基本情報技術概論 (第3回) 演算 と 論理回路 埼玉大学 理工学研究科 堀山 貴史 1 前回までの復習 例) 数値の表現方法 整数 符号なし整数 符号付き整数 絶対値表現 1の補数 2の補数 0 0 0 1 1 0 0 1 1 9 1 1 1 -1 -6 -7 最上位ビットを 符号として使う 注意: 4ビット、2の補数表現で、-10 は? 10 1 0 1 0 1の補数 0 1 0 1 +1 0 1 1 0 表せない (4ビットで表現できるのは、-8 ~ 7) 2 前回までの復習 (2) 数値の表現方法 文字の表現方法 ASC I I コード など ← 今回やります (前回の資料参照) 1000001 … A 演算 四則演算 (+, -, ×, ÷) 1 0100 + 0110 1 01 0 10進法での筆算と同じようにできる 2進数では、0, 1 を操作すれば実現できる 3 論理演算 4 論理演算 2進数の四則演算 (+, -, ×, ÷) は、 0, 1 を操作すれば実現できる 与えられた 0, 1 (入力) から、 計算結果の 0, 1 (出力) を得る仕組みを作ろう! 例) NOT : 入力の否定 (0,1 を反転させる) 入力 A 出力 f A f 0 1 1 0 (真理値表) 5 論理演算 NOT (否定) AND (論理積) OR (論理和) XOR (排他的 論理和) 回路記号 A A B A B A B f 真理値表 A 0 1 f 1 0 B 0 1 0 1 f f A 0 0 1 1 B 0 1 0 1 f f A 0 0 1 1 B 0 1 0 1 f f A 0 0 1 1 0 0 0 1 0 1 1 1 0 1 1 0 論理式 f = A f =¬A f = A・B f = A∧B f = A+B f = A∨B f = A+B 6 論理演算: NAND 論理演算 NOT (否定) AND (論理積) NAND 回路記号 A A B A B f 真理値表 A 0 1 f 1 0 B 0 1 0 1 f f A 0 0 1 1 B 0 1 0 1 f f A 0 0 1 1 0 0 0 1 1 1 1 0 論理式 f = A f =¬A f = A・B f = A∧B f = A・B f = A∧B 7 論理演算: NOR 論理演算 NOT (否定) OR (論理和) NOR 回路記号 A A B A B f 真理値表 A 0 1 f 1 0 B 0 1 0 1 f f A 0 0 1 1 B 0 1 0 1 f f A 0 0 1 1 0 1 1 1 1 0 0 0 論理式 f = A f =¬A f = A+B f = A∨B f = A+B f = A∨B 8 練習: ビット演算 各ビットごとに、指示された論理演算を行う 1 1 0 0 1 1 0 0 0 0 1 1 0 0 1 1 AND 0 0 0 0 1 1 1 1 AND 0 0 0 0 1 1 1 1 AND 0 0 0 0 1 1 1 1 マスク演算 (この部分は演算結果が必ず 0 になる) 9 練習: ビット演算 1 1 0 0 1 1 0 0 OR 0 0 0 0 1 1 1 1 OR 0 0 1 1 0 0 1 1 OR 0 0 0 0 1 1 1 1 0 0 0 0 1 1 1 1 マスク演算 (この部分は演算結果が必ず 1 になる) 10 練習: ビット演算 1 1 0 0 1 1 0 0 0 0 1 1 0 0 1 1 XOR 0 0 0 0 1 1 1 1 XOR 0 0 1 1 0 0 1 1 XOR 0 0 0 0 1 1 1 1 ビット反転 (この部分はビットが反転する) 0クリア (同じものの XOR は、全ビット 0 になる) 11 論理回路 12 論理回路 2進数の四則演算 (+, -, ×, ÷) は、 0, 1 を操作すれば実現できる 論理素子 (NOT, AND, OR, …) 0, 1 の入力 から、0, 1 の出力 を得る仕組み 論理回路 論理素子を用いて、論理演算を実現する 組合せ回路と順序回路に分類できる 13 組合せ回路 ________________ 現在の入力のみから出力が決められる回路 ________________ 例) 半加算器 (half adder) … 入力 A, B を 加算 し、 その桁の和 (Sum) S と 桁上げ (Carry) C を 出力 1 01 + 11 0 入力 出力 A B C S 0 0 1 1 0 0 0 1 0 1 0 1 0 1 1 0 A B C S 14 例) 全加算器 (full adder) 入力された A, B, C in を 加算し、 その桁の和 S と 桁上げ Cout を 出力 入力 出力 A B Cin Cout S 0 0 0 0 1 1 1 1 0 0 1 1 0 0 1 1 0 1 0 1 0 1 0 1 11 01 + 11 00 0 0 0 1 0 1 1 1 0 1 1 0 1 0 0 1 A Cout B Cin S 15 例) 加算器 1 1 11 0101 + 1111 0 100 C3 S3 C2 S2 C1 S1 C0 S0 全加算器 全加算器 全加算器 半加算器 A3 B3 A2 B2 A1 B1 A0 B0 16 論理回路 と 論理式 次の論理回路と論理式は等価? X C Y S Z S = X + Y + Z C = X・Y + Y・Z + Z・X 真理値表で確かめる X 0 0 0 0 1 1 1 1 Y 0 0 1 1 0 0 1 1 Z 0 1 0 1 0 1 0 1 C 0 0 0 1 0 1 1 1 S 0 1 1 0 1 0 0 1 X 0 0 0 0 1 1 1 1 Y 0 0 1 1 0 0 1 1 Z 0 1 0 1 0 1 0 1 C 0 0 0 1 0 1 1 1 S 0 1 1 0 1 0 0 1 17 カルノー図 参考: 論理回路の設計に利用する X 0 0 0 0 1 1 1 1 真理値表 カルノー図 XY Z Y 0 0 1 1 0 0 1 1 Z 0 1 0 1 0 1 0 1 C 0 0 0 1 0 1 1 1 S 0 1 1 0 1 0 0 1 論理回路 X C Y Z 論理式 00 01 11 10 0 0 0 1 0 1 0 1 1 1 C = X・Y + Y・Z + Z・X 18 練習: 組合せ回路 (H17年度 秋) X OR Y を、NAND だけを使って表した論理式は どれか ア. ((X NAND Y) NAND X) NAND Y イ. (X NAND X) NAND (Y NAND Y) ウ. (X NAND Y) NAND (X NAND Y) エ. X NAND (Y NAND (X NAND Y)) 19 順序回路 ________________ 記憶を保持することができる 記憶 (内部状態) と 現在の入力から 出力が決められる回路 ________________ 論理素子がループしている部分がある 例) フリップフロップ (S R フリップ フロップなど) カウンタ 20 例) S R フリップ フロップ S R Qn Qn 入力 内部 状態 出力 S R Qn-1 Qn 0 0 0 0 0 1 0 1 内部状態 保持 0 1 0 1 0 1 0 0 リセット 1 0 1 0 0 1 1 1 セット 1 1 1 1 0 1 - - 禁止 入力 21 例) S R フリップ フロップ S R 1 0 1 0 0 1 0 1 Qn Qn 入力 内部 状態 出力 S R Qn-1 Qn 0 0 0 0 0 1 0 1 内部状態 保持 0 1 0 1 0 1 0 0 リセット 1 0 1 0 0 1 1 1 セット 1 1 1 1 0 1 - - 禁止 入力 22 23 練習: ビット演算 各ビットごとに、指示された論理演算を行う 1 1 0 0 1 1 0 0 0 0 1 1 0 0 1 1 AND 0 0 0 0 1 1 1 1 AND 0 0 0 0 1 1 1 1 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 AND 0 0 0 0 1 1 1 1 マスク演算 (この部分は演算結果が必ず 0 になる) 24 練習: ビット演算 1 1 0 0 1 1 0 0 OR 0 0 0 0 1 1 1 1 0 0 1 1 0 0 1 1 OR 1 1 0 0 1 1 1 1 OR 0 0 0 0 1 1 1 1 0 0 1 1 1 1 1 1 0 0 0 0 1 1 1 1 マスク演算 (この部分は演算結果が必ず 1 になる) 25 練習: ビット演算 1 1 0 0 1 1 0 0 0 0 1 1 0 0 1 1 XOR 0 0 0 0 1 1 1 1 XOR 0 0 1 1 0 0 1 1 1 1 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 XOR 0 0 0 0 1 1 1 1 ビット反転 (この部分はビットが反転する) 0クリア (同じものの XOR は、全ビット 0 になる) 26 27 28 この教材のご利用について この文面は、TOKYO TECH OCW の利用 条件を参考にしました この教材は、以下に示す利用条件の下で、著作権者にわざわざ許諾を 求めることなく、無償で自由にご利用いただけます。講義、自主学習は もちろん、翻訳、改変、再配布等を含めて自由にご利用ください。 非商業利用に限定 この教材は、翻訳や改変等を加えたものも含めて、著作権者の許 諾を受けずに商業目的で利用することは、許可されていません。 著作権の帰属 この教材および教材中の図の著作権は、次ページ以降に示す著 作者に帰属します。この教材、または翻訳や改変等を加えたもの を公開される場合には、「本教材 (or 本資料) は http://www.al.ics. saitama-u.ac.jp/horiyama/OCW/ の教材です (or 教材を改変した ものです」 との旨の著作権表示を明確に実施してください。なお、 この教材に改変等を加えたものの著作権は、次ページ以降に示す 著作者および改変等を加えた方に帰属します。 同一条件での頒布・再頒布 この教材、または翻訳や改変等を加えたものを頒布・再頒布する 場合には、頒布・再頒布の形態を問わず、このページの利用条件 29 に準拠して無償で自由に利用できるようにしてください。 この教材のご利用について 配布場所 http://www.al.ics.saitama-u.ac.jp/horiyama/OCW/ この powerpoint ファイルの著作者 堀山 貴史 2007-2010 [email protected] 改変等を加えられた場合は、お名前等を追加してください 図の著作者 p. 5, 9, 10, 11, 21, 22, 24, 25, 26 クリップアート : Microsoft Office Online / クリップアート その他 堀山 貴史 30
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