ベネキサート塩酸塩 ベータデクスカプセル 【禁忌(次の患者には投与

**2016 年 7 月改訂(第 7 版,包装容量の製造中止に伴う改訂)
*2009 年 6 月改訂
日本標準商品分類番号
872329
貯
法:気密容器・室温保存
使用期限:外箱等に表示(使用期間 3 年)
胃粘膜防御機構増強 胃炎・胃潰瘍治療剤
ベネキサート塩酸塩
ベータデクスカプセル
承認番号 22000AMX00897
薬価収載
2008年6月
販売開始
1987年12月
再審査結果 1994年12月
効能追加
1989年12月
*〔規制区分から「指定医薬品」を削除〕
【禁忌(次の患者には投与しないこと)】
種類\頻度
0.1~5%未満
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦,産婦,授乳婦等
肝臓
AST(GOT)の軽度上昇,ALT
(GPT)の軽度上昇
への投与」の項参照]
精神神経系
その他
【組成・性状】
0.1%未満
頭痛,頭重感
胸部絞扼感,浮遊感,歯が 浮腫
浮く感じ
注 1:症状があらわれた場合には投与を中止すること。
1. 組成
販売名
ウルグートカプセル 200mg
成分・含量
(1 カプセル中)
ベネキサート塩酸塩 ベータデクス 200mg
添加物
無水乳糖,結晶セルロース,ステアリン酸,含水二酸化ケ
イ素
カプセル本体中:ラウリル硫酸ナトリウム,ゼラチン,酸
化チタン,マクロゴール 4000
4. 高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので慎重に投与する
こと。
5. 妊婦,産婦,授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。
[動物試験(ラット)で臨床用量の 150 倍(2000mg/kg)投与に
より催奇形作用が報告されている 2)。
]
2. 性状
6. 小児等への投与
販売名
ウルグートカプセル 200m
性状・剤形
キャップ,ボディともに白色の不透明な硬カプセル剤であ
る。
小児に対する安全性は確立していない。
[使用経験がない。
]
7. 適用上の注意
薬剤交付時:PTP 包装の薬剤は PTP シートから取り出して服用
外形
するよう指導すること。(PTP シートの誤飲により,硬い鋭角部
大きさ
2 号カプセル
重量
約 0.33g
が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤
な合併症を併発することが報告されている。
)
識別コード
【薬物動態】
1. 分布
【効能・効果】
胃切除患者 6 例にベネキサート塩酸塩 ベータデクスカプセル
○ 下記疾患の胃粘膜病変(びらん,出血,発赤,浮腫)の改善
400mg を経口投与したとき,HPLC にて測定された投与 30 分後の
急性胃炎,慢性胃炎の急性増悪期
摘出胃の胃体部正常部位におけるベネキサート塩酸塩濃度(μg
○ 胃潰瘍
/g)は,胃粘液:102.7~945.6,胃粘膜:2.1~66.4(ただし,
【用法・用量】
1 例は検出されず)
,筋層:1.8~9.1 であった 3)。
通常,成人にはベネキサート塩酸塩 ベータデクスとして,1 回
2. 代謝
400mg を 1 日 2 回朝食後及び就寝前に経口投与する。
(参考)
なお,年齢,症状により適宜増減する。
健康成人男性 3 例にベネキサート塩酸塩 ベータデクスカプセル
600mg(承認外用量)を空腹時又は軽食後単回経口投与したと
【使用上の注意】
き,血漿中及び尿中に有効成分であるベネキサート塩酸塩は検
1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
出されず,速やかに代謝された。代謝物として,血漿中ではサ
(1) 血栓のある患者(脳血栓,心筋梗塞,血栓性静脈炎等)[in
リチル酸が,尿中ではサリチル尿酸及びグアニジノメチルシク
vitro で抗プラスミン作用が報告されている。
]
ロヘキサンカルボン酸が多く排泄された 4)。(承認用量:通常,
(2) 消費性凝固障害のある患者[in vitro で抗プラスミン作用が報告
1 回 400mg である。)
されている。]
【臨床成績】
2. 重要な基本的注意
胃炎に対して胃粘膜病変(びらん,出血,発赤,浮腫)の改善
がみられない場合,長期にわたって漫然と使用すべきでない。
1. 急性胃炎,慢性胃炎の急性増悪期
承認時における 4 週投与後の有効性評価対象例は 158 例であり,
3. 副作用
有効率は全般改善度判定では 81.0%(128 例),内視鏡総合改善
承認時における安全性評価対象例 708 例中,臨床検査値の異常
変動を含む副作用は 25 例(3.5%)に認められた。
度判定では 79.7%(126 例)であった 5),6)。
2. 胃潰瘍
再審査終了時における安全性評価対象例 91660 例中,臨床検査
承認時における 8 週投与後の有効性評価対象例のうち,全般改
値の異常変動を含む副作用は 135 例(0.15%)に認められた 1)。
善度判定は 368 例であり,有効率は 80.2%(295 例),内視鏡治
種類\頻度
皮膚注 1
消化器
0.1~5%未満
癒判定は 290 例であり,有効率は 64.8%(188 例)であった 7)。
0.1%未満
そう痒感,発疹
便秘,下痢
口渇,悪心・嘔吐,腹部不
快感・膨満感
(1)
ウルグートカプセル(2)
めて溶けにくく,アセトニトリル又はジエチルエーテルにほ
【薬効薬理】
とんど溶けない。
薬理作用
胃粘膜に直接作用し,胃粘膜の血流量を増加させるほか,種々の胃
融点:約 221℃(分解)
粘膜防御機能を増強させる。
分配係数:0.24[pH7.0,酢酸エチル/緩衝液]
1. 胃粘膜血流量増加作用
(1) 急性胃炎患者にベネキサート塩酸塩 ベータデクス 200mg を生理
食塩液に溶解し胃体部(n=29)及び前庭部(n=23)に注入した
とき,内視鏡的レーザードップラー法にて測定された両部位の
粘膜血流量は,注入直後(1 分)から測定終了(5 分)まで注入
【包装】**
ウルグートカプセル 200mg:PTP100 カプセル(10 カプセル×10)
〔ウルグートカプセル 200mg:
瓶 500 カプセル
前に比べ有意に増加した 8)。
製造中止
PTP1000 カプセル(10 カプセル×100)
(2) ベネキサート塩酸塩 ベータデクスはモルモット摘出血管におい
て血管収縮を抑制した 9)。
製造中止〕
【主要文献】
(3) ラットにベネキサート塩酸塩 ベータデクス 100mg/kg,300mg/
〔文献請求番号〕
kg を経口投与したとき,水素ガスクリアランス法にて測定され
1) 厚生省薬務局:医薬品研究,1995,26(5),357〔199500154〕
た投与 5 分後の胃粘膜血流量は,用量反応性に増加した。また,
2) 小林文彦ほか:社内資料(ラットにおける器官形成期投与試験,
300mg/kg 投与において 1 時間以上血流量増加の持続が認められ
1986)
〔198603347〕
た 10)。
3) 板東隆文:Prog.Med.,1995,15(5),641〔199500159〕
2. 胃粘膜内高分子糖蛋白質の生合成促進作用及び減少抑制作用
4) 菅野浩一ほか:Prog.Med.,1986,6(S-1),2229〔198602942〕
(1) ラットにベネキサート塩酸塩 ベータデクス 300mg/kg 単独経口
5) 三好秋馬ほか:Prog.Med.,1989,9(2),609〔198900070〕
投与したとき,胃粘膜内高分子糖蛋白質を約 1.5 倍増加させ
6) 三好秋馬ほか:Prog.Med.,1989,9(3),1094〔198901444〕
た 11)。
7) 塩野義製薬集計;三好秋馬ほか:Prog.Med.,1986,6(S-1),2273
(2) ラットにベネキサート塩酸塩 ベータデクス 300mg/kg をアスピ
〔198602913〕を含む計 9 文献
リン 300mg/kg と併用して経口投与したとき,また,アスピリン
8) 原澤茂ほか:Prog.Med.,1993,13(4),811〔199301371〕
300mg/kg 投与 1 時間前に経口投与したとき,いずれの場合もア
9) 佐藤初夫ほか:Prog.Med.,1986,6(S-1),2085〔198602905〕
スピリン投与によって起こる胃粘膜内高分子糖蛋白質の減少を
10) 青野充ほか:Prog.Med.,1986,6(S-1),2077〔198602904〕
抑制した 11)。
11) 安海義曜ほか:Prog.Med.,1986,6(S-1),2092〔198602906〕
3. 胃粘膜の内因性プロスタグランジン E2 及び I2 増加作用
12) 荒川哲男ほか:日本消化器病学会雑誌,1984,81(7),1554
ラットにベネキサート塩酸塩 ベータデクス 300mg/kg,1000mg/
〔198402537〕
kg を胃内に注入したとき,インドメタシンあるいは拘束水浸ス
13) 大江慶治ほか:臨牀と研究,1986,63(5),1687〔198602990〕
トレス負荷により低下した胃粘膜の内因性プロスタグランジン
14) 岡部進ほか:応用薬理,1984,27(5),829〔198402592〕
E2 及び I2 をほぼ用量依存性に増加させた 12)。
15) 田中郁夫ほか:Prog.Med.,1989,9(2),601〔198901555〕
4. 酸(水素イオン)の胃粘膜への逆拡散防止作用
【文献請求先】
ラットにベネキサート塩酸塩 ベータデクス 300mg/kg をアスピ
リン(胃粘膜関門障害物質)と併用して胃内に注入留置したと
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
き,留置 15 分後の時点でアスピリンによって起こる胃粘膜への
塩野義製薬株式会社 医薬情報センター
水素イオンの逆拡散を有意に抑制した 13)。
〒541-0045 大阪市中央区道修町 3 丁目 1 番 8 号
5. 各種実験潰瘍,実験胃粘膜病変に対する抑制作用
ベネキサート塩酸塩 ベータデクスはラットを用いた各種実験潰
電話 0120-956-734
瘍 14),実験胃粘膜病変 15)において幅広い抗潰瘍作用,病変発生
FAX 06-6202-1541
抑制作用を示し,特に水浸ストレス潰瘍,アスピリン潰瘍,イ
http://www.shionogi.co.jp/med/
ンドメタシン潰瘍,エタノール潰瘍及び塩酸エタノール潰瘍に
対して著明な抑制効果を示した 14)。
【有効成分に関する理化学的知見】
一般的名称:ベネキサート塩酸塩
製造販売元
ベータデクス(JAN)
[局外規]
Benexate Hydrochloride Betadex
化学名:Benzyl 2-[trans-4-(guanidinomethyl)cyclohexylcarbonyloxy]benzoate monohydrochloride βcyclodextrin clathrate
分子式:C23H27N3O4・HCl・C42H70O35
分子量:1580.92
化学構造式:
性状:白色の粉末で,においはなく,味は苦い。
水にやや溶けやすく,メタノール又はエタノール(95)に極
UG 20
ぢ:登録商標
(2)
ウルグートカプセル(3)
(3)
ウルグートカプセル(4)
(4)