南蒲生浄化センター新水処理施設の沈下について

記 者 発 表 資 料
平成28年7月14日
(担当)建設局下水道調整課
(内線)700-4270
(直通)214-8811
南蒲生浄化センター新水処理施設の沈下について
南蒲生浄化センターは、東日本大震災の災害復旧として新たな水処理施設の建設を進め、昨年
11月に一部施設で、本年4月には全施設で運転を開始しました。
この新施設において、平成26年3月の工事の部分検査で沈下が確認されました。大規模施設
であることから沈下はある程度想定しており、その後も定期的に観測しながら施工してきたとこ
ろ、昨年9月の下水流入以降、沈下が顕著になりました。現在、最大約20センチメートルの沈
下を確認しています。
最近の測定結果では、沈下は収束に向かっており、機能面・安全面の問題もないことから施設
は通常運転を行っています。また、下水も適切に処理されています。
市では今後、原因究明と必要な対策を講じていきます。
1 新水処理施設の概要
(1)処理方式 標準活性汚泥法
(2)処理能力 約40万立方メートル/日
(3)施工面積 約6ha(12の構造物に区分)
(4)工
期 平成24年7月~28年9月
(5)施 工 者 日本下水道事業団(JS)
(土木建築施工)フジタ・鴻池・丸本・後藤・皆成特定共同企業体
(6)復旧費用 土木建築 約263億円
2 沈下状況
(1)経緯
①平成26年3月
②平成27年9月
③平成28年7月
工事の部分検査において初めて沈下を確認
第2系列(海側施設)運転のための下水流入、沈下拡大
沈下最大約20センチメートル
施設両端(施設幅約90m)の沈下量の差最大約10センチメートル
施設間の段差最大約3センチメートル
*沈下状況および傾斜は施設区分ごとで相違
(2)沈下の傾向
施設により沈下の傾向は相違するが、最近の測定結果では全体的に沈下は収束に向かっ
ている。
裏面につづく
3 沈下による影響等
(1)構造物について
・最初沈澱池内で最大3センチメートルの段差
・場内の配管の可とう性継手部分にも同様の段差が生じている。
・構造物間に設置しているエキスパンションジョイント部分に伸び縮みが発生している。
(2)維持管理について
・最初沈澱池と最終沈澱池で、下水の流入が不均等となる状況が生じたが、ゲート等の調
整により対応できている。
・ポンプや送風機等の機器類への影響は、これまで確認されていない。
(3)放流水質について
・施設の運転開始以降、計画放流水質を満足している。
BOD(生物化学的酸素要求量)計画15mg/ℓ以下 → 放流7~8mg/ℓ
SS(浮遊物質量)
計画30mg/ℓ以下 → 放流2~5mg/ℓ
4 対応
施設の機能面としては問題なく運転できているものの、沈下の原因究明やその影響、必要
な対策などについて、施工者であるJSが設置した「仙台市南蒲生浄化センター新水処理施
設検討委員会※」で検討を進める。
なお、市でも「南蒲生浄化センター新水処理施設技術検証委員会」を設置し、JSの委員
会の審議等について検証等を行うとともに、今後の対応についてJSと協議を進めていく。
※仙台市南蒲生浄化センター新水処理施設検討委員会
JS設置の委員会。平成28年4月発足。委員長は赤城寛一氏(早稲田大学理工学術院教
授)、ほか地盤や下水道の専門家3名をメンバーとしている。
沈下状況の確認や構造物の安全性などの検証を進め、9月末までの原因究明および対策のま
とめを目指す。