平成28年度版『なくそう差別 築こう明るい社会』の活用(その①

人権同和教育情報
平成28年度版『なくそう差別 築こう明るい社会』の活用(その①)
~チューリップへの思いと人権尊重の視点に立った授業づくり~
人権同和教育課
なぜ,表紙は「チューリップ」なのか?
童謡「チューリップ」の歌詞を覚えていますか?
最後の小節に注目してみると,1番が「どのはな
みてもきれいだな」,2番が「どのはなみてもか
わいいな」,3番が「チョウチョとはなとあそん
でる」です。これを子供に置き換えると「どの子
供もきれいに(=キラリ)輝いている」,「どの子
供もかわいい」,「どの子供も
他の子供と仲良く遊んでいる」
ことを意味していると言えま
す。つまり,この歌は子供た
ちのあるべき姿を表している
の で は な い で し ょ う か 。「 自
分を大切にし,他の人を大切
にする」ことをイメージしな
が ら ,「 チ ュ ー リ ッ プ 」 を 聴
いてみてください。
人権尊重の視点に立った授業づくりとは?
『なくそう差別 築こう明るい社会』の4ペー
ジでは,「人権尊重の視点に立った授業づくりイ
メージ図」を紹介しています。では,実際にどの
ような視点を持って授業に臨めばよいのでしょう
か。
まずは,次の4つの視点に着目します。
1 授業において気になる児童生徒のつまずきの
背景にどんな課題があるのか。
2 その児童生徒に対し,少しでも学習の内容が
定着するためにはどうしたらよいか。
3 その児童生徒が意欲的に授業に臨むため,他
の児童生徒の関わりはどうしたらよいか。
4 高め合う人間関係づくりとともに,授業の工
夫・改善を進めているか。
次に,具体的なチェックポイントを紹介します。
【授業前は】
□ 学習面で気になる児童生徒の状況が把握でき
ており,授業で何をどこまでできるようにする
かが明確か。
□ 人間関係で気になる児童生徒と,他の児童生
徒との人間関係について課題等を把握できてい
るか。
□ 学級における児童生徒同士の関係を基盤に,
一人一人の児童生徒の学習活動を活発にするた
めの工夫を考えているか。
【授業においては】
□ 学習面で気になる児童生徒は,その課題(何
がどのようにできないのか)を解決するための
学習活動がなされているか。
□ 理解度や定着度の遅い児童生徒に対し,周り
の児童生徒からのサポートがなされているか。
□ ペアワークやグループワーク等,対人面で気
になる児童生徒が,他の児童生徒と互いに関わ
りやすい活動の方法が設定されているか。
□ 他者をサポートしたり,一緒に活動したりす
る時間は確保できているか。
□ 誤りや間違いを言った児童生徒に対して,温
かく見守る学級の雰囲気ができているか。
□ 誤りや間違いをそのままにせず,互いの思い
を伝え合える活動の場が設定できているか。
人権尊重の視点に立った授業づくりには,「分
からないことが分からないと言える」学級の雰囲
気づくりが大切です。授業者が「教職員の姿勢が
人権教育の環境そのもの」であることを自覚し,
気になる児童生徒を「見つめ」「思いをめぐらし」
「向き合う」の基本姿勢
で授業を展開するよう努
めることによって,人権
教育はより日常的なもの
となります。一人一人を
真に大切にする授業づく
りを通して,学習活動の
充実を図るとともに,伸
び合う人間関係を育んで
いきましょう。