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第 26回
宮 沢 賢 治 賞
イーハトーブ賞
平 成 28年
主催
花巻市
選考
宮沢賢治学会イーハトーブセンター
第 26 回
宮沢賢治賞・イーハトーブ賞
《 宮沢賢治賞 》
該当者なし
《 宮沢賢治賞奨励賞 》
賢治童話全体の長年の読みに基づいた「賢治曼陀羅蔵書票」全 12 巻や『賢治童話
の心を読む』I〜III 挿絵などにおける、深みある銅版画表現に対して。
加藤
昌男
様
《 イーハトーブ賞 》
「描く」と「書く」の両方向から美術と文学を創造的に媒介し、日本の文学出版
文化に貢献してきた功績と、賢治童話をモチーフとした自由で独創的な絵画や文学
的エッセイに対して。
司 修
様
《 イーハトーブ賞奨励賞 》
賢治の詩や童話の 14 年に及ぶ定期朗読を通して獲得された、作品理解に基づく芸
術的でオリジナルな語りに対して。
野口
-1-
田鶴子
様
選考経過および理由について
宮沢賢治学会イーハトーブセンター賞選考委員会
委員長
岡 村
民 夫
選考対象は学会員および有識者の推薦と選考委員会の推挙に依る者であり、選考会議は2回
行った。
≪ 宮沢賢治賞 ≫
選考対象は9件。
4件が第2次選考に残ったが、本賞にふさわしいと思われる対象を選出するにいたらなかっ
た。
≪ 宮沢賢治賞奨励賞≫
奨励賞の銅版画家・加藤昌男氏は、1996 年に「賢治曼陀羅蔵書票」シリーズの制作をはじめ、
2014 年に特装本「賢治曼陀羅蔵書票」12 巻を完成させたほか、草山万兎(河合雅雄)『宮沢賢
治の心を読む』I〜III(童話屋、2011,2012,2015 年)の挿絵を担当している。イーハトーブ館に
おける「百八賢治曼陀羅蔵書票展」(2015 年)他、賢治童話をモチーフとした個展の開催も多
い。また、加藤氏は「宮沢賢治の童話を語る会」や「宮沢賢治を読む会」を主催してもおり、
広く深い童話読解に裏打ちされた独自の陰影深い銅版画表現は、宮沢賢治の名において奨励す
るにふさわしい。
≪ イーハトーブ賞 ≫
選考対象は 12 件。
本賞の司修氏は、1960 年半ばから大江健三郎、島尾敏雄、中上健次など数多くの作家に芸術
性の高い装丁を提供し、1976 年、講談社出版文化賞を受けている。その一方、独立した絵画・
小説・エッセイ・絵本を制作している。また司氏は、長年、宮沢賢治への関心を表現しており、
『イーハトーヴォ幻想』(1996 年)、『賢治の手帳』(1996 年)などの著書や、『銀河鉄道の
夜』(1979 年)、『グスコーブドリの伝記』(2012 年)などの絵本があり、近年、多様な手法
による関連絵画の個展をつぎつぎ開催していることが注目される。賢治に深い共感を抱きなが
ら、ジャンルを横断するかたちで文学出版文化を高めてきた功績は、イーハトーブ賞にふさわ
しい。
-2-
≪ イーハトーブ賞奨励賞 ≫
奨励賞の野口田鶴子氏は、盛岡市生まれで、盛岡第一高等学校卒、賢治の後輩にあたる。声楽家
の道を歩んでいたが、1986 年、痙攣性発声障害により活動の中心を声楽から賢治作品の朗読に移し
た。賢治作品の朗読という領域で、方言を活かしながら、作品を深く理解した芸術的で独自の朗読法を
創造し、定期的に活動してきた功績や、東日本大震災に寄せてのチャリティー公演をしてきた功績は、
奨励されるにふさわしい。
-3-
宮沢賢治賞奨励賞
加藤 昌男
(かとう
まさお)
様
1939年(11 月)生まれ 兵庫県篠山市在住
【学歴・職歴・業績など】
1939年
大阪市生まれ
1960年~
京都銅版画協会会員
1963年
京都工芸繊維大学意匠工芸学科卒業
1963年~
アパレル会社勤務のかたわら銅版画制作
1998年~
篠山市に移住
2002年~
「宮沢賢治の童話を語る会」主宰
2010年~
「宮沢賢治を読む会」(輪読会)開催
【主な作品、活動等】
2002年
「宮沢賢治の童話を語る会」隔月開催
~2006年
2006年
「イーハトーブ音楽会」たんば田園交響ホールにて開催
2006年
宮沢賢治学会イーハトーブセンター地方セミナー「イーハトーブのコウ
ノトリ」篠山市民センターにて開催
2014年
「賢治曼陀羅蔵書票」全12巻(手刷特装本)完成
2015年
「百八賢治曼陀羅蔵書票展」宮沢賢治イーハトーブ館にて開催
-4-
イーハトーブ賞
司
修
(つかさ
おさむ)
様
1936年(6月)生まれ 東京都武蔵村山市在住
【学歴・職歴・業績など】
1952年
新制中学卒業
1952年
看板店に就職。映画館の看板描きの助手。独学で絵を描きはじめる。
1986年
池田 20 世紀美術館において「司修の世界展」開催
1993年
『影について』の中の「犬」にて第 20 回川端康成文学賞受賞
1999年
法政大学国際文化学部教授
2001年
第 16 回国民文化祭ぐんまハートフルフェスタ制作委員長就任
2005年
前橋文学館スーパーバイザー就任(2007 年まで)
2006年
『ブロンズの地中海』第 48 回毎日芸術賞受賞
2007年
法政大学名誉教授
2011年
群馬県立近代美術館において『司修のえものがたり-絵本原画の世界』
開催(『注文の多い料理店』『雁の童子』その他多数の賢治作品の絵本
原画を中心に展示)
『本の魔法』第 38 回大佛次郎賞受賞
2013年
神奈川県立文学館において『賢治+司修
注文の多い展覧会』開催
【主な著書・作品等】
1969年
『宮澤賢治童話集』さしえ 実業之日本社
1994年
『戦争と美術』
2004年
絵本『雁の童子』の絵
2012年
絵本『グスコーブドリの伝記』の文と絵
2012年
絵本『雨ニモマケズ』の絵 偕成社
2014年
絵本『銀河鉄道の夜』の絵 偕成社
2015年
『Oe
岩波新書
偕成社
60年代の青春』白水社
-5-
ポプラ社
イーハトーブ賞奨励賞
野口 田鶴子(のぐち
1946年(12 月) 岩手県生まれ
たづこ)
様
神奈川県横浜市在住
【学歴・職歴・業績など】
1946年
岩手県盛岡市に生まれる。
1965年
岩手県立盛岡第一高等学校卒業
1969年
国立音楽大学声楽科卒業
1971年
国立音楽大学オペラ研究室修了
1976年
オペラ研鑽のためイタリア留学。その間、ヨーロッパ中世ルネッサンス音
楽に傾倒。方言で語られるイタリア古詩の朗読の美しさに魅せられ、ヨー
ロッパ中世歌曲の演奏活動に入る。
【主な活動】
1978年
イタリア(ローマ中心)で中世ルネッサンス歌曲の演奏活動を始める。
1981年
帰国。中世ルネッサンス歌曲の演奏を続ける。
1986年
痙攣性発声障害(ジストニア疾患の一種)悪化のため、歌曲の演奏活動を
断念。その頃から、高校の先輩である宮沢賢治の作品の朗読を始める。
1994年~
チェンバロ、フルート、ピアノ、インド音楽、ガムラン、シタール、中世
ヨーロッパ古楽の奏者とのコラボレーションおよび自身によるキーボード
弾き語りや音具を用いることで、賢治作品の独自な表現を試みる。賢治と
同郷に生まれ育ったことから、方言による朗読にも力を入れている。
2002年~
広尾・東江寺にて「宮沢賢治の世界」を年2回自主定期公演(現在 26 回
継続中)、横浜・反町のギャラリー カオルにて「なめとこ山の熊」と小
品を月1回定期公演(現在 160 回、継続中)
2012年
東日本大震災に寄せるチャリティー公演(鎌倉文学館)にて、「陸前高田
からの手紙(戸羽京子聞き書き)」および「よだかの星」ほかを上演
2012年~
東日本大震災関連の記録や句集を、賢治作品と共に語り伝えている。
2015年
東日本大震災に寄せるチャリティー公演(鎌倉円覚寺帰源院臥龍庵)に
て、照井翠句集『龍宮』より自選 50 句および「雁の童子」を上演
-6-
宮沢賢治賞
【主催者 】
花巻市
【選考】
宮沢賢治 学会イ ーハト ーブセ ンター
【選考方 法】
会員 お よ び有 識 者 から の 推薦 に も とづ き 、 賞選 考委 員 会 が選 考 し 、理 事 会の 承 認 を経
て花巻市 長に答 申する 。
【選考対 象】
宮沢 賢 治 の名 に お いて 顕 彰さ れ る にふ さ わ しい 研究 ・ 評 論・ 創 作 を行 っ た個 人 又 は団
体で 、 お おむ ね 過 去3 年 以内 に 発 表さ れ た もの 。な お 、 本賞 に 準 ずる も のと し て 奨励
賞を置く 。
【賞・賞 金】
本賞
賞状、 正賞、 副賞( 100 万円 )
奨励賞
賞状、 副賞( 30万 円)
【贈賞式】
9月22日(木)「なはんプラザ」において行う。
イーハトーブ賞
【主催者 】
花巻市
【選考】
宮沢賢治 学会イ ーハト ーブセ ンター
【選考方 法】
会員 お よ び有 識 者 から の 推薦 に も とづ き 、 賞選 考委 員 会 が選 考 し 、理 事 会の 承 認 を経
て花巻市 長に答 申する 。
【選考対 象】
宮沢賢治の名において顕彰されるにふさわしい実践的な活動を行った個人 又は団体。
なお、本 賞に準 ずるも のとし て奨励 賞を置 く。
【賞・賞 金】
本賞
賞状 、正賞 、副賞 (10 0万円 )
奨励賞
賞状、 副賞( 30万 円)
【贈賞式】
9月22日(木)「なはんプラザ」において行う。
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【賞選考】
宮沢賢治学会イーハトーブセンター
●代表理事
栗 原
敦
●賞選考委員会
氏
名
住
所
付
記
岡
村
民
夫
東京都文京区
賞選考委員長
大
塚
常
樹
東京都世田谷区
賞選考委員
栗
原
俊
明
栃木県宇都宮市
〃
瀬
川
卓
哉
岩手県花巻市
〃
中
路
正
恒
京都府京都市
〃
義
真
岩手県盛岡市
〃
文
憲
東京都文京区
〃
森
吉
田
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