新連載 寺島実郎が読み解く「日本経済の今」① アベノミクス三年、 実体経済は浮上したか? 寺島 実郎 一般財団法人日本総合研究所理事長/多摩大学学長 「マクロの 議 論 よ り も 現 場 を 細 密 に 支 え て い る 人 た ち の 感 覚 が 大 事」という視点から「日本経済の今」を読み解く。 初回テーマは「ア タート時点では誰もが感じたと思います。 この 三 本の 矢により 日 本 をデフレからの 脱 却に もっていく 。わかり やすい方 向 感 が 示 された と 、ス 【 第三の矢 】投資を喚起する成長戦略 【 第二の矢 】機動的な財政政策 【 第一の矢 】大胆な金融政策 デフレが続 くと、調 整インフレにもっていこうという 「 調 整インフレ論 」です。あまりにも景 気が落ち込み つまり、意図的に経済をインフレに近づけようとする )とは、デフレから抜け ( Reflation リフレーション 出 たけれどもインフレには達していない状 態のこと レーション経済学」と呼ばれるものです。 で、昨 今は「リフレ」という略 語が飛び交っています。 実はアベノミクスには教 科 書があり、それが「リフ ベノミ ク ス三 年 の 成 果 」。 は た し て 国 民 はアベノミ ク スに よ り、 ど れほどの恩恵に浴したか? 見よう見まねで始めた 「出口なき量的緩和」 アベノミクス開 始にあたっては〝 三 本の矢 〟という 説明がまずありました。 てらしま・じつろう ● 1947年北海道生まれ。早稲田大 学大学院政治学研究科修士課程修了後、 三井物産㈱入 社。調査部・業務部を経て、 ワシントンD.C.のブルッキングス 研究所に出向。米国三井物産ワシントン事務所所長、 三井 物産常務執行役員、 三井物産戦略研究所所長、 日本総合 研究所会長などを歴任。現在、 日本総合研究所理事長、 多 摩大学学長、 三井物産戦略研究所会長。近著に 『新・観 光立国論─モノづくり国家を超えて』 (NHK出版) など 18 理念と経営 08 / 2016
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