業界ニュース 2016.7.20

業界ニュース 2016.7.20
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点
世界の繊維需要、7 年連続で拡大---2015 年
Fiber Organon が 2015 年の世界の繊維需要と化繊生産を発表した。
それによると、繊維需要は前年比 1.9％増、化繊生産（オレフィン繊維を
除く）は 4.1％増と 7 年連続で増加しており、世界的にみた繊維市場は依
然、拡大が続いている。
1. 2015 年の世界の繊維需要
2015 年の世界の繊維需要は、前年比 1.9％増の 9,482 万㌧と 7 年連
続で増加した。このうち化繊が 3.9％増の 6,963 万㌧、天然繊維が 3.1％
減の 2,519 万㌧であった。
化繊の内訳は、セルロース繊維が 3.4％増の 514 万㌧、合繊（オレフィ
ン繊維除く）が 4.1％増の 5,948 万㌧、オレフィン繊維が 1.3％増の 500
万㌧となった。
一方、天然繊維は、綿（コットン）が 3.4％減の 2,360 万㌧と減少し、羊
毛は 1.1％増の 115.7 万㌧と増加に転じた。
表１．世界の繊維需要
（1000㌧、％）
品種
セルロース
合繊（オレフィン除く）
オレフィン
化繊計
綿
羊毛
絹
天然繊維計
総計
2013
4,796
54,598
4,980
64,374
23,880
1,163
160
25,449
89,823
2014
4,973
57,131
4,940
67,043
24,442
1,144
178
26,005
93,049
2015
5,143
59,481
5,003
69,627
23,600
1,157
184
25,193
94,820
前年比
3.4
4.1
1.3
3.9
-3.4
1.1
3.4
-3.1
1.9
（出所） Fiber Organon、以下同様
（注）化繊は生産、その他は消費統計に基づく
2. 地域別合繊生産
世界の合繊（オレフィン繊維を除く）生産量について、国・地域別でみる
と、中国は前年比 5.2％増の 4,124 万㌧と増加し、世界全体に占めるシェ
アは前年の 68.6％から 69.3％へと 0.1 ポイント拡大した。中国に次ぐ生産
1
国のインドは 3.9％増の 474.7 万㌧。シェアは 8.0％で、世界全体に占める
両国シェアの合計は 77.3％と 4 分の 3 以上を維持した。
アジアでは ASEAN が 5.8％増、バングラデシュやパキスタンを含む「その
他アジア」が 3.2％増と、いわゆるアジア新興国での生産の伸び率は前年よ
り緩やかとなった。日本（3.4％減）や台湾（3.5％減）では減産傾向が続い
たが、韓国は 5.9％増と増加に転じた。
欧米では、西欧とトルコを加えた地域が 1.0％増、東欧・CIS が 2.0％減
となった。米州は、米国が 2.5％減、その他米州も 5.3％減となった。
表２．世界の地域別合繊生産
（1000㌧、％）
国・地域
日本
中国
韓国
台湾
ASEAN
インド
その他アジア
西欧＋トルコ
東欧・CIS
米国
その他米州
中東・アフリカ・オセアニア
世界計
中国以外の計
2013
596
36,995
1,594
1,954
2,928
4,256
650
1,875
487
1,966
788
520
54,598
17,603
2014
581
39,206
1,639
1,912
3,019
4,568
632
1,843
456
2,011
733
532
57,130
17,924
2015
561
41,242
1,736
1,845
3,193
4,747
652
1,861
447
1,960
694
543
59,481
18,239
前年比
-3.4
5.2
5.9
-3.5
5.8
3.9
3.2
1.0
-2.0
-2.5
-5.3
2.1
4.1
1.8
同増減
-20
2,036
97
-67
174
179
20
18
-9
-51
-39
11
2,351
315
構成比
0.9
69.3
2.9
3.1
5.4
8.0
1.1
3.1
0.8
3.3
1.2
0.9
100.0
30.7
（注）オレフィンを含まない
3. 品種別合繊生産
オレフィンを含む合繊生産は 3.8％増の 6,448 万㌧となった。主要品
種は、長繊維では、ナイロン F が微減に転じ、ポリエステル F が 5.2％増
の 3,617 万㌧と続伸した。一方、短繊維は、ナイロン S が 8.2％増、ポリ
エステル S が 3.1％増、アクリル S は 0.3％増と、いずれも増加した。
オレフィンは、長繊維が 1.2％増の 440 万㌧、短繊維が 1.1％増の 60
万㌧と、いずれも増加に転じた。
2
表３．世界の品種別合繊生産
（1000㌧、％）
品種
アクリルS
ナイロンF
ナイロンS
ポリエステルF
ポリエステルS
オレフィンF
オレフィンS
その他
総計
2013
1,899
4,182
167
31,900
15,465
4,357
622
980
59,572
2014
1,792
4,331
168
34,341
15,441
4,344
595
1,051
62,063
2015
1,799
4,321
182
36,170
15,941
4,401
602
1,062
64,478
前年比
0.3
-0.3
8.2
5.2
3.1
1.2
1.1
0.9
3.8
4. セルロース繊維生産
セルロース繊維の生産は前年比 4.1％増の 501.1 万㌧と 5 年連
続の増加となった。国・地域別では、中国が 2.2％増の 336 万㌧となっ
たほか、インドが 15.3％増の 51.1 万㌧、タイが 23％増の 13.9 万㌧と全
体の増加を牽引した。西欧も 2.9％増となった。一方で、インドネシア、
台湾はほぼ横ばいにとどまった。
品種別では、衣料・家庭用に使用される普通レーヨン F（キュプラを
含む）が 3.1％減の 25.3 万㌧と減少に転じ、タイヤコードなどで使用され
る強力レーヨン F は 4.0％増の 5.2 万㌧と増加に転じた。また、レーヨン
S は 3.9％増の 479.3 万㌧となり、増加傾向が続いている。
表４．世界のセルロース繊維生産
（1000㌧、％）
国・地域
日本
中国
インド
インドネシア
台湾
タイ
西欧
東欧・CIS
米国
その他米州
世界計
2014
63
3,288
443
512
125
113
385
18
25
2
4,813
2015
59
3,360
511
509
126
139
396
18
23
2
5,011
前年比
-6.3
2.2
15.3
-0.6
0.8
23.0
2.9
…
-8.0
0.0
4.1
3
品種
強力レーヨンF
普通レーヨンF
アセテートF
レーヨンS
計
2014
50
261
48
4,614
4,973
2015
52
253
46
4,793
5,144
前年比
4.0
-3.1
-4.2
3.9
3.4
（注）リヨセル繊維を含まない。
世界のリヨセル繊維の生産能力は年産22万2,000㌧。
（推定、2016年3月時点）
（注）普通レーヨンＦはキュプラを含む。
5. オレフィン繊維生産
オレフィン繊維の生産は、前年比 1.3％増の 500.3 万㌧。西欧は横
ばい、米国は 1.2％減と減少が続いた。トルコ（1.7％増）、中国（1.9％
増）、その他の国・地域（ 2.5 ％増）は引き続き増加した。また、日本
（2.1％増）と中東・アフリカ・オセアニア（2.5％増）は、増加に転じた。
品種別ではフィラメントが 0.1％増、ステープルが 1.2％増、スリット・フ
ィルムファイバーは 2.1％増となった。
表５．世界のオレフィン繊維生産
（1000㌧、％）
国・地域
西欧
トルコ
米国
日本
中国
その他アジア
中東・アフリカ・オセアニア
その他
世界計
2014
561
639
494
189
909
926
561
661
4,940
2015
562
650
488
193
926
949
575
660
5,003
前年比
品種
0.2 フィラメント
1.7 ステープル
-1.2 スリット・フィルム
2.1
計
1.9
2.5
2.5
-0.2
1.3
4
2014
1,713
595
2,632
4,940
2015
1,714
602
2,687
5,003
前年比
0.1
1.2
2.1
1.3

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