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若手職員編
挑戦の日々
Hozaki Yusuke
Kondo Kanae
Komori Kazuma
本庁係長
〜新米係長 Cross Talk〜
-現在の業務内容を教えてください。
寶崎 私は、全国 524 の税務署にある法人課税
寶崎 雄輔
近藤 佳奈恵
小森 一馬
課税部 法人課税課 係長
課税部 課税総括課 係長
調査査察部 調査課 係長
H24.4 課税部 課税総括課
H25.7 長官官房 企画課
H26.7 右京税務署 個人課税部門
国税調査官
H27.7 現職
H24.4 長官官房 総務課
H25.7 財務省 主税局 調査課
H26.7 蒲田税務署 法人課税部門
国税調査官
H27.7 現職
H24.4 長官官房 総務課
H25.7 徴収部 徴収課
H26.7 門真税務署 法人課税部門
国税調査官
H27.7 現職
を納めない」、といった国際的租税回避(BEP
たことが、全国の税務署の法人課税部門の職員
立場になると、より高いアンテナを張って、国
S)が国際的な問題となっています。私は、この
約 10,000 人もの仕事に、ダイレクトに影響す
内・国外の動きを良く見て、仕事をすることが
問題に対して、日本の税務当局として必要な対
るので、責任重大です。税務署の現場で、自分の
求められているからだと思います。
応を取るため、様々な検討を行っています。
決めたことが何らかのハードルにならないよ
一端を担うことができればと考えています。
並べて仕事するのは、大変に感じることもあり
ます。しかし、周りの方々の温かさに救われたり
近藤 総合職として国税庁で働くことの面白さ
支えられたりしながら、毎日を過ごしています。
は、やはり、全国 12 の国税局・524 の税務署、
職業の選択とは、おそらく人生において最も重
部門が実施した中小企業への税務調査の結果の
う、私も周囲の現場経験豊富な職員や全国の国
近藤 係員のころは、係長の指示通りにこなす
総勢 56,000 人というこの大きな組織を運営し
要な選択の一つだと思いますが、数年働いてみ
分析をし、その分析結果を活かして、調査方針の
税局の職員と意見交換を重ね、“現場で何が問題
ことが多く、単なる「作業」に思える仕事もあり
ていくことにあると思います。総合職は、短いス
て思うのは、「どんな人たちと働くか」が大事だ
になっているのか” を情報収集するようにして
ましたが、係長になると、自分の頭で考え、人と
パンで様々な部署を経験していくため、年に
ということ。私は、そういう意味でも国税庁をお
います。
議論して作り上げていく「仕事」が増えてきたよ
よって仕事がガラっと変わることもあります。
すすめします。このパンフレットを読んで少し
うに思います。
新しい場所に足を踏み入れるということは、パ
でも興味が湧いた方は、ぜひ国税庁に足を運ん
ワーが要るし、その都度勉強が必要なので大変
でみてください。
策定をしています。税務調査と一口で言っても、
会社の業種・業態によって調査手法は様々であ
り、効果的な調査手法やノウハウなどを全国的
に伝播させたりもしています。
-今年、はじめて係長となったお三方
ですが、係長としての仕事のやりが
い、苦労していることについて教え
てください。
小森 私の場合、一番やりがいを感じるのは、国
際的な舞台で「日本の代表」として発言すること
寶崎 係員時代と比べて担当事務も多くなり、
ですが、こうして出来るだけ多くのフィールド
近藤 私は、課税部の各課室…寶崎君の所属す
近藤 係長になって、自分の意見を自分の手で
です。これまで国際会議の場で、日本の租税回避
責任範囲が広くなりました。係長は職責上、係の
を学ぶことが、将来組織のリーダーとして力を
寶崎 皆さんの人生において、最も重要な決断
る法人課税課や、個人課税課、資産課税課など…
形にする仕事が増えてきたと感じています。そ
事例への取組を紹介したり、外国税務当局の職
担当事務に責任を持たなければなりません。総
発揮するためにとても重要なことだと感じてい
の一つが「就職」だと思います。様々な企業や官
にまたがる案件について、各課室間の意見調整
のためには、よく勉強し、色々な人の話を聞き、
員に対して、講師として講演をしました。事前の
合職の職員として、
「これまでのやり方が果たし
ます。
公庁の採用説明会などに足を運び、そこで働い
を行い、課税部としての統一意見を作ることが
その上で「さて、自分の意見は?」と考えなけれ
準備や調整、また、慣れない英語での発言など苦
て望ましいものなのか」、自分の頭で考え、改善
ている職員が“いきいきとしているかどうか”自
主な仕事です。特に、毎年の税制改正や、国会対
ばなりません。そうしてやっと「自分の意見」を
労や緊張はありますが、主張した意見に共感が
をするよう、常に意識しています。
分の目で見るようにしてください。私にとって、
応事務、富裕層に対する適正課税のための対応
持ってみても、不安に思うことは沢山あります。
得られた時には、とてもやりがいを感じます。
などを担当しています。課室ごとに事情や主張
それは、補佐、課長、部長・・・と、より経験豊富
いるように感じられ、入庁後もその印象は変
も異なる中、できるだけみんなが納得する形を
な方々の目に触れていくことで洗練されていき
わっておりません。皆さんと一緒に働くことが
模索し続ける日々です。
ます。自分の意見には何が足りなかったのか、何
できたら嬉しいです。
が余計だったのかということが明らかにされて
小森 私の所属する調査課では、国税局が行っ
いく様は、とても刺激的で、啓発的なプロセスで
ている大企業に対する税務調査の指導・監督を
す。
しています。また、近年、国境を越えた経済活動
国税庁で働いている職員がとてもいきいきして
-お三方とも、それぞれの部署で活躍
されているようですね。係長になっ
て、係員時代と大きく変わったと感
じることなどありますか?
小森 入庁してからこれまでを振り返ると他省
庁との調整、訴訟に関する事務、税制改正へ対応
するための事務運営の検討、町工場などへの税
の複雑化・多様化に伴い、
「海外で受け取った収
寶崎 確かに、係長になって自分の意見を持ち、
小森 係員時代と比べて、手元に入ってくる情
寶崎 昨年は、個人課税の分野、現在は法人課税
務調査、そして現在の国際的な仕事と多様な業
入を申告しない」
、「利益を得ているにもかかわ
それを実現させる機会は多くなった気がしま
報量が圧倒的に増え、机の書類の山も日々成長
の分野ということで、税目こそ異なりますが、国
務に携わらせていただきました。どの仕事もや
らず複雑な国際取引を利用してどの国にも税金
す。刺激的で面白さを感じる一方で、自分の決め
を続けています(笑)。しかし、それは係長という
税庁の任務である「内国税の適正かつ公平な賦
りがいのある仕事ばかりで、今後どのような仕
課及び徴収の実現」に向けて、国税庁をはじめ国
事にチャレンジできるのか楽しみです。飽きる
税局及び税務署の職員が一丸となって取り組ん
ことがない職場だと思います。
-署での現場経験、現在の本庁での係長
勤務を踏まえて、今後どのように活躍
していきたいか、将来のイメージを教
えてください。
でいることを実感しています。様々な部署で
様々な役職を経験し、あらゆることを吸収し、
「現場をよりよく」することを第一に考え、職員
小森 税務署勤務では、税務行政の最前線の現
が働きやすい環境を整えることができるような
場で働く職員の熱い思いを肌で感じ、本庁の
職員になりたいと考えています。
霞ヶ関では考えてもいなかったことに気づきま
した。また、現在の調査課での業務においては、
世界の最先端の議論を目の当たりにするたび、
日本の税務行政が世界の流れに取り残されない
-これから国税庁を目指す学生へのメッ
セージをお願いします!
よう日々変革していくことの重要性を認識させ
られます。今後は、これらの経験を通じて、学び
近藤 専門性の高い知識・豊富な経験を持った
考えたことを活かし、より良い税務行政を築く
職員が大勢いる中で、入庁して数年の私が肩を
MINISTRY OF EDUCATION, CULTURE, SPORTS, SCIENCE AND TECHNOLOGY-JAPAN
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National Tax Agency 2016
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