厚 生 労 働 省 告 示 第 二 百 九 十 号 私 的 年 金 分 野 に お け る 個 人

○厚生労働省告示第二百九十号
次
目
第
旨
趣
2
第
義
定
1
報
情
人
個
ー
厚生労働大臣
の規定は、平成二十八年九月一日から適用する。
ー
ン
イ
ラ
ド
イ
ガ
る
す
関
に
護
保
報
情
人
個
る
け
お
に
野
分
金
年
的
私
1
2
デ
報
情
人
個
ベ
タ
等
ス
ー
3
デ
人
個
タ
5
4
人
本
者
業
事
扱
取
報
情
人
個
ー
塩崎
恭久
私的年金分野における個人情報保護に関するガイドラインを次のように定め、公布の日から適用す
る。ただし、第6の2
平成二十八年七月二十日
(7)
6
デ
人
個
有
保
タ
7
表
公
8
本人の知り得る状態(本人の求めに応じて遅滞なく回答する場合を含む。)
9
本人が容易に知り得る状態
10
本人に通知
11
(個人データ又は保有個人データの)提供
12
本人の同意
13
私的年金関係事業者
14
私的年金分野
第3
適用対象者の範囲
第4
個人情報の利用目的に関する義務
1
利用目的の特定
2
利用目的の変更
3
利用目的による制限
4
利用目的による制限(事業承継の場合)
5
利用目的による制限の例外
第5
1
個人情報の取得に関する義務
適正な取得
2
取得時の利用目的の通知又は公表
3
書面等による直接取得時の利用目的の明示
4
利用目的の通知等をしなくてよい場合
第6
個人データの管理に関する義務
1
データ内容の正確性の確保
2
安全管理措置
3
従業者の監督
4
委託先の監督
第7
個人データの第三者提供に関する義務
1
第三者提供の制限に関する原則
2
第三者提供の制限に関する例外
3
いわゆる「オプトアウト」
4
「第三者」に該当しないもの
第8
保有個人データの開示等に関する義務
1
保有個人データに関する事項の公表等
2
保有個人データの開示
3
保有個人データの訂正等
4
保有個人データの利用停止等
5
理由の説明
6
開示等の求めに応じる手続
7
手数料
第9
苦情処理に関する義務
第 10
法違反又は法違反のおそれが発覚した場合の対応
第 11
勧告、命令等についての考え方
第 12
ガイドラインの見直しについて
第1
趣旨【法第1条関係】
こ の ガ イ ド ラ イ ン は 、 個 人 情 報 の 保 護 に 関 す る 法 律 ( 平 成 15年 法 律 第 57号 。 以 下 「 法 」 と い う
。)第6条及び第8条に基づき、また、法第7条第1項に基づく「個人情報の保護に関する基本
方 針 」 ( 平 成 16年 4 月 閣 議 決 定 。 平 成 20年 4 月 及 び 平 成 21年 9 月 一 部 変 更 。 以 下 「 基 本 方 針 」 と
いう。)を踏まえ、私的年金関係事業者が個人情報の適正な取扱いの確保に関して行う活動を支
援するため、私的年金関係事業者が講じる措置が適切かつ有効に実施されるよう具体的な指針と
して定めるものである。
ま た 、 国 民 年 金 法 ( 昭 和 34年 法 律 第 141号 ) 、 石 炭 鉱 業 年 金 基 金 法 ( 昭 和 42年 法 律 第 135号 ) 、
確 定 給 付 企 業 年 金 法 ( 平 成 13年 法 律 第 50号 ) 、 確 定 拠 出 年 金 法 ( 平 成 13年 法 律 第 88号 ) 、 公 的 年
金 制 度 の 健 全 性 及 び 信 頼 性 の 確 保 の た め の 厚 生 年 金 保 険 法 等 の 一 部 を 改 正 す る 法 律 ( 平 成 25年 法
律 第 63号 。 以 下 「 平 成 25年 改 正 法 」 と い う 。 ) 附 則 第 5 条 及 び 第 38条 の 規 定 に よ り な お そ の 効 力
を 有 す る も の と さ れ た 平 成 25年 改 正 法 第 1 条 に よ る 改 正 前 の 厚 生 年 金 保 険 法 ( 昭 和 29年 法 律 第 11
5号 ) 並 び に 関 係 法 令 の 規 定 に 基 づ き 、 そ の 業 務 の 遂 行 に 必 要 な 範 囲 内 で 加 入 者 等 の 個 人 に 関 す る
情報を収集し、保管し、及び使用することが認められ、それに当たっては、個人に関する情報を
適正に管理するために必要な措置を講ずることが求められることも踏まえ、このガイドラインを
定めるものである。
法は、個人情報の取扱いに当たっては、個人情報の有用性に配慮しつつ、受給者等、個人の権
利利益を保護することを目的としており(法第1条)、当該目的は、このガイドラインにおいて
も、同様である。
このガイドラインにおいて「~ならない。」(「努めなければならない」を除く。)と記載し
ている規定については、法の義務規定の対象である個人情報取扱事業者の法的義務であるため、
個人情報取扱事業者である私的年金関係事業者が従わない場合には、厚生労働大臣により、法違
反と判断される可能性がある。一方、個人情報取扱事業者でない私的年金関係事業者がこれに従
わない場合には、法違反と判断されることはない。
また、このガイドラインにおいて「望ましい」と記載している規定については、私的年金関係
事業者がそれに従わない場合、個人情報取扱事業者であるか否かを問わず、法違反と判断される
ことはない。
法違反と判断されることはない場合にも、法の基本理念(法第3条)も踏まえ、できるだけ取
り組むことが望まれるものである(「第3
このガイドラインの適用対象者の範囲」の規定も参
照)。
このガイドラインにおいて記載した具体例については、これに限定する趣旨で記載したもので
はない。また、記載した具体例においても、個別ケースによって別途考慮すべき要素があり得る
ので注意を要する。
第2
定義【法第2条関係】
このガイドラインにおいて使用する用語は、法第2条において使用する用語の例によるほか、
次の定義に従うものとする。
1
個人情報
「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができる
もの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができるも
のを含む。)をいう。
「個人に関する情報」とは、氏名、性別、生年月日、住所、年齢、職業、続柄等の事実に関す
る情報に限られず、個人の身体、財産、職種、肩書等の属性に関する判断や評価を表す全ての情
報を指し、公刊物等によって公にされている情報や、映像、音声による情報も含まれる。これら
「個人に関する情報」が、氏名等と相まって「特定の個人を識別することができる」ことになれ
ば、それが「個人情報」となる。
なお、生存しない個人に関する情報が、同時に、遺族等の生存する個人に関する情報に当たる
場合には、当該生存する個人に関する情報となる。
また、企業名等、法人その他の団体に関する情報は、基本的に「個人情報」には該当しないが
、役員の氏名などの個人に関する情報が含まれる場合には、その部分については、「個人情報」
に該当する。
さらに、「個人」には外国人も当然に含まれる。
2
個人情報データベース等
「個人情報データベース等」とは、特定の個人情報をコンピュータを用いて検索することがで
きるように体系的に構成した、個人情報を含む情報の集合物、又はコンピュータを用いていない
場合であっても、紙面で処理した個人情報を一定の規則(例えば、五十音順等)に従って整理・
分類し、特定の個人情報を容易に検索することができるよう、目次、索引、符号等を付し、他人
によっても容易に検索可能な状態に置いているものをいう。
3
個人データ
「個人データ」とは、「個人情報データベース等」を構成する個人情報をいう。
(例)
4
・
個人情報データベース等から記録媒体へダウンロードされた個人情報
・
個人情報データベース等から紙面に出力された帳票等に印字された個人情報
個人情報取扱事業者
「個人情報取扱事業者」とは、次に掲げる者を除いた、個人情報データベース等を事業の用に
供している者をいう。
(1) 国 の 機 関
(2) 地 方 公 共 団 体
(3) 独 立 行 政 法 人 等 ( 独 立 行 政 法 人 等 の 保 有 す る 個 人 情 報 の 保 護 に 関 す る 法 律 ( 平 成 15年 法 律
第 59号 ) 第 2 条 第 1 項 に 規 定 す る 独 立 行 政 法 人 等 を い う 。 )
(4) 地 方 独 立 行 政 法 人 ( 地 方 独 立 行 政 法 人 法 ( 平 成 15年 法 律 第 118号 ) 第 2 条 第 1 項 に 規 定 す る
地方独立行政法人をいう。)
(5) そ の 取 り 扱 う 個 人 情 報 の 量 及 び 利 用 方 法 か ら み て 個 人 の 権 利 利 益 を 害 す る お そ れ が 少 な い
者
(5)の 規 定 に い う 者 と は 、 そ の 事 業 の 用 に 供 す る 個 人 情 報 デ ー タ ベ ー ス 等 を 構 成 す る 個 人 情
報 に よ っ て 識 別 さ れ る 特 定 の 個 人 の 数 の 合 計 が 過 去 6 か 月 以 内 の い ず れ の 日 に お い て も 5,00
0を 超 え な い 者 と す る ( 個 人 情 報 の 保 護 に 関 す る 法 律 施 行 令 ( 平 成 15年 政 令 第 507号 。 以 下 「
施 行 令 」 と い う 。 ) 第 2 条 ) 。 5,000を 超 え る か 否 か は 、 私 的 年 金 関 係 事 業 者 が 管 理 す る 全 て
の個人情報データベース等を構成する個人情報によって識別される特定の個人の数の総和に
より判断する。ただし、同一個人の重複分は除くものとする。
ここでいう「事業の用に供している」の「事業」とは、一定の目的をもって反復継続して
遂行される同種の行為であって、かつ、社会通念上事業と認められるものをいい、営利事業
のみを対象とするものではない。
また、「個人情報データベース等」が次の要件の全てに該当する場合には、それを構成す
る 個 人 情 報 に よ っ て 識 別 さ れ る 特 定 の 個 人 の 数 は 、 5,000の 数 に 数 え な い 。
イ
個人情報データベース等の全部又は一部が他人の作成によるものであること。
ロ
氏名、住所・居所、電話番号のみが掲載された個人情報データベース等(例えば、電話
帳やカーナビゲーション)であること、又は、不特定かつ多数の者に販売することを目的
として発行され、かつ、不特定かつ多数の者により随時に購入することができる又はでき
た個人情報データベース等(例えば、自治体職員録や弁護士会名簿)であること。
ハ
私的年金関係事業者自らが、その個人情報データベース等を事業の用に供するに当たり
、新たに個人情報を加えることで特定の個人の数を増やしたり、他の個人情報を付加した
りして、個人情報データベース等そのものを編集・加工していないこと。
なお、法人格を有しない団体(任意団体)や一般個人であっても、個人情報取扱事業者
に該当しうる。
5
本人
「本人」とは、個人情報によって識別される特定の個人をいう。
6
保有個人データ
「保有個人データ」とは、個人情報取扱事業者が、本人又はその代理人から求められる開示、
内容の訂正、追加又は削除、利用の停止、消去及び第三者への提供の停止の全てに応じることが
できる権限を有する個人データをいう。
ただし、その存否が明らかになることにより公益その他の利益が害されるものとして次に掲げ
るもののほか、6か月以内に消去(更新することは除く。)することとなるものを除く。
(1) 本 人 又 は 第 三 者 の 生 命 、 身 体 又 は 財 産 に 危 害 が 及 ぶ お そ れ が あ る も の
(2) 違 法 又 は 不 当 な 行 為 を 助 長 し 、 又 は 誘 発 す る お そ れ が あ る も の
(例)
・
不審者情報やクレーマー情報、総会屋情報
・
暴力団等の反社会的勢力情報
(3) 国 の 安 全 が 害 さ れ る お そ れ 、 他 国 若 し く は 国 際 機 関 と の 信 頼 関 係 が 損 な わ れ る お そ れ 又 は 他
国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれがあるもの
(例)
・
要人の行動予定情報、防衛機密情報
(4) 犯 罪 の 予 防 、 鎮 圧 又 は 捜 査 そ の 他 の 公 共 の 安 全 と 秩 序 の 維 持 に 支 障 が 及 ぶ お そ れ が あ る も の
(例)
7
・
警察などから受けた捜査関係事項照会の対象情報
・
犯罪収益との関係が疑われる取引(疑わしい取引)の届出の対象情報
公表
「公表」とは、広く一般に内容を発表することをいう。
ただし、公表に当たっては、事業の性質及び個人情報の取扱状況に応じ、合理的かつ適切な方
法による必要がある。
(例)
8
・
自社ホームページのトップページから1回程度の操作で到達できる場所への掲載
・
事業所の窓口等への書面の掲示・備付け
・
パンフレット等への記載・配布
本人の知り得る状態(本人の求めに応じて遅滞なく回答する場合を含む。)
「本人の知り得る状態(本人の求めに応じて遅滞なく回答する場合を含む。)」とは、ウェブ
画面への掲載、パンフレットの配布、本人の求めに応じて遅滞なく回答を行うこと等、本人が知
ろうとすれば、知ることができる状態をいい、常にその時点での正確な内容を本人の知り得る状
態に置く必要がある。必ずしもウェブ画面への掲載、又は事業所等の窓口等へ掲示すること等が
継続的に行われることまでを必要とするものではないが、事業の性質及び個人情報の取扱状況に
応じ、内容が本人に認識される合理的かつ適切な方法による必要がある。
9
本人が容易に知り得る状態
「本人が容易に知り得る状態」とは、事業所の窓口等への書面の掲示・備付けやホームページ
への掲載その他の継続的方法により、本人が知ろうと思えば、時間的にも、その手段においても
、簡単に知ることができる状態をいい、事業の性質及び個人情報の取扱状況に応じ、内容が本人
に認識される合理的かつ適切な方法による必要がある。1回限りの「公表」では取組の程度が足
りない。
10
本人に通知
「本人に通知」とは、本人に直接内容を知らしめることをいい、本人に内容が認識されるよう
に事業の性質及び個人情報の取扱状況に応じ、合理的かつ適切な方法による必要がある。
(例)
11
・
口頭(面談、電話等)
・
書面(手交、郵送、Eメール、FAX等)
・
使者
(個人データ又は保有個人データの)提供
保有個人データの第三者への「提供」とは、個人データ又は保有個人データを第三者が利用可
能な状態に置くことをいう。個人データ又は保有個人データが、物理的に提供されていない場合
であっても、備付けやネットワーク等を利用することにより、個人データ又は保有個人データを
第三者が利用(閲覧を含む。)できる状態にあれば(その権限が与えられていれば)、「提供」
に当たる。
12
本人の同意
「本人の同意」とは、本人が、個人情報取扱事業者の示す方法によって個人情報が取り扱われ
ることを承諾する旨の当該本人の意思表示をいう(当該本人であることを確認できていることが
前提)。
また、同じく「本人の同意を得る」とは、本人の承諾の意思表示を当該個人情報取扱事業者が
認識することをいい、事業の性質及び個人情報の取扱方法に応じ、本人が同意に係る判断を行う
ために必要と考えられる合理的かつ適切な方法による必要がある。
なお、個人情報の取扱いに関して同意したことによって生ずる結果について、未成年者、成年
被後見人、被保佐人及び被補助人が判断できる能力を有していないなどの場合は、親権者や法定
代理人等から同意を得る必要がある。
13
私的年金関係事業者
「私的年金関係事業者」とは、次に掲げる事業者をいう。
(1) 国 民 年 金 法 第 115条 に 規 定 す る 国 民 年 金 基 金
(2) 国 民 年 金 法 第 137条 の 2 の 5 に 規 定 す る 国 民 年 金 基 金 連 合 会
(3) 石 炭 鉱 業 年 金 基 金 法 第 2 条 に 規 定 す る 石 炭 鉱 業 年 金 基 金 及 び 当 該 石 炭 鉱 業 年 金 基 金 の 会 員 た
る事業主
(4) 確 定 給 付 企 業 年 金 法 第 3 条 第 1 項 第 2 号 に 規 定 す る 企 業 年 金 基 金 及 び 当 該 企 業 年 金 基 金 を 実
施する厚生年金適用事業所の事業主
(5) 確 定 給 付 企 業 年 金 法 第 4 条 第 1 号 に 規 定 す る 事 業 主
(6) 確 定 給 付 企 業 年 金 法 第 91条 の 2 に 規 定 す る 企 業 年 金 連 合 会
(7) 確 定 拠 出 年 金 法 第 2 条 第 2 項 に 規 定 す る 企 業 型 年 金 を 実 施 す る 厚 生 年 金 適 用 事 業 所 の 事 業 主
及 び 同 条 第 10項 に 規 定 す る 個 人 型 年 金 加 入 者 を 使 用 す る 事 業 主
(8) 平 成 25年 改 正 法 附 則 第 3 条 第 11号 に 規 定 す る 存 続 厚 生 年 金 基 金 及 び 当 該 存 続 厚 生 年 金 基 金 が
設立された適用事業所の事業主
(9) 平 成 25年 改 正 法 附 則 第 3 条 第 13号 に 規 定 す る 存 続 連 合 会
(10) (1)か ら (9)に 掲 げ る 者 か ら そ の 業 務 の 委 託 を 受 け た 者
14
私的年金分野
「私的年金分野」とは、私的年金関係事業者が国民年金法、石炭鉱業年金基金法、確定給付企
業 年 金 法 、 確 定 拠 出 年 金 法 、 平 成 25年 改 正 法 附 則 第 5 条 及 び 同 法 附 則 第 38条 の 規 定 に よ り な お そ
の 効 力 を 有 す る も の と さ れ た 平 成 25年 改 正 法 第 1 条 の 規 定 に よ る 改 正 前 の 厚 生 年 金 保 険 法 並 び に
関係法令の規定に基づき、実施する業務に関する分野をいう。
第3
適用対象者の範囲
このガイドラインは、私的年金分野における個人情報取扱事業者を対象とする。
また、私的年金分野において個人情報取扱事業者でない事業者等についても、法の基本理念(
法第3条)を踏まえ、このガイドラインに規定されている事項を遵守することが望ましい。
第4
1
個人情報の利用目的に関する義務
利 用 目 的 の 特 定 【 法 第 15条 第 1 項 関 係 】
(1) 私 的 年 金 関 係 事 業 者 は 、 個 人 情 報 を 取 り 扱 う に 当 た っ て は 、 そ の 利 用 の 目 的 ( 以 下 「 利 用 目
的」という。)をできる限り具体的に特定しなければならない。
利用目的の特定に当たっては、私的年金関係事業者において個人情報が最終的にどのような
事業の用に供され、どのような目的で利用されるかが本人にとって一般的かつ合理的に想定で
きる程度に具体的であることが望ましい。また、個人情報を長期間にわたって利用・保管する
ことが想定される場合には、利用目的を明示するに当たって、加入者等に利用方法・利用期間
等を明示することが望ましい。
(例)
・
単に「事業活動のため」、「お客様サービスの向上のため」といった抽象的な内容で
は、「できる限り特定」したことにならない。
(2) 私 的 年 金 関 係 事 業 者 は 、 法 、 施 行 令 、 基 本 方 針 、 こ の ガ イ ド ラ イ ン 等 を 踏 ま え 、 自 ら の 個 人
情報の保護に関する考え方や方針(いわゆる、プライバシーポリシー、プライバシーステート
メント等)を策定・公表している場合には、その中に、受給者等、本人の権利利益保護の観点
から、事業活動の特性、規模及び実態を考慮して、「事業者がその事業内容を勘案して加入者
等の種類ごとに利用目的を限定して示したり、事業者が本人の選択による利用目的の限定に自
主的に取り組んだりするなど、本人にとって利用目的がより明確になるようにする」といった
点を考慮した記述をできるだけ盛り込むことが望ましい。
2
利 用 目 的 の 変 更 【 法 第 15条 第 2 項 ・ 法 第 18条 第 3 項 関 係 】
(1) 私 的 年 金 関 係 事 業 者 は 、 1 の 規 定 に よ り 特 定 し た 利 用 目 的 を 変 更 す る 場 合 に は 、 変 更 後 の 利
用目的が変更前の利用目的からみて、社会通念上、本人が想定できる範囲を超えて行ってはな
らない。
(許容例)
・
「申込み用紙を郵送」→「申込み用紙をメール送付」
(認められない例)
・
「アンケート集計に利用」→「商品カタログ郵送に利用」
(2) 変 更 さ れ た 利 用 目 的 は 、 本 人 に 通 知 し 、 又 は 公 表 し な け れ ば な ら な い 。
(3) 本 人 が 想 定 で き る 範 囲 を 超 え て 利 用 目 的 の 変 更 を 行 う 場 合 に は 、 3 の 規 定 ( 法 第 16条 第 1 項
)により、本人の同意を得なければならない。
3
利 用 目 的 に よ る 制 限 【 法 第 16条 第 1 項 関 係 】
私的年金関係事業者は、あらかじめ本人の同意を得ることなく、1の規定により特定した利用
目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならない。ただし、あらかじめ本人
の同意を得るために個人情報を利用することは、当初特定した利用目的にない場合にも、目的外
利用には当たらない。
4
利 用 目 的 に よ る 制 限 ( 事 業 承 継 の 場 合 ) 【 法 第 16条 第 2 項 関 係 】
私的年金関係事業者は、合併、分社化、営業譲渡等により他の個人情報取扱事業者から事業を
承継することに伴って個人情報を取得した場合は、あらかじめ本人の同意を得ることなく、承継
前における当該個人情報の利用目的の達成に必要な範囲を超えて、当該個人情報を取り扱っては
ならない。ただし、あらかじめ本人の同意を得るために個人情報を利用することは、承継前の利
用目的にない場合にも、目的外利用には当たらない。
5
利 用 目 的 に よ る 制 限 の 例 外 【 法 第 16条 第 3 項 関 係 】
次に掲げる場合については、3又は4の規定により本人の同意を得ることが求められる場合で
あっても、本人の同意は不要である。
(1) 法 令 に 基 づ い て 、 利 用 目 的 の 達 成 に 必 要 な 範 囲 を 超 え て 、 個 人 情 報 を 取 り 扱 う 場 合
(例)
・
捜 査 に 必 要 な 取 調 べ や 捜 査 関 係 事 項 照 会 へ の 対 応 ( 刑 事 訴 訟 法 ( 昭 和 23年 法 律 第 131号
) 第 197条 等 )
・
令 状 に 基 づ く 警 察 や 検 察 な ど に よ る 捜 査 へ の 対 応 ( 刑 事 訴 訟 法 第 218条 等 )
・
証券取引等監視委員会の職員による犯則事件の調査への対応(金融商品取引法(昭和
23年 法 律 第 25号 ) 第 210条 、 第 211条 等 )
・
裁 判 所 か ら の 公 務 所 等 に 対 す る 照 会 へ の 対 応 ( 刑 事 訴 訟 法 第 279条 及 び 心 神 喪 失 等 の 状
態 で 重 大 な 他 害 行 為 を 行 っ た 者 の 医 療 及 び 観 察 等 に 関 す る 法 律 ( 平 成 15年 法 律 第 110号 )
第 24条 第 3 項 )
・
裁 判 執 行 関 係 事 項 照 会 へ の 対 応 ( 刑 事 訴 訟 法 第 507条 )
・
家 庭 裁 判 所 調 査 官 に よ る 事 実 の 調 査 へ の 対 応 ( 家 事 事 件 手 続 法 ( 平 成 23年 法 律 第 52号
) 第 58条 )
・
裁 判 所 か ら の 文 書 送 付 の 嘱 託 や 調 査 の 嘱 託 へ の 対 応 ( 民 事 訴 訟 法 ( 平 成 8 年 法 律 第 10
9号 ) 第 186条 及 び 第 226条 並 び に 家 事 事 件 手 続 法 第 62条 )
・
犯罪被害財産支給手続関係事項照会への対応(犯罪被害財産等による被害回復給付金
の 支 給 に 関 す る 法 律 ( 平 成 18年 法 律 第 87号 ) 第 28条 )
・
疑 わ し い 取 引 の 届 出 ( 犯 罪 に よ る 収 益 の 移 転 防 止 に 関 す る 法 律 ( 平 成 19年 法 律 第 22号
)第8条第1項)
・
徴 税 吏 員 ・ 税 務 職 員 の 質 問 検 査 へ の 対 応 ( 地 方 税 法 ( 昭 和 25年 法 律 第 226号 ) 第 72条 の
7 及 び 国 税 通 則 法 ( 昭 和 37年 法 律 第 66号 ) 第 74条 の 2 か ら 第 74条 の 6 )
・
弁 護 士 会 照 会 へ の 対 応 ( 弁 護 士 法 ( 昭 和 24年 法 律 第 205号 ) 第 23条 の 2 第 2 項 )
・
国勢調査などの基幹統計調査に対する報告や行政機関の長からの協力要請への対応(
統 計 法 ( 平 成 19年 法 律 第 53号 ) 第 13条 及 び 第 30条 )
なお、当該法令に、目的外利用の便益を得る相手方についての根拠のみあって、目的外利用
をする義務までは課されていない場合には、私的年金関係事業者は、当該法令の趣旨に照らし
て目的外利用の必要性と合理性が認められる範囲内で対応するものとする。
(2) 人 ( 法 人 を 含 む 。 ) の 生 命 、 身 体 又 は 財 産 の 保 護 の た め に 利 用 目 的 の 達 成 に 必 要 な 範 囲 を 超
えて、個人情報を取り扱う必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。
(例)
・
急病人の血液型や家族の連絡先を医師や看護師に伝える場合
・
大規模災害や事故等の緊急時に、負傷者情報を家族に提供する場合
・
暴力団等の反社会的勢力情報、業務妨害行為を行う悪質者情報を企業間で共有する場
合
(3) 公 衆 衛 生 の 向 上 又 は 児 童 の 健 全 な 育 成 の 推 進 の た め に 特 に 利 用 目 的 の 達 成 に 必 要 な 範 囲 を 超
えて、個人情報を取り扱う必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。
(例)
・
感染症の予防のための調査に応じるとき。
(4) 国 の 機 関 若 し く は 地 方 公 共 団 体 又 は そ の 委 託 を 受 け た 者 が 法 令 の 定 め る 事 務 を 遂 行 す る こ と
に対して私的年金関係事業者が協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることによ
り当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるときに、利用目的の達成に必要な範囲を超えて
、個人情報を取り扱う場合
(例)
・
任意の求めに応じて、警察や税務署に対して個人情報を提出する場合
・
一般統計調査に回答する場合
なお、私的年金関係事業者は、任意の求めの趣旨に照らして目的外利用の必要性と合理性が
認められる範囲内で対応するものとする。
第5
個人情報の取得に関する義務
1
適 正 な 取 得 【 法 第 17条 関 係 】
私的年金関係事業者は、偽りその他不正の手段により個人情報を取得してはならない。
(違反例)
・
本人をだましてその個人情報を取得すること。
・
第三者提供の制限(第7の規定参照)に違反して提供している業者から事情を知って個
人情報を取得すること。
第 三 者 か ら の 提 供 ( 法 第 23条 第 1 項 各 号 に 掲 げ る 場 合 並 び に 個 人 情 報 の 取 扱 い の 委 託 、 事 業 の
承継及び共同利用に伴い、個人情報を提供する場合を除く。)により、個人情報(施行令第2条
第2号に規定するものから取得した個人情報を除く。)を取得する場合には、提供元の法の遵守
状 況 ( 例 え ば 、 オ プ ト ア ウ ト ( 第 7 の 3 の 規 定 ( 法 第 23条 第 2 項 及 び 第 3 項 ) 参 照 ) 、 利 用 目 的
、開示手続、問合せ・苦情の受付窓口を公表していることなど)を確認し、個人情報を適切に管
理している者を提供元として選定するとともに、実際に個人情報を取得する際には、例えば、取
得の経緯を示す契約書等の書面の点検又はこれに代わる合理的な方法により、当該個人情報の取
得方法等を確認した上で、当該個人情報が適法に取得されたことが確認できない場合は、偽りそ
の他不正の手段により取得されたものである可能性もあることから、その取得を自粛することを
含め、慎重に対応することが望ましい。
2
取 得 時 の 利 用 目 的 の 通 知 又 は 公 表 【 法 第 18条 第 1 項 関 係 】
私的年金関係事業者は、個人情報を取得した場合は、あらかじめその利用目的を公表している
場合を除き、速やかに、その利用目的を、本人に通知し、又は公表しなければならない。
(例)
3
・
電話帳や職員録等から個人情報を取得した場合
・
個人情報の第三者提供を受けて、個人情報を取得した場合
・
個人情報の取扱いの委託を受けて、個人情報を取得した場合
書 面 等 に よ る 直 接 取 得 時 の 利 用 目 的 の 明 示 【 法 第 18条 第 2 項 関 係 】
私的年金関係事業者は、直接本人から個人情報を取得する場合は、あらかじめ、本人に対し、
その利用目的を明示しなければならない。ただし、人(法人を含む。)の生命、身体又は財産の
保護のために緊急に必要がある場合は、あらかじめ、本人に対し、その利用目的を明示する必要
は な い が 、 そ の 場 合 に は 、 2 の 規 定 ( 法 第 18条 第 1 項 ) に 基 づ い て 、 取 得 後 速 や か に そ の 利 用 目
的を、本人に通知し、又は公表しなければならない。
なお、「本人に対し、その利用目的を明示」とは、本人に対し、その利用目的を明確に示すこ
とをいい、事業の性質及び個人情報の取扱状況に応じ、内容が本人に認識される合理的かつ適切
な方法による必要がある。
(例)
・
往復はがきの往はがきに、社会通念上、本人が認識できる場所及び文字の大きさで利用目
的を記載する。
・
面談中、本人に対し、定款等のうち利用目的の記載部分を指摘する。
・
ユーザー入力画面において、送信ボタン等をクリックする前等に利用目的が本人の目にと
まる形で配置・記載する。
4
利 用 目 的 の 通 知 等 を し な く て よ い 場 合 【 法 第 18条 第 4 項 関 係 】
次 に 掲 げ る 場 合 に つ い て は 、 2 、 3 及 び 第 4 の 2 (2)の 規 定 ( 法 第 18条 第 1 項 か ら 第 3 項 ま で )
は適用しない。
(1) 利 用 目 的 を 本 人 に 通 知 し 、 又 は 公 表 す る こ と に よ り 本 人 又 は 第 三 者 の 生 命 、 身 体 、 財 産 そ の
他の権利利益を害するおそれがある場合
(例)
・
暴力団等の反社会的勢力情報、疑わしい取引の届出の対象情報、業務妨害行為を行う
悪質者情報の提供者が逆恨みを買うおそれのある場合
(2) 利 用 目 的 を 本 人 に 通 知 し 、 又 は 公 表 す る こ と に よ り 私 的 年 金 関 係 事 業 者 の 権 利 又 は 正 当 な 利
益を害するおそれがある場合
(例)
・
暴力団等の反社会的勢力情報、疑わしい取引の届出の対象情報、業務妨害行為を行う
悪質者情報を取得したことが明らかになることにより、情報提供を受けた企業に害が及
ぶ場合
(3) 国 の 機 関 又 は 地 方 公 共 団 体 が 法 令 の 定 め る 事 務 を 遂 行 す る こ と に 対 し て 協 力 す る 必 要 が あ る
場合であって、利用目的を本人に通知し、又は公表することにより当該事務の遂行に支障を及
ぼすおそれがあるとき。
(例)
・
犯罪捜査への協力のため、被疑者等に関する情報を取得した場合
(4) 取 得 の 状 況 か ら み て 利 用 目 的 が 明 ら か で あ る と 認 め ら れ る 場 合
(例)
・
今後連絡を取り合うために名刺交換をした場合
・
着信において相手方の電話番号が非通知でない場合で、同じ用件で当方から相手方に
電話を掛け直す場合
第6
1
個人データの管理に関する義務
デ ー タ 内 容 の 正 確 性 の 確 保 【 法 第 19条 関 係 】
私的年金関係事業者は、利用目的の達成に必要な範囲内において、個人データを正確かつ最新
の内容に保つよう努めなければならない。
2
安 全 管 理 措 置 【 法 第 20条 関 係 】
私的年金関係事業者は、その取り扱う個人データの漏えい、滅失又はき損の防止その他の個人
データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。
その際、私的年金関係事業者において、個人データが漏えい、滅失又はき損等をした場合に本
人が被る権利利益の侵害の大きさを考慮し、事業の規模及び性質、個人データの取扱状況並びに
個人データを記録した媒体の性質等に起因するリスクに応じ、必要かつ適切な措置を講ずるもの
とする。
特に、事業者の内部又は外部からの不正行為による個人データの漏えい等を防止するための手
法として、例えば次のような措置を講ずること。
(1) 責 任 の 所 在 の 明 確 化 の た め の 措 置
(例)
・
個人データの安全管理の実施及び運用に関する責任及び権限を有する個人情報保護管理
者の設置(例えば、役員などの組織横断的に監督することのできる者を任命する)
・
事業者内の個人データの取扱いの点検・改善等の監督を行う部署の設置
・
事業者内の個人データの取扱いの点検・改善等の監督を行う合議制の委員会の設置
(2) 新 た な リ ス ク に 対 応 す る た め の 、 安 全 管 理 措 置 の 評 価 、 見 直 し 及 び 改 善 に 向 け た 監 査 実 施 体
制の整備
(例)
・
個人情報保護対策及び最新の技術動向を踏まえた情報セキュリティ対策に十分な知見
を有する者による事業者内の対応の確認(必要に応じ、外部の知見を有する者を活用し
確認させることを含む。)
(3) 漏 え い 等 に 早 期 に 対 処 す る た め の 体 制 整 備
(例)
・
漏えい等が発生した場合又は発生のおそれがある場合の連絡体制の整備
(4) 不 正 な 操 作 を 防 ぐ た め の 、 個 人 デ ー タ を 取 り 扱 う 端 末 に 付 与 す る 機 能 の 、 業 務 上 の 必 要 性 に
基づく限定
(例)
・
スマートフォン、パソコン等の記録機能を有する機器の接続の制限及び機器の更新へ
の対応
(5) 入 館 ( 室 ) 者 に よ る 不 正 行 為 の 防 止 の た め の 、 業 務 実 施 場 所 及 び 情 報 シ ス テ ム 等 の 設 置 場 所
の入退館(室)管理の実施
(例)
・
入退館(室)の記録の保存
(6) 盗 難 等 の 防 止 の た め の 措 置
(例)
・
カメラによる撮影や作業への立会い等による記録又はモニタリングの実施
・
記録機能を持つ媒体の持込み・持出し禁止又は検査の実施
(7) 情 報 シ ス テ ム か ら の 漏 え い 等 を 防 止 す る た め の 技 術 的 安 全 管 理 措 置
イ
加入者等の個人情報を取り扱う基幹システムに接続されたネットワーク(基幹系ネット
ワーク)とインターネットに接続されたネットワーク(情報系ネットワーク)を物理的又
は論理的に分離をすること。また、基幹システムに保管されている個人情報を直接取り扱
う作業は、インターネットに接続されたパソコン等では行わないこと。また、業務に応じ
て適切なアクセス権限を付与すること。
ロ
基幹システムにある個人情報データを外部の機関等へ電磁的方法により移送する場合は
、暗号化・パスワードの設定等を必ず行い、原則として、インターネット等を介した電子
メール等での送信は行わず電磁的記録媒体を使用する、又は専用線等のセキュリティが確
保された通信を使用すること。また、作業に当たって一時的にパソコン等に個人情報を保
存した場合は、作業終了後のデータ消去を徹底すること。
ハ
イ及びロについて運用上可能なものは直ちに実施するとともに、システム対応が必要と
なるものについては、システム改修を検討すること。なお、システム改修までの間、基幹
システムにある個人情報を取り扱う場合、暗号化・パスワードの設定、作業終了後のパソ
コン等からの個人情報の消去等の安全管理措置を徹底すること。
(例)
・
個人データへのアクセスにおける識別と認証
・
個人データへのアクセス制御
・
個人データへのアクセス権限の管理
・
個人データへのアクセスや操作の記録及び不正が疑われる異常な記録の存否の定期的
な確認
・
情報システムへの外部からのアクセス状況の監視及び当該監視システムの動作の定期
的な確認
・
ソフトウェアに関する脆弱性対策(セキュリティパッチの適用、当該情報システム固
有の脆弱性の発見及びその修正等)
なお、不特定多数者が書店で随時に購入可能な名簿で、事業者において全く加工をしていない
ものについては、個人の権利利益を侵害するおそれは低いと考えられることから、それを処分す
るために文書細断機等による処理を行わずに廃棄し、又は廃品回収に出したとしても、事業者の
安全管理措置の義務違反にはならない。
3
従 業 者 の 監 督 【 法 第 21条 関 係 】
私的年金関係事業者は、その従業者に個人データを取り扱わせるに当たっては、当該個人デー
タの安全管理が図られるよう、当該従業者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない。
その際、個人データが漏えい、滅失又はき損等をした場合に本人が被る権利利益の侵害の大き
さを考慮し、事業の性質及び個人データの取扱状況等に起因するリスクに応じ、個人データを取
り扱う従業者に対する教育及び研修等の内容及び頻度を充実させるなど、必要かつ適切な措置を
講ずる必要がある。
4
委 託 先 の 監 督 【 法 第 22条 関 係 】
(1) 私 的 年 金 関 係 事 業 者 は 、 個 人 デ ー タ の 取 扱 い の 全 部 又 は 一 部 を 外 部 に 委 託 す る 場 合 は 、 そ の
取扱いを委託された個人データの安全管理が図られるよう、委託を受けた者(以下「委託先」
という。)に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない。
その際、個人データが漏えい、滅失又はき損等をした場合に本人が被る権利利益の侵害の大
きさを考慮し、委託する事業の規模及び性質並びに個人データの取扱状況等に起因するリスク
に応じ、必要かつ適切な措置を講ずるものとする。
(2) 私 的 年 金 関 係 事 業 者 は 、 委 託 先 の 選 定 に 当 た っ て は 、 委 託 先 の 安 全 管 理 措 置 が 、 少 な く と も
法 第 20条 で 求 め ら れ る も の と 同 等 で あ る こ と を 確 認 す る た め 、 以 下 の 項 目 が 、 委 託 す る 業 務 内
容に応じて、確実に実施されることについて、委託先の体制、規程等の確認に加え、必要に応
じて個人データを取り扱う場所に赴く又はこれに代わる合理的な方法による確認を行った上で
、個人情報保護管理者等が、適切に評価することが望ましい。
(3) 私 的 年 金 関 係 事 業 者 は 、 委 託 契 約 等 に お い て 次 に 示 す 事 項 に つ い て 定 め る こ と が 望 ま し い 。
イ
委託先の個人データの取扱いに関する事項
(例)
・
委託先において個人データを取り扱う者(委託先で作業する委託先の作業者以外の者
を含む)を明確にすること
・
委託先において講ずべき安全管理措置の内容
ロ
委託先の秘密の保持に関する事項
ハ
委託された個人データの再委託に関する事項
(例)
・
再委託の可否及び再委託を行うに当たっての委託元への文書による事前報告又は承認
ニ
契約終了時の個人データの返却等に関する事項
ホ
契約内容が遵守されなかった場合の措置
(例)
・
安全管理に関する事項が遵守されずに個人データが漏えいした場合の損害賠償に関す
る事項
(4) 委 託 先 に お け る 委 託 さ れ た 個 人 デ ー タ の 取 扱 状 況 を 把 握 す る た め に は 、 定 期 的 に 監 査 を 行 う
等により、委託契約で盛り込んだ内容の実施の程度を調査した上で、個人情報保護管理者等が
、委託の内容等の見直しを検討することを含め、適切に評価することが望ましい。
委託先が再委託を行おうとする場合は、委託元は委託を行う場合と同様、再委託の相手方、
再委託する業務内容及び再委託先の個人データの取扱方法等について、委託先に事前報告又は
承認手続を求める、直接又は委託先を通じて定期的に監査を実施する等により、委託先が再委
託 先 に 対 し て 本 条 の 委 託 先 の 監 督 を 適 切 に 果 た す こ と 、 再 委 託 先 が 法 第 20条 に 基 づ く 安 全 管 理
措置を講ずることを十分に確認することが望ましい。再委託先が再々委託を行う場合以降も、
再委託を行う場合と同様とする。
(5) 私 的 年 金 関 係 事 業 者 は 、 法 、 施 行 令 、 基 本 方 針 、 こ の ガ イ ド ラ イ ン 等 を 踏 ま え 、 そ の 事 業 活
動の特性、規模及び実態を考慮し、自らの個人情報の保護に関する考え方や方針(いわゆる、
プライバシーポリシー、プライバシーステートメント等)を策定・公表している場合には、そ
の中に、受給者等、本人の権利利益保護の観点から、事業活動の特性、規模及び実態を考慮し
て、「委託の有無、委託する事務の内容を明らかにする等、委託処理の透明化を進める」とい
った点を考慮した記述をできるだけ盛り込むことが望ましい。
第7
1
個人データの第三者提供に関する義務
第 三 者 提 供 の 制 限 に 関 す る 原 則 【 法 第 23条 第 1 項 関 係 】
私的年金関係事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供しては
ならない。
2
第 三 者 提 供 の 制 限 に 関 す る 例 外 【 法 第 23条 第 1 項 関 係 】
次のいずれかに該当する場合は、1の規定にかかわらず、個人データを第三者に提供すること
ができる。
(1) 法 令 に 基 づ く 場 合
(例)
・
私的年金関係事業者が加入者原簿の作成等のために加入者の氏名、性別、生年月日、基
礎 年 金 番 号 等 を 基 金 等 か ら 取 得 す る こ と ( 確 定 給 付 企 業 年 金 法 施 行 規 則 ( 平 成 14年 厚 生 労
働 省 令 第 22号 ) 第 22条 等 )
・
私的年金関係事業者の地方公共団体情報システム機構からの生存情報の取得(住民基本
台 帳 法 ( 昭 和 42年 法 律 第 81号 ) 第 30条 の 9 )
・
私的年金関係事業者の地方公共団体情報システム機構からの個人番号の取得(行政手続
に お け る 特 定 の 個 人 を 識 別 す る た め の 番 号 の 利 用 等 に 関 す る 法 律 ( 平 成 25年 法 律 第 27号 )
第 14条 第 2 項 )
・
捜 査 に 必 要 な 取 調 べ や 捜 査 関 係 事 項 照 会 へ の 対 応 ( 刑 事 訴 訟 法 第 197条 等 )
・
令 状 に 基 づ く 警 察 や 検 察 な ど に よ る 捜 査 へ の 対 応 ( 刑 事 訴 訟 法 第 218条 等 )
・
裁 判 所 か ら の 公 務 所 等 に 対 す る 照 会 へ の 対 応 ( 刑 事 訴 訟 法 第 279条 及 び 心 神 喪 失 等 の 状 態
で 重 大 な 他 害 行 為 を 行 っ た 者 の 医 療 及 び 観 察 等 に 関 す る 法 律 第 24条 第 3 項 )
・
裁 判 執 行 関 係 事 項 照 会 へ の 対 応 ( 刑 事 訴 訟 法 第 507条 )
・
証 券 取 引 等 監 視 委 員 会 の 職 員 に よ る 犯 則 事 件 の 調 査 へ の 対 応 ( 金 融 商 品 取 引 法 第 210条 、
第 211条 等 )
・
裁 判 所 か ら の 文 書 送 付 の 嘱 託 や 調 査 の 嘱 託 へ の 対 応 ( 民 事 訴 訟 法 第 186条 及 び 第 226条 並
び に 家 事 事 件 手 続 法 第 62条 )
・
家 庭 裁 判 所 調 査 官 に よ る 事 実 の 調 査 へ の 対 応 ( 家 事 事 件 手 続 法 第 58条 )
・
犯罪被害財産支給手続関係事項照会への対応(犯罪被害財産等による被害回復給付金の
支 給 に 関 す る 法 律 第 28条 )
・
疑わしい取引の届出(犯罪による収益の移転防止に関する法律第8条第1項)
・
徴 税 吏 員 ・ 税 務 職 員 の 質 問 検 査 へ の 対 応 ( 地 方 税 法 第 72条 の 7 及 び 国 税 通 則 法 第 74条 の
2 か ら 第 74条 の 6 )
・
弁 護 士 会 照 会 へ の 対 応 ( 弁 護 士 法 第 23条 の 2 第 2 項 )
・
国勢調査などの基幹統計調査に対する報告や行政機関の長からの協力要請への対応(統
計 法 第 13条 及 び 第 30条 )
なお、当該法令に、第三者提供を受ける相手方についての根拠のみあって、第三者提供を
する義務までは課されていない場合には、私的年金関係事業者は、当該法令の趣旨に照らし
て第三者提供の必要性と合理性が認められる範囲内で対応するものとする。
(2) 人 ( 法 人 を 含 む 。 ) の 生 命 、 身 体 又 は 財 産 の 保 護 の た め に 個 人 デ ー タ を 第 三 者 に 提 供 す る 必
要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。
(例)
・
急病人の血液型や家族の連絡先を医師や看護師に伝える場合
・
大規模災害や事故等の緊急時に、負傷者情報を家族に提供する場合
・
暴力団等の反社会的勢力情報、業務妨害行為を行う悪質者情報を企業間で共有する場
合
(3) 公 衆 衛 生 の 向 上 又 は 児 童 の 健 全 な 育 成 の 推 進 の た め に 特 に 個 人 デ ー タ を 第 三 者 に 提 供 す る 必
要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。
(例)
・
感染症の予防のための調査に応じるとき。
(4) 国 の 機 関 若 し く は 地 方 公 共 団 体 又 は そ の 委 託 を 受 け た 者 が 法 令 の 定 め る 事 務 を 遂 行 す る こ と
に対して私的年金関係事業者が協力する場合であって、本人の同意を得ることにより当該事務
の遂行に支障を及ぼすおそれがあるときに、個人データを第三者に提供する場合
(例)
・
任意の求めに応じて、警察や税務署に対して個人情報を提出する場合
・
一般統計調査に回答する場合
なお、私的年金関係事業者は、任意の求めの趣旨に照らして第三者提供の必要性と合理性が
認められる範囲内で対応するものとする。
3
い わ ゆ る 「 オ プ ト ア ウ ト 」 【 法 第 23条 第 2 項 及 び 第 3 項 関 係 】
私的年金関係事業者は、第三者に提供される個人データについて、本人の求めに応じて当該本
人が識別される個人データの第三者への提供を停止することとしている場合であって、次に掲げ
る事項について、あらかじめ、本人に通知し、又は本人が容易に知り得る状態に置いているとき
は 、 1 及 び 2 の 規 定 ( 法 第 23条 第 1 項 ) に か か わ ら ず 、 当 該 個 人 デ ー タ を 第 三 者 に 提 供 す る こ と
ができる。
(1) 第 三 者 へ の 提 供 を 利 用 目 的 と す る こ と 。
(2) 第 三 者 に 提 供 さ れ る 個 人 デ ー タ の 項 目
(例)
・
氏名、住所、電話番号
(3) 第 三 者 へ の 提 供 の 手 段 又 は 方 法
(例)
・
書籍として出版
・
インターネットに掲載
(4) 本 人 の 求 め に 応 じ て 当 該 本 人 が 識 別 さ れ る 個 人 デ ー タ の 第 三 者 へ の 提 供 を 停 止 す る こ と 。
た だ し 、 私 的 年 金 関 係 事 業 者 が こ の 規 定 に よ る 第 三 者 提 供 を 行 っ て い る 場 合 で あ っ て 、 (2)又
は (3)の 規 定 に 掲 げ る 事 項 を 変 更 す る 場 合 は 、 変 更 す る 内 容 に つ い て 、 あ ら か じ め 、 本 人 に 通 知
し、又は本人が容易に知り得る状態に置かなければならない。
(いわゆる「オプトアウト」の例)
・
住宅地図業者(表札を調べて住宅地図を作成・販売等)やデータベース事業者(名簿
の 作 成 ・ 販 売 等 ) が 、 あ ら か じ め (1)か ら (4)の 規 定 に 掲 げ る 事 項 を 自 社 の ホ ー ム ペ ー ジ
に常時掲載(第2の9の規定参照)し、本人からの停止の求めを受け付けられる状態に
してから、販売等する場合
4
「 第 三 者 」 に 該 当 し な い も の 【 法 第 23条 第 4 項 及 び 第 5 項 関 係 】
次に掲げる場合において、当該個人データの提供を受ける者は「第三者」に該当しないものと
し 、 1 か ら 3 ま で の 規 定 ( 法 第 23条 第 1 項 か ら 第 3 項 ま で ) に か か わ ら ず 、 私 的 年 金 関 係 事 業 者
は当該個人データを提供することができる。
(1) 個 人 情 報 取 扱 事 業 者 が 利 用 目 的 の 達 成 に 必 要 な 範 囲 内 に お い て 個 人 デ ー タ の 取 扱 い の 全 部 又
は一部を委託する場合
(2) 合 併 、 分 社 化 、 営 業 譲 渡 等 に よ る 事 業 の 承 継 に 伴 っ て 個 人 デ ー タ が 提 供 さ れ る 場 合
(3) 個 人 デ ー タ を 特 定 の 者 と の 間 で 共 同 し て 利 用 す る 場 合 で あ っ て 、 次 に 掲 げ る 事 項 に つ い て 、
当該共同利用をする前にあらかじめ、本人に通知し、又は本人が容易に知り得る状態に置いて
いるとき。
イ
共同利用をする旨
ロ
共同して利用される個人データの項目
ハ
共同して利用する者の範囲
ニ
利用する者の利用目的
ホ
開示等の求め及び苦情を受け付け、その処理に尽力するとともに、個人データの内容等に
ついて、開示、訂正、利用停止等の権限を有し、個人データの安全管理等について共同利用
者の中で第一次的に責任を有する事業者の氏名又は名称
ただし、ロ又はハの規定に掲げる事項を変更する場合(第7の1の規定参照)は、あらかじ
め本人の同意を得なければならない。
ま た 、 ニ 又 は ホ の 規 定 に 掲 げ る 事 項 を 変 更 す る 場 合 ( 第 4 の 2 (1)の 規 定 参 照 ) は 、 変 更 す る
内容について、変更前にあらかじめ、本人に通知し、又は本人が容易に知り得る状態に置かな
ければならない。
第8
1
保有個人データの開示等に関する義務
保 有 個 人 デ ー タ に 関 す る 事 項 の 公 表 等 【 法 第 24条 関 係 】
(1) 私 的 年 金 関 係 事 業 者 は 、 保 有 個 人 デ ー タ に 関 し 、 次 に 掲 げ る 事 項 に つ い て 、 本 人 の 知 り 得 る
状態(本人の求めに応じて遅滞なく回答する場合を含む。)に置かなければならない。
イ
当該私的年金関係事業者の氏名又は名称
ロ
全 て の 保 有 個 人 デ ー タ の 利 用 目 的 ( 第 5 の 4 (1)か ら (3)ま で の 規 定 ( 法 第 18条 第 4 項 第 1
号から第3号まで)に該当する場合を除く。)
ハ
保 有 個 人 デ ー タ に 関 す る 本 人 か ら の 次 に 掲 げ る 求 め に 応 じ る 手 続 ( 7 の 規 定 ( 法 第 30条 第
2項)により手数料を定めたときは、その手数料の額を含む。)
ニ
ⅰ)
利 用 目 的 の 通 知 の 求 め ( (2)の 規 定 ( 法 第 24条 第 2 項 ) 参 照 )
ⅱ)
開 示 の 求 め ( 2 (1)の 規 定 ( 法 第 25条 第 1 項 ) 参 照 )
ⅲ)
内 容 の 訂 正 、 追 加 又 は 削 除 の 求 め ( 3 (1)の 規 定 ( 法 第 26条 第 1 項 ) 参 照 )
ⅳ)
利 用 の 停 止 又 は 消 去 の 求 め ( 4 (1)の 規 定 ( 法 第 27条 第 1 項 ) 参 照 )
ⅴ)
第 三 者 提 供 の 停 止 の 求 め ( 4 (2)の 規 定 ( 法 第 27条 第 2 項 ) 参 照 )
当該私的年金関係事業者が行う保有個人データの取扱いに関する苦情を受け付ける担当窓
口名・係名、郵送用住所、受付電話番号その他の苦情申出先
ホ
当 該 私 的 年 金 関 係 事 業 者 が 認 定 個 人 情 報 保 護 団 体 ( 法 第 37条 第 1 項 の 認 定 を 受 け た 者 を い
う。以下同じ。)の対象事業者である場合には、当該認定個人情報保護団体の名称及び苦情
の解決の申出先
(2) 私 的 年 金 関 係 事 業 者 は 、 次 の い ず れ か に 該 当 す る 場 合 を 除 き 、 本 人 か ら 、 当 該 本 人 が 識 別 さ
れる保有個人データの利用目的の通知を求められたときは、本人に対し、遅滞なく、これを通
知しなければならない。なお、利用目的を通知しない旨の決定をしたときも、本人に対し、遅
滞なく、当該決定をした旨を通知しなければならない。
イ
(1)の 規 定 ( 法 第 24条 第 1 項 ) に よ り 当 該 本 人 が 識 別 さ れ る 保 有 個 人 デ ー タ の 利 用 目 的 が 明
らかな場合
ロ
2
第 5 の 4 (1)か ら (3)ま で の 規 定 ( 法 第 18条 第 4 項 第 1 号 か ら 第 3 号 ま で ) に 該 当 す る 場 合
保 有 個 人 デ ー タ の 開 示 【 法 第 25条 関 係 】
(1) 私 的 年 金 関 係 事 業 者 は 、 本 人 か ら 、 当 該 本 人 が 識 別 さ れ る 保 有 個 人 デ ー タ の 開 示 ( 当 該 本 人
が識別される保有個人データが存在しないときにその旨を知らせることを含む。以下同じ。)
を求められたときは、本人に対し、書面の交付による方法(開示の求めを行った者が同意した
方法があるときは当該方法)により、遅滞なく、当該保有個人データを開示しなければならな
い。ただし、次のいずれかに該当する場合は、その全部又は一部を開示しないことができるが
、開示しない旨の決定をしたときは、本人に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならな
い。
イ
保有個人データを開示することにより、本人又は第三者の生命、身体、財産その他の権利
利益を害するおそれがある場合
(例)
・
医療機関等が患者の病名等を開示することで患者本人の心身状況を悪化させるおそれ
がある場合
ロ
保有個人データを開示することにより、当該私的年金関係事業者の業務の適正な実施に著
しい支障を及ぼすおそれがある場合
(例)
・
ハ
企業秘密が明らかになるおそれがある場合
保有個人データを開示することが他の法令に違反することとなる場合
(例)
・
刑 法 ( 明 治 40年 法 律 第 45号 ) 第 134条 ( 秘 密 漏 示 罪 ) や 電 気 通 信 事 業 法 ( 昭 和 59年 法 律
第 86号 ) 第 4 条 ( 通 信 の 秘 密 の 保 護 ) に 違 反 す る こ と と な る 場 合
(2) 他 の 法 令 の 規 定 に よ り 、 本 人 が 識 別 さ れ る 保 有 個 人 デ ー タ の 全 部 又 は 一 部 を 、 当 該 本 人 に 対
し (1)の 規 定 の 本 文 ( 法 第 25条 第 1 項 本 文 ) に 定 め る 方 法 に 相 当 す る 方 法 で 開 示 す る こ と と な る
場 合 に は 、 (1)の 規 定 ( 法 第 25条 第 1 項 ) は 、 適 用 し な い 。
(例)
・
タ ク シ ー 業 務 適 正 化 特 別 措 置 法 ( 昭 和 45年 法 律 第 75号 ) 第 19条 に 規 定 す る 登 録 実 施 機
関 が 、 同 法 第 12条 及 び 第 19条 の 規 定 に 基 づ き 、 登 録 運 転 者 に 係 る 原 簿 の 謄 本 の 交 付 又 は
閲覧を行う場合
(3) 私 的 年 金 関 係 事 業 者 は 、 法 、 施 行 令 、 基 本 方 針 、 こ の ガ イ ド ラ イ ン 等 を 踏 ま え 、 そ の 事 業 活
動の特性、規模及び実態を考慮し、自らの個人情報の保護に関する考え方や方針(いわゆる、
プライバシーポリシー、プライバシーステートメント等)を策定・公表している場合には、そ
の中に、受給者等、本人の権利利益保護の観点から、事業活動の特性、規模及び実態を考慮し
て、「個人情報の取得元又はその取得方法(取得源の種類等)を、可能な限り具体的に明記す
る」といった点を考慮した記述をできるだけ盛り込み、本人からの求めに一層対応していくこ
とが望ましい。
3
保 有 個 人 デ ー タ の 訂 正 等 【 法 第 26条 関 係 】
(1) 私 的 年 金 関 係 事 業 者 は 、 本 人 か ら 、 当 該 本 人 が 識 別 さ れ る 保 有 個 人 デ ー タ の 内 容 が 事 実 で な
いという理由によって当該保有個人データの内容の訂正、追加又は削除(以下「訂正等」とい
う。)を求められた場合には、その内容の訂正等に関して他の法令の規定により特別の手続が
定められている場合を除き、利用目的の達成に必要な範囲内において、遅滞なく必要な調査を
行い、その結果に基づき、当該保有個人データの内容の訂正等を行わなければならない。
(2) 私 的 年 金 関 係 事 業 者 は 、 (1)の 規 定 ( 法 第 26条 第 1 項 ) に 基 づ き 求 め ら れ た 保 有 個 人 デ ー タ の
内容の全部若しくは一部について訂正等を行ったときは、本人に対し、遅滞なく、その旨(訂
正等の内容を含む。)を通知しなければならない。また、利用目的から見て訂正等が必要でな
い場合や、本人からの誤りである旨の指摘が正しくない場合には、訂正等に応じる必要はない
が、そういった場合を含め、訂正等を行わない旨の決定をしたときも、同様とする。
4
保 有 個 人 デ ー タ の 利 用 停 止 等 【 法 第 27条 関 係 】
(1) 私 的 年 金 関 係 事 業 者 は 、 本 人 か ら 、 当 該 本 人 が 識 別 さ れ る 保 有 個 人 デ ー タ が 第 4 の 3 か ら 5
ま で の 規 定 ( 法 第 16条 ) に 違 反 し て 取 り 扱 わ れ て い る ( 同 意 の な い 目 的 外 利 用 ) と い う 理 由 又
は 第 5 の 1 の 規 定 ( 法 第 17条 ) に 違 反 し て 取 得 さ れ た も の で あ る ( 不 正 の 手 段 に よ る 個 人 情 報
の取得)という理由によって、当該保有個人データの利用の停止又は消去(以下「利用停止等
」という。)を求められた場合であって、その求めに理由があることが判明したときは、違反
を是正するために必要な限度で、遅滞なく、当該保有個人データの利用停止等を行わなければ
ならない。ただし、当該保有個人データの利用停止等に多額の費用を要する場合その他の利用
停止等を行うことが困難な場合であって、本人の権利利益を保護するため必要なこれに代わる
べき措置をとるときは、この限りでない。
(2) 私 的 年 金 関 係 事 業 者 は 、 本 人 か ら 、 当 該 本 人 が 識 別 さ れ る 保 有 個 人 デ ー タ が 第 7 の 1 及 び 2
の 規 定 ( 法 第 23条 第 1 項 ) に 違 反 し て 第 三 者 に 提 供 さ れ て い る ( 同 意 の な い 第 三 者 提 供 等 ) と
いう理由によって、当該保有個人データの第三者への提供の停止を求められた場合であって、
その求めに理由があることが判明したときは、遅滞なく、当該保有個人データの第三者への提
供を停止しなければならない。ただし、当該保有個人データの第三者への提供の停止に多額の
費用を要する場合その他の第三者への提供を停止することが困難な場合であって、本人の権利
利益を保護するため必要なこれに代わるべき措置をとるときは、この限りでない。
(3) 私 的 年 金 関 係 事 業 者 は 、 (1)及 び (2)の 規 定 ( 法 第 27条 第 1 項 及 び 第 2 項 ) に 規 定 す る 求 め に
対し、保有個人データの全部又は一部について、その求めに応じたとき、又はその求めに応じ
ない旨の決定をしたときは、本人に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。
(4) 私 的 年 金 関 係 事 業 者 は 、 法 、 施 行 令 、 基 本 方 針 、 こ の ガ イ ド ラ イ ン 等 を 踏 ま え 、 そ の 事 業 活
動の特性、規模及び実態を考慮し、自らの個人情報の保護に関する考え方や方針(いわゆる、
プライバシーポリシー、プライバシーステートメント等)を策定・公表している場合には、そ
の中に、受給者等、本人の権利利益保護の観点から、事業活動の特性、規模及び実態を考慮し
て、「保有個人データについて本人から求めがあった場合には、ダイレクトメールの発送停止
など、自主的に利用停止等に応じる」といった点を考慮した記述をできるだけ盛り込み、本人
からの求めに一層対応していくことが望ましい。
5
理 由 の 説 明 【 法 第 28条 関 係 】
私 的 年 金 関 係 事 業 者 は 、 保 有 個 人 デ ー タ の 利 用 目 的 の 通 知 の 求 め ( 1 (2)の 規 定 ( 法 第 24条 第 3
項 ) 参 照 ) 、 開 示 の 求 め ( 2 (1)の 規 定 ( 法 第 25条 第 2 項 ) 参 照 ) 、 訂 正 等 の 求 め ( 3 (1)及 び (2
)の 規 定 ( 法 第 26条 第 2 項 ) 参 照 ) 、 利 用 停 止 等 の 求 め 又 は 第 三 者 提 供 の 停 止 の 求 め ( 4 (1)か ら
(3)ま で の 規 定 ( 法 第 27条 第 3 項 ) 参 照 ) に 対 し 、 本 人 か ら 求 め ら れ た 措 置 の 全 部 又 は 一 部 に つ い
て、その措置をとらない旨又はその措置と異なる措置をとる旨を本人に通知する場合は、併せて
、本人に対して、その理由を説明するよう努めなければならない。
6
開 示 等 の 求 め に 応 じ る 手 続 【 法 第 29条 関 係 】
(1) 私 的 年 金 関 係 事 業 者 は 、 保 有 個 人 デ ー タ の 利 用 目 的 の 通 知 の 求 め ( 1 (2)の 規 定 ( 法 第 24条 第
2 項 ) 参 照 ) 、 開 示 の 求 め ( 2 (1)の 規 定 ( 法 第 25条 第 1 項 ) 参 照 ) 、 訂 正 等 の 求 め ( 3 (1)の
規 定 ( 法 第 26条 第 1 項 ) 参 照 ) 、 利 用 停 止 等 の 求 め ( 4 (1)の 規 定 ( 法 第 27条 第 1 項 ) 参 照 ) 又
は 第 三 者 提 供 の 停 止 の 求 め ( 4 (2)の 規 定 ( 法 第 27条 第 2 項 ) 参 照 。 以 下 こ れ ら の 求 め を 総 称 し
て単に「開示等の求め」という。)に関し、その求めを受け付ける方法として次に掲げる事項
を定めることができ、定めた場合には、本人の知り得る状態(本人の求めに応じて遅滞なく回
答する場合を含む。)に置いておかなければならない。この場合において、本人は、当該方法
に従って、開示等の求めを行わなければならない。
イ
開示等の求めの申出先
(例)
・
ロ
担当窓口名・係名、郵送用住所、受付電話番号、受付FAX番号
開示等の求めに際して提出すべき書面(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によって
は認識することができない方式で作られる記録を含む。)の様式その他の開示等の求めの方
式
ハ
開示等の求めをする者が本人又は代理人(未成年者若しくは成年被後見人の場合はその法
定代理人、又は開示等の求めをすることにつき本人が委任した者がいる場合はその受任者)
であることの確認の方法
ニ
保有個人データの利用目的の通知又は保有個人データの開示について手数料を徴収する場
合は、その徴収方法
(2) 私 的 年 金 関 係 事 業 者 は 、 本 人 に 対 し 、 開 示 等 の 求 め に 対 応 す る た め 、 そ の 対 象 と な る 保 有 個
人データの特定に必要な事項の提示を求めることができる。なお、その際、本人が容易かつ的
確に開示等の求めができるよう、当該保有個人データの特定に資する情報の提供その他本人の
利便性を考慮しなければならない。
(3) 私 的 年 金 関 係 事 業 者 は 、 (1)及 び (2)の 規 定 ( 法 第 29条 第 1 項 か ら 第 3 項 ま で ) に 基 づ き 開 示
等の求めに応じる手続を定めるに当たっては、事業の性質、保有個人データの取扱状況、開示
等の求めの受付方法等に応じて適切なものになるよう配慮し、例えば、本人確認のために私的
年金関係事業者が保有している個人データに比して必要以上に多くの情報を求めないようにす
るなど、本人に過重な負担を課するものとならないよう配慮しなければならない。
7
手 数 料 【 法 第 30条 関 係 】
私 的 年 金 関 係 事 業 者 は 、 保 有 個 人 デ ー タ に 関 す る 利 用 目 的 の 通 知 の 求 め ( 1 (2)の 規 定 ( 法 第 2
4条 第 2 項 ) 参 照 ) 又 は 開 示 の 求 め ( 2 (1)の 規 定 ( 法 第 25条 第 1 項 ) 参 照 ) に 応 じ る 場 合 に は 、
手数料を徴収することができる。その手数料の額を定める際には、実費を勘案して合理的と認め
られる範囲内でなければならない。また、手数料の額を定めた場合には、本人の知り得る状態(
本 人 の 求 め に 応 じ て 遅 滞 な く 回 答 す る 場 合 を 含 む 。 ) に 置 か な け れ ば な ら な い ( 1 (1)ハ の 規 定 参
照)。
第9
苦 情 処 理 に 関 す る 義 務 【 法 第 31条 関 係 】
私的年金関係事業者は、個人情報の取扱いに関する苦情の適切かつ迅速な処理に努めなければ
ならない。
また、苦情の適切かつ迅速な処理を行うに当たり、苦情処理窓口の設置や苦情処理の手順を定
める等必要な体制の整備に努めなければならない。もっとも、無理な要求にまで応じなければな
らないものではない。
なお、担当窓口名・係名、郵送用住所、受付電話番号その他の苦情申出先については、本人の
知り得る状態(本人の求めに応じて遅滞なく回答する場合を含む。)に置かなければならない(
第 8 の 1 (1)ニ の 規 定 参 照 ) 。
第 10
法違反又は法違反のおそれが発覚した場合の対応
私的年金関係事業者は、その取り扱う個人情報(委託を受けた者が取り扱うものを含む。)に
ついて、法違反又は法違反のおそれが発覚した場合には、次の対処を実施することが望ましい。
1
事実調査、原因の究明
事実関係を調査し、法違反又は法違反のおそれが把握できた場合には、その原因究明にあたる。
2
影響範囲の特定
1の規定で把握した事実関係による影響がどれほど及ぶのか、その範囲を特定する。
3
再発防止策の検討・実施
1の規定で究明した原因を踏まえ、再発防止策を検討し、速やかに実施する。
4
影響を受ける可能性のある本人への連絡等
法 違 反 の 中 で も 、 特 に 個 人 デ ー タ の 安 全 管 理 ( 法 第 20条 か ら 第 22条 ま で ) に つ い て 違 反 が あ っ
た場合には、二次被害の防止、類似事案の発生回避等の観点から、事実関係等について、速やか
に、本人へ連絡し、又は本人が容易に知り得る状態に置くことが望ましい。
5
事実関係、再発防止策等の公表
法 違 反 の 中 で も 、 特 に 個 人 デ ー タ の 安 全 管 理 ( 法 第 20条 か ら 第 22条 ま で ) に つ い て 違 反 が あ っ
た場合には、二次被害の防止、類似事案の発生回避等の観点から、事実関係及び再発防止策等に
ついて、速やかに、公表することが望ましい。
6
厚生労働大臣・認定個人情報保護団体への報告
私的年金関係事業者は、法違反又は法違反のおそれが発覚した場合には、事実関係及び再発防
止策等について、速やかに、厚生労働大臣に報告するよう努めなければならない。また、認定個
人情報保護団体に加入している場合には、当該認定個人情報保護団体に報告するよう努めなけれ
ばならない。
第 11
勧告、命令等についての考え方
本ガイドライン中、私的年金関係事業者の義務とされている内容を遵守しない場合、厚生労働
大 臣 は 、 法 第 34条 の 規 定 に 基 づ き 、 勧 告 や 必 要 な 措 置 を 行 う こ と が あ る 。
ま た 、 法 第 51条 及 び 施 行 令 第 11条 に お い て 、 法 第 32条 か ら 第 34条 ま で に 規 定 す る 厚 生 労 働 大 臣
の権限に属する事務は、個人情報取扱事業者が行う事業であって当該厚生労働大臣が所管するも
のについての報告の徴収、検査、勧告等に関わる権限に属する事務の全部又は一部が、他の法令
の規定により地方公共団体の長その他の執行機関が行うこととされているときは、当該地方公共
団体の長等が法に基づく報告の徴収、助言、勧告及び命令を行うことがある。
第 12
ガイドラインの見直しについて
このガイドラインについては、社会情勢の変化、国民の意識の変化、技術動向の変化等諸環境
の変化を踏まえ、必要に応じ見直しを行うものとする。