増進回収技術(EOR)

増進回収技術(EOR)
受講者が達成しうる講義の効果及び成果:
原油増進回収(EOR)技術の基礎理論、並びに各 EOR 技術の特性と効果について理解する。更に、EOR 技術
の適用性評価に使用される各種貯留層シミュレーションモデルそれぞれの背景理論を理解し、シミュレーショ
ン体験を通じて各 EOR 技術における増油メカニズムへの洞察を深め、対象油層への最適 EOR 手法の選択ならび
に適用性定量評価のための知識基盤を形成する。
受講対象者
地質、物探、掘削、生産、油層 (業務経験 1~5 年)
受講条件
油層工学の基本知識を持っていること
講義内容
1.
EOR 概論と油層工学の基礎
・油層、油層流体、排油メカニズムの基礎知識
・EOR の基礎的理論と各種 EOR の概要
概要: EOR の基礎理論を理解する上で必要となる油層工学の基礎と各種 EOR の概論を説明する。
2.
インミシブルガス攻法
・インミシブルガス攻法の基礎理論
・Recovery factor と Sweep efficiency
・圧入手法と排油メカニズム、実フィールド例
概要:インミシブルガス攻法の基本メカニズムと Sweep efficiency、Mobility ratio による評価について説明する。
GEM によるシミュレーションを交え、圧入手法の違いと排油メカニズムについて理解する。
3.
PVT アナリシス
・油層流体の相挙動
・各種状態方程式
・疑似流体成分、PVT シミュレーション
概要: 油層流体の相挙動、各種状態方程式について説明する。シミュレーションにおける疑似成分組成、状態方
程式パラメータの調整について解説する。Winprop による PVT シミュレーションを行う。
4.
ミシブルガス攻法
・ミシブルガス攻法の基礎理論
・MMP と MME
・圧入手法と排油メカニズム
・CO2-EOR/CCS
概要:ミシブルガス攻法のメカニズムについて説明する。MMP と MME について実際にシミュレータ(Winprop、
GEM)を用いながら解説する。GEM によるシミュレーションを交え、圧入手法の違いと排油メカニズムについて理
解する。
5.
熱攻法
・熱攻法の基礎理論
・各種熱攻法のメカニズム(Hot water injection、Steam drive、CSS、Combustion、SAGD 等)
概要:熱攻法の基礎的な理論、各種熱攻法のメカニズムについて説明する。STARS を用いて熱攻法の基礎的な
シミュレーションを行い、排油メカニズムについて理解を深める。
6.
ケミカル攻法
・ケミカル攻法の基礎理論
・各種ケミカル攻法のメカニズム(Polymer flood、Surfactant polymer flood、Alkali-Polymer flood 等)
概要:ケミカル攻法の基礎的な理論、各種ケミカル攻法のメカニズムについて説明する STARS を用いてケミカル
攻法の基礎的なシミュレーションを行い、排油メカニズムについて理解を深める。
7.
低塩分濃度水攻法、微生物攻法、その他 EOR
・低塩分濃度水攻法の基礎理論とシミュレーション
・微生物攻法、その他 EOR
概要:低塩分濃度水攻法、微生物攻法、その他 EOR のメカニズムについて説明する。低塩分濃度水攻法の
GEM によるシミュレーションを行い、排油メカニズムについて理解を深める。
8.
EOR のスクリーニング基準と世界の EOR 適用概況
・スクリーニング基準の説明
・EOR 適用の概況
概要:深度、油の特性等の EOR のスクリーニング基準、世界の油田に適用されている EOR とその傾向について
解説する。
講義スケジュール
月 日
Day1
(月)
午前(10:00~12:45)
講義スケジュールの概要説明
講義(1):EOR と油層工学の基礎
・油層、油層流体、排油メカニズム
・各種 EOR の概要
午後(13:45~17:00)
講義(2):インミシブルガス攻法
・インミシブルガス攻法の基礎理論
・圧入手法と排油メカニズム
演習(1):インミシブルガス攻法シミュレーション
(GEM)
Day2
(火)
Day3
(水)
講義(3):PVT アナリシス
・油層流体の相挙動
・各種状態方程式
講義(4):ミシブルガス攻法
・ミシブルガス攻法の基礎理論
演習(2): PVT シミュレーション(Winprop)
・疑似流体成分作成、相平衡図作成
・CCE、DL、セパレータテスト等
演習(3): MMP/MME (Winprop、GEM)
・ First Contact Miscibility 、 Multi contact
Miscibility
・流動実験シミュレーション
講義(5): ミシブルガス攻法
・圧入手法と排油メカニズム
・CO2-EOR/CCS
講義(6):熱攻法
・熱攻法の基礎理論
・各種熱攻法のメカニズム
演習(4):ミシブルガス攻法シミュレーション 演習(5):熱攻法シミュレーション(STARS)
(GEM)
Day4
(木)
講義(7):ケミカル攻法
・ケミカル攻法の基礎理論
・各種ケミカル攻法のメカニズム
演習(6):ケミカル攻法シミュレーション
(STARS)
Day5
(金)
講義(8):低塩分濃度水攻法、微生物攻法、その
他 EOR
・低塩分濃度水攻法の基礎理論
・微生物攻法、その他 EOR
演習(7):低塩分濃度水攻法シミュレーション
(GEM)
講義(9):EOR のスクリーニング基準と世界 まとめ
の EOR 適用概況
・スクリーニング基準の説明
・EOR 適用の概況
講義形式:
座学 5 日及びソフトウェア(コンポジショナルシミュレータ GEM、Advanced processes & thermal シミュ
レータ STARS、 PVT シミュレータ Winprop、Builder、Results)を利用した演習 5 日。
担当講師(予定)
日本オイルエンジニアリング株式会社
(敬称略)
松本行弘 開発技術部 部長
船津邦浩 開発技術部 次長
河田裕子 開発技術部 技師長
田村浩平 開発技術部 主任
以上