平成 28 年 6 月 国 税 庁 「『移転価格事務運営要領』の一部改正について(事務運営指針)」及び「『連結法人に 係る移転価格事務運営要領』の一部改正について(事務運営指針)」の概要 平成 28 年度税制改正により移転価格税制に係る文書化制度の整備が行われたこと等に伴い、 「移 転価格事務運営要領」 (事務運営指針)及び「連結法人に係る移転価格事務運営要領」 (事務運営指 針)を改正しました。主な改正内容は、次のとおりです。 ○ 主な改正内容 (1) 国別報告事項の適切な使用(事務運営指針2-1 新設) BEPS報告書において、国別報告事項の使用に当たっては、「守秘」、「整合性」、「適切 な使用」の3条件を遵守することが示されています。このうち「適切な使用」では、国別報 告事項を移転価格リスク評価、その他BEPS関連リスク及び統計分析にのみ使用し、課税 の根拠に使用することを禁じているため、国別報告事項を使用するに当たっての留意事項と して明記しました。 (2) 国別報告事項及び事業概況報告事項の訂正等(事務運営指針2-2 新設) 上記国別報告事項の使用に当たっての3条件の「守秘」遵守の観点から、国別報告事項及 び事業概況報告事項の内容に誤り又は不備がある場合には、各報告事項を提供した者に訂正 又は補正を求めること(提供した者以外には求めないこと)を明確化しました。 (3) 国別報告事項に相当する情報に誤り等がある場合(事務運営指針2-3 新設) BEPS報告書において、外国から提供される国別報告事項に相当する情報が不完全の場 合、適格当局間合意により、提供した外国税務当局にその旨の通知を行い、是正を求めるこ ととされているため、その取扱いを明確化しました。 (4) ローカルファイル(事務運営指針2-4 新設) ①ローカルファイルを作成するための情報入手のタイミング、②国外関連者が作成したロ ーカルファイルを法人のローカルファイルとする場合において両者の決算期のずれから生 ずる差異の調整は不要であること、③調査において独立企業間価格の検討を行うことなく比 較対象取引の財務情報の更新を求めないことを明記しました。
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