第32号 7月20日 負けの集大成

1 学期終業式あいさつ
~負けの集大成~
『チーム松農 新たな学校文化の創造へ ~高めよう!学力・マナー・愛校心~』というスローガ
ンのもとスタートした平成 28 年度の 1 学期も今日で終わりです。1 学期の締めくくりの終業式です
ので、節目として今学期を振り返り、夏休みや次の学期への目標を設定する日としてください。
今学期は、3 年生にとっては進路決定に向けての重要な学期であったと同時に、総体や高校野球選
手権などこれまで本校で取り組んできた部活動での集大成の学期であったと思います。先般行われた
高校野球では全校応援をしましたが、残念ながら敗れてしまいました。集大成という大会で思うよう
な力を発揮できず、選手は悔しい思いをしたのではないかと思います。
野球部が夏の大会で敗れて、その日の夜、野球部員の保護者の方と会う機会がありました。私はそ
の保護者の方に次のように話しかけました。
私 :
「試合が終わって子どもさんに会われましたか」そうしたら、
保護者:
「はい、ひとしきり泣いたようで・・・、そんな感じでした」
私 :
「残念でしたね」
保護者:
「そうですね。でも今日の試合は、子どもが 3 年間野球をやってきた中の一部分ですから。
今まで松江農林高校で野球をやらせてもらったことの全てが子どもにとってよかったと
思っています」
私 :
「そうですか。ありがとうございます。今夜は、ご馳走を作ってあげてください」
保護者:
「ありがとうございます」
こんな会話を保護者の方としました。
私たちは今日の試合で結果が出なかったことをとやかく言ってしまいがちなのですが、この保護者
の方は子どもさんの成長や、野球部での役割・活躍をきちんと見ておられて、子どもさんのこれまで
の頑張りを、きちんと認められていました。勝ってほしいというのは誰もが思うことですが、勝負で
ある以上、勝ちがあれば負けるチームがあるのは当然のことです。部活動での目標は勝つこと、文化
部であれば最優秀賞でしょうか。野球でいうと甲子園に出ることであったりします。しかし、野球を
やることの目的は違うところにあるものです。結果的に、勝つことが集大成の学校があれば、負ける
ことで集大成となる学校もあります。実際には、負けることでこれまでの取組の集大成となる学校が
多いのです。今回の野球でいうと、一生懸命やってきたにもかかわらず、半分の学校が 1 勝もでき
ずに終わってしまうのです。では、それまでの取組が無駄であったかというと、そうじゃない。何の
ためにこれまで頑張ってきたかということころにつながっていきます。これまでやってきたことを、
勝ち負けとは違う次元で次につなげることが大事だろうと思います。
部活動は皆さんが将来の社会人・職業人として必要な力をつけるための一つの手段だと私は思って
います。皆さんの集大成は、社会で活躍できる人材となることだったり、地域を支える人材になりこ
とだったりするものだと考えています。ですから、今の勝った・負けた、試験でいい点だった・欠点
だったというのは、通過点です。皆さんそれぞれが考える集大成は個々で違いますが、その集大成に
向けての努力を惜しまず、みんなで協力しながら高めていってほしいと
願っています。それが、チーム松農です。勉強する集団、何事も一生懸
命やる集団、集団の一員に思いやりのある集団、チームとして目標を持
った集団としての力を今後更に高めていってください。
明日から夏休みですが、体育祭の準備や部活動、農場当番で登校する
人も多いのではないかと思います。学校での活動も大事ですが、この休
みの間に、今の自分の力を地域で発揮できる何かを実践してみてくださ
い。健康に留意し、充実した夏休みを過ごしてください。
華道部 生物生産科 2 年
木村 優花さんの作品