonas sp.
Pseudomonas sp.
(-)
Pseudomonas sp.
Pseudomonas sp.
Pseudomonas sp.
Pseudomonas sp.
(-)
(-)
(-)
Pseudomonas sp.
(-)
(-)
(-)
(-)
5倍希釈
カプラックス
10倍希釈
クリンポン
Pseudomonas aeruginosa
サンジョウ
Pseudomonas sp.
【結果:洗浄除菌効果の比較】
投入前
≪カプラックス5倍希釈≫
7日後
スケール 多
投入前
≪カプラックス10倍希釈≫
スケール 多
7日後
スケール 少
【結果:洗浄除菌効果の比較】
投入前
≪クリンポン≫
スケール 多
投入前
スケール 多
7日後
スケール 多
≪サンジョウ≫
7日後
スケール 少
【 結果:洗浄方法の検討 】
PRE
2週後
4週後
8週後
12週後
5倍希釈
Pseudomonas sp.
Pseudomonas sp.
Pseudomonas sp.
(-)
Pseudomonas sp.
洗浄あり
Acinetobacter sp.
Pseudomonas sp.
Pseudomonas sp.
Pseudomonas sp.
Acinetobacter sp.
Pseudomonas sp.
Pseudomonas sp.
Pseudomonas sp.
(-)
Pseudomonas sp.
Pseudomonas sp.
カプラックス
カプラックス
5倍希釈
洗浄なし
カプラックス
10倍希釈
Pseudomonas aeruginosa
洗浄あり
カプラックス
10倍希釈
洗浄なし
Pseudomonas sp.
Pseudomonas sp.
Pseudomonas sp.
Pseudomonas sp.
Pseudomonas sp.
【 結果:洗浄方法の検討 】
カプラックス5倍希釈
洗浄あり
カプラックス5倍希釈
洗浄なし
カプラックス10倍希釈
洗浄あり
スケール 少
カプラックス10倍希釈
洗浄なし
スケール 少
【 コストの比較 】
当院(41台)の装置で使用した場合
1週間使用量
1週間での金額 1ヶ月での金額 1ヶ月での差額
カプラックス
¥70/30mL
¥2,870
¥11,480
0
クリンポン
¥55/1錠
¥2,255
¥9,020
¥2,460減
サンジョウ
¥264/6錠
¥10,824
¥43,296
¥31,816増
※サンジョウは常時ロート部に3錠投入された場合(6錠/週)
カプラックス(アムテック社製)
定価 ¥28,000/12L
クリンポン(クリーンケミカル社製) 定価 ¥33,000/600個
サンジョウ(クリーンケミカル社製) 定価 ¥26,400/600個
【 ま と め 】
カ プ ラ ック ス は 5 倍 希釈 の 3時 間 封入 で
スケール除去が可能な上、クリンポンと
同等の洗浄除菌効果を得られた。
また、薬液を週1回注入することで
シリコンホース部の洗浄あり・洗浄なし
に関わらず、洗浄効果が維持され、
コスト面では、サンジョウと比べ1ヶ月で
31,816円安価であった。
【 考 察 】
今後、シリコンホースなど、部材への影響は
長期的に観察する必要があるが、カプラックス
は匂いも少なく、停滞液を利用し希釈する
ことで手間も省け、作業時間も短縮でき、
定期的に行うには有用であるが、汚染度の
違いなどにより薬液濃度や時間の調整を
検討する必要があると考えられる。