報告書 - 国立大学法人 北海道教育大学

別紙様式1
平成27年度学術研究推進経費 共同研究推進経費
プロジェクトの名称
報告者氏名・所属・職名
プロジェクト担当者
(氏名・所属・職)
研究成果概要報 告 書
教育・福祉専門機関との互恵的パートナーシップによる大学院カリキュラム
開発
~大学院生・専門機関教職員・大学教員のトライアングルによる
PD(プロフェッショナル・ディベロップメント)の推進~
庄井良信 ・ 大学院学校臨床心理専攻 ・教授(専攻長)
庄井良信 ・学校臨床心理専攻長・教授
森 範行 ・学校臨床心理専攻・特任教授
植木克美 ・学校臨床心理専攻・教授
佐藤由佳利・学校臨床心理専攻・教授
宮原順寛 ・学校臨床心理専攻・准教授
塩見啓一 ・札幌学院大学・教授・本学非常勤講師
木村宣孝 ・北海道立特別支援教育センター・所長
上村喜明 ・北海道立特別支援教育センター・教育課長
佐田利典 ・札幌市教育センター・教育相談担当課長
松野毅彦 ・北海道札幌養護学校・校長
日向正明 ・北海道札幌養護学校・副校長
跡部敏之 ・学校法人国際学園星槎国際高等学校・相談役
佐藤尚正 ・学校法人国際学園星槎国際高等学校・校長
牧野秀昭 ・学校法人国際学園星槎国際高等学校・教頭
北川聡子 ・社会福祉法人麦の子会・総合施設長
古家好恵 ・社会福祉法人麦の子会・統括部長
研究内容及び成果の概要
【研究内容】
この研究プロジェクトでは,本学大学院学校臨床心理専攻の教育研究活動を通して培ってきた教育・
福祉専門機関との互恵的パートナーシップを基にして,大学と教育関係機関,そして現職教師・発達援助
職とそれらの職を目指す大学院生が,教育現場の諸課題にアプローチするためにそれぞれの価値を交流さ
せ新たな知を創造する大学院カリキュラム開発に取り組んでいます。そして,三者(大学院生・専門機関
教職員・大学教員)の専門性開発:PD(Professional Development)に取り組むことを長期的目標として
います。その一環として,この研究プロジェクトでは,本専攻の中核科目である実地研究の授業内容方法
を改善し向上させるための組織的な取組を展開しています。
学校教育現場を取り巻く環境は,今,大きく変化しています。それに対応する,現職教師・発達援助職
に求められる専門性も高度化・多様化しています。教育現場の事象は,複雑さと不安定さをもち,それに
アプローチするには価値の葛藤を避けがたく関係性の網の目を読み取っていかなければなりません。その
事象を紐解き,事象に迫っていくために,協働的な省察を促すカンファレンス実習,新たな知を生成する
ワークショップ型実習等を組み入れ,現職教師・発達援助職とそれらの職を目指す大学院生の専門性開発
を目指す授業改善研究を行います。そして,教育,福祉を横断した学びを志向しながら,振り返り的省察
及び見通し的省察を活性化させ,状況と実践の中で知の創造を図るための授業改善を進めることで,専門
機関教職員と大学教員の専門性開発を駆動させる大学院教育の創造を目指しています。
◆互恵的パートナーシップを結んでいる機関は,次の5つです◆
北海道立特別支援教育センター
札幌市教育センター
北海道札幌養護学校
学校法人 国際学園 星槎国際高等学校
社会福祉法人麦の子会 児童発達支援センター
図 研究プロジェクトの枠組み
◆研究プロジェクトにおいて,具体的に次の2点に取り組んでいます◆
1.実地研究科目「学校カウンセリング実地研究」において,授業改善を行いました。
①カンファレンス実習(大学院生×高等学校教員×大学教員)
②ワークショップ型実習(大学院生×教育相談機関×大学教員)
③ライフストーリー手法による世代間学習
(大学院生×高等学校教員×大学教員)
2.パートナーシップ機関へのアンケート調査を実施するとともに受講生レポートを検討し,授業改善
の成果を検証していきます。そして,大学院生・専門機関教職員・大学教員の三者による授業改善を
それぞれの専門性開発の観点から検討を進めています。
【成果の概要】
パートナーシップ機関へのアンケート調査より,成果として以下のことをあげることができます。まず,
この研究プロジェクトの意義がパートナーシップ機関により再認識されています。そして,プロジェクト
遂行の過程を通して教育臨床的な意味での「新しい気づき」,すなわち新しい知の創造が機関と大学院生
の双方にあったと認識されています。さらに,教育実践経験が豊かな現職教員等の大学院生とのかかわり
が,福祉の現場の職員の視野を広げる機会となったこと,悩みを共有して,問題解決の糸口を見いだした
事もあったとの回答が寄せられています。
課題としては,次のことがあげられています。まず,専門機関教職員のキャリアアップや,学校や市民
等へ還元されるもの(メリット)等に直結する関係性が求められています。そして,変化を続ける教育現
場の実情・ニーズに対応可能な柔軟性・実効性のある,より具現性の高いアプローチが可能となるよう
専門性を高められるカリキュラム開発が更に進むことが期待されています。そしてまた,このプロジェク
ト研究には地域コミュニティを豊かなものとするための専門性の開発であると共に,子どもたちの未来の
ために,教育・福祉の連携を図り,共に学び合い,専門性開発研究が進められる事が望まれています。
当該研究で残された課題と今後の展望
互恵的パートナーシップをさらに進展させるとともに,授業改善及び専門性の成果検証を進めていく
必要があります。授業ふりかえりツールとしてICTを活用することで大学院授業におけるパフォーマンス
評価研究に着手できると考えます。
成果の公表の状況
【報告書】
プロジェクト代表 学校臨床心理専攻長 庄井良信
『平成27年度学長戦略経費共同研究推進経費研究プロジェクト教育・福祉専門機関との互恵的パートナー
シップによる大学院カリキュラム開発~大学院生・専門機関教職員・大学教員のトライアングルによる
PD(プロフェッショナル・ディベロップメント)の推進~』,2016年,37頁
教育現場で活用可能な分野等
教員養成系大学院教育における教育・福祉専門機関との互恵的パートナーシップによる授業改善及び大
学教員,専門機関教職員の専門性開発に寄与し得ると考えます。
配布又はダウンロ
ード可能な資料
問い合わせ先
代表者:庄井良信
電 話:011-778-0661
FAX :011-778-0661
mail :[email protected]