品質保証の“地雷”を踏む人

品質保証の“地雷”を踏む人
品質今昔物語
今は昔、ある製薬会社の生産本部のNo2が、工場長をし
ておった。次期、生産本部長候補の一番手であったそうな。
ある時、その製造所で作っていた10mLアンプルに不溶性
異物の苦情が何件か来たそうな。
原因を調べると不純物のようだ。保存サンプルを見ると、
「な、なんと出ておる」。ただ、ロットによっては出方が違う。
原因は原薬の出発物質の変更に伴う0.01%の不純物だっ
た。その不純物が製造時は量が少なく溶けていたが、経時
により、二量体になり、より溶解度が下がり、不溶性異物とな
っていた。
品質保証の“地雷”
品質今昔物語1
不純物のない原薬ロットを使って生産を行い、物流在庫を
切り替えたそうな。土日も返上で1か月かかったとか。
原薬出発物質変更の案内は来ておったが、評価が十分で
なかったそうな。その変更はNo2が工場長をする前の話だっ
たそうな。何十ロットも廃棄になったとさ。
そして、そのNo2は工場長から異動し、出世ラインから外
れ(取締役にもなれず)、たまたま本部にいたNo3が生産本
部長になり、取締役⇒常務取締役⇒顧問まで昇りつめたと
語りつたえている。
品質保証の“地雷”
品質今昔物語を品質保証の観点で考察
品質トラブルは一生懸命仕事をしていても起こる。
品質トラブルは先輩/前任者が埋めた地雷みたいなもの。
あるいは先輩/前任者が知っていて掘り起こさなかった
地雷だったかもしれない。
運が悪い人は地雷を踏むし、運が良い人は地雷を踏まない。
先輩/前任者が埋めた地雷を運悪く踏んだ人を処罰している
会社はいつまでたっても品質は良くならないでしょう!
“無縁坂“
『運がいいとか悪いとか人は時々口にするけど
そういうことって確かにあるとNo2を見ててそう思う』