米国経済 2016 年 7 月 14 日 全8頁 アメリカ経済グラフポケット(2016 年 7 月号) 2016 年 7 月 13 日発表分までの主要経済指標 ニューヨークリサーチセンター 上野 まな美 エコノミスト 橋本 政彦 実質GDPの推移 (前期比年率、%、%pt) 政府支出 6 純輸出 4 在庫投資 2 住宅投資 0 設備投資 個人消費 -2 実質GDP成長率 -4 12 13 (前期比年率、%、%pt) 国内総生産 個人消費 設備投資 住宅投資 政府支出 輸出 輸入 寄与度 個人消費 設備投資 住宅投資 在庫投資 政府支出 輸出 輸入 14 4-6 2014 7-9 16 (年) 15 10-12 1-3 2015 4-6 7-9 10-12 2016 1-3 4.6 3.8 4.4 10.4 1.2 9.8 9.6 4.3 3.5 9.0 3.4 1.8 1.8 -0.8 2.1 4.3 0.7 10.0 -1.4 5.4 10.3 0.6 1.8 1.6 10.1 -0.1 -6.0 7.1 3.9 3.6 4.1 9.3 2.6 5.1 3.0 2.0 3.0 2.6 8.2 1.8 0.7 2.3 1.4 2.4 -2.1 10.1 0.1 -2.0 -0.7 1.1 1.5 -4.5 15.6 1.3 0.3 -0.5 2.6 0.6 0.3 1.1 0.2 1.3 -1.5 2.3 1.1 0.1 0.0 0.3 0.2 0.2 2.9 0.1 0.3 0.0 -0.3 0.7 -1.6 1.2 0.2 0.3 0.9 0.0 -0.8 -1.1 2.4 0.5 0.3 0.0 0.5 0.6 -0.5 2.0 0.3 0.3 -0.7 0.3 0.1 -0.4 1.7 -0.3 0.3 -0.2 0.0 -0.3 0.1 1.0 -0.6 0.5 -0.2 0.2 0.0 0.1 ( 出 所 ) BEA, Haver Analytics よ り 大 和 総 研 作 成 株式会社大和総研 丸の内オフィス 〒100-6756 東京都千代田区丸の内一丁目 9 番 1 号 グラントウキョウ ノースタワー このレポートは投資勧誘を意図して提供するものではありません。このレポートの掲載情報は信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性、完全性を保証する ものではありません。また、記載された意見や予測等は作成時点のものであり今後予告なく変更されることがあります。㈱大和総研の親会社である㈱大和総研ホールディングスと大和 証券㈱は、㈱大和証券グループ本社を親会社とする大和証券グループの会社です。内容に関する一切の権利は㈱大和総研にあります。無断での複製・転載・転送等はご遠慮ください。 2/8 雇用環境1 ◆ 2016 年 6 月の失業率は 4.9%となり、前月から 0.2%ポイント上昇したものの、引き続き低 水準を維持している。労働参加率は前月から 0.1%ポイント上昇した。 ◆ 6 月の非農業雇用者数の前月差は 28.7 万人増で、前月の失速から一転して急加速し、2015 年 10 月以来の大幅な増加となった。非農業雇用者数の前月差の 6 ヵ月平均は 17.2 万人増で あった。 非農業雇用者数と失業率 労働参加率と就業率 (前月差、万人) (%) 60 12 非農業雇用者数 (%) (%) 67 64 労働参加率 失業率(右軸) 就業率(右軸) 40 10 63 66 20 62 8 0 65 -20 61 6 60 64 -40 4 59 -60 2 -80 -100 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 0 16 (年) 63 58 62 05 06 07 08 09 10 11 12 (出所)BLS, Haver Analyticsより大和総研作成 (出所)BLS, Haver Analyticsより大和総研作成 理由別失業者数 定義別失業率 (万人) 400 (万人) 自己都合 1,200 再び職を探している 新たに職を探している 350 (%) 13 14 57 16 (年) 15 U-5+経済的理由のパート労働者(U-6) 20 失業者+潜在的失業者(U-5) 18 失業者+就職を諦めた人(U-4) 16 失業率(U-3) 14 非自発的離職者 (U-2) 15週以上の 失業率(U-1) 1,000 会社都合(右軸) 300 800 250 12 200 600 U-6 10 8 150 400 6 100 200 50 2 0 05 06 07 08 09 10 11 12 (出所)BLS, Haver Analyticsより大和総研作成 1 U-1 4 13 14 15 0 16 (年) 0 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (年) (出所)BLS, Haver Analyticsより大和総研作成 大和総研 ニューヨークリサーチセンター 橋本政彦「前月の失速から一転、雇用者数が急増」(2016 年 7 月 11 日)参照。http://www.dir.co.jp/research/report/overseas/usa/20160711_011058.html 3/8 個人消費 ◆ 2016 年 5 月の小売売上高は前月比 0.5%増であった。前月から伸びが鈍化したものの、2 ヵ 月連続で増加した。コア小売売上高も同 0.4%増と、7 ヵ月連続で増加した。 ◆ 6 月の自動車販売台数は前月比 4.5%減少し、年率換算で 1,666 万台であった。乗用車とラ イトトラックの双方の販売が前月から減少した。 ◆ 6 月のロイター/ミシガン大消費者センチメントは、前月の 94.7 から 93.5 へと低下した。 期待指数の低下により全体指数が押し下げられたが、高水準を維持している。 小売売上高の推移 消費と株価 (億ドル) 5,000 (3ヵ月前比、%) 30 3,000 (3ヵ月前比、%) 6 2,800 4 2,600 2 10 2,400 0 0 2,200 -2 -10 2,000 -4 -20 1,800 -6 -30 1,600 -8 -40 1,400 16 (年) -10 (億ドル) 小売売上高 コア小売売上高(右軸) 4,500 4,000 3,500 小売売上高 株価(右軸) 20 3,000 2,500 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 (注)コア小売売上高は自動車ディーラー、ガソリンスタンド、 建材・園芸、飲食サービスを除く。 (出所)Census, Haver Analyticsより大和総研作成 06 07 08 09 10 11 12 13 14 -50 16 (年) 15 (注)株価はWilshire5000。 (出所)Census, Dow Jones, Haver Analyticsより大和総研作成 消費者マインド 自動車販売台数 (年率換算、万台) 消費者信頼感指数(1985=100) 120 05 2,200 ロイター/ミシガン大消費者センチメント(1966Q1=100) 2,000 100 1,800 80 1,600 60 1,400 40 1,200 20 1,000 0 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 (出所)ロイター/ミシガン大, Conference Board, Haver Analyticsより 大和総研作成 16 (年) 800 05 06 07 08 09 10 11 12 (出所)Autodata, Haver Analyticsより大和総研作成 13 14 15 16 (年) 4/8 住宅市場 ◆ 2016 年 5 月の新築住宅着工(一戸建てと集合住宅を含む)は、前月比 0.3%減の年率換算 116.4 万戸であった。変動が大きい集合住宅の減少が全体を押し下げた。 ◆ 5 月の中古住宅販売(一戸建て)は、前月比 1.9%増の年率換算 490 万戸であった。3 ヵ月 連続で増加し、2007 年 2 月以来の高水準になった。 ◆ 5 月の新築住宅販売(一戸建て)は、大幅に増加した前月から減少に転じ、前月比 6.0%減 の年率換算 55.1 万戸となった。 ◆ 4 月のケースシラー住宅価格指数(20 都市)は、前月比 0.5%上昇した。上昇率は前月から 鈍化したものの住宅価格は上昇傾向が続いている。 住宅ローン申請件数 住宅販売(一戸建て) (年率換算、万戸) (年率換算、万戸) 700 140 (2005=100) 450 新規申請 中古住宅販売 650 新築住宅販売(右軸) 借換申請 400 住宅ローン申請件数 120 350 600 100 550 300 250 500 80 200 450 60 400 150 100 40 350 50 300 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 20 16 (年) (出所)Census, NAR, Haver Analyticsより大和総研作成 0 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 住宅価格 住宅着工と建設業者の景況感 (最大=100) (年率換算、万戸) 80 (2000/01=100) (1991/01=100) 240 220 260 220 210 200 200 240 180 190 230 160 180 220 140 170 210 120 160 200 100 150 190 80 140 180 60 130 170 40 16 (年) 120 ケースシラー住宅価格指数 (20都市) FHFA住宅価格指数(右軸) 建設業者の景況感 70 新築住宅着工(右軸) 60 50 40 30 20 10 0 05 06 07 08 09 10 (年) (出所)MBA, Haver Analyticsより大和総研作成 11 12 13 14 (出所)Census ,NAHB, Haver Analyticsより大和総研作成 15 05 06 07 08 09 10 11 12 13 (出所)S&P, FHFA, Haver Analyticsより大和総研作成 14 15 250 160 16 (年) 5/8 企業動向 ◆ 2016 年 5 月の鉱工業生産指数は前月比 0.4%低下した。指数全体の約 7 割を占める製造業 (SIC ベース)は、自動車・同部品の生産減少が影響し、同 0.4%低下した。 ◆ 5 月の国防・民間航空機を除く資本財受注(コア資本財受注)は、前月比 0.4%減と 2 ヵ月 連続で減少した。 ◆ 6 月の ISM 製造業指数は、前月差 1.9%ポイント上昇の 53.2%であった。基準となる 50%を 上回り、2015 年 2 月以来の高水準となった。非製造業指数は前月から大きく上昇に転じ、 3.6%ポイント上昇の 56.5%と、2015 年 11 月以来の高水準をつけた。 鉱工業生産と設備稼働率 企業の景況感 (%) (2012=100) 110 85 鉱工業生産 設備稼働率(右軸) 83 105 (%) ISM製造業 ISM非製造業 65 60 81 79 100 77 95 55 50 75 73 90 71 45 40 69 85 35 67 80 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 (出所)FRB, Haver Analyticsより大和総研作成 65 16 (年) 30 05 06 07 耐久財受注 (前年比、%) (億ドル) 在庫 3,000 10 11 12 13 14 15 16 (年) (億ドル) 750 耐久財受注 出荷 15 09 (出所)ISM, Haver Analyticsより大和総研作成 製造業の出荷・在庫 20 08 資本財受注(国防・民間航空機除く、右軸) 2,800 700 10 2,600 5 0 2,400 -5 2,200 650 600 550 -10 2,000 -15 500 1,800 -20 450 1,600 -25 -30 05 06 07 08 09 10 11 12 (出所)Census, Haver Analyticsより大和総研作成 13 14 15 16 (年) 1,400 05 06 07 08 09 10 11 12 13 (出所)Census, Haver Analyticsより大和総研作成 14 15 400 16 (年) 6/8 物価動向 ◆ 2016 年 5 月の CPI(消費者物価指数)は前年比 1.0%上昇した。インフレ率は FRB の長期目 標である 2%を下回る推移が続いている。コア CPI は同 2.2%上昇した。 ◆ 6 月の 2 年先期待インフレ率は 1.41%であり、5 年先期待インフレ率は 1.56%と、ともに前 月から低下した。 ◆ 6 月末の WTI 原油先物価格は 48.33 ドル/バレルで、5 月末の 49.10 ドル/バレルから下落し た。 消費者物価指数 期待インフレ率 (%) (前年比、%) 6 3.5 コアCPI 5 2年先・期待インフレ率 5年先・期待インフレ率 CPI 3.0 4 2.5 3 2.0 2 1 1.5 0 1.0 -1 0.5 -2 -3 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 (注)コアCPIは食品、エネルギーを除く。 (出所)BLS, Haver Analyticsより大和総研作成 16 (年) 0.0 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 16 (年) (出所)Cleveland Fed, Haver Analyticsより大和総研作成 (ドル/バレル) (1973=100) 実効為替レート(ブロード) コモディティ価格 (1967=100) 130 15 実質実効ドル(1973年3月=100) (ドル/バレル) 500 名目実効ドル(1997年1月=100) WTI原油先物価格(直近限月、右軸) 450 120 160 RJ/CRB先物指数 140 400 120 110 350 100 300 100 250 90 80 200 60 150 80 40 100 70 20 50 60 05 06 07 08 09 10 11 12 (出所)FRB, Haver Analyticsより大和総研作成 13 14 15 16 (年) 0 0 16 (年) (出所)Wall Street Journal, CRB, Haver Analyticsより大和総研作成 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 7/8 輸出入・経常収支 ◆ 2016 年 5 月の貿易収支(財・サービス)は、輸出が前月比 0.2%減少し、輸入は同 1.6%増 加した。この結果、貿易赤字は前月から 10.1%増と大幅に拡大し、約 411 億ドルとなった。 ◆ 輸出入(財)を商品別に見ると、輸出では航空機やコンピューター付属品などの資本財が減 少した。一方の輸入は、原油価格の上昇が増加に寄与した。 ◆ 地域別(財)では、欧州への輸出が前年比 2.5%減少、中国向けが同 2.8%減少、日本向け も同 3.7%減少した。輸入は、欧州からの輸入が同 1.3%増加したが、中国からの輸入は同 3.9%減少、日本からの輸入は同 7.2%減少した。 貿易収支動向 経常収支の推移 (億ドル) (億ドル) (%) 3,000 0 0 貿易収支(右軸) 輸出 輸入 2,500 (億ドル) 0 経常収支(右軸) -100 -1 -200 -2 -300 -3 -400 -4 -500 -5 -600 -6 -700 16 (年) -7 経常収支/GDP -500 2,000 -1,000 1,500 -1,500 1,000 -2,000 500 0 05 06 07 08 09 10 11 12 13 (出所)Census, Haver Analyticsより大和総研作成 14 15 05 06 07 国・地域別輸入動向 (前年比、%) (前年比、%) 欧州 中国 09 10 11 12 13 (出所)BEA, Haver Analyticsより大和総研作成 国・地域別輸出動向 30 08 50 日本 25 40 20 30 15 欧州 中国 14 15 -2,500 16 (年) 日本 20 10 10 5 0 0 -10 -5 -20 -10 -30 -15 -40 -20 12 13 14 15 (出所)Census, Haver Analyticsより大和総研作成 16 (年) 12 13 14 (出所)Census, Haver Analyticsより大和総研作成 15 16 (年) 8/8 金融・財政 ◆ 2016 年 6 月の FOMC(連邦公開市場委員会)において、政策金利である FF(フェデラルファ ンド)レートの目標レンジは据え置かれた。また、保有する資産規模については、現在の水 準を維持することが決定された。FRB の資産残高は、直近の 7 月 6 日の週平均が約 4 兆 5,200 億ドルであった。 ◆ 6 月の長期金利(10 年債利回り)の平均値は 1.64%となった。英国の国民投票によって EU 離脱が決定したことを受け、月末にかけて大幅に低下した。 ◆ 連邦政府の財政収支(12 ヵ月平均)は、トレンドとして赤字幅が縮小してきたが、このと ころ足踏みが見られている。 クレジットスプレッド 政策金利・長期金利 (%) (%) 6 FFレート誘導目標 7 Baa格社債利回り-10年債利回り Aaa格社債利回り-10年債利回り 10年債利回り 6 5 5 4 4 3 3 2 2 1 1 0 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 (出所)FRB, Haver Analyticsより大和総研作成 16 (年) 0 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 (出所)FRB, Haver Analyticsより大和総研作成 FRBの資産構成 連邦政府の財政収支 (兆ドル) (億ドル) 5.0 4.5 4.0 16 (年) (億ドル) 0 3,500 -200 3,000 -400 2,500 -600 2,000 -800 1,500 その他 3.5 3.0 MBS、政府 機関債 2.5 2.0 国債 1,000 -1,000 1.5 1.0 財政収支 歳入(右軸) 歳出(右軸) -1,200 0.5 -1,400 0.0 07 08 09 10 11 12 13 (出所)FRB, Haver Analyticsより大和総研作成 14 15 16 (年) 05 06 07 08 09 10 11 12 13 (注)データは12ヵ月移動平均。 (出所)米財務省, Haver Analyticsより大和総研作成 14 15 500 0 16 (年)
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