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鹿児島市教育委員会
鹿児島市教育委員会
ソリューション概要
○プロファイル
九州の南端に位置する鹿児島県の中央に位置す
る鹿児島市。西郷隆盛や大久保利通といった明
治維新の立役者を多数輩出したことでも有名な
同市は、古くから、教育を始めとした人づくりを
大切にする伝統や風土を持っています。近年で
は、同市の教育を管理する鹿児島市教育委員会
のもと、教育現場への ICT 活用が注力されてお
り、教育水準のさらなる向上に向けた取り組みが
推進されています。2020 年度での整備が計画さ
れている児童生徒に向けた 1 人 1 台のデバイス
利用を見据え、鹿児島市教育委員会では今後も、
学校と教員の支援を行っていきます。
○導入製品とサービス
・Surface Pro 3
・ワイヤレス ディスプレイ アダプター
○導入メリット
・Surface Pro 3 をコンピュータ教室から持ち出し
て利用する頻度が明らかに増え、授業での PC
の活用シーンが増大した
・ワイヤレス ディスプレイ アダプターにより、持
ち出したデバイスを容易に、さまざまな教室で
活用できる環境を構築できた
・堅牢性が高い Surface Pro 3 の採用により、体
育といった屋外授業における PC の活用も推し
進めることができた
○ユーザー コメント
「教員が児童生徒と向き合える時間を確保するた
めの ICT 化ですので、その利用に手間がかかる
ようでは本末転倒であり、教員の活用も促進さ
れません。Surface Pro 3 にはフルサイズの USB
ポートが備わっており、教員が自作した電子教材
の利用も容易に行えます。教員による持ち出し
が増えていることを鑑みますと、複雑ではなく簡
単に使えることが求められる教育現場にとって、
Surface Pro 3 とワイヤレス ディスプレイ アダプ
ターの組み合わせは非常に優れたソリューション
だといえるでしょう」
鹿児島市教育委員会
学習情報センター
主幹
木田 博 氏
過去のタブレット デバイス導入で生まれた課題を、Surface Pro 3
の持つ優れた携行性と堅牢性が解消。ワイヤレス ディスプレイ ア
ダプターとも連携した「容易に扱える環境」の整備により、教育に
おける PC の活用シーンが大幅に増加
九州の南端に位置し、西郷隆盛や大久保利通といった明治維新の立役者を多数輩出したことで有名な鹿
児島県鹿児島市。同市の教育を管理する鹿児島市教育委員会では、
教育現場の ICT 環境を整備するべく、
1987 年という非常に早い段階からその支援を行ってきました。
同市における教育現場の ICT 活用は、2009 年に文部科学省から提唱された『スクール・ニューディール
構想』をきっかけにさらに加速し、同年には全小中高等学校の普通教室へ、大型デジタル テレビと書
画カメラ、操作用ノート PC、無線 LAN 環境が整備されました。
さらに 2015 年には、全中学校のコンピュータ教室のデバイスを、従来のデスクトップ PC から 2 in 1 タ
ブレット デバイスへリプレースすることで、PC をより多様な目的や場、教科で活用できる環境の整備を
実施。優れた携行性と堅牢性が評価されデバイスに採用された Surface Pro 3 は、同市の教育現場にお
ける PC の活用を大きく向上させ、鹿児島市教育委員会が ICT 活用の目的に据える「教員が児童生徒と
向き合う時間の確保」を大きく推し進めています。
導入の背景とねらい
コンピュータ教室の PC リプレースをきっかけに、過去のタブレット デバイス導
入で生まれた課題解決を検討
鹿児島県の中央に位置し、明治維新の立役者を多数輩出したことや、当時の建築物が「明治日本
の産業革命遺産」として世界遺産に登録されたことでも有名な鹿児島市。古くから貿易が活発に
行われ、連綿と受け継がれてきた、同市の「新しいモノや文化を受け入れる土壌」は、現在におい
ても、たとえばいち早い ICT 教育への取り組みといった形に現れています。
同市の教育を管理する鹿児島市教育委員会では、延べ 120 にものぼる鹿児島市における市立小中
高等学校の ICT 環境の整備を行うべく、1987 年という非常に早い段階で学習情報センターを設
置し、教育現場の ICT 支援を行ってきました。古くから ICT 化が進められてきた同市ですが、鹿
児島市教育委員会 学習情報センター 主幹 木田 博 氏は、鹿児島市における ICT 教育が近年、さ
らに加速していると説明します。
「2002 年に全普通教室等を結ぶ校内 LAN の敷設を行うなど、鹿児島市では古くから教育現場
の ICT 化を積極的に推進してきました。この流れは、2009 年に文部科学省から
『スクール・ニュー
ディール構想』が提唱されたことで、さらに
加速していると感じています。21 世紀の学校
にふさわしい教 育 環 境の 整 備を目指す当構
想のもとで、2009 年には全小中高等学校の
普通教室へ、大型デジタル テレビと書画カ
メラ、操作用ノート PC を配備し、無線 LAN
の環境も整備しました」( 木田 氏 )。
この 2009 年における取り組みは、鹿 児島
市の 普 通 授 業における電子 教 材の活用を大
きく進めました。さらに同市では、電子教材
鹿児島市教育委員会で ICT 環境の整備を行う鹿児島市立学習情
報センター
鹿児島市教育委員会
の 利 用に伴い 拡 充してきたコン テンツを有用
振り返ります。
に活用するべく、 2013 年、小中学校の一部教
室を対象として、 Windows タブレット デバイ
「2 in 1 タブレット デバイスには大きく 2 種類のタイプがありました
スと電子黒板を導入しました。
が、それぞれが一長一短の特徴を持っていたのです。たとえば、ディ
スプレイを外側になるように折りたたむことでタブレット デバイスとし
「2013 年に行った Windows タブレット デバイ
て利用できるコンバーチブル型の場合、重量が通常のノート PC と同
スと電子黒板の導入では、想像以上の効果がみ
程 度となってしまうため、生徒が持ち運ぶには重すぎます。一方、着
られました。教育現場の ICT 化を進める目的は、
脱型と呼ばれるキーボードとタブレットが分離しているタイプは、携行
授業や事前準備の効率を高めることで教員が児
童生徒と向き合う時間を最大化することにあり
ますが、電子教材の活用がより加速し、授業に
鹿児島市教育委員会
学習情報センター
主幹
木田 博 氏
性には優れているものの、持ち運ぶ場合にはタブレット部分だけを所
持することになり、落下で液晶を傷つけてしまうなど堅牢面で課題が
残ってしまいます。さまざまなメーカーが多様な製品を提供していまし
インタラクティブな要素が取り入れられたこと
たが、当市の要件に最適なデバイスは、なかなか見つかりませんでした」
で、まさに目的とする効果が現れたのです。しかし一方で、タブレット
( 木田 氏 )。
ならではの課題も生まれました」( 木田 氏 )。
数多くの製品で比較検討を進めた鹿児島市教育委員会ですが、検証を重
木田 氏がいう課題とは、デバイスの堅牢性にあります。2013 年に導入
ねる中、
日本マイクロソフトの提供する Surface Pro 3 が、
同市が求める
「携
した Windows タブレット デバイスは、教員だけでなく児童生徒も利用
行性」と「保護性能、堅牢性」の双方を高いレベルで備えていると感じた
できるように配備されたため、デバイスを落下させたりぶつけたりする
といいます。
ことも多い背景から、導入から 2 年あまりで、一部のデバイスに何かし
らの故障が生ずることとなったのです。
「着脱型の製品はいずれも堅牢性が課題でしたが、Surface Pro 3 の場合、
持ち運び時に液晶を保護するカバーが備わっており、さらにそれをキー
タブレット デバイス導入の効果もあり、現場の教員からは「もっとタブ
ボードとしても使える点が魅力的でした。コンピュータ教室以外でテキス
レット デバイスを導入してほしい」という声が多く挙がっていましたが、
ト入力が必要になった場合でも対応でき、
『多様な目的や場、教科で活用
予算や堅牢面での課題から、鹿児島市教育委員会ではその拡充には、
できる環境の整備』という当市の目的と合致していたのです。また、着脱
慎重を期する必要があったといいます。しかし、2015 年度に控えた中
型のデバイスの場合、着脱を繰り返すうちに接合部が劣化し破損するとい
学校のコンピュータ教室における PC リプレースをきっかけに、タブレッ
うケースも少なくないと聞きました。Surface Pro 3 の場合、接合部分に
ト デバイスの拡充が動き出したと、木田 氏は語ります。
マグネットを採用しており突起部分も小さいため、そういった心配もあり
ません」( 木田 氏 )。
「従来、コンピュータ教室の PC にはデスクトップ PC を設置しており、
リプレースも同様にデスクトップ PC か ノート PC を採用するのが一般
市立学校において、機器の故障は一定期間それが利用できなくなるこ
的でした。ですが、そこで設置しているデバイスをタブレットとしても利
とを意味します。教育への重要度が高い機器ほどその影響は大きく、
用できれば、PC をより多様な目的や場、教科で活用できる環境の整備
Surface Pro 3 が備える堅牢性は、高い教育水準を維持するうえで、非常
が、限りある予算の中で行えると考えたのです。コンピュータ教室での
に重要な要素だといえます。
利用には当然、キーボード入力が必須となりますので、2015 年 3 月より
行った機種選定では、2 in 1 タブレット デバイスであることを前提に検
討を進めました」( 木田 氏 )。
「コンピュータ教室のデバイスは、教員向けと生徒向けとで少し要件
が異なっていました。携行性と堅牢性はいずれの場合でも必須要素で
したが、教員向けはそれに加えて ( 画像処理などを行う背景で ) 高性
システム概要と導入の経緯
「多様な目的や場、教科で活用できる環境の整備」に必須と
なる携帯性と堅牢性、機能性を、Surface Pro 3 が高い水
準で備えていた
能のものを求めていましたので、 Surface Pro 3 はまさに最適なデバ
イスだったといえます。一方、生徒向けの場合、性能はそれほど求め
ないため、 Surface Pro 3 では少しオーバー スペックでした。予算の
都合もあり、生徒向けには Surface 3 の採用も検討していましたが、
決定当時は発売するかしないか の時期で検 証も間に合わなかったた
コンピュータ教室で行う授 業の内容や必要となるアプリケーション、
め、 Surface についてはまずは教員向けで採用することにしました」
そしてこれまで蓄積してきた電子教材の活用を考慮し、Windows を
( 木田 氏 )。
搭載した 2 in 1 タブレット デバイスの中から機種選定を開始した鹿児
島市教育委員会。そこでは、持ち運びを前提とした「携行性」と、こ
鹿児島市教育委員会では 2015 年 5 月にて、全中学校のコンピュータ教
れまで大きな課題として存在していた「保護性能、堅牢性」の 2 点が
室における教員向けデバイスとして Surface Pro 3 を採用することを決定。
重要視されました。しかし、その検討は難航したと、木田 氏は当時を
生徒向けには他のタブレット デバイスが採用されましたが、小学校など
鹿児島市教育委員会
における今後の整備においては、Surface 3 を含め、さまざまなデバイス
求められる教育現場にとって、Surface Pro 3 とワイヤレス ディスプレ
の検討が進められています。
イ アダプターの組み合わせは非常に優れたソリューションだといえるで
しょう」( 木田 氏 )。
導入の効果
ワイヤレス ディスプレイ アダプターと連携した「容易に
扱える環境」により、 PC の活用シーンが大幅に増加
さらに、室内授 業だけでなく体育といった屋外での 授 業においても、
Surface Pro 3 の活用シーンが広がっていると、木田 氏は続けます。
決定の翌月となる 2015 年 6 月には調達が行われ、同年 10 月 1 日より、
「Surface Pro 3 に搭載されたカメラを、器械体操やダンスといった実技
Surface Pro 3 を始めとした 2 in 1 タブレット デバイスのコンピュータ
の授業で活用する教員も増えています。生徒は自身の動きを客観的に見
教室における運用が開始しました。
ることができますので、修正すべき点を明瞭に理解でき、学習効率が飛
躍的に高まります。こうした屋外での利用は、デバイス落下などのリス
木田 氏は、目的であった「多様な目的や場、教科で活用できる環境の
クがあるためなかなか広がりにくいのですが、Surface Pro 3 の場合は
整備」について早くも効果が出ていると、うれしそうに語ります。
堅牢性が高いこともあって、教員が安心して授業で活用できているのだ
と思います」( 木田 氏 )。
「導入してまだ間がないため、数値化できる面での効果はまだ明確に
なっていません。しかし、デバイスをコンピュータ教室から持ち出して
活用する頻 度は、明らかに増えてきています。生徒向けデバイスの持
ち出しも増えているのですが、教員向けデバイスの持ち出しが顕著に
増えており、活用範囲は確実に広がっていると感じています。この動き
今後の展望
2020 年度での 1 人 1 台の活用に向けて、2 in 1 タブレッ
ト デバイスの拡充と教員の研修支援を進めていく
は、同時期に日本マイクロソフトより紹介いただいた、すべての普通教
2015 年度にて中学校におけるコンピュータ教室のデバイスを 2 in 1 タ
室で使用可能なワイヤレス ディスプレイ アダプターの効果も大きいと
ブレット デバイスへリプレースした鹿児島市教育委員会。2016 年度で
感じています」( 木田 氏 )。
はさらに、小学校におけるコンピュータ教室と、小中学校における全普
通教室のノート PC についても、Surface を始めとした 2 in 1 タブレッ
中学校の普通教室では現在でもデジタル テレビが用いられていました。
ト デバイスへのリプレースを検討しています。
ワイヤレス ディスプレイ アダプターは、HDMI 端子へ取り付けることで
遠隔デバイスの画面をテレビへ投影できる製品であり、教員はコンピュー
木田 氏は、このリプレースの過程で、教員の意識もこれまで以上に変
タ教室の Surface Pro 3 を普通教室に持っていくだけですぐ、電子教材
化していかなければならないと語ります。
を活用した授業を開始できます。
「2020 年に向けて、児童生徒 1 人に 1 台 のデバイスが活用できる環境
「教員が児童生徒と向き合える時間を確保するための ICT 化ですので、
も整備する予定です。そこを見据え、より効果的に ICT が教育に活用
その利用に手間がかかるようでは本末転倒であり、教員の活用も促進
されるよう、教員側のトレーニングや意識の醸成を行っていかなければ
されません。Surface Pro 3 にはフルサイズの USB ポートが備わってお
なりません。学習情報センターではこれまで、ツールの使い方について
り、教員が自作した電子教材の利用も容易に行えます。教員による持ち
の研修を主に行ってきました。それももちろん重要なのですが、今後は
出しが増えていることを鑑みますと、複雑ではなく簡単に使えることが
ICT を用いた授業作りの研修や、ICT 支援員によるサポートを拡充して
いくことで、教育における ICT の有用性を実感してもらい、さらなる活
用を推進していきます」( 木田氏 )。
さらに木田 氏は、各学校における ICT の整備と蓄積されていく活用方
法を、校内だけでなく学校間で共有されるしくみを構築することで、今後、
鹿児島市全体の教育レベルを向上していくと意気込みます。
「市内にあるすべての 小中高等学 校各校の PC と学習支 援センター
は、鹿児島市教育情報ネットワーク (KEI ネット ) と呼ばれるネット
ワークでつながっており、そこで各学 校間の 情 報 共 有と学習コンテ
ンツの配信を行ってきました。 2015 年 9 月には学 校間での 情報 共
有をさらに強化するべく、KEI ネット上に学校間でコンテンツを共有
Surface Pro 3 はコンピュータ教室だけでなく、持ち出されることで普通教室で
の授業などさまざまな教育シーンで活用されている
するしくみを新たに構築しました。各学 校の 教 員が、電子 教材や 優
れた活用事 例を共 有することで、鹿児島市全体の 教育レベ ルがさら
鹿児島市教育委員会
に向 上することを 期 待しています。そのためにも、当センターでは
引き続き、ツール の 整 備だけでなく教 員への 研 修 や サ ポートに取り
組んでいきます」 ( 木田 氏 ) 。
文部科学省が 2015 年より開催している「『デジタル教科書』の位置付
けに関する検討会議」では、電子化された教材をもった学習のしくみが
2020 年度にて全国的に本格化される方針が固められつつあります。児
童生徒 1 人ひとりに 1 台のデバイスが配付される未来もそう遠くない
中、市内すべての小中高等学校の ICT 化に関する業務を一手に担う鹿
児島市教育委員会と、同市教員に期待される役割は、今後ますます重
要となってくるでしょう。
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本ケース スタディに記載された情報は制作当時 (2016 年 7 月 ) のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
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