和文 - 島津製作所

島津製作所 グリーン調達説明会 配布資料
グローバルストリングスには文字や絵が重ならないように!
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グリーン調達基準の改定と
RoHS追加4物質の概要
+
紛争鉱物調査について
お取引先説明会
2016年5月23日(月)~31日(火)
株式会社島津製作所
調達部 開発支援グループ
欧州規制対策チーム
1
本日の説明内容
1. グリーン調達基準の改定ポイント
 グリーン調達基準の概要
 具体的な改定点
 新書式の非含有保証書の運用方法
2. RoHS追加4物質の概要
 改正RoHS指令の概要
 追加される4物質とは?
 4物質の管理上の注意点
3. 紛争鉱物調査について
2
2016年5月
島津製作所 グリーン調達説明会 配布資料
グリーン調達基準の目的と適用範囲
目的
 当社が物品およびサービスを調達するに当たり、製
品に含有する有害化学物質削減の基準を示し、お取
引先と協力して環境負荷低減に取り組む
適用範囲
 当社が生産する製品を構成する原材料・部品(製品
・部品とともに市場に出る包装材・副資材を含む)
および用度品、設備など当社の調達品すべて。
 当社が設計または製造を委託して製作いただく製品
・部品。
3
グリーン調達基準の要求事項
「グリーン調達基準」の策定(2004/5制定)
 最新版:第1版J改定(2016/6改定)
1. お取引先への要求事項:品質保証体制の構築
2. 調達品への要求事項:適合品の納入
お取引先
適合宣言
エビデ
ンス類
CE
各工場
ユーザー
協力会社
4
2016年5月
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グリーン調達基準の要求事項
お取引先への要求事項
要求項目
原材料・ 用度品・
部品
設備
環境マネジメントシステムの
認証取得
推奨
推奨
各種調査に対するご協力
必須
推奨
含有化学物質管理を含む品質
保証体制の構築
取引基本契約の締結(環境マ
ネジメント条項追加含む)
(ポイント①)
必須
(ポイント②)
推奨
推奨
推奨
5
グリーン調達基準の要求事項
調達品への要求事項
要求項目
含有禁止化学物質を含まない
こと
環境負荷低減対策製品
原材料・ 用度品・
部品
設備
必須
(ポイント③)
推奨
推奨
推奨
※代替の推進
(新規規制物質や適用除外期限切れへの対応)
6
2016年5月
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要求事項で必須とした3項目
製品含有化学物質管理の3つのポイント
ポイント①
非含有保証書、
物質データの入手
お取引先
顧客
適合製品
適合部材を購入
ポイント②
仕入先に対する
RoHS監査
ポイント③
サンプリング分析
7
イギリス政府発行の文書に基づき
RoHS管理体制を構築している
(参考)イギリス政府発
行RoHS規制ガイダンス
ノート
<外注品>
<購入品>
①エビデンスの入手
①非含有保証書の入手
①非含有保証書の入手
②サプライヤー監査
& 資質の分類
②協力会社RoHS監査
& RoHS業者認定
②仕入先RoHS監査
A:優良
B:並
C:不良
③分析の
要求/サン
プル分析
製品への使用可
A:優
B:良
C:並
D:可
E:不可
③サンプル
分析
発注
③サンプル分析
RoHS品
発注不可
発注
8
2016年5月
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グリーン調達基準の主な改定点
① 禁止・管理物質リストの改定(D改定)
② 適用除外一覧表の改定(A改定)
③ 本文の改定(J改定)
④ 非含有保証書の改定(B改定)
9
①禁止・管理物質リストの主な改定内容
53物質を新たに追加
法規制
追加した
物質群数
禁止 管理
物質 物質
REACH認可対象候補物質
47
22
25
REACH付属書17指定物質
2
―
2
カナダ特定有害物質禁止規則
1
―
1
米国カリフォルニア州法
Proposition65
3
―
3
※IEC62474のスクリーニングにより、電気電子機器に無関係と
思われる物質は、一部除外されている。
→現在60物質群+53物質群=全113物質群
10
2016年5月
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①禁止・管理物質リストの主な改定内容
9物質群を管理物質から禁止物質へ変更
法規制
RoHS指令
REACH規則
物質名
CAS-No.
フタル酸ビス (2-エチルヘキシル):DEHP
117-81-7
フタル酸ジブチル :DBP
85-68-7
フタル酸ジイソブチル :DIBP
84-74-2
フタル酸ブチルベンジル:BBP
84-69-5
ニッケル
7440-02-0
五酸化二ヒ素
1303-28-2
三酸化二ヒ素
1327-53-3
HBCDD
25637-99-4 他
TCEP
115-96-8
→これにより禁止物質は64物質群へ
11
①禁止・管理物質リストの主な改定内容
RoHS追加4物質の代替期限を設定します
 法規制開始:2019/7/22(カテゴリ1~7,10)
2021/7/22(カテゴリ8,9)
 当社代替期限:2018/12末
早期に代替を進めるべく、2016/6以降、新しい非含有
保証書で確認させていただきます。
法規制
RoHS指令
物質名
CAS-No.
フタル酸ビス (2-エチルヘキシル):DEHP
117-81-7
フタル酸ジブチル :DBP
85-68-7
フタル酸ジイソブチル :DIBP
84-74-2
フタル酸ブチルベンジル:BBP
84-69-5
12
2016年5月
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②適用除外一覧表の主な改定内容
表1(全カテゴリー用)…RoHS附属書Ⅲに相当
 1(g), 4(g), 41を追加
 適用除外期限切れを反映
※カテゴリ1~7,10で2016/7/21期限:8項目
(次項参照:但しカテゴリ8,9では2021/7/21)
表2(カテゴリ8&9用)…RoHS附属書Ⅳに相当
 21~42を追加
※当社Webサイトの適用除外一覧表は、
既に最新版に更新されています。
13
適用除外の期限切れとなる8候補
 以下はカテ1~7,10で2016/7/22以降使用不可
⇒ 生産中止が考えられるため、代替を進めたい
項目
番号
2016年5月
適用除外用途
対象品目
(申告)
5(a)
CRT(ブラウン管、冷極線管)のガラスに含まれる鉛
該当なし
7(b)
サーバ、ストレージおよびストレージアレイシステム、信号の切替え・
送受信・伝送および電気通信ネットワーク管理用のネットワーク基盤設
備のはんだに含まれる鉛
10品目
17
プロフェッショナルな複写用途の高輝度放電(HID)ランプ中の放射媒体
としてのハロゲン化鉛
該当なし
25
構造要素、特にシールフリットおよびフリットリングに用いられる表面
伝導型電子放出素子を用いたディスプレイ(SED)に含まれる酸化鉛
該当なし
30
音圧レベル100dB(A)以上の高出力ラウドスピーカーに用いられるトラ
ンスデューサーのボイスコイルに直接接合される導電体の電気的/機械
的はんだ接合としてのカドミウム合金
該当なし
31
水銀非含有の薄型蛍光ランプ(例:液晶ディスプレイ、デザインもしく
は工業用照明)に用いられるはんだ材料中の鉛
該当なし
33
電力変圧器の直径100μm以下の細径銅線のはんだ付けに用いられるはん
だ中の鉛
該当なし
38
酸化ベリリウムと接合するアルミニウムに用いられる厚膜ペースト中の
カドミウムおよび酸化カドミウム
6品目
該当品目が
ある場合は、
至急連絡を。
14
島津製作所 グリーン調達説明会 配布資料
③グリーン調達基準 本文の主な改定内容
以下の文言を追加
 島津および関連会社が入手する含有物質関連情報は、
「グループ間で共有すること」
「顧客に提示する場合があること」
を明記。
例えば、
 島津本社または関連会社が非含有保証書を取得した品
目は、島津グループ内でRoHS対応状況を共有し、
RoHS対応品として調達する場合があります。
 AIS等で得た物質情報はデータベースで一元管理し、
島津グループ各社が参照します。
15
④非含有保証書 書式の主な変更内容
旧
新
16
2016年5月
島津製作所 グリーン調達説明会 配布資料
④非含有保証書 書式の主な改定内容
当社が納入する本紙記載のすべての原材料・部品について、貴社グリーン調達基準の「禁止物質・管理
物質リスト」に定める下記のRoHS指令(2011/65/EU)規制物質の含有が閾値以下であることを保証します。
(準拠基準:Directive 2011/65/EUおよびCommission Delegated Directive (EU) 2015/863)
RoHS指令規制物質
保証対象
従
来
6
物
質
※注意点
回答方法
を追記
保証必須
追 保証を基本とする
加 (保証不可の場合、
物 下表の追加物質保証
質 欄に品目毎に “N” を
* 記入)
閾値
カドミウム及びその化合物
0.01wt%(100ppm)
六価クロム化合物
0.1wt%(1,000ppm)
鉛及びその化合物
0.1wt%(1,000ppm)
水銀及びその化合物
0.1wt%(1,000ppm)
ポリ臭化ビフェニル類(PBB類)
0.1wt%(1,000ppm)
ポリ臭化ジフェニルエーテル類(PBDE類)
0.1wt%(1,000ppm)
フタル酸ジ-2-エチルヘキシル(DEHP)
0.1wt%(1,000ppm)
フタル酸ジ-n-ブチル(DBP)
0.1wt%(1,000ppm)
フタル酸ブチルベンジル(BBP)
0.1wt%(1,000ppm)
フタル酸ジイソブチル(DIBP)
0.1wt%(1,000ppm)
4物質
追加
<保証対象原材料・部品>
No.
島津製作所P/N
改訂
記号
島津製作所名称
納入品メーカー名
メーカー型番
追加
物質
保証
RoHS適用除外**
附属書Ⅲ
附属書Ⅳ
No.
No.
*
1
N
2
※注意点
保証不可
ならNを
記入する
3
4
5
* 追加4物質については保証を基本とし、保証不可の場合のみ該当品目毎に“N”を記入してください。
空欄の場合は、4物質を保証するものとみなします。
** RoHS適用除外欄はRoHS指令(2011/65/EU)の附属書(ⅢまたはⅣ)を参照し、該当項目番号を明記してください。
17
附属書Ⅳはカテゴリー8(Medical devices)、および9(Monitoring and control instruments)のみが対象。
④新しい非含有保証書の運用
スケジュール
2016年
2017年~
内容
15品目にてトライアル
(当社内のシステムおよびオペレー
ションを確認)
6-7
月
2016/82017/7
(約1年間)
既に6物質で回答済みの品目のうち、
RoHS追加4物質の含有がないと予想さ
れる品目を選択的に順次依頼
新規登録品は初めから10物質で依頼
★
7月頃
全品目について再取得の依頼開始
18
2016年5月
島津製作所 グリーン調達説明会 配布資料
④新しい非含有保証書の運用
留意点
 2016/8月~2017/7月の約1年間で、10物質の保証可
能な品目は早めに取得を進める
 2017/7月頃に、10物質対応を未だ確認していない全
ての品目について、一斉に依頼が出ます
 回答時点で10物質の保証が難しい場合は、保証不可
記号として“N”を指定の回答欄に記入
 最低でも6物質の保証は必須
 適用除外項目は、必ずご記入ください。将来的に、
過去の申告情報を予め表示した上で依頼するよう機
能追加を予定しています。その場合も必ず内容を確
認し、誤りがあれば修正ください。
19
お取引先への説明内容
1. グリーン調達基準の改定ポイント
 グリーン調達基準の概要
 具体的な改定点
 新書式の非含有保証書の運用方法
2. RoHS追加4物質の概要
 改正RoHS指令の概要
 追加される4物質とは?
 4物質の管理上の注意点
3. 紛争鉱物調査について
20
2016年5月
島津製作所 グリーン調達説明会 配布資料
改正RoHS指令の概要
 Directive of Restriction of the use of
certain Hazardous Substances
in Electric and Electronic Equipment
(電気電子機器有害物質使用制限指令)
 2011/7/21:改正RoHS施行
 主な改正ポイント
① 適用範囲の拡大 ⇒ 当社製品が対象に
1. 小型家庭用電気製品
2. 大型家庭用電気製品
3. ITおよび遠隔通信機器
4. 民生用機器
5. 照明装置
6. 電動工具
7. 玩具、レジャーおよびスポーツ機器
8. 医用機器
2014/7/22から
9. 監視・制御機器
10.自動販売機
11.上記以外の電気電子機器
禁止物質
カドミウム
鉛
水銀
閾値
(ppm)
Cd
Pb
Hg
100
1,000
1,000
臭素系難燃剤
PBB/PBDE
1,000
6価クロム
1,000
Cr6+
② CEマーキング



適合宣言書
技術文書の作成
文書類の10年保管など
③ 禁止物質の追加(物質は2015に公表)


4種の追加物質:フタル酸エステル類
(DEHP, DBP, BBP, DIBP)
適用時期:2019年7月22日
(カテゴリー8&9は2021年)
④ 除外項目の更新

カテゴリー8&9は2021年まで猶予
21
追加される4物質と最大許容含有量
規制物質
最大許容含有量(wt%)
鉛 (Pb)
水銀 (Hg)
カドミウム (Cd)
0.1 (1000 ppm)
0.1 (1000 ppm)
0.01 (100 ppm)
六価クロム (Cr6+)
ポリ臭化ビフェニル(PBB)
0.1 (1000 ppm)
0.1 (1000 ppm)
ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)
フタル酸ビス (2-エチルヘキシル)(DEHP)*
フタル酸ジブチル (DBP) *
0.1 (1000 ppm)
0.1 (1000 ppm)
フタル酸ジイソブチル (DIBP) *
フタル酸ブチルベンジル(BBP) *
0.1 (1000 ppm)
0.1 (1000 ppm)
0.1 (1000 ppm)
*2019年7月22日より、4種のフタル酸エステルがRoHS制限物質に追加
ただし、医療機器(Cat. 8), 監視及び制御機器(Cat. 9)は2021年7月22日から
22
2016年5月
島津製作所 グリーン調達説明会 配布資料
適用対象外 および 適用除外用途

適用対象外
下記に該当する場合、4種のフタル酸エステルの制限は適用されない。
• 適用日以前に上市された 電気電子機器の修理、再利用、機能更新、または容
量アップグレードのためのケーブル類またはスペアパーツ
RoHS指令2011/65/EU1の適用対象外である第2条4項記載の製品
【軍事目的機器、宇宙関連機器、据付型大型産業用工具、大規模固定
式設備、人や貨物を運搬する手段(非型式認可の電動二輪車除く)、
能動型埋め込み医療機器など】
•

適用除外用途: 現在のところ無し
必要に応じて除外申請が可能なので、代替品(技術)がなく除外の適用が必要な
場合は当社まで連絡下さい。
※ 申請期限:適用開始の18か月前まで
※ 当該4物質はREACH規則「認可物質」であることにも留意する。
BBP, DIBP は認可申請がなかった為、EUでの製造輸入禁止(成形品除く)
DEHP, DBP は認可申請評価を継続中。
23
対象物質の名称について

物質名だけでは誤認を招く可能性がある!
フタル酸ビス (2-エチルヘキシル)
Bis (2-ethylhexyl) phthalate (DEHP)
・DOP(dioctyl phthalate ; フタル酸ジオクチ
ル) という略称もある (特に原料メーカ系)
フタル酸ブチルベンジル
Butyl benzyl phthalate (BBP)
・REACH規則では、ベンジルブチルフタレート
( Benzyl butyl phthalate )
フタル酸ジブチル
Dibutyl phthalate (DBP)

対策:誤認防止の為、CAS番号による管理を行う。
CAS番号
117-81-7
2016年5月
・(日本)労働安全衛生法では、
DBP (フタル酸ジ -ノルマル - ブチル)
制限物質
RoHS閾値(ppm)
フタル酸ビス (2-エチルヘキシル)
Bis (2-ethylhexyl) phthalate (DEHP)
85-68-7
フタル酸ブチルベンジル
Butyl benzyl phthalate (BBP)
84-74-2
フタル酸ジブチル
Dibutyl phthalate (DBP)
84-69-5
フタル酸ジイソブチル
Diisobutyl phthalate (DIBP)
1,000
24
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DEHP の用途と注意点
あらゆる樹脂部品に含有される可能性有り!
 DEHPの97%は樹脂製品(特に軟質 PVC)の可塑剤!

電気電子機器特有の用途 ・・・
PVC ケーブル、被覆スリーブ、外装部位や基板等に用いられるゴムや
テープ・フィルム、フィルム状のノイズ対策シート、液晶パネルの偏光膜、
ゴムシート、カメラグリップ、ゴム足、Oリング、パッキン、ローラー、
塗料、接着剤、充填剤、印刷インクなど幅広い。
その他の用途 ・・・
床材、屋根材、包装材、テープ、荷物バッグ、 雨具、フットウェア、
カーテンおよびブラインド、エクササイズ用バランスボール、バスマット、
タール塗り防水シート、テント、庭用ホース、空気式充填プールおよびボー
ト、エアマットレス、水泳ジャケット、室内装飾材、カーシート等

注意点
最も含有事例報告が多い物質で、柔軟な樹脂部位に幅広く用いられる。
数10%超の含有例もある。
25
BBP の用途と注意点


用途は、PVC床材が主
電気電子機器での用途は未だ特定されていないが、使用
されている可能性はある。
電気電子機器 に含有される可能性のある用途 ・・・
合成皮革、コーティングされた布、軟質および硬質PVCシート、
印刷インク、シーラント、接着剤、および塗料。
※ゴムへの使用はない(日本ゴム工業会より)

注意点
日本国内でBBPを製造するメーカーは無い。しかし、海外(特に中国)
から輸入した可塑剤を使用したPVCコンパウンド、または輸入された
PVCコンパウンドにはBBPが含有される可能性がある。
26
2016年5月
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DBP の用途と注意点

他の可塑剤とともにPVC部品中に存在する可能性がある。
電気電子機器に含有される可能性のある用途 ・・・
ケーブル、プラグ、ゴム足、チューブ、コーティングされた
バスケット、シーリングリスト、糊およびシーラント、滑り止
めコーティング、鍵、装飾/プリント、緩衝材

注意点
接着剤(導電接着剤等)では可塑剤または原料の溶媒として1,000ppmを超
える量を含有している可能性がある。一時、生殖毒性への懸念から代替が進
んだが、まだ使われているケースがある。
• 塗料は、全体として規制対象のフタル酸エステルを含有していない塗料の方
が多いが、4物質の中ではDBPの使用例が多い。
• 使用目的は、下記の通りで、含有量は数%程度となる。
(1) 塗膜自身に柔軟性を求める(例:塗装鋼板)
(2) 乾燥性を上げる(古いタイプの塗料に多い)
(3) 昔は塩化ビニル・ゴム系の塗料として含有
•
27
DIBP の用途と注意点
他の可塑剤と組み合わせて、ゲル化補助剤としてPVC
等の可塑剤に使用される。
 DBPと類似の性質であり、DBPの代替として使用され
る可能性がある。

電気電子機器 に含有される可能性のある用途 ・・・
塗料、ラッカー、ワニス、紙、パルプおよびボード中接着剤、
バインディング剤、柔軟剤および粘性調節剤、コーティング
(滑り止めコーティング)、エポキシ修理モルタル
※ゴムへの使用はない(日本ゴム工業会より)

注意点
•
BBPと同様に、日本国内での製造はないが、海外(特に中国)より
輸入した可塑剤を使用したPVCパウンド、または輸入されたPVCコ
ンパウンドはDIBPを含有している可能性がある。
28
2016年5月
島津製作所 グリーン調達説明会 配布資料
工程での汚染(移行/混入)に注意!

ケーブル、ゴム等の製造工程(混練り、押出し、成形など)
では、規制対象フタル酸エステル “非含有品”と“含有品”の
生産設備が共用されている可能性が高い。

規制対象フタル酸エステル“非含有品”を生産する際、設備の
清掃不十分が原因で、規制対象のフタル酸エステルが混入す
る可能性がある。

輸送途上でのフタル酸エステルの混入事例(タンクローリー
の共用による混入)がある。

対策
現行RoHS指令と同様に、規制対象フタル酸エステルを
使用しないライン、使用するラインを識別管理することが重要!
(参考情報… DEHPは、揮発による空気中の移行可能性は低い。)
29
副資材との接触による汚染に注意!

「意図しない含有」の可能性を考慮しておく
<例>
・ 包装材(ラッピング材、保護シートなど)と電気電子機器が
接触することによる移行
・ 電線の包装材やリールからの付着に注意
(リールの共用による移行)
・ 作業台の(DEHP含有の)マット、コンベア からの移行

対策
電気電子機器に直接接触する副資材(接着剤、包装材など)、治工具
類(機器メンテナンス用副資材含む)についても、フタル酸エステル
の非含有を確認しておくと安心
(参考情報… DEHPは、揮発による空気中の移行可能性は低い。)
30
2016年5月
島津製作所 グリーン調達説明会 配布資料
その他注意点

リード線の色も要考慮
色が異なれば、DEHPの含有量も異なるケースが多い。
特に、使用頻度が少ない色の場合、在庫を抱えやすいため
、含有品/非含有品の識別管理が重要。

CAS No.で要確認を
現時点ではフタル酸エステルの種類の特定に混乱が見られ
る
<例>
• DINP(フタル酸ジイソノニル)含有と報告された部品に
DEHPを含有していた。
• 逆に、DEHP含有と報告されたが、規制対象外のフタル
酸エステルが含有されていたケースも。
31
参考資料

資料名
『EU RoHS指令対応のための、制限対象フタル酸エス
テル含有調査における注意点-簡易版』
(http://home.jeita.or.jp/eps/pdf/eu20160223.pdf)

作成
「電機・電子4団体製品化学物質専門委員会」
「電機・電子4団体欧州化学品規制WG」
32
2016年5月
島津製作所 グリーン調達説明会 配布資料
お取引先への説明内容
1. グリーン調達基準の改定ポイント
 グリーン調達基準の概要
 具体的な改定点
 新書式の非含有保証書の運用方法
2. RoHS追加4物質の概要
 改正RoHS指令の概要
 追加される4物質とは?
 4物質の管理上の注意点
3. 紛争鉱物調査について
33
紛争鉱物に関する法令・OECDガイダンス
・米国ドット・フランク(Dodd-Frank)法第1502条
・2010年7月に制定した米国連邦法(金融規制改革法)
2013年1月より運用開始
・金、タンタル、錫、タングステンの金属(3TG)を「紛争鉱物」と定義
・紛争地域はコンゴ民主共和国(DRC) および隣接9ヶ国
・紛争鉱物を製品に使用する米国上場企業は米国証券取引委員会(SEC)に対し報告義務
・参照先:http://www.sec.gov/about/laws/wallstreetreform-cpa.pdf
・米国証券取引委員会(SEC)最終規則
・紛争鉱物報告書の開示のための具体的な運用規則
・すべての上場企業が暦年単位で毎年5/31までにForm SD(専用フォーム)にて報告
・合理的な原産地調査とデューデリジェンス(適切な調査)の2段階の調査
・参照先:http://www.sec.gov/rules/final/2012/34-67716.pdf
・OECDデューデリジェンス・ガイダンス
・2010年12月に公表
・紛争鉱物調査に必要なデューデリジェンス(適切な調査)の枠組を規定
・参照先:http://www.oecd.org/investment/guidelinesformultinationalenterprises/46740847.pdf
34
2016年5月
島津製作所 グリーン調達説明会 配布資料
紛争鉱物調査方針
◆ CFSI帳票を使用(国際標準)
島津製作所は、調査を実施する多くの企業と同様に、CFSI帳票を使用して、
サプライチェーンを通じて製錬所まで調査する。
CFSI: Conflict-Free Sourcing Initiative
◆ 島津製作所は非上場企業
島津製作所は、調査元ではないので、納入先からの調査依頼で、初めて調査を
実施する。1次取引先あるいは2次取引先の立場である。
OEM先、または製品供給先が上場企業の場合は、島津製作所が主体的に調査し
報告する。
CFSI帳票
調査
調査
回答
CFSI帳票
回答
CFSI帳票
調査
調査
精錬所
(smelters,
XX次
サプ
ライ
ヤー
サプ
ライ
ヤー
島津製作所
(1次取引先)
調査依
頼先
CFSI帳票
CFSI帳票
回答
refiners)
採掘業者
(鉱山)
回答
CFSI帳票
35
紛争鉱物調査に際してのお願い
•
コンフリクトフリー製錬所プログラム(CFSP)適合製錬業者リスト
あるいはCFSI標準製錬業者リストの業者由来の材料を使用・調達し
てください。
参照先:http://www.conflictfreesourcing.org/
•
データは製造業者(メーカ)の記入したものをお願いします。
•
速やかに必ず回答をお願いします。
•
必ず製錬所を特定してください。
•
同様に各サプライヤにも要請をお願いします。
•
調査依頼時には、CFSI帳票と同時にマニュアルを添付しますので、
それを参考に記入してください。
36
2016年5月
島津製作所 グリーン調達説明会 配布資料
紛争鉱物調査の方法
調査はCFSI帳票で行う
CFSI帳票(Conflict Minerals Reporting Template(CMRT))
http://www.conflictfreesourcing.org/conflict-minerals-reporting-template/
Revision 4.01b
Nov 16,2015
シートの構成
Revision
Instruction
Definition
Declaration
Smelter List
Checker
Product List
Smelter Reference List
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データの集計作業
A組立部品
製造業者
協力会社
島津
A組立部品
依頼
回答
依頼
デ
ー
タ
a部品
依頼
b部品
集
A組立部品
計
A社
回
答
回答
依頼
c部品
回答
F社
KI社
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2016年5月
島津製作所 グリーン調達説明会 配布資料
米国証券取引委員会(SEC) 最終規則の概要
・制度適用期間
すべての上場企業が暦年単位で毎年5/31にForm SD(専用フォーム)にて報告
適用初年 2013/1/1 ~ 2013/12/31 の活動を 2014/5/31までに報告
2013
1/1 ~ 12/31
2014
2015
2016
5/31までに
報告
調査
1/1 ~ 12/31
5/31までに
報告
調査
1/1 ~ 12/31
5/31までに
報告
調査
・当初2年間(中小企業は4年間)は、「DRC Conflict Undeterminable」(DRC紛争判定不能)
という報告 が可能(監査不要)
・3年目(中小企業は5年目)以降、判定不能の場合は「Not Been Found to Be “DRC Conflict
Free”」として紛争鉱物報告書の作成と監査が必要
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ご清聴ありがとうございました。
今後ともグリーン調達にご協力
をお願いします。
<問合せ先>
株式会社島津製作所 調達部
開発支援グループ 欧州規制対策チーム
TEL:075-823-1151
E-mail:[email protected]
2016年5月