酸性雨対策

~酸性雨の被害の拡大を防ぐために~
対策規模について
酸性雨の拡大を防
ぐための対策は、
世界各地でさまざ
まな形態で行われ
ている。個人で酸
性雨対策に取り組
もうという意識は
薄いので、県や国
や世界的な取り組
みが中心となって
いる。
世界全体での
対策
国での
対策
県や市の
対策
市や県での対策
市や県においては、酸性雨の原因
となる硫黄酸化物、窒素酸化物な
どの発生を抑制するため、工場・事業場から、これら
の物質
を抑制するための種々の規制を実施しているほか、自
動車
の運転による燃料使用量の削減、
排出ガスの量の削減の
ための対策を行っている。
やはり、原因物質を取り除
主に県では、環境省と連携を取りながら、酸
性雨の影響と実態の把握に努めているところ
が多い。
また、各市町村では、中国人技術研修生を積
極的に受け入れ、協力して酸性雨対策に取り
組んでいるところもある。
市町村単独で、具体的
な酸性雨対策をたてて
いるところは少なく、
県や国と連携している
市町村が多い。
国での対策
日本では昭和58~62年度、昭和
63~平成4年度、平成5年度~
9年度、平成10~12年度の4度にわたって、酸性
雨対策
調査を実施し、降水、土壌、植生の継続的なモニタリ
ング
や各種影響等の予測モデルの開発などが実施されてい
る。
また、全国の観測地点において降雨のpH測定も実施
され
ている。何回かの測定によって、日本の酸性雨の現状
東アジア酸性雨
モニタリングネットワーク構想
この構想は、酸性雨対策の取り組みと国際協力
を推進するために、1993年に環境庁によって提
唱されたものであるエネルギー事情から石炭に
依存せざるを得ない国も多く、硫黄酸化物や窒
素酸化物の排出量が顕著に増加しており、事態
は
深刻になっている。こうした事情を踏まえ、酸
性雨
による影響の未然防止を目的として、地域協同
世界での対策
酸性雨の被害が著しい欧米諸国
では、影響の拡大を防止するため
に、1979年に長距離越境大気汚染条約が締結され
た。
酸性雨原因物質の削減を進めるとともに、共同で酸性
雨の
モニタリングや影響の解明に努めている。
また、東アジア地域では、地域共同の取
り組みの第一歩として、東アジア酸性雨
モニタリングネットワークが稼動している。
主な環境条約・議定書
長距離越境大気汚染条約
1979年締結。ヨーロッパ諸国を中心に49カ国が加盟。
ヘルシンキ議定書
硫黄排出30%削減にかんする議定書。1987年発効。
ソフィア議定書
窒素酸化物排出規制とその越境移動に関する議定書。
1988年採択、1991年発効。
オスロ議定書
硫黄酸化物削減に関する議定書。1998年発効。
今後の取り組みの方向性
酸性雨原因物質を抑制していくた
めに施策を考えていく。
環境省の調査結果や対策研究を
十分に取り入れながら調査を行
う。
調査結果をもとにして、適切な
施策の実施を行っていく。
まとめ
 酸性雨対策は個人ではなく、市町村や県、国や世界
などといった、大規模な取り組みが行われている。
 酸性雨対策に取り組む前には、さまざまな環境調査
が必要である。
 調査結果をもとにして、その土地の環境に適した対
策を計画しなければならない。