H.21年介護力向上講習会に参加前と比較して

自立支援ケアのまとめ
勉強会の目的
1.基本ケア(水分・食事・排泄)の基礎的な知識
やその効果・影響を皆で復習し、運動(歩行訓練
を中心に)について理解を深める。
2.その知識からご利用者さんの可能性を見出し
ていけるようなケアを考えるきっかけを得る。
水分の基礎知識
~介護は水に始まり、水に終わる~
水は生きていくうえで欠かせないもの
水は 命の元! 人間の体の 60 %は水分!
(高齢者は 50 %!)
高齢者は脱水になりやすい!
質問
体から出ていく水分
体に入る水分
=
(1日当たり)
(1日当たり)
尿 1500 ml.
肺、皮膚 800 ml.
便
300 ml.
計 2500 ml.
①約1500ml.
上から 800ml
600ml
100ml
飲水
1500 ml.
食物中の水分 800 ml.
代謝産物 300 ml.
計 2500 ml.
②約2000ml.
③約2500ml.
上から 1100ml
700ml
200ml
上から 1500ml
800ml
300ml
水分の出入り
入る水
出る水
1日1500ml摂取して、やっとバランスが取れ
水分不足が体に及ぼす影響
• 水分2~3%喪失(約700ml.)
⇒体温上昇、循環器に影響が出現
•
5%喪失 (約1250ml.)
⇒運動能力、特に持久力低下
•
7%喪失 (約1750ml.)
⇒幻覚出現
•
10%喪失(約2500ml.)
⇒意識消失 → 死亡
※水分不足は身体機能に即打撃を与える!意識障害や認知障害
を引き起こすだけでなく、脱水は死亡に至る要因ともなりうる!
※汗かきの人は更に大量の水分を失う!
座位の医学・生理学
~覚醒水準と座位~
座る=目が覚める ・・・覚醒水準
人が最も目が覚める状態(姿勢)は?
上行性脳幹網様体賦活系(脳の目覚まし)
姿勢の保持=筋肉の活動が必要
「活動した筋肉の量が多いほど目が覚める!」
姿勢と覚醒水準
臥位 ⇒ 全身の筋肉の活動が低下
(リラックス・安静)
座位 ⇒ 骨盤から上の筋肉が活動アップ
立位 ⇒ 全身の筋肉の活動がアップ
脳の覚醒水準がアップ=認知機能・排泄機能
排泄と座位
前頭葉の役割
「トイレかどうか?
という状況判断と
準備行動を行って
いる間に、排泄を
我慢しておく働き」
おむつ性失禁
排泄と座位~腹圧のメカニズム~
排泄と座位~腹圧のメカニズム~
直腸ー肛門角
臥位姿勢
座位姿勢
座ることはとても大切!
排泄の姿勢チェックポイント
前傾姿勢
足底の接地
前傾姿勢の効果
• 前屈による下肢への重心移動
腹圧がかけやすく、りきみやすい
※下肢の接地は必須(前屈しても踏ん張れないため)
着かなければ、足台を敷くなどの工夫が必要
・肛門の周囲が突出
肛門周囲の筋や皮膚が引っ張られ、便が出やすい
・直腸ー肛門角が鈍角になる
座位を見るポイント
大原則
1.良い姿勢とは・・・目的に応じ変わるもの!
2.骨盤・股関節・膝関節・足関節・体幹・頭頸部
※必ず足底(足の裏)を地面に付けることが大切!
3.前後・左右・のバランス
4.腕・肘の位置・膝の高さ・足関節の角度
アソカ園の現状
◎H.21年介護力向上講習会に参加前と比較して・・・
・入所者の平均水分量は600cc⇒1500cc
・オムツ使用率は58%(50人中29人)⇒2%(50人中1人)
・入院者の減少
⇒現在は0%
・下剤使用者の減少
・入所者の活動量増加
より利用者さんの楽しみ、喜びを増やすために今後介
護力の向上として力を入れていきたい取り組みは・・・
ADLの基礎
排泄
食事
入浴
洗面
歩行
・・・
家事
歩行の学習理論
人はすべての動作を学習によって獲得し、使用しな
ければ動作能力は失われる(動作方法を忘れる)
※下肢筋力の低下が歩行能力を奪うとの誤った
訴え。つまりは、人は歩き方を忘れるため歩けなく
なるということ!!
そのために・・・
反復実行によるパフォーマンスの向上=学習効果
歩行能力の再獲得
◎歩ければADL・IADL自立
◎要介護4までは全員歩行可
要介護5はその施設のケア力
利用者の状態、レベルに応じた歩行訓練実
施が必要!!
まとめ
• 日々歩くことで達成感や自信を持っていただ
く。
• 褒められる嬉しさ、応援される喜びを感じてい
ただく。