空気シャワーから放射されるマイクロ波の探索⑨ 甲南大学 山本常夏、大田泉、秋宗秀俊、猪目祐介、 阪市大理 荻尾彰一、 名大STE さこ隆志、 東大宇宙線研 池田大輔、佐川宏行、福島正己 KEK 芝田達伸 U of Utah John N. Matthews • 大気分子制動輻射によるマイクロ波放射 • 測定装置・キャリブレーション • 2013年3月の観測結果、今後の予定 ’14.09.20 物理学会・佐賀大 分子制動輻射による マイクロ波等方放射 高エネルギー宇宙線は大気と相互作用を起こし 電磁カスケードを形成 大量の高エネルギーニ次電子を生成 大気蛍光 分子制動 輻射 大気分子 を励起 大気分子 を電離 ニ次電子がエネルギーを 失いながら地上に降り注ぐ 開発した検出器を Telescope Array 観測所に持っていき、 電子加速器(ELS)による人口空気シャワーを測定した。 2013年3月に40MeVの電子を100pC (6.3x108個) 放出。 パルス幅は20ns 1018eVの空気シャワー最大発達に相当 観測システム パラボラアンテナ 日本アンテナ社製CS-S120K 1.2m口径通信衛星用アンテナ 受信機 12.5GHz 0.5GHz帯域 日本アンテナFOC-ASJ5 検波器 R&K CDE1500-KU 電波強度を測定 パラボラ アンテナ キャリブレーション@METLAB • ネットワークアナライザーから フィードホーンに高周波を入力し、 パラボラで反射させる。パラボラ の近くの電場を測定。それを無限 遠まで外挿して計算。 • アンテナ利得は42.7dBで、カタロ グ値42.1dBと一致。 • ビーム幅は1.4度となり、計算値と 一致。 Down Converter キャリブレーション @METLAB • 高周波はケーブル伝送で減衰するため、Down Converterで周波数を落として伝送する。Down Converterには11.5GHzの発振器が内蔵されて いて、それと検出した高周波を干渉させて周波 数を落とす。この時検出された信号が増幅さ れる。 • カタログ値:12.5GHz, 0.5GHz帯域、 54±6 dB • 測定値は12.5GHzで52dBでありカタログ値と一 致した End to End calibration 測定されたパラボラ利得は42.7dB カタログ値(42.1dB)と一致。 アンテナ効率は0.66 ビーム角は1.4度 Down Converterの利得は52.2dB 帯域は0.8GHz (カタログ値 54±6dB 0.5 GHz) ブースター+検波器で信号をDC変 換している。右図は測定された変 換関数 信号の例 • 垂直・水平の2偏波を測 定している。制動輻射 は無偏波。 • 検波器の出力を20μ秒 間オシロスコープで測 定。11.4μ秒付近に 26ns幅のネガティブパ ルスが期待される • 縦横方向の偏波を測定 しているが、いずれも有 意な検出はない 電子ビームから88m離れた望遠鏡の周りの信号強度 1797個の測定データから平均値を求めた。 11.31μ秒のところにポジティブ信号が期待されるが、有意な信号は見られない 垂直偏波のほうが少しノイズレベルが高いので、垂直偏波のノイズレベルから、電子ビー ムからのマイクロ波強度に上弦をつける 垂直偏波 0.026μs幅のポジティブ 信号が期待される 水平偏波 結果 得られた上限値(95%CL)を先行する研究(P.W.Gorham et al., Phys. Rev. D 78, 2008) と比較すると、 測定帯域等が違うので直接比較できないが、 同じくらいの感度の実験になっている • Gorham等の測定は 電子ビームのそばで測定しているため、ノイ ズが大きく 検出された信号の信頼性に問題があったが、パラボ ラを使った測定ではその心配が少ない • 今年の11月にもう一度TAサイトに行き測定をやり直す予定 甲南大学の屋上に1×1m2×0.1mの シンチレータ検出器を16台設置した。 この空気シャワーアレイを使い、空気シャワーからの 電波について、前方放射を含めて測定する予定
© Copyright 2024 ExpyDoc