(15)-1 金融仲介とガバナンス 証券市場論前期(3)+財務管理論前期(2)の一部 (15)-2 会計情報のゆがみと粉飾 財務管理論前期第2回および第3回を削除加筆 To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 1 赤字単位と黒字単位 金融とは黒字から赤字にどの ように資金が流れるか 間接金融 indirect finance 金融仲介機関 financial intermediaries 間接証券 indirect securities 直接金融 direct finance 本源的証券 primary securities To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 2 金融仲介機関の存在理由を説明する学説 その説明は近年、情報の非対称性を軸にしたものに 変わった。 金融構造の複雑化は、この議論では仲介機関の多層 化layeringとしてとらえられる。 規制されていない金融機関(shadow banking)の肥 大が社会問題化している。 To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 3 金融システムの評価軸は2つある 資金を効率的に流す仕組みとしての評価 企業ガバナンスの仕組みとしての評価 ガバナンス(経営者監視の仕組み) 経営者は自己利益を追求しがちな存在で適切な 監視が必要と考えられている。 経営者には権限が集中するので、その行動を監視 して牽制交代させるメカニズムが必要。 背景には、「所有と経営」の分離。株主がガバナン スをしなくなる問題(合理的無関心:アパシー、機関投 資家における忌避など)などの論点がある。 To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 4 企業はバブル崩壊以降、借入を圧縮、CFの範囲内で 投資をする経営を進めてきた。このため、金融機関か ら企業への貸出は減少。企業の財務は健全化した。 背景には、日本経済の成熟。人口高齢化による市場 の飽和・縮小。国内投資機会の減少。海外直接投資 の増加。 ガバナンスについては、企業の外からのガバナンスと 企業の中からのガバナンスがあるが、大きな流れとし て、内部のガバナンス(内部統制)に議論がシフトして きたのは、こうした企業と金融機関との関係の変質が あると考えられる。 To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 5 資産 10億円 負債 10億円 負債中比率 % 民間金融機関貸出 - 258,276 31.4 公的金融機関貸出 - 70,130 8.5 33,133 33,237 4.0 3,485 55,944 6.4 0 10,155 1.2 株式 76,768 298,998 36.3 その他出資金 76,986 152,296 18.5 企業間信用 216,072 166,500 18.9 総計 822,754 822,754 100.0 非金融部門貸出 事業債 居住者発行外債 Copyright: Hiroshi Fukumitsu To copy this presentation requires the prior consent of the author. 6 資金過不足 GDP比率 金融機関 16,024 (10億円) 3.3 % 非金融法人企業 17,856 3.8 一般政府 -30,011 -6.8 家計 11,260 2.4 海外 -15,293 -3.2 21年度名目GDP 474,040 Copyright: Hiroshi Fukumitsu To copy this presentation requires the prior consent of the author. 7 暦年 民間非金融法人 2013 H25 19.9兆円 2012 H24 23.8兆円 2011 H23 2010 H22 18.8兆円 30.9 兆円 一般政府 △41.7 △35.6 △39.6 △40.5 家計 27.8 25.8 18.7 9.5 海外 △ 2.6 △ 4.7 △ 9.6 To copy this presentation requires the prior consent of the author. △16.7 Copyright: Hiroshi Fukumitsu 8 資産変換機能 リスク負担機能 情報生産機能 小口 流動⇔大口 固定 満期変換機能 短期→長期 貸し手と借り手の間では情報の非対称性が存在 金 融仲介機関がそれを乗り越える役割をしているとも。 経営者監視(ガバナンス)もしている。 To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 9 ① 分散投資によるリスクの低下 ② 審査やモニタリングに専念することによる専門化 の利益 ③ 規模が拡大することによる規模の経済 ④ 複数のサービスを提供することによる範囲の経済 (同じ情報を共通して利用できるなど) (古川顕『金融論 第3版』p.123) To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 10 預金 流動性商品(いつでも現金化できる商品)を供給 他方で自らリスクを負担して貸し付け(あるいは投資)。 なお 厳密にいえば 預金には2種類ある。 要求払い預金 demand deposit; 活期存款cun2kuan3 定期性預金time deposit; 定期存款 貸し付けでは、信用リスクの判断が重要であり銀行はこの 判断を行うために「貸付審査」を行う。信用リスクを補うも のとして、担保の徴求(=要求すること)がある。放款;贷 款;借款 担保collateral 抵当mortgage; 抵押 di3ya1 To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 11 企業として財務上の実績に乏しい 担保とすべき資産の不足 ↓ 経営者個人への貸出でデットファイナンスは開始で きる(第三者のエクイティの困難は確実) 順調に推移すれば年数の経過とともに営業債務 (短期債務)漸次的拡大やエクイティの投資家範囲 の拡大へ To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 12 小規模企業ほど借入依存度高い 次第に営業債務 短期借入が拡大する 小規模企業のメインバンクは地元金融機関が多い 小規模企業ほどエクイティは創業者とその周辺に限ら れる 中小企業白書2008年度(H20)より 一般論としてはデットから出発 短期が拡大 そしてエ クイティの投資家の拡大 To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 13 Capacity Capital Character Collateral なお4Csにはさまざまな変種がある。 稼ぐ力(返済する力) 蓄えた力 返済履歴 担保資産 To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 14 間接金融 金融仲介機関の間接証券による信用代替 直接金融 本源的証券 証券市場の役割は信用補完 直接金融を行える本源的証券は実際には限定される (資金の出し手である黒字単位 投資家の能力も関 係する) To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 15 直接金融の場面でも 小口資金の大口化 投資家によるリスク負担 等は生じている 本源的証券だけで赤字単位と黒字単位が直接結びつ くには、本源的証券が黒字単位によっても投資判断 できるほど、信用程度が高いものであることが必要。 To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 16 お金を出す意味 収益の分配を期待している 出したお金の回収を期待している 出す前の精査は当然 1.出すor出さないという判断(承認あるいは拒否) 2.出している間の監視 3.出し方の変更 追加新規更新の拒絶 条件の変更(金利 担保・・・・) 事前の条件付け To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 17 出したお金は負債なのか資本なのか 資本 残余利益の分配 返済は予定しない 代わりに経営に強く関与 負債 利息の支払い・資金の返済は契約 経営に関与しない代わり契約履行求める しかしいずれの場合も お金を出した側は経営への 監視は必要 この監視(モニタリング)を専門用語では ガバナンス という。 To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 18 外部からガバナンス(資金の出し手) 2014/02 日本版スチュワードシップコード導入 ↓ 内部のガバナンス 社外取締役導入論 2015/06 コーポレートガバナンスコード(企業統治 指針)導入(15/03とりまとめ 15/06適用開始) ↓ 社会的なガバナンス より開かれた経営へ To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 19 1.各社ごとに行動指針を作り公表する 2.親会社や取引柵などと利益相反が起きないよう に対応する 3.対話を通じて企業の情況を把握する 4.中長期的な視点で対話し問題の改善に努める 5.議決権行使の方針を作り行使結果を集計公表 する 6.責務をどう果たしているか顧客の個人や受給者 に報告する 7.対話の効果を高めるために実力を備える To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 20 入金されるものを貸し付けるところから。 商品は販売し譲渡したがまだ現金を入手していない (現金が支払われていない 売掛債権がある あるい は手形を入手している)。 ↓ 商品の買い手が債務を支払う限りこの貸付に大きな リスクはない。 To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 21 割引は見方によっては手形担保貸付 一時的に不足した資金の貸付 商業手形(複名手形) の割引 単名手形割引の派生 約束手形(支払います) 為替手形(支払って下さい) 当座貸越 To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 22 手形(短期貸付)の更新(あるいは常に新たな手形) → 貸付期間が事実上長期化 ↓ (設備投資資金の巨大化) 証書貸付(運転資金から設備資金) へ 担保 長期的な見通しに基づく事業貸付 高い利息の設定 To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 23 同一の貸付条件の細分化 小口化 発行単位の大きさ 支払い保証・担保の有無 投資家によるガバナンスは貸付者と似ている 売却可能性がどのような違いをもたらすか 比較 小口⇒大口 短期⇒長期 流動性の性格 預金 貸付 債券 To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 24 経営方針に誤りがあった場合の責任の明確化 交代 には経営方針の転換という重要な意味がある ガバナンス(企業統治)の現れとして重視される 企業経営ではtopが負う責任は大きい。top down 型の企業経営。 無能な経営者 不適切な事業ドメイン ↓ 過剰なcash entrenchment 仮説:自身の権限強化(保身)傾向 経営方針の転換(経営者の交代)で経営の立て直し (選択と集中など)が進むと考える。 To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 25 分散的株式保有・Exit型のガバナンス 小口株主の合理的無関心 rational apathy 機関投資家にもVoice型を避ける傾向 exit(売却)型の意思表明 Wall Street rule → 企業買収 企業買収がガバナンスの一つだというのは 企業買収を正当化する見方だと言える 機関投資家の保有の大口化、処分困難な株式の存 在 ⇒ voice型の意思表明に転換する機関投資家 To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 26 友好的買収friendly takeovers 敵対的hostile買収 成功例 ブリヂストンによるファイアストン買収 (1988)3300億円 ネーションズGによるバンカメ買収 (1998)725.58億ドル トラベラーズGによるシティC買収(1998)743.49億ドル エクソンによるモービル買収(1999)789.46億ドル JTによるRJRインター買収1999)78.32億ドル ロイヤル・ダッチPによる シェルTT買収(2005)743.49億ドル P&Gによるジレット買収(2005)549.07億ドル イトーヨーカ堂によるセブンイレブン買収 (2005)124.83億ドル ファイザーによるワーナー ランバート(成人病など) 買収(2000)891.68億ドル サノフィアサンテラボによ る ア ベ ン テ ィ ス 買 収 (2004)602.43億ドル 失敗例 ソニーによるコロンビアピクチャーズ買収(1989)34億ドル 松下電器によるMCA買収(1991)74.06億ドル 米AOLのタイムワーナー買収(2001)1647.47億ドル ボーダフォンによるマンネ スマン買収(2000)2027.85億 ドル To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: 2014 Hiroshi Fukumitsu 27 投資は事業会社の目的でない 取引関係の透明性を妨げる など 日本では企業間で株式の持ち合いがあったがバブル 期後の株価暴落を経て、また時価会計制度の適用も あり、持ち合いの程度・比率はかなり低下した。 株式持合いには相互のもたれ合いの側面。持合いは、 株を通じたガバナンスを弱めていたと考えられる。 To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 28 コーポレートガバナンス To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 29 内部統制・・・・役員会内部での牽制 独立社外取締役(2014/07 東証で1347社導入 東 証一部で2014年の導入比率74%)の多数化(複数化) 他社経営top(CEO)経験者 CFO経験者 弁護士 学 者など 第三者あるいは株主視点で経営をチェック 多様化 (女性、外国人など) 外部統制・・・・ 金融仲介機関 株式市場 外部統制・・・・ 監査 格付け 外部統制・・・・ 株主 顧客 消費者 従業員 To copy this presentation requires the prior consent of the author. 社会 Copyright: Hiroshi Fukumitsu 30 改正会社法 2015年5月施行 社外取締役を置かな い企業に対し 置かない理由の説明義務付け 役員 の2親等内親族は社外と認めないなど要件厳格化 企業統治指針 2015年6月より適用 東証一部二部 上場企業に2人以上置くことを求める 不正防止のブレーキと企業価値最大化のアクセル 損害賠償請求受けるリスク:損害保険会社が会社役 員賠償責任保険(D&O保険)を拡充へ この費用に ついて会社側負担を政府は可能とする方針(15/07) To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 31 東証によると 2015年 社外取締役選任している一 部上場企業は全体の92%(+18%)1735社 2人 以上は26%(+25%) 独立社外取締役選任は 1596社とのこと。 過去最高。 To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 32 原則を守らない企業に理由の説明義務(comply or explain) 73の原則 1)株式持合いの方針開示など株にしの権利・平等性 確保 2)女性活用など多様性確保の推進 利害関係者との 適切な協同 3)取締役選任の方針の開示など情報開示と透明性 確保 4)独立社外取締役2人以上選任など取締役会の責務 5)株主との対話促進のための方針開示 To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 33 なにをもって経営を評価するか To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 34 社会への貢献 利益 法律順守 企業活動を通じて社会に貢献 利益を寄付 事業活動自体の中に社会的価値を織り込む To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 35 Mission : the current central purpose and goal of an organization Vision : what an organization seeks to become, or the ideal society to which the organization seeks to contribute -cited from 101 Things I Learned in Business School, page 15 To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 36 Mission : the organization’s reason for being, its purpose, Says what, in the end, you want to be remembered for. Vision : a picture of the organization’s desired future. -cited from The Five Most Important Questions by P.F.Drucker To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 37 経営目標として一定の目標値を掲げる(不振事業を縮 小する判断をつけやすくなる) 株主資本(自己資本)利益率 (2015年3月決算東証 一部の数値は8.2%程度 欧米は13-15%とされ10% 以上が目標とされやすい 2014年伊藤レポートは 8%以上とした 機関投資家の期待も8%ていど 2013年で実態は4%ていどが多い) 投下資本利益率 株主への利益配分の明確化 配当性向 あるいは 配当性向で一定の数値を上げ たり、その数値を引き上げることをいう To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 38 2014年度8%台 社数では6%台が多い 47%は8.2%(13年度は8.6%) 10%以上が3社に1 社まで回復 米国の主要企業平均は13% 欧州は平均9% 米IBM80%超 ボーイング40%台 マクドナルド 30%台・・・・高いROE 企業は投資(規模の拡大)よ り自社株買いや増配 事業の売却や人員削減 三井物産2016年度までの中期計画で10-12%目指 す。ブリヂストン 2019年まで継続的に12%確保す る。など(2014年)。 To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 39 相次いで高い利益配分示される(2014年) アマダが100%還元打ち出して話題(2014年) 2014-2015年の2回 配当と自社株買いに純利益 全額あてる サンゲツも3年間で純利益は回る額を配分する カシオ計算機 純利益の9割を株主還元(増配と自社 株買いで) 2015年も続く 日清製粉は配当性向目標値引上げ30%⇒40%以上 ファナックが5年間の総還元成功8割を宣言 青山商事は3年間で130%とした など To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 40 To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 41 長期的利益 社会への貢献 低い次元の欲望 では人は満足できない マズローAbraham H.Maslow 1908-1970の欲求 段階説(自己実現理論) 生理的欲求physiological 安全性欲求 safety needs 所属欲求love and belonging 承認欲求 esteem 自己実現欲求self actualization 知的レベルの低い人のもとで 働きたいと思う人はい ない。 To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 42 監視されて働く やむを得ず働く 人に認められたい から 自分を実現したいから Douglas M.McGregor のY理論 X理論 監視・報酬 アメとムチ Y理論 企業は 従業員のより高次の動機に 対応を迫られ ている To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 43 Extrinsic motivation : praise, recognition, money or punishment Internal motivation : worker’s internal sense of purpose personal enjoyment of the work satisfaction of a job done well most employers want to do good jobs -cited from 101 Things I Learned in Business School, page 19 To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 44 事例 事業活動と社会的価値 省エネ商品の開発・販売 省エネ商品事業への融資・投資 事業者自身がより高い社会的価値の追求を始めている 武器作らない 原子力利用をしない 女性・障害者・人種差別しない・・ 投資の世界でも:SRI social responsible investment To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 45 伝統的ガバナンス論 銀行 銀行の融資 融資条件 金利 証券市場 株式市場 株価 M&A 新しいガバナンス 消費者や投資家が参加する 高い価値を追求する企 業の商品サービスを購入 省エネ商品の生産・消費 省エネ事業への融資・投資 To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 46 金融仲介論の立場から証券市場の機能について論じ なさい コーポレートガバナンスの視点で証券市場の役割を 論じなさい To copy this presentation requires the prior consent of the author. Copyright: Hiroshi Fukumitsu 47 会計情報のゆがみと粉飾 財務管理論前期第2回および第3回を削除加筆 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 48 不完全なものとして認 識すべき Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 49 収支計算書 現金の動きを示す 貸借対照表 残高balance一覧表であり 正味財産(純資産)の大きさを測ることが目的 配当できないが資本に帰属する再評価益の扱い リース資産 賃貸契約資産などBS外資産の扱い のれん 買収により現れる無形資産価値の扱い 損益計算書 正しい利益を計算することが目的 営業活動を反映させるため 売り上げた時点 で計上する bottom line=the final profit gross profit 粗利益(あらりえき) Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 50 Most businesses use accrual accounting Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 51 财务报表 cai2wu4bao4biao4 资产负债表 损益计算表 现金流量表 审计shen3ji4 第一季度结算报告 折旧zhe2jiu4 应收帐款 ying1shou1zhang4kuan3 应付帐款 ying1fu4zhang4kuan3 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 52 固定資産の中には減価するものと減価しないものがある。 depreciated / not depreciated depreciation: spreads the cost of long-term asset 減価する経費については、時間配分をさらに考える必要 があるが、その計算法自体も選択も多分に恣意的である。 定額法 定率法 など 方法間の得失を考えてみること 方法の変更は認められている → Excel 定額法 定率法の計算 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 53 減価償却年数の設定 財務省令で耐用年数を法定す るのは… 課税の公平性のためだけど Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 54 さまざまな基準がある 減価基準 原価基準(取得原価・・)historic cost 時価基準(売却時時価・・ 再調達時価・・) 低価基準 原価基準を基本 低価基準で補完 では大きく時価が下がれば 価値が変動するものの在庫価値評価問題 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 55 先入先出法(FIFO: first-in, first -out) 後入先出法(LIFO:last-in, first-out) 平均法 方法による得失を考えてみること 方法の変更は認められており 手法を変更すれば評価は変わってくる FIFO may yield phantom profit in a period of rising prices. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 56 固定資産か流動資産か の区分 → 営業循環基準 か 1年基準 か。 有価証券 長期保有か短期保有か → 保有目的による 保有目的が変更されれば Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 57 会計上の資産は企業の資産を本当に現わしているか 例 人的資産は評価されているか 会社にどのような人 材がいるか。評価されていない。 ビジネスモデルは評価されているか どのようなユニ ークなビジネスモデルをもっているか。 顧客や調達納入企業との信頼関係は評価されている か。 そのような会計の数値だけを見ていても駄目かもしれ ない。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 58 Cash Flowに戻ると企業の稼ぐ力が見えてくる 投資 政策あるいは減価償却政策の差異を取り除いた状態 Cash Flow=純利益+減価償却-投資-運転資本 増分 Free Cash Flow(純現金収支)=営業CF-投資C F Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 59 CFの改善は企業が自身で取り組めることが多い。在庫の 削減、売掛金の早期回収、買掛金の支払いは遅らせる など。 とくに在庫の圧縮(棚卸回転日数の削減)、売掛債権の流 動化は注目されている。 FCFを確保して借入金の返済を進めることが広がった。B Sをスリム化、投資抑制が広がった。 FCFをリスクを織り込んだ割引率で現在価値に引きなおし て、投下資本と比較してプラスかどうかで、投資案件の評 価がなされるようになった。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 60 実質無借金企業(手元現預金-有利子負債がプラスであ る企業)が増加している ⇒ 自己資本比率は改善 背景 には本業の営業CFの増加 分厚い手元資金をもつ企業が増えている 手元資金の活用がここ数年 企業財務の話題となってい る。株主への利益還元(配当と自社株買い あわせて株 主還元という)、M&Aへの活用、成長投資、賃上げ。 2013-14年 手元資金の成長投資への活用が繰り返し 話題にされた。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 61 多くの企業で実質無借金が経営目標になっている (2009年に上場企業の1割)。そのためには営業CF を増やすこと(在庫 売掛債権を減らすこと)。投資は 抑制して重点分野に集中。しばしば減価償却の範囲 に抑えることが目標になる。 2013年度末出は1789社上場企業全体の53%。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 62 手元資金(手元現預金+短期保有有価証券)>有利 子負債 2011・3末 任天堂11710億円 武田8577億円 フ ァナック5835億円 デンソー5340億円 NTTドコモ 4782億円など(3月期決算企業のうちから事例) Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 63 有利子負債依存度/総資産 = 有利子負債依存度 実質無借金企業が増えるとともに、有利子負債依存度も 低下傾向にある。上場企業全体では1990年代前半には 4割を超えていた。2005年度末で27%で、バブル後初め て30%を割った。 大手企業の間では、有利子負債の中で市場から調達する 直接金融比率を上げる(意味は長期資金をできるだけ低 い利率で調達する)ことが課題。大手商社では有利子負 債の2割程度に引き上げることが課題(2010年) Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 64 有利子負債―現預金=純有利子負債 純有利子負債/自己資本 = ネットDEレシオ 商社などは借入が多いためこの比率は一般的に高い。 1倍台が理想とされる。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 65 財務の安定の上ではこれ以上積上げる(内部留保を増や す)必要はない。全体でも法人企業統計で企業の自己資 本比率は39%と過去最高(2013年7-9月)。守りの経 営という否定的評価。 自己資本利益率は悪化する。 手元資金の取り崩し(吐き出し)が経営課題に。2013年3 月末で企業の現預金は225兆円で過去最高。(上場企業 3月期決算手元資金は73兆円で過去最高 自己資本比 率も4割に迫り過去最高 2014年3月) 大幅な還元:投資先を見つけられない。M&Aには交渉査 定など時間がかかる側面。株主還元:みつかられないなら 迅速に株主還元が鉄則との意見あり。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 66 負債規模を拡大するとレバレッジ効果で自己資本利 益率はよくなるが、自己資本比率は下がり財務は悪 化する Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 67 EBIT earnings before interest and tax EBITDA earnings before interest, tax, depreciation and amortization 営業利益+減価償却費 会計の制度的矛盾 会計の利益とは別物 計算上の利益 利益を過大にみせる数値であり そう した役には立つが 設備投資の効率性追求 運転資金節約動機などと結 びつかない Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 68 EBITDA買収価格倍率 適切な買収価格 10倍程度 ソフトバンクによるスプリント買収2013/09 12倍程度 サントリーHDによるビーム買収2014/01 23.3倍 EBITDA純債務倍率 買収債務増加後 5倍程度が限界 ソフトバンクによるスプリント買収2013/09 3.6倍 サントリーHDによるビーム買収2014/01 7.5倍 資料:田中博文氏のblogより Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 69 日本基準 米国基準 純正なIFRS 3つが併存選択可能 IFRSの採用 海外での資金調達に有利とされるが加えて 企業買収に有利な制度とされる → 基準自体が意図的に選択される可能性 IFRSが日本の企業経営活動にそぐわないとの共通認識 金融庁は2011年に15年3月期としていた強制適用を延期 さらに 2016年に上場企業に強制適用する方針も見送った(2013 年5月) 2012年に導入すると見られていた米国も判断先送り(12年7 月) 導入は早くても2017年3月期以降 日本版IFRSの策定作業中 IFRS 資産の時価評価を損益計算書より重視 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 70 IFRS 資産の時価評価を損益計算書より重視 日本基準からIFRSに移行した場合 ソフトバンクや武田薬品(2014年3月期から) 暖簾償却(20年以内償却 資産価値が大幅に下がれば 減損処理)しない 利益増えて企業買収しやすくなる 特別損失の項目がないためリストラ費用は営業費用扱い で営業利益を減らしてしまう。 固定資産の償却は定額法多い(当初費用減り利益かさ上 げされる) 製品開発費用(製品化が確実なものは資産に計上の上 発売後に償却) Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 71 当期純利益・・・・日本基準 実現した損益のみを反映 時価は貸借対照表に影響するだけ 包括利益・・・・・・IFRS 資産の時価評価が損益計算書の 包括利益comprehensive incomeに影響する。 未実現有価証券評価損益 未実現デリバテイブ評価損益 為替換算調整額 年金債務調整額 包括利益と企業行動・・・・有価証券保有を避ける選択 あるいはリスクヘッジをする選 択を促す Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 72 講師が考える(消費者や投資家が参加する)新しい企 業ガバナンスについて、自分の意見をまとめなさい。 Maslowの欲求段階説について述べよ。 McGregorのX理論Y理論について述べよ。 会計の制度の限界として講師が考えている内容を具 体的に説明しなさい。 発生主義と現金主義について(発生主義が肯定され る理由を考えましょう) 制度的恣意性(選択や選択の変更がみとめられて いること)に ついて 会計制度に対する税法の役割について考えましょう Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 73 粉飾はなぜいけないのか 仲間取引 き 循環取引き 融通手形 借り手形 融通手形はなぜいけないのか Big Bath Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 74 粉飾(飾ってよくみせるもの) 逆粉飾(実態より悪くみせるもの) 中国語では财务造假zao4jia4 财务舞弊wu3bi4 英語では window dressing と昔覚えたけど ↓ あからさまには fraudulent accounting 上品に言うと creative accounting pro-forma accounting Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 75 会社内 業績を良く見せたい(部門 支店など 対管 理者 管理部門) 営業ノルマ 達成目標 などを超える必要 対外 業績を良く見せたい(取引先など顧客 金融機 関) 上場している場合は 上場基準 上場維持基準 を超 える必要 対税務 業績を悪く見せたい → 逆粉飾 といいま す。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 76 帳簿が2重化する 虚偽は放置され拡大しやすい 社内モラルの低下 虚偽の内容の広報伝達につながる(明確に犯罪) 企業間取引 融資・投資・取引が虚偽情報をベースに することになる(市場経済をゆがめる) Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 77 仮装売買 押し込み売買 ⇒ 買戻し条件付売り込み ⇒ 一種の借入とも考えられる 期末の売上操作 ⇒ (1)(3)は操作されやすいことも あって(3)で記帳する。 商品の発送(1) 商品の到着・受取(2) 請求書の発送(3) → 現在の考え方は(2)で債権発生 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 78 関係会社取引(自我交易 关联交易) 仲間取引 循環取引(循环交易xun2huan2) 虚构收入 売上がないのに売上を偽装する しばしば在庫が帳 簿の上で回転することになる 利益はでていにが利益が出ているようにも見える Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 79 ルールを意図的に変更すれば粉飾になる。 売上の記帳を前倒しする 経費の記帳を先延ばしする 会計基準の変更 制度的に認められているが 意図 的にやれば粉飾になる。 減価償却 定率⇒定額 原価償却の方法 年数 回収価値(残存価値) 在庫評価 後入⇒先入 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 80 資産の実現可能性の減 少 推定負債の増加 資産推定寿命の減少 在庫の評価方法の変更 長期契約の評価方法の 変更 資産の減少による収入の 変動 負債の増加による収入の 変動 簿価の変動による償却費 用の変動 今後の経費の変更 収入および経費の変更 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 81 固定資産 減失(損失)や不良債権を認識しない 在庫(棚卸資産) 不良在庫の有無 在庫の償却 機械設備 設備の物理的あるいは道徳的摩損 売上債権 回収上の問題の有無 未回収債権引当金の大きさ 規模 貸付債権 回収上の問題の有無 土地 不動産 帳簿価格と時価との違い など Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 82 なぜなら売上債権の拡大は 運転資金需要拡大につ ながるから 運転資本=在庫(棚卸資産)+売掛債権ー買掛債権 運転資金: 運転資本の増減分 {(1)/売上高}× 365 = 回転期間分析 運転資金少なくするには = 回転期間少なく 在庫 圧縮に努める 売掛債権 債権圧縮する 回収早める ことが必要 買掛債務 支払遅らせる Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 83 資金繰りに困った企業は 取引先などに商業取引によら ない約束手形の振出しを依頼。これを金融機関に持ち込 んで割り引いてもらって、資金繰りとする。 商取引の裏付けがない手形の振出しですが、振出を依頼 するとともに相手に対して、こちらも手形を振出します。相 手の手形を金融機関に持ち込むとともに、自分の手形の 支払をすればいいということです。相手の手形を借りてい るということで「借り手形」。相手のためにこの手形を出し たら「融通手形」。互いに金融機関に持ち込むなら「書き合 い手形」です。 お互いに資金繰りはつきますが、このような手形の振出し は、乱発に陥りやすく危険だとされます。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 84 受取手形 不渡り手形 融通手形の混入 売掛金 焦げ付き債権の有無 製品・原材料 不良品(不良在庫 売れないもの 使 えないもの)の混入の有無 土地・投資有価証券 帳簿価格と時価との違い 含み 損の有無とその大きさ 長期貸付金 焦げ付きあるいは未回収債権の有無 支払手形 融通手形の有無 借入金 金融機関ごとの金利・金額・償還期限 非正 規業者分の有無 積立金 留保利益の大きさ Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 85 1990年代末から2000年代初頭にかけて連続した企業 スキャンダル(会計上の不正など)がもたらした立法措置 公開会社(上場会社)に対して内部統制制度の整備を迫 る 経営トップに対して 財務諸表の正確さの保証を求め る(間違っていたときには厳罰) 内部統制体制の整備 内部統制報告書 日本では金融商品取引法で導入。 しかし2008年に再びサブプライム金融危機 そこで Dodd-Frank Wall Street Reform and Consumer Protection Act of 2010 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 86 国内商取引で使われる。約束手形 promissory note 振出人が一定期間後の支払いを約束する形式をとる。 支払人 受取人が書かれており複名手形とも呼ぶ 手形の換金の方法として金融機関で裏書の上で割り引い てもらうこともある。この手形が最終的に支払われないこ とも生じる。銀行はそうした事態を避けるため、融通手形 かどうかを厳しく調べる。 手形用紙は当座預金勘定開設により銀行から交付される。 手形の振出しは開設時の銀行との契約の範囲で可能。 手形には印紙税がかかるほか、手形管理の費用が伴うた めに経費節減を企業が手形の振出しを減らす傾向が続い ている。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 87 銀行が短期貸付を行う場合、証書を作る代わりに手 形担保貸付の形をとる。この時、借り入れる企業は単 名の約束手形を振出し、銀行はこの手形を割り引い て貸し付ける。しかし、手形は担保として銀行に残さ れている。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 88 貿易決済で登場。輸出者が輸入者に対し支払えという形式を とる。 貿易では輸入者の信用を保証する信用状を輸入者がその地 元の銀行に依頼して発行される(信用状の発行あるいは開 設)。 信用状の開設には、手数料のほか 輸入者の業務履歴など の書類、担保預金など担保、保証人、などを銀行は求める。 信用状には一覧払い(at sight)と後日払い(at 90 days after B/L date)がある。信用状を輸入者は自身の地元銀行 に持ち込んで、買取あるいは取立を依頼する。 信用状の開設によらないD/P(書類買取+電信為替送金)と いう方法もある。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 89 経営者の交代とBig Bath 赤字要因を前倒し 黒字要因を後倒し ⇒ 劇的な改 善 経営者の交代 果たして 経営は経営陣が交代したから改善したの かどうか Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 90 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 91 2015年5月13日開示 2012年3月期から14年3月期まで3年間で営業損益ベ ースで500億円超の減額修正(14年3月期同253億円) インフラ工事原価の過少見積もり それに伴う工事損失の 計上時期に問題(当初の見積もりより費用がかかったの にそれを認識せず利益を過大に計上していた) 東芝は2015年3月期決算を延期(東証は決算期末から 45日以内の発表を求めている 金融商品取引法上は6 月末までに有価証券報告書の提出義務 これに遅れた場 合は監理銘柄に指定 1ケ月の猶予 できねば上場廃止 やむをえない事情があれば6月末の期限は延長が認めら れることもある) 予算達成目標の位置が高く内部統制が機能しなかった Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 92 設計仕様の変更で予想外のコストが発生して収益が圧 迫される事業が多い 社長が各部門に予算達成を強く求める 現場に過剰な 圧力をかけ 不正を事実上主導 インフラ工事の会計処理 受注時に損失可能性認識し ても実現不可能な費用削減策を前提に損益計画立て 引当金計上せず(13年9月の次世代電力計スマートメ ーター受注 高速道路の自動料金収受ETCシステム) システムLSI 単機能半導体 テレビ パソコンなど 経 費(販売促進費用などの計上先送り)の計上時期 在 庫評価減損処理免れる 主要部品の子会社への押し 込み販売など幅広い不正 背景としての原発問題(半導体と原子力に傾斜した経 営の破たん⇒その後 半導体需要は激減 原子力も環 境変化) Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 93 2012年3月期 連結純利益700億円強 連結営業利益2000 億円強(液晶テレビ予想より売上げ減 テレビ事業で500億の 営業赤字 半導体でアップル向け拡大 半導体メモリが一時値 崩れ 減産で市況回復社会インフラ部門は好調) 2013年3月期 連結純利益過去最高の11年3月期(1378億 円)に近付く 連結営業利益1943億円(半導体メモリ 円安効 果でサムソンに対し価格競争力 薄型テレビPC事業不振 輸 入のため円安は逆効果 ライフスタイル部門510億の営業赤 字 社会インフラ 原発で600億の費用処理のため営業利益6 割減の323億円) 2014年3月期 連結営業利益見通し2900億円(半導体事業 に依存強まる 8割依存 円安 回路の微細化 過去最高の90 年3月期3159億円に近い) 2013年に社長交代 佐々木則夫⇒田中久雄 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 94 第三者委員会(上田広一委員長)による調査で判明田中 久雄社長は損失計上金の計上が必要との上申に対して 「損失引当金について次の時期にずらせないか。」と発言 ⇒会計部門は指示と判断。発覚後は適正な会計処理の 範囲内でできると思ったとして自身の責任を否定した。 監査委員会、社内の経営監査部ともに機能しなかった。 監査委員会のヘッドはなぜか社内の西田誠副社長だった が飾りの(形だけの)委員会。不正幅広なのに経営監査部 は無機能化し役割果たせず。新日本監査法人も同じ。 不適切会計は 西田厚聡(PC事業部門) 佐々木則夫(重 電) 田中久雄(資材管理生産管理が長い)の3代の社長 にわたり続いていた(田中社長―西田会長―佐々木副会 長 2013・06~)。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 95 ほぼすべての事業でずさんな会計処理が表面化した。改 善できるかは未知数。 主要取引行くに5000-6000億の融資枠設定を打診。 2015年8月末までに有価証券報告書提出 東証が特設 注意市場銘柄に指定 金融商品取引法違反の可能性高い(有価証券報告書の 虚偽記載) 課徴金へ 原子力事業の傾斜(西田社長時 2006ウェスチングハウ ス買収 原子力に傾斜する大失策を犯す) 半導体一本 打法に頼る利益構造は本質的に不安定 ⇒ 望まれる原 子力傾斜の修正 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 96 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 97 売上げの粉飾 あなたは営業マンです。営業マンの手当ては売上げ契 約の獲得に応じて変動します。あなたが営業契約を増や すインチキな方法を考えなさい。 あなたは営業マンの管理者です。営業マンの不正な申 告にあなたは頭を悩ましています。営業マンの不正を防 止するにはどうすればいいですか。方法を考えなさい。 あなたは営業部の部長です。営業部は3課に分かれて 業績を競っています。そのうち営業3課は課を上げて過大 な業績を報告している疑いがあります。どのように調べま すか。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 98 粉飾決算 粉飾決算の動機について説明しなさい 粉飾決算の事例を挙げて説明しなさい 逆粉飾について説明しなさい。 粉飾決算を防ぐ方法を考えなさい 融通手形 融通手形について説明しなさい 融通手形は互いの資金繰りに役立つのになぜいけない のですか あなたは金融機関です。融通手形の割引は拒否するつ もりです。では融通手形にはどのような特徴があると思われ ますか。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 99 会計の不正について あなたは会計の責任者です。あなたの会社は売上げ が減少して、経営的に行き詰まっています。社長から 会社を救うため、架空な売上げを計上する粉飾決算 を求められました。あなたは不正経理をするべきでな いと考えたとします。あなたは社長になんといって思 いとどまるように説得しますか。 Big Bathについて 経営陣が交代したから経営が改 善したというお話は虚構ではないか Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 10 0
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