Common Sense No.3 2010.10.1 佐藤陵一 〔公共事業〕 企業-「多

「朝日」 2010.8.24
Common Sense
No.3 2010.10.1 佐藤陵一
〔公共事業〕
企業-「多すぎる利益」が出たからと返還を申し出る
「ありあえない話」-発注の岐阜県
“おゃッ”と思う記事が朝日新聞に報道された。入札の
そもそもと下請けや労働者にどう影響するのか、論点が
ありそうである。
予定価格
59,315,000
入札会社
入札金額
入札金額/
予定価格
H建設
55,000,000
92.73%
O建設
52,900,000
89.18%
M建設
51,620,000
87.01%
T建設
51,300,000
86.49%
希望社
51,000,000
85.98%
落札
制限価格
50,964,858
85.98%
(下回る
と失格)
U建設
5,092,2000
85.85%
失格
I建設
50,896,000
85.81%
失格
G建設
50,888,000
85.79%
失格
Y建設
50,500,000
85.14%
失格
Y社
50,436,000
85.03%
失格
i建設
50,417,775
85.00%
失格
A工業
46,200,000
77.99%
失格
希望社本来
の見積額
42,000,000
71.15%
(失格)
最低制限価格は事後公表だが「パターンでだいたいわ
かる」(建設業関係者)という声にある通り、この工事でも、
最低制限価格付近への入札が集中した。桑原代表は、
「役人が決める価格は、民間の相場より高い。そんな中、
業者は、自ら積算せずに、最低制限価格をめがけて入
札するだけ。この官僚主導のしくみに一石を投じ、競争を
促すために差益返還を申し出た。
最低制限価格をめぐる全国的な流れは、建設業界保
護を目的として「引き上げ」の傾向にある。しかし、桑原は、
納税者の視点を持つべきとし、「廃止・引き下げ」を訴え
る。(東京新聞、2010.3.29)
指名20社中、入札は12社。7社が85%台で入札。6
社は制限価格を下回り失格。
〔「希望社」の入札改革の提言〕
原則一般競争入札。(1000万円以上)落札者決定はす
べて総合評価方式で行う。
一般競争入札において以下を廃止する。
1.最低制限価格(落札額の下限を拘束)←より安い発
注の可能性を疎外する。
2.低入札調査基準価格←同上。
3.予定価格(落札額の上限を拘束)←談合誘発の原
因である。
●”安い”金額での発注は、「品質確保の支障」
「下請けへのしわ寄せ」の問題が指摘される。(s)