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N=1*行列模型と
2次元Yang-Mills理論の間の関係
伊敷 吾郎 (大阪大学・KEK)
arXiv:0711.4235[hep-th]
arXiv:08**.****[hep-th] in preparation
共同研究者
島崎信二氏(大阪大学)・太田和俊氏(東北大学)・土屋麻人氏(静岡大学)
超弦理論の非摂動的な定義として
提唱されている行列模型
IIB matrix model
BFSS Matrix model
Matrix string theory
[Ishibashi-Kawai-Kitazawa-Tsuchiya]
[Banks-Fischler-Shenker-Susskind]
[Dijkgraaf-Verlinde-Verlinde]
:fields
Nontrivial cycles
?
:matrices
Wilson loops
曲った時空上の理論
行列模型
曲った時空や、その上の位相不変量を、行列模型で記述できるのか?
多くの種類の多様体が行列模型で実現され得る
S3の行列模型による実現
[cf. Hanada-Kawai-Kimura]
[GI-Shimasaki-Takayama-Tsuchiya]
[Kaneko-Kitazawa-Matsumoto]
N=4 SYM on R×S3
Matrix T-duality/Large N reduction
SYM on R×S2
Commutative limit of fuzzy sphere
Plane wave
matrix model
古典的な作用の等価性
[GI-Shimasaki-Takayama-Tsuchiya]
1-loop レベルでの等価性
[Ishii-GI-Shimasaki-Tsuchiya] (島崎氏の講演参照)
2-loop, 3-loop, ‥‥ , 数値計算
本講演の主題
⇒ 位相的な場の理論の行列模型による実現
古典的な等価性 [Ishii-GI-Ohta-Shimasaki-Tsuchiya]
Chern-Simons
theory on S3
Matrix T-duality/ Large N reduction
BF theory on S2
(2d YM on S2)
Continuum limit of fuzzy sphere
我々の示したこと
N=1* 行列模型
2dYMの分配関数は、N=1*行列模型の
分配関数の連続極限として得られる
経路積分をExactに実行できる
⇒ 非摂動的な等価性の検証
N=1*行列模型によってBFやCS
の位相不変量を再現できるのか?
⇒ 行列模型による
位相不変量の記述
我々の得た結果
N=1* matrix model
BF+mass term (2 dim YM) on S2
N=1*行列模型の分配関数を fuzzy sphere 解の周りで求め、
これが Minahan-Polychronakos によって得られたBFの分配関数と
連続極限で一致することを確かめた。
計算の方法
(1) Fuzzy sphere 解の周りの理論
(2) 行列模型におけるモノポールの導入
(3) 経路積分の実行
(4) 連続極限をとる
計算過程(1) : fuzzy sphere background
運動方程式
S2上のBF理論を再現するために、次のbackground周りの理論を考える。
:SU(2)生成子の表現行列 (fuzzy sphere)
目標の式は
S2上のモノポール磁荷についての足し上げ
行列模型においても、モノポールを構成する必要がある。
計算過程(2) : 行列模型におけるモノポール
Background として以下のような表現を考える。
角運動量のカットオフ
モノポール磁荷
S2上の局所切断の基底
(monopole harmonics)
長方形行列の基底
(fuzzy spherical harmonics)
[Grosse-Klimcik-Presnajder,
Baez-Balachandran-Ydri-Vaidya,
Dasgupta-SheikhJabbari-Raamsdonk,]
map
[Wu-Yang]
可約表現を考えることで、モノポール配位が実現される。
計算過程(3) : 経路積分の実行
連続極限での Blau-Tompson らの分配関数の計算と同様の方法で行われる。
全ての場は、作用において高々二次 ⇒ 積分可能
Fuzzy sphere 解周りの理論
と場を再定義すると、
[ⅰ] 行列をfuzzy spherical harmonics で展開する。
[ⅱ]
を対角化するゲージをとる。
[ⅲ]
について積分する。
対角ゲージを取った際の
ゴーストの積分からくる因子
の積分からくる因子
計算過程(4) : 連続極限
と再定義
N=1* 行列模型の分配関数から、二次元YM の分配関数を再現された
まとめ
◆ N=1*行列模型の分配関数を fuzzy sphere 解の周りで求め、
これが連続極限でS2上のYM理論の分配関数に帰着することを示した。
展望
◆ Localization を用いた分配関数の導出
◆ 2DYM の演算子の期待値を行列模型から導出
◆ Matrix T-duality/Large N reductionを用いれば、
S3(/Zk) 上の Chern-Simons 理論を行列模型から構成することができる。
CS の記述する位相不変量が行列模型から導けるかどうか。
N=1*行列模型における Wilson loop 演算子
[Ishii-GI-Ohta-Shimasaki-Tsuchiya]
行列模型におけるウィルソンループ
[Ishii-GI-Shimasaki-Ohta-Tsuchiya]
非可換平面上のWilson loop 演算子
[Ishibashi-Iso-Kawai-Kitazawa]
我々は連続極限で S3 上のウィルソンループ演算子に帰着する演算子を
行列模型において構成した。
(commutative limit)
この演算子の期待値を求めることで、行列模型が位相不変量を再現
するかどうかを確かめることができる。