セ ル ン エル エイチ シー C E R N と L H C 計画 と ヒッグス粒子 http://atlas.kek.jp/public/Visitor5d_noVideo.pdf V5d, 2014.5.13 T. Kondo (KEK) 1 2012年7月4日 ヒッグス粒子発見の発表 新聞がトップ記事として伝えた 2 2 2013年10月8日 2013年ノーベル物理学賞受賞者の発表 ピーター・ヒッグス(イギリス) フランソワ・アングレール(ベルギー) 受賞理由: 万物に質量を与えるヒッグス粒子の存在を 理論的に予言した(1964年)。 3 CERN(セルン)研究所 ・1954年に発足した。 ・加盟国: ヨーロッパを中心にした21カ国 ・年間予算: 約1,000 億円 ・職員: 約2,500 人 ・ユーザー: 約10,000人(世界71カ国から) ・1990年 WWWを発明した。 ・15年かけてLHC加速器を建設し、現在運転中。 4 LHC ( Large Hadron Collider ) 周長 26.6 km 主な実験装置 ATLAS CMS ALICE LHCb 計画承認 1994 建設完成 2008 建設費~1兆円 5 ここに http://atlas.kek.jp/sub/video/CERN-MOVIE-2004-005_digest_oldPart.mov を貼り付ける。 CERNの昔の映像 (http://cdsweb.cern.ch/record/809062 より抜粋) 6 LHC 加速器と実験装置 CMS ALICE トンネル周長 27km 設計値 エネルギー 7+7=14 TeV 8TeV (57 %) ルミノシティ 1034 cm-2s-1 7.7×1033 (77 %) 陽子数/バンチ 1.15×1011 1.6×1011 (139 %) ビームバンチ数 2808 ATLAS 2011/4/21 達成値(%)2012.8.25現在 1380 (50 %) LHCb 7 CERN理事会における日本政府代表 与謝野文部大臣 ダルマ CERN DG Chris Llewellyn Smith 1995年6月23日 に与謝野馨文部大臣がCERN理事会に出席し日本によるLHC建設 協力を表明した(非加盟国の中では日本が最初)。その後も日本は資金協力を行い、 総計138.5億円の建設資金協力を行った。 8 LHC建設に貢献した主な日本企業 推定規模 億円(註) 古河電気工業 LHC加速器 超伝導ケーブル ~20* 新日本製鐵 LHC加速器 双極電磁石の特殊ステンレス材 ~50* 東芝 LHC加速器 収束用超伝導四極電磁石 ~15* JFEスチール LHC加速器 電磁石用非磁性鋼材 ~5* カネカ LHC加速器 電磁石用ポリイミド絶縁テープ ~10* IHI (+Linde) LHC加速器 低温ヘリウムコンプレッサー ~20* 東芝 アトラス 超伝導ソレノイド ~10 浜松ホトニクス アトラス,CMS, LHCb シリコン検出器, 光電子増倍菅,光検 出ダイオード ~10 川崎重工業 アトラス,CMS LArカロリメター容器, 鉄構造体 ~10 林栄精器 アトラス ワイヤーチェンバー ~5 東芝 アトラス 信号読み出し集積回路 ~2 ソニー アトラス 検出器信号アンプ ~1 ジーエヌディー アトラス トリガー用電子回路 ~1 フジクラ アトラス 耐放射線性光ファイバー ~1 クラレ アトラス シンチレーションファイバー ~1 有沢製作所 アトラス 銅箔ポリイミド電極シート ~1 (註)推定規模は、部分的な情報から推定しており、実際の契約額と相当にずれている可能性があります。 あくまでも企業の貢献の規模の目安にすぎません。*印は日本による建設協力資金が使用された事を示す。 古河電気工業 新日本製鐵 東 芝 浜松ホトニクス 9 加速器の主要素:超伝導電磁石 1232 台の超電導電磁石がビームを曲げる。 10 超伝導とは 金属を冷やしていくと電気 抵抗が突然ゼロになる現象 (1911年に発見された) 温度 0 大電流を流すことができる -265oC 超伝導の応用: ・ リニアモーターカー 強い磁場を作る ・ 磁気共鳴画像(MRI) 高いエネルギーの粒子を曲げる 10 ここに http://atlas.kek.jp/sub/video/LHCMagnets.mov を貼り付ける。 LHCマグネット組立・設置とビーム (http://atlas.kek.jp/sub/video/LHCMagnetBeam.mov) 12 建設中のアトラス実験装置 2005年11月 13 東芝京浜工場で製造中の超伝導ソレノイド 1998年 14 シリコンセンサー 浜松ホトニクス 回路組立 栃木セイコー フレキ回路基板 日本メクトロン(茨城県) 日本・英・米などで製造されたシリコン検出器 15 ATLAS : 日本が担当者た検出器の例 端部ミューオントリガー装置 (日本+イスラエル+中国) つくば市 つくば市 神戸大学 セルン地上 セルンの地下実験ホール 16 CERNを利用するユーザーの国別分布(2011年6月27日現在) 71カ国から 10482名 加盟国: 62 % オブザーバー国:29 % (日本 1.8 %) 国別順では アメリカ 1786 名 イタリア 1406 名 ドイツ 1220 名 ロシア 822 名 フランス 905 名 イギリス 732 名 ・・・・・・ ・・・・・・ 日本 190 名 男女別年齢分布 20歳代 60歳代 17 LHCの運転状況(1日分) ビーム1の陽子数 入射時に失敗 4 TeVでトラブル発生 ビーム2の陽子数 ビームのエネルギー 衝突実験中 ビーム加速と調整 ビーム入射 ビームダンプ 18 陽子ビームバンチの形状と衝突 0.3mm (衝突点では16 mm) 160億個の陽子 ~14 cm バンチ数は1380個 リング全体で44 兆個の陽子 衝突回数:毎秒2千万回 アトラス実験で観測された陽子バンチ衝突イベント 15個のpp衝突が見えている 19 電子(e) 陽子(p) クォーク 水(H2O) 酸素(O) 中性子(n) 分子 原子 クォーク 素粒子 20 ここに http://atlas.kek.jp/sub/video/atlas-movie-japanese_digest.mov を貼り付ける。 日本語ナレーションのビデオ (http://www.atlas.ch/multimedia/atlas-movie-japanese.htmlより抜粋) 21 u u d 陽子 u d d 中性子 クォークの不思議 ・ 裸(単独)のクォークはない。 ・ 電荷量が分数である。 u d u u 2 アップクォーク 3 e 1 ダウンクォーク e 3 ・ 強い力がクォーク間に働く。 パイオン 22 素粒子の標準模型 質量 0 GeV 0 GeV 80 GeV 91 GeV ヒッグス粒子のみ未発見だった!! 23 自然界には4つの力が存在する 強い力 > 電磁磁気力 クォーク間に働き 陽子を作る 光・原子・分子・宝 石・携帯電話・ 電波・雷・テレビ.. > 弱い力 >>> 太陽/星・放射能 …... 重力 落下りんご 月・太陽・星・・・ 体重 力を伝えるゲージ粒子 グルーオン 質量 = 0 光 質量 = 0 W粒子, Z粒子 (グラビトン) 陽子の100倍 (質量 = 0) これが質量の問題 太 陽 核融合反応 陽子 重水素 + + + 電子 エネルギー ニュートリノ 陽子 これは弱い力による 25 CERNのT-shirt (お土産グッズ) 自発的対称性の破れ (1959) 2008 南部陽一郎 R.ブロウト F.アングレール, P.ヒッグス 2013 ヒッグスメカニズムの提案(1964) 1979 S.ワインバーグ A.サラム 電弱理論 の提案(1967) 標準理論の方程式 ヒッグス場(赤い部分)がないと 素粒子が質量を持てない。 26 27 ヒッグス場があればヒッグス粒子が最低1個あるはず 28 2012年7月4日 CERNはヒッグス粒子(らしきもの)を観測したと発表 ここに http://atlas.kek.jp/sub/video/CERN-MOVIE-2012-110_digest.mov を貼り付ける。 (http://cdsweb.cern.ch/record/1462525 より抜粋) 29 見つかったヒッグス粒子の候補イベント H -> g g 2つのガンマ線が発生してる。 H-> Z Z -> m m m m 4本のミュー粒子(赤線)が発生してる。 https://twiki.cern.ch/twiki/bin/view/AtlasPublic/EventDisplaysFromHiggsSearches を参照 30 ヒッグス粒子さがしの現状 アトラス実験チームの結果 ヒッグス粒子の質量 [GeV] CMS実験チームの結果 ヒッグス粒子の質量 [GeV] [公式発表] 2つの実験チームはヒッグス粒子とみられる新粒子 を質量125~126 GeV付近に観測した。 31 力の統一 = 物理学者の夢 現在 20 世紀 19世紀 量子色力学 強い力 磁気力 大統一? 電磁気力 マックスウエル 電気力 電弱理論 ? 17世紀 ヒッグス…… 弱い力 弱い力 地上重力 一般相対論 重力 ニュートン 天体重力 高いエネルギー 宇宙のはじめ 32 重力レンズ効果 銀河の回転速度 銀河クラスターの衝突 暗黒エネルギー 銀河クラスターの運動 暗黒物質 LHCで発見 されるかも 3°K宇宙背景輻射 光を出す通常物質 我々の宇宙の4%しか理解してない! 33 宇宙の歴史 LHCで10-12秒後までさかのぼる! 137億年前 1 1兆 秒 30万年 宇宙が透明になった 現在 34 これから ・ ヒッグス粒子の性質をさらに詳しく調べ上げる。 ・ 2013-14年はLHC加速器を修理して衝突エネルギーを 7+7=14 TeVに上げる。 ・ 超対称性粒子や暗黒物質の探索を続ける。 ・ LHCは2023年頃に輝度を上げ2035年まで運転する。 ・ 並行して周長80~100kmの VHE-LHC加速器を検討する。 35 日本語のウエブサイト http://atlas.kek.jp には、発表・解説・写真・ムービー・記録・報道・歴史 などの数多くのリンク先が載っていて便利です。 36
© Copyright 2024 ExpyDoc