親和会 HPアドレス変更

35
12 12
親和会
親和会 HPアドレス変更
HPアドレス変更
16
http://shinnakai.com
年度会計報告︾
支出の部
︽平成
収入の部
新HPアドレス
1,035,114
527,100
515,847
90,583
1,364,651
3,533,295
3,094,984
ご予定おきください。
会報印刷送料(2回分)
会員管理システム保守費用他
親和会総会・懇親会関係費用
事務局備品購入費
事務局運用諸経費
合 計
次年度繰越金
27
35
12
12
運営幹事 東京大学 准教授 松野 泰也 ︵平成2年卒︶
日 時:平成28年11月12日
(土)
16:00∼18:00
場 所:東京大学 山上会館 1階
企 画:現在企画中
運営幹事:平成3年卒・平成13年卒
2,997,951
第164回 親 和 会 総 会 ・ 懇 親 会 報 告
72
36
2016 5
13
告 が あ り ま し た。幹 事 で あ る 尾 嶋 先 生 ご 自
身 が 見 事 優 勝 を 果 た さ れ、次 回 も 幹 事 を お
引き受けされるとのことです。
閉 会 に あ た っ て、今 年 度 運 営 幹 事 の 紹 介
と 次 年 度 運 営 幹 事︵平 成 3 年 卒・平 成 年
卒︶の 決 意 表 明 挨 拶 が あ り、そ の 後 尾 嶋 正
治 副 会 長 に よ る 閉 会 の ご 挨 拶 と な り ま し た。
その後、参加者全員の集合写真の撮影を行い、
閉会となりました。
自 分 自 身 も 久 し ぶ り に お 世 話 に な っ た 先
生、先 輩 方 と お 話
をする機会が得ら
れ、集 ま っ た 同 期
の仲間とは一次会
に引き続いて二次
会︵三 次 会 は 珊 瑚
で 麻 雀︶ま で 思 い
出話に花を咲かせ
ることができまし
た。ご 参 加 頂 き ま
した皆様には運営
幹事の一人として
厚く 御礼申し上
げ ま す。ま た 色 々
不手際もあったか
もしれませんがど
うぞご容赦下さい。
来 年 の 総 会・懇 親
会が天候にも恵ま
れ盛会になります
よう今後とも引き
続きよろしくお願
い申し上げます。
第165回親和会のお知らせ!
3,629,960
368
6,628,279
平成26年度よりの繰越金
年会費・総会総収入
(年会費1,572人 総会143人)
利 子
合 計
14
去 る 月 日︵土︶に 第 1 6 4 回 親 和 会
︵昭 和
年 卒︶
総 会・懇 親 会 が 東 京 大 学 本 郷 キ ャ ン パ ス の
の乾杯のご発声
山上会館1階談話ホールにて開催されまし
により懇親会が
た。今 年 は 名 の 皆 様 の 参 加 が あ り ま し た。 始 ま り ま し た。
事前に参加費をお支払いいただいた方が
今 回 は、運 営 幹
1 4 0 名 も お ら れ ま し た の で、大 変 賑 や か
事である平成2
な 会 に な る も の と 期 待 し て い ま し た が、約
年卒および平成
半分の方が欠席されましたのは残念なこと
年卒の参加が
で し た。当 日 は 生 憎 の 天 気 で し た の で、お
名、 名 と 例
止めになられた方が多くいたものと思いま
年より若干少な
す。そ の 中 で は 昭 和 年 卒 の 先 輩 方 が 8 名
かったことに責
も参加されたことは大変嬉しいことでした。
任を感じました。
総 会 は、立 間 徹 先 生 の 司 会 で 夕 方 4 時 か
組織名の変更等
ら 始 ま り、千 葉 泰 久 会 長 に 開 会 の ご 挨 拶 を
に よ り、メ ー ル ア ド レ ス が 変 更 に な る な ど
い た だ い た 後、侘 実 次 彦 事 務 局 に よ る 会 計
し て、同 期 の 2 / 3 ぐ ら い は メ ー ル で は 連
報告がなされ満場一致で承認されました。
絡 が つ か な く な っ て い た の が 敗 因 で し た。
引 き 続 き 小 生︵運 営 幹 事 代 表︶の 総 合 司
次 回 の 幹 事 の 皆 様 は、と に か く 早 め の 行 動
会 で、千 葉 会 長 の ご 挨 拶、古 崎 新 太 郎 先 生
に よ り、同 期 に 連 絡 し て く だ さ い ね。
FacebookなどのSNSの活用も手
かもしれません。
恒 例 の ア ト ラ ク シ ョ ン は 平 成 年 卒 運 営
幹 事 に よ り 企 画 さ れ、安 田 講 堂 に 関 す る 三
者 択 一 の ク イ ズ が 行 わ れ ま し た。日 頃、学
内にいても安田講堂に関してほとんど何も
知 っ て い な か っ た こ と を 痛 切 に 感 じ、勉 強
に な り ま し た。平 成 年 幹 事 の 皆 さ ん あ り
が と う ご ざ い ま し た。ア ト ラ ク シ ョ ン に 引
き 続 き、尾 嶋 正 治 先 生 か ら 今 年 6 月 に 開 催
された第2回親和会会長杯ゴルフ大会の報
11
60
就 インサイト
INSIGHT
ゆうちょ銀行
振替口座番号 00160-2-29506
できるだけ同封の用紙をお使い
下さい。インターネットバンキ
ングからも
〇一九(ゼロイチキュウ)店
当座 0029506 で振り込めます。
親和会ホームページからクレジッ
トカードでも支払えます。
必ず会員番号と氏名を記入して
下さい。
れる。③は、年齢的に大きく成長する年代
で あ る 学 生 の 伸 び を、さ ら に 加 速 で き る
か の 判 断 と な る。終 身 雇 用・年 功 序 列 体
制を持つ老舗日本企業はこれを重要視し
て お り、そ れ が 日 本 の 新 卒 採 用 の 特 殊 性
で も あ る。し か し、中 長 期 の イ ン タ ー ン
平成28年度分 2,000円
のところ実効性には限りがあるものと思
就職・採用活動について
われます。
思うこと
企業の側が何を求めているかに話を移
し ま し ょ う。多 く の 会 社 が、常 識 を 逸 脱
JXエネルギー㈱
中央技術研究所
フェロー
しない範囲で個性的な人を採りたいと
真
崎
仁
詩︵昭和 年工業化学科卒業︶
思 っ て い ま す。皆 一 様 に 黒 い ス ー ツ に 身
を 包 み、マ ニ ュ ア ル 通 り の 受 け 答 え に 終
始すれば望む方向とは逆になってしまう
恐 れ が あ り ま す。研 究 の 専 門 性 が 細 分 化
し て い る 現 在、詳 細 ま で デ ィ ス カ ッ シ ョ
ン す る こ と に は 限 界 が あ り ま す の で、研
究 に ど っ ぷ り 漬 か っ て い る か、ど れ だ け
自分で考えているかを見させてもらうこ
と に な り ま す。相 手 に 合 わ せ て 説 明 が で
き る 事 が 大 事 で、そ の た め に も 自 分 の 研
究 を よ く 理 解 し て い る こ と が 必 要 で す。
人 間 臭 い 自 分 を 出 せ て い る か、組 織 の 中
でやっていくためにコミュニケーション
を 取 る 力 が あ る か も 重 視 し ま す。対 応 の
ミ ス を 恐 れ る ば か り で な く、少 し は 違 う
ところを見せてくれないと記憶にすら残
ら な く な り ま す。就 職 す れ ば そ の 先 は 長
い わ け で す か ら、違 う 自 分 を 繕 っ て も 会
社 に 入 っ た 後 で 後 悔 す る か も し れ ま せ ん。
学生も企業も本音で勝負したいところで
す。結 局 は 自 然 体 が 一 番 よ い 結 果 を 生 む
の で し ょ う が、ス ポ ー ツ の 世 界 で も 実 践
はなかなか難しいですね。
年会費納入のお願い
活
61
シップによる評価なら信頼もできようが、
私がJXエネル
就職/採用活動の
学 士・修 士 で は シ ラ バ ス と の 関 係 か ら、
ギ ー︵当 時 の 日 本
あり方について思うところ
実
現
は
難
し
い
。
石 油︶に 入 社 し た
富士フイルム株式会社
再生医療事業推進室 私 自 身 は、修 士 で の 専 門 に 近 い 物 理 化
の は 1 9 9 0 年、
まだバブル景気の
都
築
博
彦︵昭和 年合成化学科卒業︶ 学分野で業務を開始したものの、生産技術、
画 像 工 学、バ イ オ、そ し て 細 胞・再 生 医
時 で し た。各 社 と
療 へ と、職 務 内 容 も 変 化 し た。ま ず は、
経団連の倫理憲
も採用人数を増や
目先の課題解決に必要な周辺技術を習得
章に基づく就職協
し て い て、博 士 の 学 生 は と か く 議 論 に な
し、次 は 全 般 的 な 視 点 へ と、会 社 の 事 業
定が2年連続で変
り が ち で す が、そ の 頃 は そ れ を 意 識 す る
変化方針により専門も大きく変遷してき
更 と な っ た。ス
こともなく、数社からお誘いを頂きました。
た。こ の よ う な 中 で 専 門 性 が 洗 練 さ れ る
ポーツの世界でも
そ の 後、1 9 9 5 年 ご ろ に な る と そ の 反
わけもなく、専門外であった分野の知識が、
一部の参加者が極
動でいわゆる就職氷河期がやってきます。
必 要 に 迫 ら れ て 増 え て い く こ と と な る。
端に強くなると
その時の学生にとって不公平なことです
社 会 全 体 で も 同 様 な こ と で あ れ ば、専 門
ル ー ル の 変 更 は 行 わ れ る が、業 界 で の 主
が、企 業 側 も 世 代 間 の バ ラ ン ス を 失 う こ
技 術 者 が 減 り、二 流 以 下 の 評 論 家 が 増 え
導 権 争 い や、利 権 に 関 わ る 場 面 で こ の よ
と に な り ま し た。現 在 働 き 盛 り の こ れ か
る こ と と な る。本 来 は 一 定 の 割 合 で、会
う な こ と が 多 い と 感 じ る。そ れ で は、今
ら課長クラスになるべき人材が不足して
社でなく技術に人が付いて流動すること
回の就職協定変更によって利を得たのは
い ま す。採 用 が 景 気 に 依 存 し て は 社 会 的
も 必 要 で あ る。日 本 で も 雇 用 の 流 動 化 が
誰なのか?
に も、企 業 の 活 力 と 言 う 点 で も の ち に 歪
少 し ず つ 始 ま っ て い る が、公 務 員 制 度 が
私 は 修 士 卒 業 後、現 在 所 属 す る 企 業 に
を残すことを教えてくれます。
そ の 中 心 に あ る こ と か ら、改 革 に は 時 間
入 社 し、 年 ほ ど の 研 究 所 で の 業 務 を 経
さて昨今は採用人数は比較的落ち着い
たのち、
NEDOに出向、人事部採用担当、 がかかると思う。
技 術 企 画 を 経 て、事 業 部 で 再 生 医 療 に 関 さて、最初の問いへの私の答であるが、 て い ま す が、就 職 活 動 の あ り さ ま は 昔 と
は 一 変 し て い ま す。就 職 支 援 会 社 や 直 接
経 団 連 に 参 加 し て い な い 外 資 企 業 と、シ
わ る 業 務 に 携 わ り つ つ、神 奈 川 県 で の 技
会社のホームページにアクセスすること
ステム変更で業務が増える就活支援産業
術 顧 問 を 兼 務 し て い る。多 く の 経 験 を し
に よ り、多 数 の 会 社 に 応 募 で き る よ う に
が 利 を 得 て い な い で あ ろ う か?ベ ン
て き た が、新 卒 採 用 は 特 殊 な 業 務 領 域 で
チ ャ ー や 中 小 企 業 を 含 め、日 本 企 業 の 成
あったと感じる。
な り ま し た。選 択 肢 が 増 え る こ と は 悪 い
採 用 担 当 は 学 生 と の 面 談 等 を 通 じ て、 長 に 有 効 な 施 策 と し て、新 卒 一 斉 採 用 か
こ と で は あ り ま せ ん が、見 か け 上 の 競 争
ら脱する時期に来ていると感じる。
概ね以下の点を確認する。①学年に応じて
率 は 上 が り、学 生 も 企 業 の 側 も 労 力 が 増
本 来 持 つ は ず の 基 礎 力 と 専 門 力︹報 酬 相 画 一 的 な 視 点 で の、受 験 勉 強 的 な 就 活
え る ば か り で す。大 学 の 先 生 方 も 学 生 が
は 無 意 味 で あ る。学 生 の 方 々 に は、ア グ
応 の 価 値︺、②チ ー ム 活 動 に 対 応 し た コ
就職活動に時間を取られ研究時間が減る
レッシブかつオリジナルなライフプラン
ミュニケーション力︵傾聴力と表現力︶
︹個
こ と に 危 機 感 を 持 っ て お ら れ、研 究 に 向
を 持 っ て い る、同 世 代 の 海 外 の 友 人 を 思
人・チ ー ム を 活 か す 能 力︺、③自 社 企 業 文
き合う姿勢や方法論をきっちり身に着け
い 浮 か べ て 欲 し い。そ の よ う な 姿 勢 で あ
化 と の シ ナ ジ ー に よ る 成 長 予 測︹当 人 の
てから入社してほしいと思う企業側とし
伸 び 代︺。①②の 確 認 は、入 試、資 格 試 験、 れ ば、自 分 の 置 か れ た 状 況 を ポ ジ テ ィ ブ
て も 問 題 と 感 じ ま す。経 済 界 も 倫 理 協 定
に活用できる人だと評価されるだろう。
キャリア採用などの多くの試験でも行わ
を 結 ん で 対 策 に 乗 り 出 し て い ま す が、今
20
化学・生命系研究室紹介
第
化学システム工学専攻
大久保・脇原研究室
Ɂ
ȳ
Ċ
回
化学生命工学専攻・吉江研究室
10
誕生したばかりの化学システム工学専攻に﹁独創﹂、
﹁公開﹂、
﹁国際﹂ 吉江研究室は2003年に生産技術研究所に誕生しました。東
を キ ー ワ ー ド に 大 久 保 助 教 授︵当 時︶が 主 宰 す る 研 究 室 が 発 足 し た
工大からの着任当初はほとんど何もないガランとしていた研究室
のは1998年4月でした。以来 年間、ゼ オライトをはじめとす
が、今では助教の江島広貴博士はじめ約10名のメンバーと沢山
るナノ空間材料の合成と環境・エネルギー分野への応用に関する研
の物であふれた状態になりました。
究 を 進 め て 来 ま し た。当 時 、触 媒 研 究 者 が 触 媒 研 究 の た め に ゼ オ ラ
当研究室では高分子に関する研究を幅広く行っています。ここ
イト合成を検討するという状況にありましたが、大久保は化学工学、
では紙面の都合で二つを紹介します。一つ目は、動的結合を利用
材料化学の立場から、﹁ナノ材料﹂としてのゼオライトに興味をもち、 した機能性材料の開発です。熱や光などの外部刺激に応答して結
総合試験所助手当時の1993∼ 年に米国
の
合・切断する動的結合は、高分子鎖のサイズや形の可逆的な変換
Caltech
Mark
E.
教授のもとに滞在し、同分野に参入しました。そのため、本研
を可能にします。動的結合を利用すると、破断しても自発的に元
Davis
究室ではまずゼオライトの生成機構やそのナノ構造制御についての
に戻る修復性や、材料特性の硬質/軟質間の変換性、高靭性など、
検 討 を 進 め ま し た。当 初 は 教 員 一 人 の 研 究 室 で し た が、2 0 0 6 年
様々な特性を有する材料を創り出すことができます。修復実験で、
の大久保の教授昇進前後から、様々な若手研究者が助教︵助手︶、准
粘
着性があるわけでもないサラッとした表面同士が﹁くっつく﹂
教 授 と し て 参 画 し、現 在 の 研 究 分 野 は ゼ オ ラ イ ト 合 成 に 加 え、そ の
の
を見るのは、何度やっても、理性はともかく直観として不思議
触媒・吸着応用、メソポーラス・ハイブリッド材料の合成とその応用、
な感覚にとらわれます。また、動的結合は低分子凝集体であるコ
ナノ材料の製造プロセスの開発へと大きく展開しています。現在は
ロイドと共有結合でつながれた高分子の境界をなくしてシームレ
教員である大久保達也教授、脇原徹准教授、
Watcharop
Chaikittisilp
スにつなぐツールに成り得るため、様々な可能性が潜在している
助 教、伊 與 木 健 太 特 任 助 教 に 加 え、研 究 員、大 学 院 生、学 部 生 等 か
と考え、もうしばらくこの研究に邁進したいと思っています。
ら な る、 名 を 越 え る ダ イ バ ー シ テ ィ︵国 籍,年 齢,性 別︶豊 か な
もう一つの研究対象に、非平衡構造制御による高分子ブレンド
メ ン バ ー が 研 究 室 に 集 い、研 究 活 動 を 展 開 し て い ま す。大 久 保 教 授
ナノ周期構造形成があります。高融点溶媒の結晶化を利用して、
は 2 0 1 1∼2 0 1 5 年 に 親 和 会 の 事 務 局 長 を つ と め 、2 0 1 2 年
一成分高分子の結晶配向を制御することにより、高分子ブレンド
か ら は 総 長 室 総 括 機 構﹁プ ラ チ ナ 社 会﹂総 括 寄 付 講 座 の 教 授︵菊 池
に おいて 微 細 パターンを 構
康紀特任准教授、下野僚子特任助教︶、2014年からは大学院工学
築しています。ブロック共重
系研究科の副研究科長も兼務しています。
合 体のミクロ相 分 離による
ゼオライト合成に関しては従来常識と考
ナノ構造形成はよく知られ
えられていた合成法を革新する方法の開
た 現 象 で す が、単 純 な 高 分
発にも成功し、本研究室発のベンチャー
子 ブレンドによるナノ構 造
企 業︵ユ ニ ゼ オ 株 式 会 社︶も 設 立 さ れ、
は当研 究 室の独 自 技 術によ
研究成果の社会還元も目に見えるところ
るものです。
に来ています。世界から人材を受け入れ、
斬新な結果やアイデアは、
同時に国内外の様々なグループと交流を
とことん悩み、実験を重ねて、
深めながら研究を進めている点は、設立
考 えて考 えて考 えたときに
当初からの特徴です。これをよき伝統と
し か 出 て き ま せ ん。学 生 に
して、深い専門性と広い視野を兼ね備え
は、これ を 肝 に 銘 じ な が ら、
た人材を、国内外の産学官界に引き続き
遊びも研究も全力で楽しん
輩出して行きたいと考えております。ご
でもらいたいと思っています。
指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し
上げます。
94
18
応用化学専攻
藤田研究室
14
ɤ
10
nm
私たちの研究室は、平成 年に応用化学専攻、物質応用化学講
座、有機機能化学分野として誕生しました。現在は、応用化学専
攻で唯一有機化学の教育研究を受け持っております。
研究では自己組織化や自己集合をキーワードに、生体分子から
磁性体までさまざまな素材を扱ったテーマを、過去から今日に至
るまで縦横無尽に走らせてきました。これらの研究テーマが発散
することなく、すべて共通のコンセプトでつながった﹁共 役 系﹂
をなしていることが私たちの研究の一番の売りです。1990年
に見出した正方形中空金属錯体の自己集合現象を皮切りに、架橋
有機分子と金属イオンからさまざまな中空構造体を自発的かつ自
在につくってきました。今日では、100を超える成分から
径の三次元巨大中空構造の自己集合も達成しており、さらにはそ
の内部にタンパク分子を包接することにも成功しました。最近で
は、中空錯体構造を結晶配列させた細孔性錯体を用い、一粒の微
小結晶に後から染み込んだ痕跡量化合物を、結晶化の工程を経ず
にX線結晶構造解析する﹁結晶スポンジ法﹂を開発しました。こ
の手法は、製薬企業における代謝化合物や食品メーカーの食品不
純物など、迅速な構造決定を必要とする微量成分構造解析の極め
て有効な手法として、分子が関与するさまざまな研究分野から注
目を集めています。平成 年にはJST ACCELプロジェクト
﹁自己組織化技術に立脚した革新的分子構造解析﹂を実施してお
り、私たちの自己組織化研究は、事業化までを視野にいれた実用
化研究にまで発展しました。海外からの博士
研究員も多く、いつのまにか総勢 名を超え
る国際色豊かな研究室となりました。
当研究室からは、これまでに 名以上の博
士 課 程 学 生 が 学 位 を 取 得 して 産 学 界 に 羽 ば
たきました。また、助教や講師から他大学准
教授への転出が5名、准教授から教授での転
出が1名と、スタッフの高い流動性も誇って
います。学生の学会やシンポジウムへの参加
では、毎回のように講演賞やポスター賞など
の表 彰 者が現れ、過 去には﹁連 続 回 受 賞﹂
︵誰かが何かしらの賞を受賞する︶の記録も
つくりました。研究だけでなく、多くの人材
が 共 役 系 を つ く り な が ら 育 って く れ た こ と
は、私の大きな喜びでもあります。さらなる
高みを目指して、今後もスタッフ、学生、一
丸となって頑張る所存です。ご指導とご鞭撻
のほど、よろしくお願いいたします。
40
40
16
40
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ɦ
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༸
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26
化チタン電極に外側から光を当てると、表
面からブクブクとガスが出始めました。光
エネルギーが酸化チタンに吸収されたこと
で水からの酸素発生が起こりやすくなった
ことによると考えて、光増感電解という新
しい言葉を使って学会で発表しました。次
にこの酸化チタン電極と白金電極とを組み
合わせたセルを作り、酸化チタン表面に光
を当ててみました。酸化チタン表面からは
酸素が勢いよく発生しました。また、対極
としていた白金電極の表面からは水素が発
生していることも明らかになりました。
しばらくしてこの結果を Nature
誌に発
表することができました。これが光触媒
のもとになる論文として、今でも多くの
研究者によって引用されています。例え
ば昨年2015年だけでも1500報以
上の論文で引用していただいており、そ
の多さに驚いています。
2003年まで在籍しました東大工学
部応用化学科での主な研究テーマは光機
能材料でしたが、もちろん光触媒が研究
の中心でした。東大を退官したあとに所
属しました神奈川科学技術アカデミーで
も光触媒を研究することができ、今でも
神奈川サイエンスパーク︵KSP︶の1
階には光触媒ミュージアムがあり、年間
1万人ほどの来場者があります。
6 年前から勤めております東京理科大
学では、野田キャンパスに光触媒国際研
究センターを作っていただき、研究を続
けております。そこでの研究テーマの1
つが離れたところに水を送る水道管のよ
うに、太陽光を自在に届ける〝光道管〟
の研究です。光道管の技術が完成すれ
ば、室内のいろいろなところで酸化チタ
ンによる光触媒を利用したり、太陽光発
電パネルを設置することも可能です。
いずれにしましても今も研究を楽しむ
ことができる幸せを実感しています。論
語に次の言葉があり、実感しています。
﹁之を知る者は、之を好む者に如かず。之
を好む者は、之を楽しむ者に如かず。﹂
新 た に﹁就 活 イ ン サ イ ト﹂な る ペ ー ジ
を 設 け ま し た。今 回 は 企 業 の お 二 人 に、
昨 今 の 採 用 活 動 に つ い て 思 う こ と、就 活
に挑む学生さんへのアドバイスをお願い
し ま し た。今 後 は、大 企 業 だ け で な く ベ
ン チ ャ ー 企 業 も、そ し て 研 究 所 や 海 外 な
ど、さ ま ざ ま な 就 職 / 採 用 活 動 に 光 を 当
てたいと思います。﹁ぜひ書きたい!﹂と
いう方も、事務局宛てご連絡ください。
︵立間
徹︶
●橋本
和仁 教授
東大・政策ビジョン研究センター
●吉永
淳 准教授
東洋大学生命科学部
●猪熊
泰英 講師
北海道大学・大学院工学研究院応
用化学部門・准教授
●西村
達也 助教
金沢大学・自然科学研究科・准教授
●山本
明保 助教
東京農工大学テニュアトラック推
進機構・特任准教授
●嘉副
裕 助教
東大・医学部附属病院・特任講師
●神谷
和秀 助教
大阪大学・太陽エネルギー化学研
究センター・助教
●岡本
章玄 助教
物質材料研究機構・主任研究員
●南畑
孝介 助教
九州大学・学術研究員
●上原
恵美 助 教 パリへ移住
●古舘
昌平 助 教 留学のため退職
಍
်
Ɉ
୽
温故知新
﹁研究を楽しむ﹂
ング効果で汚れが洗い流されるため、家
のメンテナンス費用や手間を大幅に減ら
すことができます。家の中でも最近は空
気清浄機やエアコンの送風にも、光触媒
技術が導入されています。ほかにも、曇
らない自動車のサイドミラーなど光触媒
は多岐にわたる産業分野で応用されてい
藤
嶋
昭
て、その市場は1、000億円規模とも
︵昭和 年工学部 工 業 化 学 科 博 士 課 程 修 了 ︶
いわれています。
さてこのような光触媒ですが、私との
関係についての思い出として、紹介して
みます。
1966年私は、東京大学大学院で写
真化学、光化学の研究を進めていた菊池
真一先生の研究室に入りました。菊池研
において、光電気化学に興味をもってお
られた本多健一先生のもとで研究するこ
とになり、様々な半導体を水の中に入れ
て光を当てたときの反応を調べることに
なりました。私は、写真に使われるハロ
ゲン化銀などを電極にして、そこに光を
当てる実験を重ねましたが、なかなかう
まくいかず行き詰ってしまいました。
そんな中、隣の研究室でコピー機など
の基礎研究をしていた博士課程の飯田武
揚さんが酸化チタンという物質を調べて
いることを知って、飯田さんから酸化チ
タンの単結晶を作っている製造元を教え
てもらい、その会社の社長をされていた
中住譲秀さんに直接手紙を書きました。
そして幸運にも酸化チタンの単結晶を入
手することができました。1967年春
のことです。
硬い単結晶を1∼2ミリメートルの厚さ
の円板状にカットするために、東大の物性
研究所の試料作成室に頼みこんでダイヤモ
ンドカッターを使わせてもらいました。な
んとか電極が出来上がりましたので、酸化
チタン単結晶電極の電気化学的特性を調べ
ることにしました。水溶液の中に入れた酸
50
光の力で細菌や
汚れを取り除き、
防臭などの効果が
あることで知られ
る光触媒。その発
見から 年近くが
経ったいま、光触
媒は環境やエネルギー問題の有効な解決
策として、多くの期待を集めるように
なってきています。
船の帆をイメージした真っ白なテント
屋根に覆われた東京駅八重洲口の商業施
設 グ ラ ン ル ー フ 。 開 業 か ら3 年 近 く 経 っ
たいまも、その屋根は黒ずむことなく、
白さを保ったままです。その輝く白さを
支えているのは、酸化チタンを用いた光
触媒の技術です。
光を当てた酸化チタンが物質を分解す
る機能は﹁酸化分解力﹂とよばれ、悪臭
や汚れ、細菌などを分解する働きがあり
ます。さらに、光を当てると、酸化チタ
ン上の水が薄い膜状に広がる﹁超親水
性﹂によって、汚れを剥がすように洗い
流す﹁セルフクリーニング効果﹂が発揮
されます。
酸化チタンによる光触媒の技術は、す
でに身のまわりのさまざまな製品に使わ
れています。その一例が住宅の外装材で
す。光触媒コーティングが施された外壁
や窓ガラスは、太陽光で汚れが自然と分
解され、雨が降るたびにセルフクリーニ
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