ちょっとそこまで

時の言葉
ちょっとそこまで
公益社団法人青森県観光連盟 専務理事 佐藤 淑子
フラリと出かけるのが好きだ。さしたる目
仰天したり、予想外のこと、予想をはるかに
的も、目的地もなしに。ちょっと風があっ
超えることに出くわしたりする、これが醍醐
て、天気がよければ、なおよろしい(カンカ
味。
ン照りは困るけど)
。普段通ったことのない
当方、生まれてこのかた、20回近くも引越
道や、足を運んだことのない界隈で、古くか
しをしているツワモノ(?)なので、少々の
らそこにあったらしい建物や、美味しそうな
ことには驚かないはず、ではありますが、例
ものが並んでいるお店をみつけると、嬉しく
えば、緑の色や、空気の匂い、山に囲まれて
なって、つい足を止めてしまう。予期せぬご
暮らすというのはこういうことか、古い町並
褒美をもらったような気分になる。そんな日
みのある暮らしってこういうものか、とかと
は、両手にお土産をたくさん抱えてのご帰還
か、様々なビックリに出会う。
となる。
このビックリはやみつきになる。今週は久
さすがに隣の市や町にでかけるとなると、
しぶりに家でゆっくりしよう、と決めたにも
1 つくらいは当てが必要。あれを見たい、
かかわらず、週末が近づくとなんかジッとは
これが食べたい、気がつかないうちに溜め
していられなくなり、出かけたりすることも
込んだ、そんな自分の中でのお目当てが、
しばしば。
(○○元気で留守がいい。を実践
ちょっとずつふくらみはじめると、もういけ
してる?)
ない。気分がそわそわしはじめて、実際にお
でかけするまでおさまらない。
ところで、そんなワクワク、ビックリの時
間をすごした後に「青森にもこんなところが
時には遠くまで足をのばすこともある。も
あれば良いな」、
「こうだったら面白いよね、
ちろん、いつも一人でという訳ではありませ
素敵だよね」とか「青森のここだけは変わら
ん。家人、友人、周りの人を巻き込みながら
ないほうが良いな!」とかいう思いが残るこ
出かけるとなると、泊まるところや交通手
とがある。
段、それなりの算段は必要。でも決めるのは
もしかして「こうだったら良いな」をもっ
最小限の事柄だけというのが私流(同行者に
と周りの皆さんと共有していくことができれ
はご迷惑かもしれません)。
ば、共有すれば、私たちの街ももう少しばか
そんな折々に、思わぬところで新しいもの
り元気になっていくんじゃなかろうか?
や新しいことに出会ったりする。
「えっ、こ
れはいったい何?こんなことってあり?」と
で、これって「観光」?
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