東京都立福生高等学校全日制課程 平成27年度経営報告 <目標への取り組みと自己評価> 【学習指導】学力の向上 1 進路実現に向けて必要な学力を身に付けさせる工夫 ○ホームルームの時間を活用し、1学年において百人一首大会を実施し古典への興味関 心を高めた。さらに、年間定期考査の上位者並びに評定平均上位者を表彰し、学習意 欲を高めた。 2 自ら学び進んで学習する習慣の確立 ○英語科、国語科において、年間を通じた授業開始後の単語テスト、漢字テスト等小テ ストの実施は定着した。予習の習慣化が図られつつある。取り組みに個人差が出てい る点を改善することが課題である。 3 チャイム開始授業の推進 ○ほぼ全員の教員がチャイムと同時に授業開始をしている。生徒・教員ともにチャイム 開始の意識は浸透しつつある。 4 組織的な講習・補講の計画と実施 ○夏期休業中に教務部、学年から各教科に開講を要請し、受験向けに24講座を開講し た。進路指導部も含め組織的に本校生徒の受験科目に合った講座設定が課題である。 5 総合的な学習の時間、教科「奉仕」の充実 ○1学年において、30施設・団体との連携により「奉仕」を実施した。地域主催行事 への参加を促すことが課題である。 6 ICT機器を活用した授業の推進 ○ICT学習指導推進者養成研修受講者による、ICT機器活用事例紹介の研究授業を 実施した。 7 GTECの活用と、多様な資格・検定試験の受検者及び合格者の増加 ○漢字検定の受検は少数にとどまったが、一昨年度から導入した GTEC を全学年で受験 させた。学力向上への活用が課題である。 8 学力スタンダードによる学力向上 ○1・2学年において、学力スタンダード学力調査を実施した。結果に基づいて追指導 を実施することで学力定着を図った。 9 教員相互の授業公開と研究授業の実施 ○若手の研究授業を活用し、教科を越えた授業観察を実施した。各授業とも10名以上 の参観者があり、協議会後にも職員室等での授業改善に向けた議論が行われ定着しつ つある。若手教員が経験豊かな教員の授業を参観する回数も増えている。 【生活指導】規律ある学校生活の定着、体力・健康の増進 1 生活指導部、学年と連携した身だしなみ指導の充実 ○学年と生活指導部が連携し、始業式、終業式、考査毎学校全体として統一した基準で、 身だしなみ指導を行った。防犯指導の観点から女子スカート丈の指導を開始している。 2 遅刻、欠席等の基本的生活習慣の堅持 ○月毎に遅刻指導を実施し、基本的生活習慣の堅持を促した。皆勤者について、1学年 は74名、2学年は68名、3学年は49名であった。 3 校内美化・清掃活動の徹底とエコロジーの推進 ○美化委員を中心に清掃活動を実施した。分別の徹底指導を実施し、ゴミの減量に努め ている。 4 学校保健計画に基づいた健康管理と安全指導の充実 ○健康診断を適切に実施し、眼科・歯科の矯正勧告をした。特に貧血検査の実施率を高 めるように努めた。 5 新体力テストの実施と体力及び健康に関する意識啓発 ○体育の授業、部活動、スポーツ祭、ロードレース大会等で体力向上を図った。 【進路指導】キャリア教育の推進、進路指導の充実 1 キャリア教育、進路ガイダンス等による進路意識の啓発 ○進路指導計画に基づき各学年で月1回の割合で進路ガイダンスを実施した。 ○NPO との連携、社会人による講演、大学生によるワークショップを実施し、職業意識 の醸成と大学進学へ意識啓発の強化を図った。 2 進路情報の提供と計画的な面談による進路指導の充実 ○各学期に担任がクラス全員と面談を実施した。1学期は進路希望の確認を行い、2学 期は選択科目決定のために進路情報を提供しきめ細かな進路相談を行った。 3 オープンキャンパスや模試を生かした進学指導の充実 ○全学年で統一した模試を実施し、 「ファインシステム」により、データを一元管理し組 織的系統的に進学指導への活用を図った。より積極的な活用が課題である。 4 保護者・卒業生等と連携した進路指導の充実 ○進学資金ガイダンスを実施し、保護者の参加も得て進学への経済的支援について助言 を行った。大学生によるワークショップには、卒業生も担当した。 5 進路指導部と連携した進学指導 ○学年と進路指導部が連携し各種ガイダンスを実施。3学年においては、大学進学者に 模擬試験受験を課し進路指導に活用した。 6 教科の専門性を生かした進路指導の充実 ○生徒ひとりひとりの進路希望を踏まえた個別指導、放課後の補習等を実施した。特に 理数系は教科による組織的な補習を実施した。 【特別活動・その他】自主・自立の精神と心豊かな人間の育成 1 部活動の充実と活性化 ○入部率が86.7%となった。運動部に比較し文化部の数が少なく、文化部の充実、 技術指導の出来る教員、指導員の確保と十分な予算の確保が課題である。 2 ホームルーム、学年集会、全校集会等を活用した健康管理・安全指導の充実 ○各学年とも各学期に2回以上学年集会を開き、生活指導部と学年が連携し、安全指導、 特に自転車事故防止、情報モラル、不審者対応について指導した。 3 ホームルーム活動、委員会活動、学校行事への参加意識の向上による、連帯感・成就 感・達成感等の育成 ○合唱祭、東雲祭(文化祭) 、スポーツ祭の各行事を、実行委員主体に実施した。東雲祭 には、3000 人を超える入場者があった。 4 読書に親しむ環境づくりと読書習慣の定着 ○読書月間を設けて、読書習慣の定着を図った。読書意欲を高めるように図書室前の掲 示を充実した。ビブリオバトル国語科を中心に実施し読書への関心を高めた。取組み が十分に周知できていないことが課題である。 5 生徒会活動の活性化とボランティア活動の推進 ○東雲際(文化祭) 、スポーツ祭の運営を委員会活動を充実し、生徒会の活性化を図った。 6 道徳教育の充実 ○奉仕体験活動や部活動を通じて、地域の方々、異年齢の方々との交流を実施し、心豊 かな人間性の育成を図った。 7 防災教育の充実 ○年4回の避難訓練の実施、福生消防署、福生市役所と連携し宿泊防災訓練を実施した。 仮設トイレの組立て訓練を行い、災害発生後を想定した訓練を実施した。 8 国際理解教育の推進 ○平成 26 年より配置されているJET青年を活用し、英語授業におけるTT、英語サー クルの発足によって国際交流を図った。 9 日本の伝統。文化の良さを発信する能力・態度の育成事業指定校の取り組み 平成 27 年度の指定を受け、様々な活動を実施した。 「福生市小学校英語教育推進事 業」として、福生第 4 小学校、福生第 6 小学校へJET青年を派遣して小学校との交 流事業を実施した。校内においては、文化祭における華道体験と巨大貼り絵制作体験 を実施した。いずれも、JET青年との交流により、生徒の英語教育における意識が 高まった。 10 スクールカウンセラーによる全員面接の実施 7 月の期末考査後の期間を利用して、スクールカウンセラーによる1学年の全員面接を実 施した。事前アンケートと当日の面接を実施、結果をスクールカウンセラーから学年 に還元することで、生徒理解を促進した。 【学校運営】学校内外と連携を深め、組織的な学校運営の推進 1 組織的な広報活動、ホームページ活用による受検者数の増加 ○総務部を中心に広報活動を組織的に実施した。プレス委員会を活用し各種学校説明会、 中学校での上級学校説明会に教員を計画的に派遣した。夏季休業中の学校見学者への 説明会を行い、生徒・保護者計534名が参加した。 2 保護者や地域との連携を深めた活動の推進 ○宿泊防災訓練等、連携を図ったが実現しなかった。実施日時の早期周知が課題である。 3 学校運営連絡協議会の学校評価を活用した学校改善、特色ある教育活動の創造 ○学校改善の状況に理解を得ている。特色化については具体策が今一歩であった。 4 OJT推進による人材育成と学校運営の組織化・活性化 ○7名の若手教員の研究授業を中心に、教科を越えて授業観察、協議会を実施した。ま た、若手の授業参観も実施した。教師道場に 2 名が部員として参加した。 5 新教育課程への完全移行と特色ある3年選択科目策定 ○昨年度の委員会の検討を踏まえ、1学期に3年選択科目を策定し、生徒の多様な進路 実現に対応できる選択科目の策定を行った。 6 経営企画室と教員との連携強化、自律経営予算の有効活用推進 ○適切に予算の執行率を高め、補正予算を適切に決定し、自律経営予算を有効活用した。 7 定期的な朝の打合せ、教科主任による教科会の実施、拡大学年会による情報の共有 ○毎週の朝の打合せを実施し、2学期に、各学年で拡大学年会を開催し、生徒理解、学 習指導について情報交換を行った。教科主任会を単独では開催できなかったが、拡大 教育課程委員会として、3学年選択科目策定に向けて情報を共有した。 数値目標 26年度実績 27年度目標 27年度実績 授業満足度 65% 80% 68% 体力テスト都平均以上 6種目 6種目以上 5種目 進路決定率 92% 100% 88% 大学進学率 36% 55% 29% 部活加入率 84% 90% 86.7% 入試倍率 推薦 4.2倍 4.2倍 3.51倍 入試倍率 学力 1.2倍 1.5倍 1.32倍 946名 1000名 938名 学校説明会 【次年度以降の課題と対応】 経営計画のもとに全教職員の努力により、各課題に対して、組織的または個 別の取組を継続的に推し進め、学習面、部活動、進路実現等で一定の成果をお さめることができた。しかし、経営計画で示した数値目標は達成できない部分 が多く、課題が残った。 28年度は、成果を向上させることを第一とし、学習習慣の定着と学力の向 上を図りながら、行事や部活動に積極的に取り組ませ、生徒の人間力をさらに 高めていく。学力の向上については、生徒自らがその必要性に気づき、実践し ていくため、教科主任を中心に学年と教科会がさらなる連携を図っていく。そ して、進路決定率や大学進学率の向上につながる学校全体のキャリア教育を充 実させることも大きな課題となる。 教職員全員が福生とそこに学ぶ生徒の未来に向けて、教育者としての使命感 をさらに高めながら、課題に対応していく。そのため、OJT等を活用しなが ら、学習指導や生活・進路指導の力はもちろんのこと、 「外部との連携・折衝力」 「学校運営力・組織貢献力」等の力も高めていく。今後も、全教職員が学校運 営と学校教育上の課題を主体的に受けとめ、自己革新力に満ちた学校経営を進 めていく。
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